たまには地球がチート臭くても良いのではないかと 作:ヤマトとトマトはなんか似てね?
話数三桁が見えてきたかな?って頃合いで、ビーメラでの邂逅、その触りです。
様々な人々の想い(思惑)を乗せて星々の海を旅征く船は宇宙特務艦”ヤマト”という。
しかし、その旅路は原作と呼ばれる世界に比べ、これまではあまりにも平穏無事だった。
太陽系どころか地球連邦の主張する領土内、更にはその外側の国防識別圏にもガミラスの基地は無く、したがって戦闘はなかった。
また、不心得者どもがちょっかいを出さなかったのは、別の理由もある。
前に少し述べたが、天の川銀河方面に展開してるのは、バラン鎮守府を母港とする元貴族達が主流の第2/第3機甲艦隊を主軸とするその傘下にある元貴族が提督や司令を務める艦隊だ。
まあ、その数は随分と目減りしてしまったが……彼らの主だった艦隊には
発令元がゼーリック国家元帥という元貴族としては絶対に断れない筋から出された命令は、『練度上昇と戦意高揚もかねて、第1から第3までの”
まあ、「第1機甲艦隊が胸を貸す」というスタンスであるあたり、いかにもな感じがするが……
そんな訳で今の天の川銀河には、微々たる数のガミラス艦しか残っておらず、拠点を警備するのはガミロイドのみで、残された非貴族のガミラス人や二等臣民は、威張り散らす貴族がいないことをいいことに、飲んだくれ享楽的に、あるいは刹那的に思い思いの命の洗濯をしていた。
無論、積極的に哨戒をしようなんて奇特なものは居ない。
下手に遠出して、万が一にも
テロン人の哨戒範囲はほぼ判明しているが、何事にも例外はある。
その例外に運悪く自分たちが当たり程よくミンチにされるのは、誰しもが御免だった。
ひき肉になるのは元貴族だけで十分というのが留守番組の共通見解だろう。
確かにルーチンワークの定期哨戒任務はあるが、そんなものは「データ上だけで哨戒した」事にすればよい。
こんな辺境の無価値な基地に、小うるさい親衛隊が顔を出すこともなければ、元貴族サマが帰ってきたところで、どうせまともに留守中のチェックなどしないのだ。
要するに「基地が陥落してなければよい」というだ。
これまでの経験から、ガミラス人は地球連邦はどれほど大勝しても決して自分達の基地には攻めてこないことを知っていた。
元貴族たちはテロン人たちが「遠征できる力がない」と嘲笑っていたが、だが「その遠征できる力のないテロン人」相手にガミラスは開戦以来一度もまともに勝ててない。
だから、普通の感覚の軍人や徴兵された市民は気づいてしまっている。
”テロン人は、ガミラスの領土に興味も関心もない”
ということを。
***
ガミラスとの開戦により、地球連邦は新規の未知領域への探査や調査は安全上の理由から行ってないが、それを補うように国防識別圏は拡大していた。
テレザート星系方面にぐにゃりと伸びた歪な領域はともかく、2191年当時の地球連邦領域(国土)から全方位半径2000~2500光年の領域を現在の国防識別圏として設定したのだ。
大部分が無人ベースキャンプを置き、観測と通報専門の無人監視機材やステルス・ドローン偵察艦を巡回させているだけだが、当然、それらを設置するにおいて調査は軍主導で行われたし、更には……入植可能な惑星がいくつも見つかってしまった。
中には一切の惑星改造を行わなくても、即座に入植可能な星すら発見されたのだ。
今でも人類居住可能惑星の半分に人が住んでない(流石に管理職員くらいは常駐させているが)現状で、これは由々しき問題だった。
かつて滅びの瀬戸際までいった地球人類は、「人が住める試算として考えられる惑星」を放置することを、決して良しとしない。
例え持て余すとわかっていても、見つけた以上、最低限の管理しないわけにはいかないのだ。
第一、その居住可能惑星が、気がついたらガミラスの前線基地や秘密基地がおかれていたり、宇宙海賊や星間テロリスト、その他様々なアウトローの寄り合い所帯とか宇宙の隠れ家にされても面倒なだけだ。
残念ながらその過程の中で新しい種族と出会うことはなかったが、その国防識別圏こそがガミラスが現在認識している地球連邦の「領土」であり、おそらくは……いや、ほぼ確実に近い将来、地球連邦へ併合される領域だろう。
原住生物はいても、交渉すべき高度知的生命体がいなかった……他に自国を主張する管理責任者が不在なのだから、余計にだ。
