たまには地球がチート臭くても良いのではないかと   作:ヤマトとトマトはなんか似てね?

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あー、今回は正直、面白いか微妙な話です。
不真面目だし、真面目だし、エロ要素もチート要素も確かにあります。
ですが、読んでてて気持ちよくなったり爽快な気分になる話ではないっす。

むしろ、気分が悪くなるかも?

ただ、今回と次回の話って、ガミラスと接触する前に入れておきたかったエピソードなのも確かなんですよ。






第84話:”不真面目に真面目にエロとチートの話”

 

 

 

 さて……唐突ではあるが、この世界線は本来、実に”ふざけた世界”なのだ。

 いきなり、メタな発言で驚かれたかもしれないが、ふと最近足りないものを思い出したのだ。

 

 そう、圧倒的に”エロ”が足りない!

 なんか最近、ビーチで全裸になってた女王がいたような気もするが、あれはエロさよりどちらかと言えば残念臭とかポンコツ臭がしてしまう。

 

 だが、エロさは決してバカにできないものである。

 何故か?

 それは即ち生命力の表れであり、同時に知的生命体の場合は繫殖力に直結する場合が多い。

 

 地球系の女性は最近、古代進に限らず異星人系の女性、特に「オスを確保する」という側面において、獣人系に押され気味であるという。

 また、彼女たちの愛は一般の地球系の基準に比べ”重い”という。

 だが、それだけ本能に忠実で、素直でストレートだ。

 彼女達は恋愛の駆け引きよりも、己の心の思うままに行動することを好む。

 考えないわけでは無い。考えた末に、己の欲求に従い好く男に突撃する。

 

 自然界において、恋愛は娯楽ではなく純粋な戦いだ。生々しいまでの生存競争がそこにある。

 地球連邦の男女比率は、男は女の2/3しかいない。

 ならば、その争奪戦は苛烈になるのは当然であり、野生の掟を本能的に理解し、また『群れ』となることに抵抗のない特定の獣人系婦女子が有利になるのは当然であった。

 

 ここ10年足らずで250億人の人口が260億人に増えた地球連邦だが、190億人だった地球系と60億人だった非地球系の増えた数がが同じ5億人であり、そのうち3億人がホーシアン系だったことを考えれば、自ずと見えてくるものはある。

 

 『戦争は数だよ! 兄貴っ!』

 

 という有名なセリフがあるが、あれは戦争だけの話ではない。

 国力とは、本質的には人口なのだ。

 

 実は、リメイク版ヤマトの中に『数十億のガミラスの民を移住させる』というセリフがある。

 そう、これは今でもなお”ガミラス母星以外では長生きできないとされる()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”と言ってるのに等しい。

 

 その程度の人口で、大小マゼランを統一できたのは流石ガミラスというべきだが、だが今のガミラス人は表記上は地球連邦より人口が多いことになっているが、その内訳は”国民の大半が二等臣民(被支配民)”という笑えない状況なのだ。

 

 だからこそ、ガミラスは軍事強国の看板を抱えながら、いつもどこかに”脆い”印象がある。

 虚勢と虚栄の国……そう言えるのかもしれない。

 

 

 

***

 

 

 

 そして、間違いなくその正反対の資質を持つのが地球連邦だ。

 この国こそ、様々な意味で”反則(チート)”の国を体現している。

 

 超性能なナノマシンや通常空間でワープする反物質炉など、馬鹿げた様々なSF作品由来の技術を持っているから?

 それも確かに大きい。

 テレサや槙原康介(てんせいしゃ)のような凶悪な存在がいるから?

 それだって要素としては小さくはない。

 

 だが、根本的には地球連邦人、いやその根幹をなす”地球系人類(アーシアン)”こそが、天上天下唯我独尊的なチートなのかもしれない。

 皆さんは不思議に思わないだろうか?

 

 なぜ、この世界線の人類は、「たかが異星人の宇宙船の取り合い」で、種の保存が危機的状況になるまで殺し合ったのだろうか?

