たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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今回はガミラス・サイドですがぐっと平均年齢が下がりますw

まあ、たまには爽やかな若者たちと美しい惑星の風景でも。




第83話:”拝啓 ビーメラにて”

 

 

 

「ほれほれ、お嬢ちゃん。もっとケツを激しくふらんと、穴が二つ三つ増えることになっちまうぞ?」

 

 とは愛機”DDG410H-4 サーベッサン・ゼードラー”を駆るフォムト・バーガー。

 言うまでもないかもしれないが、別にコックピットに女を連れ込んで、ネレディア・リッケに半殺しにされるようなコトに及んでいるわけでは無い。

 

『くっ! 何故だ!? 運動性は”シュネー・ツヴァルケ”の方が上のはず。なぜ振り切れない!?』

 

 とパーソナルカラーに塗られた”DWG262E-4 シュネー・ツヴァルケ”のコックピットで叫ぶのは、こちらも当然ながらメルダ・ディッツだ。

 

 

 ここはエリア88、地獄の一丁目……ではなく、天の川銀河と大マゼラン星雲の中間点であるバラン星より、3万光年ほど銀河系寄りにあるビーメラ星系の第4惑星付近だ。

 

 さて、バーガーとメルダがこんな所で、なんで”空中戦ごっこ”をしているのかと言えば……

 

 

 

***

 

 

 

「だから性能差じゃないっての。機体の相性とか特性とか言うなら、メリダ、お前さんは機体の特性やら性能やらをまだまだ引き出せてないってことだな。お前さんに足りてないのは才能じゃなくて経験だ。俺に言わせれば、まだ”機体を飛ばしてる”んじゃなくて、”機体に()()()()()()()()()()”ってヒヨッコってとこだな」

 

「しょんなぁ……」

 

 なんか最近、少しづつ残念臭が漂い始めてる気がするメリダにパイロット的反省会をしてると、

 

「フォムト、少しは手加減しなさいよ? というか、どうしてブリッジでアフター・ブリーフィングしてるの?」

 

「まあ、ここなら報告する手間暇省けるし。それにメリダと二人っきりになるとお前、機嫌が急降下爆撃(スヌーカ)するじゃん?」

 

「???」

 

 意味がわかってなさそうなメリダ・ディッツだが、ここ”ミランガル”の長であるリッケ姉は、

 

「当然でしょうが。妹と結婚控えてるアンタが婚前から愛人候補(そういうの)(ねんご)ろとか洒落にならないわ」

 

 まあ、ネレディアの懸念もごもっともだが、少なくとも妹のメリア・リッケが”チキ・チキ子作りレース”で他者の後塵を拝することはないだろう。

 というか、あそこまで色んな意味で仕掛けて仕込んでできなかったら、むしろそっちのほうが凄いかもしれない。

 それに何より、

 

「いや、俺そこまで飢えてねーからな?」

 

 まあ実際、見るからにバーガーは性欲が強そうには見えない。というか、絶対にメリアの方が強い。

 なんなら、まだ「この二人は一体何の会話をしているんだ?」という顔をしている、まだ何気に武闘派とはいえお嬢様育ちのせいで覚醒してないメリダの方が潜在的には強いかもしれない。

 

「そりゃそうだけど」

 

 まあ、体験的にそのあたりは信用しているネレディアではある。

 別に「かつて誘っても手を出さなかった、というか気づきもしなかったこの鈍感ヘタレ!」と思っているわけではない。決して。

 ただ、姉妹の勝敗を分けたのは、「素直さと積極性」が大きいとだけは言っておく。

 フォムト・バーガー中佐、実はこう見えて美人より可愛いものが好きという隠れた側面がある。

 実はこの間もメリアと睦んだ後に、ベッドで心地よい気だるさを感じながらとある少女が投稿したらしい”クラル”猫(?)という動画を楽しんだりしている。

 

 少し未来の希望に満ちた話を一つ……近い将来、専業主婦にジョブ・チェンジしたメリアは一匹の仔猫(比喩ではなく普通の意味。間違っても捨て猫プレイをしていた年齢詐称のキャーティアンではない)を子供の情操教育にも良いと拾ってきて飼うようになった。

 実は内心で一番喜んでいたのは、妻でも娘でもなく実はバーガーだったという話だ。

 整ってはいるが意外と強面のバーガーだが、妻、娘、猫の前ではかなりデレデレらしい。

 

 まあ、今はそんな幸せな未来へ繋がるかどうかの瀬戸際なわけだ。

 

 

 

***

 

 

 

 大体察せられたかもしれないが……実は今、”地球船の出迎え(テロン・エスコート)艦隊”はビーメラ星系、その第4惑星(通称”ビーメラ4”)の近くで停泊していた。

 

 ここに本来存在していた原住生物の文明は、イスカンダルの介入の痕跡があったが330年ほど前に滅んでしまい、今は星の大地の大部分が原生熱帯雨林や未整備の森林に覆われてしまっている。

