たまには地球がチート臭くても良いのではないかと 作:ヤマトとトマトはなんか似てね?
ここ最近、オッサンばっか書いてて作者の心がザブン〇ルのED並みに加齢臭で乾いてしまった事が半分。
もう半分は……どうしても”ある男”を救いたかった、「作者のエゴ」です。
特務艦”ヤマト”には基本的に例外を除き、軍人/軍属以外は乗っていない。
例えば、その例外というのは……
「伊東君、俺、美人のウマっ娘がママさんやってるって評判の飲み屋に行きたいんだけど……?」
「間違いなくウザ絡みして問題起こしそうなので却下します」
『テレサが遊びに来てるんだからいいじゃなーい☆』
「そうです。テレサで我慢してください」
「いや、確かにテレサが居る幸せというのは否定しないが、オジサンとしてたまには
「輪をかけて却下。貴方が飲みに行ったら、一体誰がテレサの相手をするというんですか?」
『そうだそうだー♪』
「……君ら、いつの間にそんなに仲良くなったんよ?」
という会話が日常的などこぞの議員だったりするのだが、いくら全裸系パッキン幼女型精神生命体の後ろ盾があるとはいえ、この男一人に外交を任せるほど地球連邦は度胸のある組織ではない。
***
となれば必然的に、「停戦に至る予備交渉、和平への入口、国交正常化への第一歩」と目される今回のイスカンダル行に相応しい人選、特に”専門家”が必要となってくる。
つまり、外交の、あるいは異文化/異星人/異民族との接触のエキスパートだ。
できれ優れた洞察力と鋭い観察眼、冷静な判断力があれば、なお良い。
今回の航海で、すぐにガミラスとの停戦に至るとは連邦政府とて考えてはいない。
むしろ、相手は比喩ではなく銀河を股に駆けた(似非とはいえ)覇権主義国家。一筋縄ではいかないのは当然で……おそらく、不健全な精神の交渉が延々と続くのも覚悟しなければならない。
価値観の異なる国家同士が「戦争の落とし所を見つける」というのは、地上だろうが宇宙だろうが難題なのだ。ましてや相手はガチンコの宇宙人。
何しろ根本的価値観が違うのだから「欲するゴール」だって当然違う。そこを擦り合わせなければならないのだが……
(それに必要なのは、まず”知る”ことよね)
そう”ヤマト”艦内に与えられた個室兼執務室でつぶやくのは、なんというか名門女子校のブレザー型制服にも見える可憐な服装を身にまとった女性官僚だった。
ぱっと見は「大人びた10代後半の少女」に見えなくもないが、オーバーサイズの胸の位置にくるブレザーのワッペン、その象られたエンブレムは間違いなく地球連邦正規職員のみが装着できるものであり、また身分を示す簡易徽章になってるバッジは、彼女が”外務省”の職員であることを表していた。
それと、とにかく美人だ
クラシカルなデザインのメガネ型端末の奥にあるのは、愁いを帯びたような知性の高さを疑わせない瞳に、絹のように艶やかな黒髪を長い三編みにまとめる。
加えて頭に燦然と輝く髪と同じ黒い猫耳とお尻から伸びるスラリとした黒いしっぽ……そして、圧倒的な存在感の
見ての通り”
彼女はいくつも浮かせたホログラム・スクリーンを見ながら、
「結局、
何とも頼りないものだと、”彼女”……地球連邦外務省特使(兼特命異文化調査官)”翅川巽(はねかわ・たつき)”は考える。
翅川自身、自分がまだ学生だった頃に始まったガミラスとの戦争は、地球連邦の……いや、地球の長い歴史から考えても、異質な出来事と考えていた。
翅川にとっての戦争感とは、『政治の一形態』というありふれた、あるいはドライなものでしかなかった。
彼女の性質上、そこに運命だとか浪漫だとかという要素が介在する余地はない。
「やっぱり、”地球連邦の視点から見た
政治的な行動の一環と定義するなら、戦争にはその”前段階”が存在する。
言い方を変えれば、「通常の外交じゃ解決できないほど国家間の問題が拗らせた時、力業でこれまでの関係をリセットして再構築する」のが”戦争という手段”だ。
無論、そこには相手の国や民族を滅ぼす、ないし自国や自国民が滅びるという選択肢だって入る……が、意図してそれを行うことは滅多にない。人には生存本能というものがある故に、だ。
だが、「結果としてそうなる」事は少なくないとも考える。
それにしても不自然な戦争だ。
例えば、地球連邦と同等かそれ以上の宇宙文明が接触してきた場合、「国境侵犯に起因する軍事衝突」は当然のように想定されていた。
だが、開戦から1年を過ぎた頃にその不自然さに地球連邦、特に外務省は気づく。
テレザート近海だけで一年で大小合わせて三度も軍事衝突、ありていに言えば艦隊戦があったのだ。
地球連邦の基準なら、調査団が入り、停戦するしない関わらず外交使節団が入るのが通例だ。少なくとも地球連邦は、『誰と戦っているのかわからないまま戦争を継続するのは”良しとしない”』からだ。
***
不審に思った地球連邦は、捕虜への尋問を本格化させる。
青い肌を持つガミラス人は、特に階級が上の者ほど、
『下等民族相手に、わざわざなぜ我々が丁寧に外交などをしなければならん』
という態度だったが、それだけで言えば「極端なレイシズム政策を引いた覇権主義の軍事国家」という地球史にも時折登場する勢力となるが、どうもそこまで話は単純ではなかった。
同じガミラス人でも平民出身者は異なる見解を持っていたし、被支配民にしても評価はまちまちだった。
『傲岸不遜極まりない冷酷な侵略者』とする者もいれば、『ガミラスの統治が行われるまでは国はひどい有様だった』という意見もあった。
特に地球連邦が興味を持ったのは”ガミラスの価値観”に則した”被支配民の身分制度”だった。
服従を示した異星人に対する”二等臣民(二等ガミラス人)”という身分は、実は『支配民に対するある種の公平性』を約束する物だった。
どういうことか?
