永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話   作:ぐっちSKG

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マルゼンスキーに勝利RTA、はーじまーるよー。


マルゼンスキー杯 トレセン学園 芝 1600m 右

「ピチピチで可愛い後輩ちゃん達でしょ?」

 

マルゼンスキーの言葉に頷く。初っ端からかまして来るなんて、なかなか骨のある新人達らしい。分かっていると思うけど、レースでは手を抜かないでねマルゼンスキー。

 

「ええ分かってるわ。どのくらいで走ればいいかしら?」

 

シューズの調整をしながら、足の調子はバッチグーよと言うマルゼンスキー。確かにここ最近の、特にここ数日は彼女の調子はかなりいい。新人達には可哀想な話ではあるけれど。

 

そうね。怪我をしない程度でいいわ。

 

「分かったわ。いつも通りね」

 

怪我をしない程度、それは私とマルゼンスキーにとって全力で迎え撃てという指示に他ならない。

 

「おハナちゃんってホント、人がいいんだから」

 

・・・・ちょうどいい機会なので覚えて帰るといいわ、デビュー前の新人たち。死に物狂いで走らなければレースにもならない相手はいるのよ。マルゼンスキーは全力で挑まなければ10バ身以上つけられる相手だということをね。

 

新フォームの試運転?走ってみたい?私の愛バを無礼るなよ。そんな余裕は全くないわよ。

 

 

-------

 

なんか怒らせちゃったみたいですわ。すげー目で見てきますわあのトレーナー。

 

レースの準備をしながらブルーとルドルフに話しかける。わたくしまた何かやってしまいましたか?

 

「完璧な挑発だったよ♡でも今度から喧嘩を売る相手は選んだ方がいいかなって」

 

ちょ、挑発?!わたくし挑発なんてしてませんわよ。わたくしは一緒に走りたいだけですのよ!可愛げのある後輩のおねだりでどうしてそうなりますの!

 

「残念だが、向こうはそうは聞こえなかったようだぞ」

 

ですわよねー!なんか本気でアップしてますものマルゼンスキー先輩!どうしよう・・・流石のわたくしも本気のマルゼンスキー先輩にはボッコボコにされる未来しか見えませんわ。

 

「普通に考えたらわかると思うけど、ミカドちゃんの言ったことすごい失礼なことだよ♡」

 

むむむそうなのでしょうか。そんなつもりはなかったのですけど。うーん良くわからないので少年ジャンプで例えてもらっていいですか?

 

「護廷十三隊隊長に、一般モブ隊士が始解の試し撃ちさせてって言ったくらいかなぁ?」

 

えっそんなにやばいんですの!?や、やばいですわ・・・今からでも謝ってこようかしら!あっだめだ先輩すっごいやる気ですわ!もう止める手段がありませんわ!

 

試し撃ちして笑って許してくれる隊長なんて更木剣八くらいですわ!そのあと間違いなく笑いながら斬り殺されますけど!

 

助けてわたくしの理性!一発逆転のナイスな策を授けてくださいませ!えっ奴ならハワイにバカンス?あとでひねりますわよ覚えてなさい!

 

「だが・・・マルゼンスキー先輩とは一度競ってみたかった」

 

ちょうどいい機会だといって準備を始めるルドルフ。わぁーお。ルドルフてば結構バチバチですのね。1番やる気出してません?

 

「わたしは流そうかな♡ターフは苦手だし」

 

ブルー貴方はもう少しやる気を出した方がいいですわよ。私の言えたことじゃありませんけど。

 

ええい女は度胸!そう言ってわたくしもルドルフに習ってアップを始めた。

 

 

 

そうして20分ほどのアップの後わたくし達は横一列に並ぶ。

 

急なレースの為、今回はゲートなしのスタート。おハナちゃんトレーナーはコースの外側に立ち、手を上げている。

 

彼女が手を振り下ろした時がスタートですわ。マルゼンスキー先輩は1番外側でゆるーく構えている。でもなんというか凄く圧迫感がありますわ。なんというか巨大な壁がすぐ横にあるかのように感じますわ。

 

手心を期待しているわけではありませんが、明らかに本気ですわね。わたくしたちはデビュー前の新人っていうことを忘れているんではないですの?

 

ん?ちょっと待って。すごいことに気づきましたわ。マルゼンスキー先輩は未だに公式レースで無敗でなんですわよね。マルゼンスキー先輩を倒したデビュー前の新人とかもの凄くかっこいいんじゃありませんか?

