たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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沢山の感想ありがとうございました。
気がつくとバーに色がついててびっくり。赤でさらにびっくり。
「うそん」と思わず二度見しました。
正直、透明のまま連載終了すると思っていたので。
心より感謝を。



とりあえず、今回もオッサン二人しかでてきません。
加齢臭とか平気かな?




第07話:”ホントはヤバい? ガミラスの実態調査。というかこの時点で地球が色々知ってしまう件について”

 

 

 表向きの理由は「イスカンダル主義の全銀河への拡大」、裏の理由は……

 

「まさか国内の”権力を持った不穏分子”、元貴族の軍人に対する始末屋をさせらていれるとは思いませんでしたな」

 

 沖田十三が呆れたように呟けば、

 

「国内で下手に粛清を行えば、いろいろ角が立つだろうからねえ。貴族に限らず権力者なんてのは、国を問わずにどこにどうつながってるのかわかったもんじゃないからね。幸い、ガミラスの貴族は「青い肌の純血主義」、肌が青くない種族を劣等種としてみなすのが当たり前だ。さぞかし煽るのは簡単だったろうな。欲とプライドを少し突けば良いのだから」

 

 と、どこか呑気に返してくる藤堂平九郎。

 もし、ここにデスラーがいたら、『君たちの強さと野心のなさが(粛清するのに)都合がよすぎるのがいけないのだよ』とでも言うのだろうか?

 

 実際、地球連邦の戦闘艦艇は強い。

 当然だ。現在の主力となっているのは、拿捕したガミラス艦を徹底的に解析し、ナデシコE型をはじめ地球連邦の従来艦艇から戦闘に必要な要素だけを抽出し煮詰めたような……「ガミラス艦にとってのハンター」になるような船ばかりだ。

 例えば、その代表格は、

 

・コンゴウ型装甲巡航艦

・ムラサメ型打撃駆逐艦

・ユキカゼ型コルベット

 

 だろう。ガミラスとの会戦後に設計/大量建造がはじまったこれらの船は、全ての性能において勝るとは言わない(というか明確に劣る部分もある。例えば、超光速航行能力とか)が、とにかく戦場で出会ったガミラス艦を沈めることに特化していると言っていい。

 ただ、それにしてもキルレシオが最近は異常……数字にあげれば1:15以上、つまり地球艦が1隻沈む間にガミラスの船が15隻以上沈んでる計算になるので、性能や数の差以外にも何かあるとは思っていたが、

 

「呆れますな。そんな理由で地球連邦は侵犯されていたんですか? それにしても、それがなぜ今になって奴さんたちは和平……いや停戦を言い出したんです? 国内の統治に邪魔な貴族を我々が殺しつくしたからですか?」

 

 なるほど。敵が正規軍ではなく貴族の私設艦隊モドキというのなら、今一つの戦術やそこはかとない練度の低さも納得できる。

 

「そこまで狩りつくしてはいないさ。適度に間引きはできているだろうが」

 

「我々は開戦以来、通算1万隻以上のガミラス艦を沈めてるはずですが……どれだけ国内に不穏分子を飼ってるんですか? ガミラスは」

 

「それを私に聞かれても困るが……元貴族たちの問題に片が付きはじめてるのは確かだろうが、和平を模索している理由は他にもある」

 

「……まだあるんですか?」

 

 いい加減、うんざりしてきた沖田だったが、

 

「そんな顔をするなって、沖田君……これから話すのは、ガミラスが覇権主義を選択し、拡張政策を行っている()()()()についてだ」

 

 

 

***

 

 

 

「なんですとっ!? ガミラスの母星が、後一世紀もしないうちに人が住めない星になると……」

 

「ああ。イスカンダルのお墨付きだそうだ」

 

 要約すればそういうことだった。

 そもそもガミラスの始まりは、約1000年前に大マゼラン星雲に辿り着いた「焼け出され、新たな落ち着き先を求め宇宙を放浪していた()()()()だったのだ。

 着の身着のまま彷徨ってた彼らは、自分達の母星(こきょう)への航路すら失っていた。いや、それどころか実はこの時点で、彼ら彼女らは自らの民族名すら失伝していた。正確な記録はないそうだが……もしかしたら、幾つもの世代をまたぎ彷徨っていたのかもしれない。