例えば、ガミラスの軍門に下った星々には、それぞれの民族がすんでいた。
分かりやすい具体例をあげれば、作中にも名前が出てくるザルツ人とオルタリア人だ。
確かに出身星ごとの名目上の区分はあるが貴賎はなく、彼らは「二等ガミラス人」という共通フォーマットで語られる。
確かに「高貴な青い肌を持つガミラス人以外は全て二等(下等)民族」とする傲慢さは垣間見えるが、かといって被支配民を奴隷扱いしているわけではないのだ。
そういう心得違いをしてる者も少なからずいるようだが、国家の方針としてはそうでないのは明確だ。
政治のガミラス式においての適正化や市民生活の安定化、更には超光速航行技術を持たない民には、ゲシュタム機関の供与まで行っているというのだ。
このような事例を考えれば、むしろ「積極的に被支配民を、公平性を担保に国家体制に取り込んでる」とも言える。
また具体例をあげよう。
確保した捕虜の中には、少なからず”義勇兵”、つまり自分の意志で進んでガミラス軍に入隊した志願兵がいたのだ。
彼らは語る。
『ガミラス帝国内での母星の地位向上のために銃を取った』
と。ここで着目したいのは、『祖国の再独立のために』ではないのだ。
つまり、彼らもまたガミラスの支配、あるいは統治を積極的に受け入れているのだ。
これは何を意味するのか?
ガミラスは地球連邦と価値観が異なるだけで、『政治を理解していないわけじゃない』。
にも関わらず、”
何とも頭の痛い話だった。
さすがの地球連邦も、ガミラスが『異星人に負けたことがないので、内部で政治的混乱が発生。内部で総統派と旧貴族との軋轢が徐々に表面化しつつある』なんて状況になってることに気づくわけもなかった。
当然だ。捕虜の中に、国家の政治的中枢に係る人物などいるわけないのだから。
***
そして、時は流れ、再び外務省の頭を痛ませる事態が発生する。
地道な尋問と調査と解析の繰り返しで、何となくガミラスという敵対国家のアウトラインが固まってきたころ、その特大の”情報学的
それは168000光年彼方からの使者、”ユリーシャ・イスカンダル”と名乗った。
当時の政治的混乱を、翅川はよく覚えていた。
激戦と呼んでよい最初の3年、次に小競り合いばかりの小康状態が2年ほど続き、そうかと思えば数こそはいるが『明らかに劣化した質』の艦隊での再侵攻だ。
この状態をどう見るかで外務省でも軍上層部でも意見は割れていたが、そこに唐突に次元波動機関とともに回答を持って現れたのが、ユリーシャだったのだ。
その齎された情報に、外務省は一定の納得を示すと同時に阿鼻叫喚となった。
地球が政治的理由やら人口学的拡張限界やらで純粋防衛戦に舵を切っていたが、それでも一応は「対外戦争」と認識していたのだ。
ところが蓋を開けてみれば、『戦争は隠れ蓑で、本命は”
当時のとある外務省職員の嘆きを抜粋しよう。
『何この三重苦……』
中の人繋がりなのは当然なのですが……キーマンを救済するには、このぐらい「強いキャラ」を持ってこないと、駄目な気がして。
阿良々木君とは方向性の違う「重さ」を持つキーマンには、蛇や猿はともかく、蟹の彼女やカタツムリの神様はついてませんから。
生存自体は、正直そう難しくはないんですよ。だけど、おろせない「重さ」を抱えたまま救済となると……
まっ、難しい話はさておき、彼女の簡単なプロフィールを。
翅川巽(はねかわ・たつき)
身分:地球連邦外務省特使(兼任特命調査官)
年齢:20代
元ネタ:当然、化物語の”羽川翼”
キャラデザ:「お下げ&眼鏡の初期型羽川のネコ耳モードをブレザースタイルにした感じ」。10代のころとあまり容姿は変わってないが、年齢を重ねた分、胸が増量してる(年輪か?)
備考
翅川のの苗字は”はねかわ”という元の音を変えたくなかった為。あと、「虫は
巽は翼に印象の似た字を探したため。
一応、意味もあり巽は五行思想で五色の「白」、五(聖)獣の「白虎」に重なり、何気に元ネタと繋がる。
巽は本来”たつみ”と読むのが正しいが、”たつみ”だと、
「辰巳に繋がって、竜と蛇じゃ猫と相性悪そう」
という両親の願いから”たつき(樹)”という読みにしたらしい。巽は卦象で”風”を意味するから、相性も良いと考えたらしい。(猫だけにけものフレンズ繋がりと言ってはいけない)
元ネタと異なり両親健在で、結構愛されてますw
また原作の「家庭事情のややこしさ」は、「家系図的な(あるいは遺伝的な)ややこしさ」に置き換わってる模様w