たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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あー、金曜にアップが間に合わなかったー。
という訳で、なし崩しの深夜アップ。

今回から再び2199年の地球篇です。
とはいえ、ガラッと旋回までとは雰囲気を変えた、幕間的な話。
ぶっちゃけ脳ミソと思考力軽量化仕様の微エロコミコミ回ですw

何というか……戦闘シーン書きすぎた反動がねw


あっ、ついでに三番目の種族とかも明らかになります。










第63話:”首輪物語 宇宙的地雷少女と地雷原でタップを刻む男”

 

 

 

 さて、舞台はようやく2199年夏の地球へと戻る。

 

 出航まで1週間を切ったある日、古代進(連邦軍大尉)は、飼い兎の山本玲(同軍少尉)と何故か気に入られてしまったイスカンダル特使にして第三王女”ユリーシャ・イスカンダル”を引き連れて”首輪屋”に来ていた。

 言っておくが誤植ではない。誤字でもない。ついでに言えばアダルトショップの類でもない。

 

 普通に呉の商店街の片隅にあるアクセサリーショップだ。

 店名は、”ケットシー”。となれば、そこの店主は……

 

「いらっしゃいませニャ」

 

 ピコピコとよく動くトラ縞のショートボブの髪にネコ耳、ついでに先だけ白い尻尾。

 そう、満を持して登場した(フライングで出ていたのが2191年ごろに居た気もするが……)”地球連邦に属する三種の神器ならぬ三種の獣人系”の最後の一つ、惑星”キャスパリーグ”原産のネコ型獣人、”シャパリュ人”だ。

 ただし、故郷でのどかな生活をおくってるだろう同族はともかく、都会派を自認する母星外生まれや母星外で生活を営んでる彼ら彼女らは自分たちを”キャーティア”ないし”キャーティアン”と呼ぶ。スペル的には”Catian”の筈だが、”キャティア”や”キャティアン”と短くすると「なんかお酒の一種っぽくて可愛くないから」という理由で嫌がる(シャンパンの銘柄(ブランド)で確かにそんな名前が存在する。美味いんだが)らしい。

 更に特殊な訓練(?)を受けたキャーティアンの中には、自分を”にゃーてぃあ”や”にゃーてぃあん”と呼ぶ「あざとい」者もいるらしい。

 

 どうもあまり他種族に口外しないキャーティアンの価値観だと、シャパリュ人というニュアンスには、「文明生活になじめない野蛮人」みたいなものがあるらしい。

 「家ネコがイリオモテヤマネコを見る感覚」だろうか?

 

 確かに本来のキャーティアンは、大変に優れた戦士としての資質を持っている。

 獣人系は例外なく地球原産種(アーシアン)より身体能力が明確に勝るが、瞬発力と加速力に優れたアルミラージ人(ラビティアン)、パワーとスタミナに秀でたエクリプス人(ホーシアン)に対し、シャパリュ人(キャーティアン)が誇るのは敏捷性と跳躍力だ。

 比喩や諺でなく「飛ぶ鳥を落とせる」のは、キャーティアンの大きな特徴だろう。

 

 キャーティアンは他の2種の獣人系と比べて「母星への帰属意識や郷土意識が低い」というより、「気が向いたら自由気ままに狩りができる母星と、都会に憧れそちらに適応する者たちの”二極化が激しい”種族」だった。

 また、他の二種と違って群れるのをさほど好まず(群れに適応できないわけでは無い)、獣人系では珍しく一夫一妻を好み、また大企業ではなく個人商店などでの独立独歩での成功を夢見るのが普通だ。

 加えて個人投資家(デイトレーダー)が多いのも特徴だろう。

 一言で言ってしまえば、「自由と放埓を愛する気ままな民」というところだろうか? なので軍や警察、あるいはお堅い公務員には居ないわけでは無いが非常に数が少ない。

 そういう意味では、目の前の店主だか店長だかは、「都会でまあまあ成功してるキャーティアン」の部類だろう。

 