 

そう考えるとやる気がメラメラ湧いてきましたわ!よし!わたくし全力で勝ちを狙わせてもらいますわ!

 

作戦は・・・とりあえずマルゼンスキー先輩の後ろに着いて、後は流れでいい感じのところで差し切る!完璧な作戦ですわ!

 

そう考えていると手が振り下ろされる。満を辞して飛び出す4人のウマ娘。さぁ行きますわよ!

 

 

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手を振り下ろす合図で一斉に飛び出す。マルゼンスキー先輩が当然のように先頭を取る。順番としては 先輩、ルドルフ わたくし、ブルーの並びとなりました。

 

先頭を軽やかに駆けていくマルゼンスキー先輩の背中を見ながら、わたくしは先ほどまでの考えの甘さを痛感していた。

 

最初のスタート時、ルドルフはマルゼンスキー先輩をマークしようと普段より早めに仕掛けたようとした。いわゆる鈴を付けようとしたのだ。ルドルフらしくはないが、逃げウマを気持ちよく走らせないための常套手段なのだけれど・・・

 

そんなルドルフの作戦は鎧袖一触で蹴散らされた。

 

信じられないほどのスタートからの立ち上がりで、あっという間にマルゼンスキー先輩はルドルフの手の届かない距離まで離れて行ってしまった。

 

やばいですわね・・・

 

先ほどのスタートの瞬間だけでもわかりますわ。あの人はマジで強い。わたくしはルドルフが鈴をつける事を予想して、その後ろの差し切れる位置に付けようとしたのですけれど、どうやら期待できそうにありませんわ。

 

爆発的な加速力ではないですわね。スタートの巧さが尋常じゃないんですわ。わたくし達が合図で力んだ時にはすでにスタートを切っていた。とんでもない集中力ですわ。

 

ルドルフなんて早々に鈴をつけるのを諦めて、足を溜める作戦のようですわ。流石にあいつは賢いですわ、恐らく最善のやり方でしょう。

 

こうして一緒に走ってわかる先輩の余りの強さにわたくしは考えていた。ここからのレースの組み立て方を。一瞬にして圧倒的に不利に追い込まれたわたくしに何か策はあるのかどうか。

 

・・・ありませんわね!手に負えませんわ!

 

正直打つ手がない。授業でも逃げウマの対応については習ったが・・・はっきり言って今の時点で全て破綻しましたわ。

 

逃げウマ潰しの常道は鈴をつける事。ペースを乱す事。そして垂れてくる終盤を差し切る事。なのですがあの人下がってくるんですの?

 

多分ないだろう。明らかに無理なペースなら減速してはくる筈ですが、先輩は今ただ気持ちよく走っているだけにしか見えませんわ。ペースを先輩に握られているのなら、対応に迫られる此方が潰れるのが早いかもしれない。

 

これが無敗の怪物マルゼンスキー・・・噂通りどころか想像を遥かに超えていますわ。このままだと地力の差ですり潰されますわね。

 

どうするか。どうしようもない。ならどうすんだよ。わかんねぇですわ!わたくしの最善策はルドルフの後ろに付けて脚を溜めておくことですが・・・

 

それが恐らく最善ですわね!ルドルフは勝負所を見るのが上手いですし、仕掛けた所を差すのが最短ルート。リスクゼロで勝負できますわ!

 

・・・・・・。

 

いよっし!わたくしは決めました。自爆覚悟の特攻を仕掛けますわ!

 

削り合いで負けるのはほぼ此方なのはわかり切っていますが、普通に走っても負けるのなら、リスクを取ってでも勝ちの目を大きくしなくては。

 

私の勝ちの目としてはまずここから全速力のスパートをかけてマルゼンスキー先輩に追いつく。そしてかからせて終盤までに潰す。ついでにルドルフもかからせて追いつかなくする。ブルーの対処は・・・追いつかれないように頑張る!

 

作戦とも言えない作戦ですが、今よりはマシでしょう!前にも似たようなことがあったような気もしますが、しょうがないでしょう。ミカドちゃんはまだまだ諦めないし!

 

きれいに走って勝てないのなら、泥仕合の末に全員溺死大作戦ですわ!はーいよーいスパート!

 

 




ここでミカドランサーちゃんのオリチャー発動です。
後ろで見ているブルーちゃん。前のミカドちゃんが自爆特攻見てドン引きですね。こいつまた特攻してるよ・・・賢さトレーニングしないから・・・。

でもまぁ那由多の彼方にしか勝機がなくても、やるしかないんですよ。正気じゃないですけどね・・・ふふっ。
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