 出会った彼らを哀れに思い、新たな移住先を見つける手助けをすることに決めたイスカンダル人だったが、青い肌と紫の血液を持つ彼らの生存に適した星は中々見つからなかった。

 だが、何の偶然かイスカンダル人が人類の生存に適さないと思い込んでいた双子星、”ガミラス”こそが彼らの最善の星だったのだ。

 イスカンダル人は彼らを隣人として迎え入れ、放浪の民だった彼らはガミラスを新たな母星と定め、ここを故郷とする覚悟とともに自らを”ガミラス人”と名乗るようになった。

 そして同時に生まれたのが命の恩人、いや種族の救世主である「イスカンダルへの信仰」だった。

 

 さて、そのガミラスは大気も水もあるのに、なぜ人類の生存に適さないとイスカンダルに判断されていたのだろうか?

 水質? 大気中や土壌の微量な有毒物質? 放射線?

 それらのこともあるかもしれないが……本質的には、()()()()()()だったからだ。

 現在、地下深くで星の構成物質の化学変化が起きており、一世紀後には有毒ガスが吹き出し、海は遠からず微生物さえ生きられぬほど汚染され、大地は場所によっては液状化する……それが、100年後の確定事項だというのだ。

 

「つまり、こういうことですか? ガミラスの覇権主義的拡張政策は”表も裏も()()()()()()()()、真なる目的は”移住先の発見”であると?」

 

「そういうことになるな」

 

 沖田ははぁーーーっと大きな溜息をついて、

 

「戦争を隠れ蓑に新居探しとは、何というか……」

 

「言いたいことはわかるさ。だが、そこで呆れるのは簡単だがそれでは話は進まん」

 

「そうですな。とりあえず、優先して聞いておきたいのは、ガミラスは……いや、デスラー総統もその事実を知るであろう政府高官も、なぜそれを公にしないのですか?」

 

 予想はつくが、これは事実確認のようなものだ。

 

「ただでさえ元貴族などの不安定要素があり、国家としてとても一枚岩とは言えないガミラスにおいて、『母星はあと100年で住めなくなります。ですが移住できる星は見つかってません』などと言ったらどうなると思う?」

 

 質問を質問で返すのは会話としては減点対象だが、沖田はその意味をわきまえていた、

 

「内戦待ったなしでしょうな……間違いなく。しかし、ガミラス人が住める惑星はそんなに見つかりにくいものなのでしょうか? 今、彼らは連邦内の惑星に捕虜として収監されてますが、医療用ナノマシンの投与以外、別にこれといった処置はしてませんが特に目立った健康被害はないようですが?」

 

「私も詳しくはわからないのだが……ガミラス人は惑星ガミラスの現在の環境に特化しすぎている為、他の星の環境への適応力が極端に低いらしい。ガミラス以外の惑星で数年程度なららともかく、十年以上の長期滞在となると途端に抵抗力が減退し、風土病などの罹患リスクが跳ね上がるらしいな」

 

 何やら人伝(ひとづて)で聞いたような不確定な話ばかりだが、真偽のほどは別にして「ガミラス人がそう思い込んでいる」という方が価値のありそうな情報だった。

 

「……彼らはの祖先は宇宙を放浪していたんですよね?」

 

「宇宙船の環境は人工的に整えられるからな。だが、この先ずっと船上生活ができると思うかね?」

 

「ならばコロニーなどの居住用人工天体の構築などは?」

 

 あれほどの数の艦隊を整備できるなら、不可能とは思えないが……

 

「今のガミラス人のメンタリティー的に、ほぼ不可能だそうだ。その決断をした途端、閉塞環境での生存の不安から内乱勃発。仮に移住できたとしても、暴動リスクが洒落にならないらしい」

 

 何とも我儘な話だと思わくもない。というか、そんな理由で侵略された惑星の人々には同情を禁じ得ないところだ。

 

「しかし、ガミラスは我々と同等の、特定の分野においては我々を凌ぐ科学技術を持っているはず。遺伝子操作なりナノマシン・インプラントなりで他の惑星でも生きられる自己強化はできそうなものですが……」

 

 沖田の言うことにも一理ある。

 例えばガミラスが使う戦闘用アンドロイド、通称”ガミロイド”にはナノマシン・テクノロジーが使われているはずだ。

 それより驚くべきは、「ガミラスと同等」とさらりと言える地球の科学力だろうか?

