永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話 作:ぐっちSKG
これが・・・最後の一枚ですわね
9件の依頼を済ませてもう夕方。名残惜しい・・・わけでもありませんが次が最後の依頼となりますわ。
狂人どもをプールに叩き込んだり、ターフジャックしたウマ娘を縛り上げたり、カラスを追い払ったり、運動場に紛れ込んだ犬を追いかけたりとなかなかハードな1日ですわね。それにしても・・・
「なんか今日は変なトラブルが多いね♡」
「ああ、依頼とは関係のないトラブルが多い。明らかに学園の雰囲気が浮ついているな。何かあったのだろうか」
そうですかね?休みなのに何故か人は多いですが、それ以外はトレセン学園っていつもこんな気もしますが。わたくしには違いがわかりませんわ。
「・・・・いつもこんなことをしているのか?」
流石に慣れないやよいちゃんは疲労困憊ですわね。いつもの元気がありませんわ。あと一件ですし頑張りましょう。これが終わったらシンザン会長への報告がてらに生徒会室からお菓子を強奪してお茶をしばきましょう。
「あっミカド、ブルー、ルドルフ!ちょうどいいところに!」
うん?バトラー。今日は休みなのに学園にいるなんてどうしましたの?廊下を走っているのがバレると風紀委員に折檻ですわよ。
「ごめんごめん。いやぁスッゴイ情報仕入れちゃってさ。何か心当たりないかなって」
すごい情報?情報通の貴方がそんなこと言うなんてよっぽどですのね。正直興味ありますが今仕事中ですのよ、少しだけですわよ。
「学園のすっごく偉い人が視察に来てるみたいなの!噂好きの子達が探し回ってるんだ。なんでも学園のそんぼーに関わる内容だって!」
・・・・・・・。
「存亡?うーん。心当たりはないかな」
「今日はずっと学園を回っていたがそれらしい人は見なかったな。何かの間違いじゃないのか?」
「そっかー。ミカドは何か見てない?」
いいい、いいえわたくしこれっぽっちも心当たりがありませんわ!きっとただの噂でしょう!
「そうかな?・・・皆んながいうならそうかも!」
私行くねじゃーねーと手を振りながら元気よく立ち去っていくバトラー。
多分学園の偉いさんって、次期理事長のやよいちゃんですわよ多分。どっから漏れた!あと学園の存亡ってどういうことですの!わたくしそっちは聞いてませんわよ!
ああやよいちゃん、そんな目で見ないでほしいですわ!わたくしは黙っているという約束を破ってはいませんわよ!
でもなんとかうまく誤魔化せましたわね危ない危ない。うんブルー?ルドルフどうしましたのこっちを見て?わたくしの顔に何かついていますか?
「さ・て・と♡それでミカドちゃんは何を隠してるのかな?」
ひ、人聞きがわるいですわよなんですかブルー?わたくしは何も知りませんわ。そんなことより最後の依頼をこなしましょう!もう時間がありませんわハリーアップ!
そう言ってわたくしが先頭を切って行こうとすると、ルドルフが後ろからわたくしの後頭部をぐわしっと掴む。抜け出そうとしてもピクリとも動かない。
これは・・・頭蓋骨締めッ!ルドルフの細腕から万力のようにゆっくりゆっくりと力が込められていくのを感じますわ!ああ!逃げられない!!
「キリキリ吐いてもらおう。痛いのは好きだったな?」
あっ視察に来たのはやよいちゃんで、彼女は理事長の娘ですわ。
「ミカドッ!?」
許してくださいやよいちゃん。学園の存亡とまで言われたらこいつら手段を問わずに吐かせますわ。わたくし痛いのはほんと嫌なんですの。
-------
最後の依頼は一先ず棚上げされ、わたくしは生徒会室に連行された。わたくし1人で死ぬのは寂しいので、休みなのに仕事をしていたシンザン会長も巻き添えですわ。2人で助かるか2人で死ぬか二者択一というやつですわ。
「で、ここに来たわけかい?なるほど」
そうですわ!わたくしの無実を証明できるのは貴方だけですわ!あの悪しき2人からわたくしをどうかお救いください!
「あ〜2人とも、ミカドちゃんは悪気があって隠していたわけではない・・・と思うよ多分」
多分!?多分ってなんですの!言い切ってくれないと疑惑が晴れませんわ!やよいちゃんもわたくしの弁護をしてほしいですわ!ああ、横にプイッて顔を向けないで!助けて!
「黙秘ッ!約束を破るミカドなんて知らない!」
ええいわたくしが何をした!楽しくトラブルシュートしてたのに今じゃわたくしが要望箱を使いたいですわ!無実なのに疑うなんて!わたくしいじけますわよ!