 確かに地球人類を最も多く殺したのは、地球人類が当時保有していた核兵器ではなく、南太平洋に眠っていた”鳥の人”だったとされる。

 だが、それを起動させたのは間違いなく、第三次世界大戦から地球全域で飽和状態に近づいていた”怒りのカドゥン”だ。

 実を言えば、”鳥の人”が人類を「粛正」したのは、この「地球に蔓延し自浄不可能になっていた”怒りのカドゥン”を一度リセットするためだった」というとんでも学説さえもある。

 

 だが、ちょっと考えて欲しい。”我々の世界線の人類”が、果たして「その程度の理由」で絶滅戦争をするだろうか?

 冷戦時代の最盛期には、米ソは地球を6回滅ぼせるとも7回滅ぼされるとも言われる核兵器を保有していたが、それはあれほど対立していたのにも関わらず結局、敵国に撃たれることはなく、2021年の現在では多くが”死蔵”状態になってしまっている。

 

 これは何も我々が理性的だという話をしているのではない。むしろ我々の理性など「吹けば飛ぶような、後付の良心回路」程度でしかないことは、現在進行系で積み重なっている歴史的悪行(事例)や、日々をニュースで聞き流している事件や事故で証明され続けている。

 

 最終戦争が起きなかったのは、「人類存亡を担保にするほど価値があるものが見いだせなかった」からではないだろうか?

 

 だが、にも関わらず、この世界線の地球人はいとも容易く最終戦争の引き金を引いた。”相互確証破壊”の概念があるにも関わらずに、躊躇いなく、だ。

 

 

 

 そして、アーシアンにはこれと対になる”異常性”がある。

 それは……いくら地球人類に近い二足歩行の知的生命体の容姿をしているとはいえ、発祥も価値観も何もかも違う異星人を、なぜこうも容易く”連邦というフォーマットで生きる仲間”として受け入れられたのだろうか?

 

 地球人類同士では滅亡の瀬戸際まで殺し合い、反面異星人は簡単に仲間として受け入れる、この”二律背反する要素”とは一体何なのだろうか?

 

 

***

 

 

 

 結論を急ごう。

 この世界線のアーシアンには、潜在的に「宇宙を生活の場」と認識する無自覚無意識の”宇宙への回帰願望”がプリセットされている。

 宇宙を”母なる海”の更に根源ととらえ、そこに踏み出すのに躊躇がない。

 そう、”作られた”

 

 この世界のアーシアンに”不気味の谷現象”は、確認されていない。

 だから人の容姿に限りなく近いのに獣のような耳や尻尾を生えていても、巨人お末裔だと公言しても、ましてやその精神感応能力ゆえに忌避され、周囲の星の住人から袋叩きにされ滅亡を味わったジレル人にすら、「()()()()()()()()()」のだ。

 これは、考えてみると特異な、あるいは奇っ怪な話であるのだ。

 獣のような耳や尻尾を生やし、アーシアンを凌駕する身体能力と”野性味”、言い方を変えれば野蛮さを残す獣人をアーシアンは恐れない。むしろ愛でる。

 かつて銀河に破壊と破滅をばらまいた巨人族の末裔も、「文化を求めたのなら知性があるってことだろ? では文化の極みをともに味わおうではないか」と酒を酌み交わす。

 

 テレザートの精神生命体は、「まっ、ああいう生き物なんだろうさ」と軽く流し、そのテレサが招き寄せたジレル人に至っては、「まあ、読まれて困ることなんて大してないし」とあっさり受け入れられた。

 彼らの持っている古代アケーリアス文明の技術が目当てだった?

 それは否定しないが……だが、彼ら彼女らは、それを持っていた旧居住圏で、その能力ゆえに”魔女狩り”により滅ぼされかけたのだ。

 

 哀れなのはジレル人だ。

 地球連邦での「迫害に怯えることのない生活」は甘美な毒として瞬く間に1000万の民に浸透した。

 心が読める分、アーシアンが本気で自分達の精神感応が「そういう”()()”なんだろ?」と思ってる事に気付いてしまったため、余計に毒が回るのが早かった。

 そして、失いたくないと思ってしまったのだ。”地球連邦市民”という肩書を。

 春の温かさを初めて知ったジレル人は、もう冬にはもどりたくないと思ってしまった。

 そして、半世紀の時がたち、数を2000万人規模まで順調に同族を増やした彼らは、混血を進めると同時に、今は()()()()()()()()()()()()()()()”精神感応阻害装置”の類を民族の誇りをかけて開発、製造している。

 ジレル人は、「己の能力を自らの技術で打ち消すことになっても」、地球連邦で生きることを選んだのだ。

 

 

 

***

 

 

 

 さて、エロから始まったこの話も、答えは見えてきたのではないだろうか?