 

「沖田君、君は医療用に調整されたナノマシンが、ガミラス人に投与されていた痕跡を見たことがあるのかね? いや、ガミラス人だけでなく共に捕虜になった他の被支配民も(いせいじん)含めてだ」

 

「……そういえば、そんな話を聞いたことはありませんな」

 

 考えてみれば不思議な話だが、

 

「多分に推測も入ってしまうがね……おそらく、ガミラス人にとりナノマシンは”工学的な産物”であり、人体に使うような”医学的な物ではない”という発想なのかもしれない。そもそも、そういう概念が最初からないのかもしれないな。例えばの話だが、彼らの”応急救急医療(ファーストエイド)キット”を見たことはあるかね?」

 

「いえ、ありませんが」

 

 藤堂はため息をつき、

 

「下級兵士に配られる物から高級士官用のそれに至るまで、どれも地球の基準によれば『ナノマシン治療が普及し一般化する前、少なく見積もっても軍事博物館にしかないような100年以上前の軍用骨董品』と酷似しているそうだよ」

 

「……なんとも歪ですな」

 

 縦横無尽に大量の宇宙船を飛ばす技術があるのに、医療は未熟……

 医療分野と演算/I-IFS(インタラクティブ・イメージフィードバックシステム)などのインターフェース分野に特化してきた地球とは余りに異質だった。

 

「彼らにとって、それこそが正しいナノマシンの使い道なのだろうね」

 

 藤堂の言葉に、ほんの少しだけ沖田は和平の道が遠のいたような気がしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オマケ設定
「やられ役だって頑張りたい」(某中二病でも……風に)


☆☆☆



ムラサメ型打撃駆逐艦(改訂版)

ネームシップ就役:西暦2195年

全長 205m

デザイン 砲数、配置違い。全体的にオリジナルを引き延ばした感じ。ただし上面の背負い式2基の陽電子ビーム砲塔はオリジナルの金剛型に近いイメージで全周囲射界を確保。

機関 
・重力補助型熱核反応炉(ほぼマクロス式)
・重水素/反重水素型反物質炉(対消滅/対生成機関。スタートレック式に近い)
・真空相転移炉(ナデシコ式)
   
防御装備
繭状重力歪曲場防御壁(ディストーション・フィールド)
任意箇所発生単位相光波・磁場防御力場壁(ディフレクター・シールド)
多層蒸散剝離(ラミネート)耐ビームコーティング(外装表面)
・エネルギー転換装甲材(膨大なエネルギーを生かした可変強度素材)
非常時展開型艦内重力隔壁(ディストーション・ブロック)

攻撃兵装
・艦首単装40.6サンチ長砲身陽電子ショックカノン×1(固定砲。原作アンドロメダ級戦艦の40.6センチ三連装収束圧縮型衝撃波砲の前身的位置づけのビーム/実体弾両用砲。原作の村雨型宇宙巡洋艦どころか村雨改型宇宙巡洋艦を上回るエネルギー量を誇るため、圧縮陽電子ビームの場合の発射速度はアンドロメダの1門あたりと同等であり、また実体弾は液体装薬ではなく電磁投射式、いわゆるレールガン方式で発射される。また対艦砲弾としては”三式徹甲熱核反応弾”を80発搭載)
・28サンチ連装偏向陽電子ビーム砲×5(船体上面に背負い式で×2、下面中央と左右側面に1基ずつ。ガミラスの陽電子ビーム砲塔を参考に開発された武装だが、重力レンズを砲口部に搭載することによりビームの偏向、また2門同時斉射の場合はレンズで収束し一本のビームとして放てる。何気に後の重力子スプレッダーなどに続く技術。上面2番砲塔と下面/左右砲塔は水平方向全周囲旋回可能で後方への射界も確保。垂直方向は重力レンズの偏向で対応)
・光子魚雷発射管×4(魚雷搭載数24+4本)
・単装位相重粒子ビーム(フェイザー)砲×4(ポールマウント砲口と不可視の力場砲身の併用で死角のない射界を持つ。2基1組で艦首の左右のフィンに埋め込むように搭載。両用砲的な扱い)
・汎用16セルVLS×2
・連装30mmパルスレーザーCIWS×8

