たまには地球がチート臭くても良いのではないかと 作:ヤマトとトマトはなんか似てね?
今回は、登場が久しぶりーなキャラとか、作中内の時間的に久しぶりーなキャラとか出てきます。
「なあ、伊東さんや……やっぱ古代アケーリアス文明は、”コスモ・じゃぱリパーク”を作ろうとしたんだと思うんだ」
同じくここは呉の街。ヤマト出航がいよいよ間近に迫ったため、拠点を呉に移した毎度おなじみの……でも登場が随分久しぶりの転生者、槙原康介代議士は、最近、主食がお好み焼きになってることが気になりながらそう切り出した。
「またその話ですか?」
聞き飽きたと言わんばかりのうんざり顔なのは、こういう表情がよく似合う、最近「槙原さんの相方」呼ばわりされて内心キレかけた伊東真也である。
一応、軍の保安部所属で中尉の階級持ちのはずなんだが……周囲からはすっかりそのことは忘れ去られていた。
本人的には「上からの命令を忠実に遂行してるだけ」なのだが、周囲からは「伊東? ああ、軍辞めて槙原議員の秘書になったって聞いたぜ」という噂が、半ば事実として認識されていた。
これも長く一緒に行動し過ぎた弊害だろうか?
まあ、槙原は槙原で、「軍服姿でそばに居られると堅苦しくて困る。せめて護衛するなら私服で頼むわ」というオーダーで、伊東がそれに素直に従ってるため、余計にそう見えるのだろう。
お陰ですっかり呉の街のお好み焼き屋事情にも詳しくなってしまった。
「いやさ、ニャン娘見るたびに思うんだけど……絶対、サーバルちゃんとか混じってるのいるよな?」
「は? サーバル? 誰です?」
「ほら、いるじゃん? サバンナとかに居るカラカルとかが女の子っぽくなったような感じの」
何やら説明としてはひどく間違った方向性の気がするが……
「カラカル? 猫の仲間でしたっけ? 残念ながら私は犬派です。実家にいた頃は飼ってましたしね。犬は良い。気まぐれな猫と違って従順で忠実だ」
昔からよく「犬は人につき、猫は家につく」と言われるが、あれは習性の違いだ。犬は本来群れで生きる動物で「人も含めた」群れの長に従うし、群れの序列も重要視する。よく家族に嚙みつく躾のなってない犬なんて話題があるが、あれは別に悪気があるわけでは無く「
逆に猫はライオンなどの一部例外を除くと群れで常時行動する習性はなく、犬よりも縄張り意識が強い。つまり、飼われてる家=自分の縄張りと認識する訳だ。人間とは、「都合がよいから一緒に縄張りにいる」共生関係にある感覚らしい。
他にも何やら含みがありそうな言い回しだったが、
「そうか、伊東君は
とウザ絡みする槙原に伊東は露骨に嫌な顔をする。
「何やら非常に不愉快な言い方をされた気がするんですが……それと君とさんをコロコロ入れ替えるのやめてください。頭がおかしくなりそうです」
「親愛の情を示してるつもりなんだが……」
「貴方みたいな変人と友誼を結ぶ気は……ん?」
その時、ふと伊東が視線に捉えたのは、
「おりょ? 古代君でねーの? はぁー、美人を二人を連れ立って文字通りの両手に花ってか? 羨ましい身分だねー」
その後も、「社会的立場は俺の方が上のはずなのに、なぜ俺は顔面が玄武岩みてーなオッサンとばっか顔を突き合わせる羽目になるんだ? ひょっとしてテレサに”女除けの呪い”でもかけられたか?」とぶつくさ言っている槙原。
もっともテレサ本人に聞かれれば、『かけてないよ? きっと、コースケはテレサとしか縁がないんだよ♪』と割と恐ろしいことを言いそうである。というか、テレサが言うと結構洒落にならない。
「……よろしいんですか?」
「何がだい?」
「仮にも連邦軍人、それも機密兵器の試験を行う身分の者が、
「ありきたりのハニトラとかそういう話?」
無言でうなずく伊東に、