 かつて地球人同士が殺し合ったのは、肌の色が違う/人種が違う/宗教が違う/民族が違う/国家が違う/イデオロギーが違うからではない。

 表層的には、あるいは万人に分かりやすい「俺達とアイツラは違う」という大義名分(プロパガンダ)としては大量に使われたかもしれない。

 

 だが、そのように無知無理解が闘争の根源にあったのではない。もっと根深い……「誰が真っ先に宇宙に()()()()、生存権を確保するかという純粋な()()()()があったのだ。

 

 これは本当に仕方のないことなのである。

 なぜなら……それは今のアーシアンが、”()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”には、すでに刻まれていたものだからだ。

 これはある種、原作マクロスの”落下宇宙船に仕掛けられていたブービートラップ”より、更に悪質な罠だろう。

 

 そして恐ろしいのは、それは”悪意を持って為された()()()()()ことだ。

 その証拠が、「()()()()()()()()()()な”不気味の谷現象”」だ。

 アーシアンは、「自分たちと似て非なる者」をちゃんと”人類”として認識する。

 人以下でも以上でもない”人類として”だ。

 

 アーシアンの潜在意識において、獣のような身体能力をしてようが、精神感応を持っていようが、戦闘民族の末裔だろうが、それらは「誤差の範囲」……”人類の持つ()()()の発露”に過ぎないと思っている。

 突き詰めてしまえば、重要なのは敵対するか否かであり、「生存競争相手として殺し合う関係」になるかどうかだけだ。地球人か異星人かなんて、考慮するにも当たらない。

 

 

 

 古代進は、確かにそんなアーシアンの中でも、確かに飛び抜けたメンタリティの持ち主だろう。

 だが、その土壌となった地球発祥人類自体が、このような「異常なメンタリティー」を持つことが、自然発生的にありえるのだろうか?

 

 断じて、否。

 否である。

 こんな「技術より先に、メンタリティーが遥かに先行して宇宙に適応した人類」などという”ふざけた存在”が、天然で生まれて良いはずがない。

 

 だが、当の地球発祥人類(アーシアン)は、その自分たちが持つ特異性に未だに気づいていない。

 

 

***

 

 

 

 だが、地球発祥人類、いや「アーシアンはそういうものだ」と都合よく安易に受け入れてる連邦人以外で、それに気づくものも確かに居たのだ。

 

 かつてはマゼラン星雲に覇を唱え、そしてつい最近まであちこちの星に技術を(ビーメラのように自分たちが与えた技術で滅ぶ結果になってもお構いなしに)ばらまき続け、かつての先祖をなぞらえるように宇宙を生活の場とするよう()()していた民族……

 

 その名を”イスカンダル”という。

 だから、「気づいてしまった」”彼女”が、よりによってヤマトに乗り込んでいる彼女が動くのは当然であり必然だった。

 ガミラスと地球が接触する前に、道筋はつけておきたかった。

 この交渉の勝者は、ガミラスではなくイスカンダルではならないのだから。

 

 だから、”ユリーシャ・イスカンダル”は躊躇わない。

 

「あのね、ススム……ユリーシャ、ススムにお願いがあるの」

 

「なんだい? 言ってごらん」

 

ユリーシャね、『ススムの”()()()”になりたい』の♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ユリーシャ:「序列って大切だよね♪

ついに”政治的化物”が動き出した模様。

いやあ、地球の「チートの根源ってなんだろう?」と考えたときに生まれたのが、この話です。

「身体能力も知力も大したことないけど、メンタリティーが人外って根本的にチートじゃね?」とw

そして、こんな”混沌(カオス)風味のごった煮定食 カボスを添えて”を好んで食うようなこの世界線の地球人ってどういう連中なんだろうなーと。
そして、生まれたのがこの話って訳なんです。

次回、ユリーシャ姐さん、少しだけ本気出すかも……?


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