 だが、特にビーメラ4は地球によく似た大気組成を持ち水も緑も有機物も豊か、地球人なら「生存に適した土地」と太鼓判を押すだろう。

 ただ、惜しむらくは地球連邦は「自国領域内に持て余し気味になるほど人類居住可能惑星を所有」しているので、わざわざこんな所まで足を延ばして植民する理由は皆無だ。

 だが、ガミラスとの地球の二つの合流地点には悪くないポイントだった。

 

 少しだけ舞台裏の話をさせてほしい。

 確かに地球と全面対決していたいわゆる最初期の「激戦の3年間」には、銀河系にも多くのガミラス拠点があり、中には”鎮守府”と呼ばれる規模のものまであった。

 だが、次の「小康状態の2年間」で、ガトランティスに対する防衛戦争も始まったせいもあり、多くの戦力が本国に戻され、残されたのは継続的に「地球連邦にちょっかいをかける(=敵の防衛領域を探る)」だけの艦隊とその基地を維持する戦力だけだ。

 つまり、天の川銀河に配備される通常戦力は、大幅に削減されたのだ。

 逆に言えば、だから今でもガミラスはまだ余力をもってガトランティスと戦えている。

 

 

 念の為に言っておくが、地球連邦領域において、ガミラスの対惑星攻略ドクトリン……”遊星爆弾”なる投石攻撃や星間弾道弾のような大型ミサイルでの攻撃など何の意味も持たないことを追記しておく。

 

 例えば、地球連邦軍はガミラスと開戦する前に主任務に、惑星の堕ちる危険性や航路維持の邪魔になる、あるいは宇宙海賊や星間テロリストの隠れ家になりそうな”小惑星の破砕(メテオスィープ)”やデブリの駆除も主任務に加えていたのだ。

 この手の作業はお手の物で、はっきり言えば遊星爆弾1発など、戦闘艦を出さずとも反応弾を搭載したヴァルキリー1機で片が付く。

 正直、地球連邦にとりどれほど撃ち込まれても”射的”の域を出ないだろう。

 

 そして現在、(貴族の最終処分地に認定されてる臭い)天の川銀河の拠点やら維持は、大半が元貴族有志一同に丸投げだ。

 ぶっちゃけ、もはや基地機能を維持できていない拠点も多く、「基地へ行ったらガミロイドしかいない」なんてことも珍しくない。

 無論、維持不可能で破棄された拠点も多く、それらはとてもテロンの船との合流には使えない。

 ガミラスの沽券と面子に関わる。

 

 では、2199年現在、良いように地球連邦艦隊に粉砕されている元貴族艦隊はどこから出撃してるのか? あるいはどこを補給拠点としているのかと言えば……実は”バラン鎮守府”だ。

  

 つまり、今の地球連邦にちょっかいをかけているガミラス艦隊の多くは、バランの銀河系へ向けられた”亜空間ゲート”から出撃、長距離ワープの後にえっちらおっちらと行軍してやってくるのだ。

 

 そりゃあ、地球連邦に負けるはずである。

 いざ戦場につく頃には、船も乗員も相当に疲労が蓄積してるだろう。どうやら、ガミラスがここ3年は地球連邦近海で惨敗続きなのは、何も元貴族が無能なだけが理由ではないらしい。

 逆に地球連邦は、遠くてもガミラスとの開戦で拡大された”防衛識別圏”で迎撃されているのだ。

 これじゃあ戦いになるわけがない。

 おまけにガミラスとの開戦以来探知能力を地道に底上げしてきた地球連邦は、よほどの例外(イレギュラー)がない限りは万全の状態で手薬煉(てぐすね)引いて待っているのだから。

 

 

 

***

 

  

 

 とまあ、似非とはいえ覇権主義国家のガミラスが天の川銀河に残している戦力は余りにお寒く、道理でイスカンダルの特務船が易々とガミラスの哨戒網を潜り抜け地球連邦と接触できるわけである。

 いや、イスカンダルのことだから、どうせこの現状を確認した上で来たのだろうが。

 

 だが、そのお寒いガミラス銀河系方面の貴重な例外となっていたのが、この”ビーメラ星系”だった。

 どういう事か?

 

 実は、ビーメラ4から僅か30光年ほどしか離れていない場所に、バランにある亜空間ゲートのハブ・ステーション・ゲートがあるのだ。

 ビーメラの文明が滅びた後、事実上、死蔵(放置)されていたゲートを、軍部にだんまりで復活させた者たちがいた。

 そう、”親衛隊”だ。

 

 『ガミラスが版図を天の川銀河に広げるなら、その調査も親衛隊の役目』という大義名分を元に、このゲートを発見し、地球に対する攻撃拠点ではなく、「有事の際に親衛隊が使う”秘密の隠れ家(セーフハウス)”」として整備してきたのだ。

 

 立地条件も、『ガミラスの銀河系方面正規進軍路』から大きく外れ、まず元貴族派閥に発見される恐れがないのも都合がよかった。

 はっきり言えば、常に「自分の勝利」が前提の元貴族に”哨戒任務”なんて地味で地道な作戦に割く思考リソースはないし、あったとしても彼らの自由にできる戦力で、バランから3万光年も離れ尚且つ進撃路から外れて、これといった貴重な資源もない(そしてガミラス人の生存にもワイルド過ぎて向いていない)戦略的価値のないビーメラを哨戒範囲に収めるのは不可能だ。

  

 だが、軍事的には意味のない、「忘れられた星系」を親衛隊が発見できたのは偶然だろうか?