非殺傷装備
・トラクタービーム(重力アンカー兼用)
・重力ビーム送電装置
・各種超光速通信機材一式
・高出力投光器など

特殊航法装置
時空間歪曲型(フォールド)超光速航法装置(マクロス式。現状最も遠距離に短時間で到着できるが機関負荷が大きくフォールドアウト地点の設定がシビア。1ジャンプ200光年が標準だが、緊急出力での跳躍では500光年跳躍も可能だが機関メンテが必須)
・通常空間加速型超光速航法(ワープ)装置(スタートレック式。2199年現在はワープ9.975=光速の5754倍相当がこの航法の最高速。速度だけでなく1回あたりのワープ航行可能時間も延伸している)

搭載機(2199現在)
・空間汎用輸送機 ”SC-87 コスモシーガル”×2機(専用デッキ)
・汎用人型空間作業機”MHU-89 エステバリス5”×4機
・90式空間機動甲冑×4機(常設ではなく任務に必要と判断された場合に搭載)
・小型無人多目的ドローン(ナデシコのバッタなどの子孫)

特記事項
・ブロック工法での設計のため従来の地球艦より短時間で大量建造可能
・自動化が進み、またヴァルキリーなどの大型の航空兵力を運用しないため、少ない人員でも運用可能
・艦橋に見える部位はなく上面の一番高い部分は2番砲塔。艦橋機能はコンゴウ型と同じく艦重防御区画最深部の”CICルーム”にて行われている。



備考
 超光速航行能力以外は2202の”村雨改型宇宙巡洋艦”をあらゆる面で凌ぐ船。この世界線では2199時点での地球の主力艦の一角。
 ただし、コンゴウ型が巡航艦のため、艦種は打撃駆逐艦に収まっている。
 基本的にはオリジナルを全体的に大きくした感じだが、砲はガミラスのクリピテラ級航宙駆逐艦の砲塔デザインをほぼ丸コピしたものなので、船体と砲塔の大きさのバランスは変わらないが、左右に1基ずつ追加されたことと、上下面でも配置変更があったため、わりと重厚に見える。
 打撃駆逐艦の名にふさわしく、大型化に伴い特に火力が増強されていて、例えば艦首のショックカノンは固定砲とはいえ、砲身途中の陽電子収束器がまだ開発されていないにも関わらず、長砲身化や高い出力のため2202のアンドロメダ級戦艦の主砲1門に匹敵する威力/射程/発射速度がある。
 陽電子ビーム兵器と考えただけでも、セルグート級大型戦艦やそれ以上の防御力を持つ船を除く大抵のガミラス艦の正面装甲をアウトレンジで射貫けるのに、加えて火薬式から電磁式に改められた実体弾が、物理攻撃に強くない(耐ビームコーティングの一種であるミゴウェザー・コーティングが役に立たない)ガミラス艦には厄介だろう。
 射程はビームに比べれば短いが威力は絶大で、表面のラミネート耐ビームコーティングと発射から命中までの短時間フェイズシフトするエネルギー転換素材の弾殻と弾芯、そしてその中身はマクロスでお馴染み熱核反応弾の三式徹甲熱核反応弾はかなり凶悪だ。
 砲弾は自己追尾誘導(ホーミング)こそしないがスラスター噴射の軌道修正機能付きでそこそこ命中精度があり、しかも敵艦にめり込んでから爆発するようセッティングされている。因みにF以前のマクロスの熱核反応弾は”純粋水爆”に近いものであるらしい。
 この艦首砲に加え大口径化され重力レンズまで付いた陽電子ビーム砲が連装5基10門、お約束のフェイザー砲や弾速は遅く射程も短いがホーミングし実は反物質兵器で威力絶大の光子魚雷と一通りの装備は揃え、少なくともガミラス相手なら簡単に『やられ役』と呼ばれないだけのスペックは持っている。
 防御力の圧倒的差も相俟って同級に近い格下、クリピテラ級航宙駆逐艦を圧倒できたし、少し大きなケルカピア級航宙高速巡洋艦や格上のデストリア級航宙重巡洋艦相手でも常に優勢に勝負できたようだ。
 
 ガミラス戦役当時の建造数は2000隻建造されたコンゴウ型の5倍に達する10000隻以上の建造で、ガミラスも嫌気がさしたんじゃないだろうか?




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