「それにしても学園の存亡なんて穏やかじゃないね。ミカドちゃんまた何かやらかしたのかい?」
シンザン会長ひどいですわ。まるでわたくしを学園を占拠したテロリストみたいにいうのはやめてください!それについては本当に何も知りませんわ。
「じゃあ順番に整理してみよう。彼女が理事長の娘で次期理事長なのは、学園のごく一部のものしか知らない筈なんだ。僕もこの前知ったばかりだし。ミカドちゃん、やよいちゃんの事を他の誰かに話したかな?」
・・・そ、そういえば。ルームメイトに色々話しちゃった、かな?理事長の娘さんを案内するって。あははは
「じゃあその子が噂を広めたのかな♡」
いえあの子は噂を広げるタイプではありませんわ。で、でも夜中だったから声が響いて隣の部屋でも聞こえたかもしれませんわね!
「やっぱりお前が原因じゃないか」
あー!ルドルフなんですのその顔!わたくしばかり責めて!わたくしにだって予想だにしない事の一つや二つはありますわよ!
大体やよいちゃんと学園を一緒に見て回ってただけですのよ!それがどうして学園の存亡になるんですの。訳わかんないですわ!
「そうそこなんだよ。その噂の出所がわからないんだよね。ミカドちゃんには身に覚えがないようだし、嘘の噂を広めるタイプでもない」
さすがシンザン会長!わたくしのことをバッチリ理解してますわ。ブルーとルドルフもシンザン会長を見習っ痛い痛い!また耳!貴方達わたくしの耳に何か恨みでもあるんですの!?なに?どうせ人の話を聞かないならいらないだろ?やめて!!わたくしのチャーミングなお耳がくしゃくしゃになっちゃいますわ!
「ふむ・・・そうなると。別の噂が混入した可能性があるね。関係のない2つの噂が合わさることで信憑性が出てきたのかもしれない」
な、なるほど。つまり本来全く関係のない学園の存亡に関する噂は元々あったということですわ。それが表面化しただけということですわね!
学園の存亡とかそういう噂に関して心当たりのある人はいませんか?このままじゃわたくしが暫定有罪でブタ箱行きにされますわ!
皆んなしてうーんうーんと考えていると、やよいちゃんが閃いたかのように目を開き声を上げる。
「・・・ッ!要望書の最後の一枚はたしかそのような話だった筈!」
えっ!あっ!ブルーが最初に選んだあれですわね!すっかり要望書の件は頭から吹っ飛んでいましたわ!ルドルフ。預かってもらっていた要望書を出してほしいですわ!
そうやって会長の執務机の上に一枚の要望書が出された。それをみんなで覗きこむように見る。
----------
要望書
学園で流れる噂の調査のお願いします。
学園の食堂が閉鎖あるいは縮小するという噂や、今のおかわり自由がなくなる可能性があるという噂が流れています。
学園の生徒にとって食堂の食事は1番の楽しみなんです。
このままでは不安で三杯しかご飯をおかわりできません。
おそらく学園の存亡に関わる内容だと思います。早めの調査をお願いします。
---------
・・・・・備蓄食料はバッチリ残ってましたし、皆さんしっかり働いてましたわ!こんなくだらないことで学園が崩壊してたまりますか!なんですのこの噂!
「これはまずいね」
えっ。シンザン会長どういうことですの。こんな噂のなにがまずいんですの?
「以前にも似たような噂が流れたことがあったんだよ。その時はインフルエンザで食堂の調理班がバタバタと倒れちゃってね。それはもう・・・酷いことになった」
ひ、酷いこととはいったい?
「食堂の一時閉鎖に対抗して多くの生徒が食堂に立てこもりをしてね。相当長期化した挙句最終的にマッドマックスみたいになったんだ。しかも今回は学園上層部の視察があるとまで噂が流れている。面倒ごとにならなければいいけど」
・・・嘘でしょ。食堂でご飯が食べられなくて学園の危機とか勘弁して欲しいですわ。
いつか未来のトレセン学園
「という事件が昔あったんやで」
「つまりルドルフ会長達が解決してなければ、今のおかわり自由は無くなっていたかもしれないのかもぐもぐ」
「せやでオグリ・・・ちゅうてもオグリはちょいと食べ過ぎとちゃうか?また食堂閉鎖の話が出てきてもしらへんで」
「そうだろうか?これでも抑えているつもりなんだが」
「いやその大盛り何杯目や?どう考えても食べすぎやん」
「まだ三杯目だが?」
「だからそれが多いっちゅうねん!」