なぜ、地球の近場(とは言ってもテレザートを除いても各母星間に数百~千光年強ほどの距離はあるが)にああも交渉可能な高度知的生命体が存在していたのかは、何やら古代アケーリアス文明の作為を感じなくもないが……ともかく現在の地球連邦に「ガミラスが主張する領土(=占領地)」を奪う理由は何処にもない。
つまり結果的に、
”自分達は、
要するに降りかかる火の粉を払われているだけだ。いや、火の粉の方が触れれば熱いし、下手をすれば引火するから真面目に振り払われているかもしれない。むしろ「適当にあしらわれている」と表現する方が正解だろう。
そのくせ、欲にかられた元貴族サマがしゃしゃり出れば、自分達には惨敗以外の選択肢がないのだ。
これじゃあ、
真面目に通常ルーチンをこなすのは、プログラムで動くガミロイドばかりなり……そんな状況であればこそ、ガミラスの天の川銀河方面の哨戒網なぞろくすっぽ機能してる訳もなく、ヤマトがガミラス側から打診されたコースを安全に快適に旅を続けられるのも道理であった。
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だからこそ、”彼ら”は指定時間通りにやって来る。
光速を超え、その船はやって来る。
亜空間の境界を割り、ビーメラ星系を背景にし、その船が三次元空間に姿を現した時……
「わぁ……真っ白で綺麗な船……」
最初に少し乙女っぽくつぶやいたのは、他でもないメルダ・ディッツだった。
それを同じく”ミランガル”のブリッジから見ていたフォムト・バーガーは思わず呟いた。
「いや、確かにデカい船だが……”アレ”、実は豪華客船とかじゃねーのか?」
エンタープライズDを基本とした伸びやかな美しい流線形を基調としたラインが、オリジナルの「宇宙戦艦ヤマト」を”醜い”と称したガミラス人の美意識や感性を刺激したことは、大変喜ばしい事だが……
「もしかして、長距離航行用の
とネレディア・リッケ。
「異星人との接触を目的とした船は相手の戦意を刺激しない事を旨とせよ。外交使節団を乗せているのなら」というのは地球連邦の金科玉条であり、それが例え交戦中の相手国に送り込む船であっても、いや、むしろそういう船だからこそ「停戦の先にある和平を望む意思」をデザインからして印象付けねばならないと、この世界線でのエンタープライズ型をモチーフにデザインされたのがヤマトだ。
戦場で出会えば引き金を引くことに躊躇が無いのも地球連邦なら、外交テーブルで露骨に銃口を突きつけ合うのも好まないのも地球連邦なのだ。
しかし、どうも効果があり過ぎたようで、あらぬ誤解を受けかけてる気がする。
どうにもガミラス人にはヤマトは軍艦には見えてないようだ。
「いや、まあ、確かに戦争しにいくってわけじゃねえから、別にゴテゴテ大砲乗っける必要はねぇんだろうけどよ……」
と判断に困った顔をするのは軍人の中では最上位階級でエスコート艦隊提督のヴェム・ハイデルン少将だ。
イスカンダル式のゲシュタム機関を積んだ最新の船(新造艦)が来るとは聞いていたが、彼としてはもっとこう軍艦然としたイカツい船が来ると思っていたらしい。
***
だが、それとは異なる反応を示す2人が、別室でヤマトを静かに見ていた。
「あの”特務艦”……恫喝外交と砲艦外交しか知らぬ、
そう苦笑するのはガミラス特使のローレン・バレルだった。
しかし、視線の先に居る青年は至って真面目な顔で、
「いずれにせよ油断はできないでしょう。我らはテロン人……いや、”地球連邦”という国家を何も知らないに等しい」
そして、こう続けた。
「それとバレル特使、確かにここには人目はないが、私にあまり丁寧な態度と言葉で接するのはやめていただきたい。ここに居るのは、一介の情報部将校”
「これは失礼」
こうして、ガミラスとヤマトの邂逅は、成った。
原作とは打って変わった平和的なそれは、残念なことに交渉の成功を必ずしも約束するものではなかった。
航海は未だ、その旅程の半分も満たしていないのだから……
”うふふ♪ 芸人や道化師たちが舞台に昇り始めて、いよいよ楽しくなってきたね~☆ さて、どんな演目になるのかな?”
ちょっと時間が空いたのは、モチベーションが落ちたとか、アイデア枯渇でエタりかけたとかではなく、純粋な執筆時間不足と、実は……
”主役艦と主役機の設定作成”
具体的には、ヤマトとVF-19Aの設定にハマっていたからですw
いや、これまで延び延びになってきましたが、そろそろまともに作らないとなーと。
何しろ、そろそろ「活躍しないといけない場面」が出てきそうなので。