 その可能性は低いだろう。

 しかし、()()()()の基準なら「僅か400年前」に接触した民族が居たのだ。

 おそらく、情報はそこからだろうが……真相は闇の中だ。

 

 そして、その”セーフハウス”の存在を明かし、あまつさえそこを合流地点に使わせるというのだから、今回の作戦に対する親衛隊の本気度もわかるというものであろう。

 もっとも、そんな事情はバーガーの知ったことではなく、

 

「ところでメルダ、地球連邦(テロン)人の前で運動性がどーとか、性能がどーとか間違っても言うんじゃねぇぞ? 笑われるだけだからな」

 

「えっ?」

 

(わからねぇよなぁ、この感覚は。実際に戦ってみねーと)

 

 そう内心思いながら、

 

「お前のツヴァルケだろうが、俺のゼードラーだろうが、テロン人(れんちゅう)の前じゃ差なんてない、()()()()()()()扱いされるってこった」

 

 

 

 接触までの日にちは、もうあまり残ってはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




縦横無尽の活躍をする親衛隊w

実は、イスカンダルの王女二人も地球行でビーメラを通ったという噂も……

まあ、持ちつ持たれつってことでw
少なくとも、親衛隊とイスカンダルの利害は一致してるみたいですよ?

さて、珍しく2話続けて設定を。
というか、今回を逃すと設定出すタイミングが無くなりかねない機体なので(しばらく書いて放置してたのはナイショw)



***



空間汎用戦闘機(ヤグドイェーガー)”DWG262E-4 シュネー・ツヴァルケ”

デザイン:”DWG262 ツヴァルケ”空間格闘戦闘機を原型に近代化したモデル。特にメインノズルは三次元ベクタード・スラスト構造、機体各所にターレットスラスターや高機動バーニアが追加され、運動性が上昇している。
また、武装/防御力も格段に進化している。

武装
・GMk108/30㎜陽電子ビーム速射砲×6(機体前方左右側面)
・GMG-151/20㎜パルスレーザー×4(主翼兵装ポッド)
・GWGr21/6連装マイクロ・ミサイルランチャー×2(主翼兵装ポッド)

機関
・主機:Junoon004Cガミラス式熱核反応タービン×2(三次元ベクタード・スラスト)
・副機:Junoon210F/APU兼用ケルビンインパルス・サブエンジン×2(エンジンポッド。高機動スラスターとして使用可能)
・機体随所の高機動バーニア

防御装備
・エネルギー転換素材
・積層式発展型ミゴウェザーコーティング

その他の装備
・限定的パッシブステルス機能

外部装備
・TR-4M/7連装対機動兵器中型高機動ミサイル・ポッド×4(左右主翼の上下面。全弾発射後、ポッドの投棄可能)
・ドロップ式プロペラントタンク(必要な場合のみ)
・GG7F高機動対艦航空魚雷(最大2発。胴体下部に懸架可能)

備考
成功作とされた”DWG262 ツヴァルケ”をベースに、開発元のガミラス国策企業”メッサーラ・シュマイト”社が手に入れた地球の無人機などのリバースエンジニアリングを存分に生かして開発した本格的なツヴァルケの改良型。
空間格闘戦闘機から空間汎用戦闘機とされたのは、比較的長射程のRR-4M/7連装中型高機動ミサイル・ポッドやGG7F高機動対艦航空魚雷の運用能力を獲得した為と思われる。
また、固定装備の強化が著しく、GMk-108は小型ながら発射速度の早い陽電子ビーム砲であり、特に集中搭載していることもありこれまでのガミラス戦闘機とは隔世の感がある。また、素早い動きの相手に対してもGMG-151/20㎜パルスレーザーを装備し隙が無い。

ゲットーの愛機として登場し、この時代のガミラス機の中では大気圏内外を問わず最高峰の空戦能力を持つ。。
例えば。2199年時点でのルビー戦線における対ガトランティス戦績、甲殻攻撃機デスバテーターとのキルレシオは、第6空間機甲艦隊の戦闘詳報によれば1:10という朝鮮戦争末期の”F-86 vs MIG-15”のようなキルレシオになっていた。
 実は人型を取らないこと前提の航空機ないし航宙機としての純粋空戦能力は、初期型のVF-11(VF-11AないしB)に匹敵する。
 連邦主力機のVF-17シリーズへの移行は、割と適切なタイミングだったといえる。
 開戦初期にこの機体が主力機なら、地球連邦は「この世界線の史実」ほど楽に終始航空優位はとれなかっただろうとされるほどの機体と言えるだろう。
 また、ライル・ゲットー、メルダ・ディッツ、クラウス・キーマン(ランハルト・デスラー)などの有名どころが(一時的も含め)愛機とした機体としても有名である。
 
 






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