 因みに”首輪”というのはキャーティアンの「種族を表すマストアイテム」と言ってもよいアクセサリーで、遥か昔から遺跡の出土品でも凝った意匠の物が出てくるくらい、長い歴史種族的に愛されてきたものだった。

 多分、キャーティアンが獣人系の中では特に手先が器用で、細工物を得意としているのも大きいだろう(なので、デザイナーや職人などを目指す者も多い)。

 

 という訳で、キャーティアンがこの手のセレクトショップにいるのは珍しくはないが、問題があるとすれば、進がユリーシャを連れて来た理由だろうか?

 

「ねぇ、ススム、ススム、これユリーシャに買って♪」

 

 と彼女が手に取ったのは、”ガチなデザインの首輪”だった。

 この”ケットシー”には、「お洒落なチョーカー」と呼べるものから、「リードをつければそのままお散歩プレイ」ができそうな物まで、価格帯に応じて各種取り揃えてある。

 そして、ユリーシャが気に入り選んだのは、モロに後者である。

 おそらく光沢があるのに柔らかい風合いの漆黒の鞣革に、肌を傷つけないようにベルベット系の裏張り(ライナー)が組み合わせてある。

 そう言えば、呉市から瀬戸内海沿いに尾道市や倉敷市を通り抜け北上した先には姫路城で有名な姫路市があり、姫路城は第四次世界大戦の余波で一度半壊してしまった(現在は再建されている)が、ここには戦後の混乱期にもめげずに受け継がれた、”隠れたご当地名品”がある。

 それは……

 

「もしかして、”姫路レザー”?」

 

 と割とジャンルは絞られるがファッションに明るい面を発揮したこの世界線の古代進である。

 実は進、普段着としてヴィンテージデザインのフライトジャケットを夏を除き普段着として愛用していて、特に春秋に別々のブランドの色合いやデザインが微妙に違う”A-2”タイプを数着所有し着まわしてることから、きっとフライトジャケットだけでなくレザーとかも好きなのだろう。

 冬はやっぱりB-2やB-3を着てるし。

 存外に軍人の中でも飛行機(ヴァルキリー)乗りを目指したのは、そんなところも影響してるんかもしれない。

 そういえば昔、”国連宇宙軍 第810飛行隊 フライトジャケット”として作中に出てきたコスモファルコン隊が着ていたフライトジャケットのレプリカが、実際に公式で発売されたことがあるらしい。

 

「お客様、お目が高いニャ♪」

 

 むふーと自分のセレクトの確かさが認められたような気分になり、非常に満足げなぬこ店長である。

 

「それに、これにはチャームにも秘密があるのニャ」

 

 と手に取る。よく見れば玲が愛用してるペット用のそれ(無論、進に贈られた物)ならネームプレートがある部分には、割と主張が激しい厚めのハート型チャームが揺れていた。

 色は不思議な七色に輝きどこかオーロラを連想させ、また下品にならない程度に小粒の半貴石が夜空の星をイメージするように散りばめられていた。

 よくよく見れば、その大きくはないが厚みのあるチャームには鍵穴がついていて、首輪の留め具になっているようだ。

 

「このチャームは南京錠(パドロック)になってるニャ」

 

 説明しながら小さな鍵を鍵穴に差し込み回すと、カチャンと小さな音を立てて開城される。

 小さいがチャチさはなく、むしろ精巧さを感じさせるしっかりとした作りだった。

 

「細工に凝った一点ものだから、お値段はそこそこするけど……」

 

 店長はチシャ猫のようににんまり笑い、

 

「”ご主人様にしか開けられない首輪をつけさせる”……その意味が分からないほど、お兄さんは鈍くないと思うけどニャ?」

 

ススム、これにしよ♪ ワタシ、これがいい♡

 

 うきうき顔のユリーシャ……目がマジだった。ついでに少し濁ってる気がする。

 何やら非常にヤバい気配がしないでもないが……

 

「まあ、いいか。値段もそこまで高いわけじゃないし」

 