「無意味だよ。相手はたかが一介の大尉だぜ? これが沖田大将とかなら少々頭痛がするが、あの人も若い嫁サン捕まえたばかりだし心配いらんだろ」
正確には、「若い嫁さんに寝込みを襲撃され捕獲された」だが。まあ、早速ジュニアができるくらい夫婦仲は円満のようなので、今更とやかく言う話ではないが。
もっとも世の中、「若い嫁さん貰ったから浮気しない」なんて法則は存在しないが。ただ、そうなったとしても「自分から引き離そうと(強奪しようと)しない限り」は、地球女にしては沖田早紀は寛容な方だ。
ぶっちゃけ、沖田十三がハーレム√に進むとしても、「そういう方針にしたの?」で流しそうな一面がある。
「あれもまあ、一種の異文化コミュニケーションだと考えれば、そう目くじら立てる必要もないだろうさ」
(もっとも古代進は、一介の大尉で収まる
「それにあの男は、異星女のケツに惑わされて連邦を裏切るようなタイプじゃないさ。むしろその逆。骨の髄まで惚れさせてホイホイ裏切らせるタイプだ。保安部もそんな認識でねーの?」
(それが主人公補正ってモンだろうしな)
「おっしゃることは、まあわからなくもないですがね。心情的にはわかりたくはありませんが」
「ああいうのは放置するに限るさ。そうすりゃ勝手に面白い方向に転がっていくもんだ」
とまあ好き勝手言ってる槙原ではあるが……だが、彼は肝心なことを忘れている。
生まれた意味があるなら、呼ばれた意味もある。
彼がそれに気づくのは、おそらくは自分も「愉快で面白い目」にあってからだろうことは、想像に難くない。
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さて、場所を移そう。
ここは”SSX-Y001 ヤマト”の提督室。
「アナライザー、案内ご苦労だった」
「イエ。”彼女達”ハ私ト”同種ノ存在”デス。コレモオ役目、労イハ不要デス」
そう告げて部屋を去るヤマトの独立型
「それにしても、久しぶり……と言うべきかね?」
数年ぶりに見る、「何もかも」とは付かないが懐かしいと感じる顔に、沖田十三は相好を崩した。
すると、二人の少女……いや、少女と幼女は、
「適切とも言えますし、そうでないとも言えます。私は以前”タチバナ”でお会いした私とは肉体的には別個体ですが、
「ルリお姉さまかたーい。沖田の
こうなる事は実は沖田は半ば予想していた。むしろ、いつ来るのだろう?くらい思っていた。
理由は簡単だ。ヤマトが最重要の任務を背負った特務艦だというのなら、「この世のあらゆる事象を計測できる可能性がある」とされる”オモイカネ”を搭載しないわけなかった。
そして、公式には「ネルガル重工が開発した」とされながら、人類の力だけでは「オモイカネの真価は
これは厳然とした事実なのだ。
沖田はそれを戦場で目の当たりにした。
だから、”二人”がいるのは必然しか感じない。それが地球連邦の、いや現時点での人類の限界だった。
そして異形ながら美少女と美幼女は、その可憐さを引き出すような綺麗な敬礼で、
「”SSX-Y001 ヤマト”艦載オモイカネ・システム専属拡張ユニット人型デバイス、”ルリ21990401”」
「同じく”ラピス21990401”」
「「着任しました(したよ♪)」」
ヤマトは出航への最終段階に入ろうとしていた。
槙原議員と伊東君、そしてルリとラピスが再登場ですねー。(こっそりアナライザーは初登場)
厳密に言えば、ルリやラピスは21910401ロットと同じ容姿でも、「肉体的には別個体」です。
”タチバナ”が現役艦で、そのオモイカネが健在である以上、彼女達は元気です。
まあ、オモイカネや彼女達にも色々秘密はあるんですが、次回以降に少し書いてみようかと。
ヤマトは短ければあと5話以内、長くても10話以内に出航する目途が立ってきましたが……果たして槙原は、いつまで傍観者気分でいられるのか?w