 と相変わらず即断即決の男、古代進。

 ついでに金銭感覚がちょっとおかしい。衣食住が保障され、平均年収が2021年現在の日本円換算で1500万円を超える連邦軍人(高給取り)なら仕方ないかもしれないが。

 因みに若くして大尉の進の年収は、当然のように平均より高い。

 ついでに言えばこの時代、実家は地球の三浦市に大きな邸宅持なので、意外と育ちの良いいいとこのお坊ちゃんなのかもしれない。

 まあ、性格的にもそれっぽいと言えばそれっぽいし、兄弟そろって高級軍人だしね。

 

ススム、ユリーシャにつけて?

 

「今、ここで?」

 

いま、ここで

 

 それは考えようによっては近い将来、とてつもなく面倒臭い政治問題を引き起こしそうな気がしないでもないでもないが……

 古代進という男をなめてはいけない。

 特に彼は異星起源の少女や女の子や女性が絡むと、無自覚にピンの抜けた手榴弾でジャグリングし、地雷原でタップを刻む男だ。

 政治問題など、ユリーシャを笑顔にすることに比べれば、どうということはないのだろう。

 

 ”かちゃん”

 

 黒革の首輪がユリーシャの細い首に回され、ネコ耳店長の手で開けられた錠が進の手で閉ざされた。

 もう、その首輪は進が持つ鍵でしか開かない。生まれて初めて感じる、自分の意志ではどうにもならない、束縛感という名の悦楽……

 首輪で縛られることで、「自分が誰の()()になったか?」を強く感じたその瞬間、ユリーシャは女としての自分が刺激され、胎内(なか)からじくじくと湿り気を溢れさせ、太ももの内側をつぅーっと伝っていくのを確かに感じた。

 

 そして同時に、自分がどうしようもなく「イスカンダルの女」だということも……

 

(もう、ユリーシャは、ススムに縋って生きていくしかないんだね? 無様に、惨めに、どこまでも堕ちて♡)

 

 だが、その内心のセリフとは裏腹に、心は歓喜に満ち、肉体は素直に快楽を求め、その笑顔はどこまでも愛らしく美しかった……

 

 さっきの鍵が閉まる音は、もしかしたら進の「他の可能性へ続く扉」の鍵が閉まる音だったのかもしれない。

 そう、「ユリーシャのご主人様にならない」という事象で起こる可能性のすべてが閉ざされる音……

 

 

 

***

 

 

 

 だが、他のすべての可能性が閉ざされてしまっても、迷うことはないだろう。

 古代進とはそういう男だ。

 

 しかし、ここで綺麗にまとめすぎても芸がない。

 なのでカメラを少しパーンしてみよう。

 

「人がメス堕ちする瞬間を初めて見たニャ……」

 

 なんだか”ハチクロ”めいたことを言い出すヌコ店長に、

 

「あれが我らが主、進さんの正しき在り方というものです」

 

 何故かドヤ顔のウサ娘。

 

「お客さんも大概だニャ」

 

 

 

 とりあえず、今日も地球は平和であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、地球連邦に加盟する三番目の獣人系は、キャーティアンこと”シャパリュ人”の皆さんでしたw

実は元ネタがありまして、アニメ化もされた”あそびにいくヨ!”という作品のメインヒロインの種族である”猫系宇宙人”の「キャーティア」です。

まあ、ここのキャーティアンの皆さんは、連邦と接触する前は普通に惑星文明で、間違ってもイヌやトリと険悪にはなってませんですが(というか、そもそも三種以外の獣人系とは未接触です。近場に居ないのかな?)

基本的に、元ネタの皆さんよりもっとケモ寄りの生活や風習です。
ただし、地球連邦の「文明的な生活」に最も早く高い適応をみせたのもキャーティアンで、それが理由で生活スタイルの二極化が進んでいます。

自由気ままを好むので、軍隊が中心となるこのシリーズでは、あまりネームドキャラで登場しない種族ですw






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