永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話   作:ぐっちSKG

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ここに3人のウマ娘がおる。好きな子を1人選ぶんじゃ。


地獄でファンタスティック・カーニバル!

楽しい楽しいトラブルシュートの1日。どんなに名残惜しい1日も、終わってしまって夜が空ければまた次の日ですわ!

 

今日は日曜日!昨日の騒動も終わりましたしそうですわねブルーとルドルフも誘ってケーキでも買いにいきましょう!なんといいますかトラブルシュートの巻き添えで買えなかったみたいですし!

 

 

・・・というふうにならないのが世の常なのですわ。

 

 

何故なら今日は練習の日!おハナちゃんトレーナーとの地獄トレーニングが待っているのですから!わーいたのしみだなー。

 

さあ、地獄のカーニバル開催ですわ!

 

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す、すみま、せんわね・・・みっか、しかありま、せんのに。

 

わたくしはターフグラウンドの脇で練習を見学していたやよいちゃんに声をかける。心肺機能を高める為のスタミナトレーニングの真っ最中なのですわ。

 

「杞憂ッ!そっちこそ大丈夫か?顔が真っ赤だぞ!」

 

こ、これくらい、お茶の子さいさい、でしてよ・・・

 

 

おハナちゃんトレーナーによるチーム見学も期間が半分を過ぎた。

 

最近は教官に渡された以上のデータも集まったのか、おハナちゃんトレーナーによって、わたくし達には個別のトレーニングプログラムが渡されたましたわ。

 

わたくしの身体はパワーとスピードに秀でてはいるようですが、スタミナがイマイチなのだそうだ。最低限はあるようですがレース中の不測の事態の為にもう少し高める必要があるそうですわ。

 

なんでもわたくしは煽られたりしたら、すぐに掛かってしまうのだそうです。だから本来よりもスタミナの消耗が早いらしい。全く気づきませんでしたわ。

 

またわたくしは駆け引きが下手くそだそうなので、このままではジュニア期やクラシック期はともかく、シニアの魑魅魍魎相手では通用しないそうです。

 

シニア期以降のウマ娘は身体能力的に成熟しており、駆け引きに重点を置くようになることが多いそうですわ。

 

なのできちんと勉強をして、頭の回転を速くするように言われました。勉強は嫌ですわなんとかなりませんかね。

 

「驚愕ッ!・・・それにしてもこれは効果的なトレーニング!あの東条トレーナーは相当なやり手だな!」

 

とても新人とは思えない!とやよいちゃんが絶賛する。将来の為にやよいちゃんは本職ほどではないがトレーナーとしての知識はあるそうですわ。

 

確かにおハナちゃんトレーナーのトレーニングはよくできていると思いますわ。身体への負担を考えて上手いことギリギリを見計らっていますわね。時間こそ短めですがその分かなり密度の濃い練習ですわ。

 

逆に言えば遊びが少なくて、その上はっきり言って地味ですけど・・・。自由奔放な性格の子には向かないでしょうが、ストイックなアスリートタイプの子にハマればこれえらいことになりますわね。めちゃくちゃ強くなりそうですわ。

 

ルドルフとブルーもそういったタイプですので、たった1週間しか経ってないのに、おハナちゃんトレーナーの手腕を信頼している。わたくし?うーんもっと楽しい練習がしたいですわ。

 

それにしてもやよいちゃん。これ見てて楽しいんですの?1人ででも学園を回った方がいいのでは?寂しいならクラスメイトを紹介しますわよ?

 

「次期理事長として、この練習の見学は凄く勉強になる!」

 

そうなんですの?理事長の仕事とは関係なさそうですが・・・まぁやよいちゃんがそういうならそうなんでしょうね。

 

そう思っていると腕時計のアラームがなる。あーもう時間ですの?そろそろ次の周回に行きませんと・・・

 

そう言ってわたくしは立ち上がる。辛いですけどまだ2本も残っていますのよ。わたくし辛い。もっと楽したい。

 

「ミカド!」

 

ん、どうしました。やよいちゃん何かありました?

 

「頑張れ!」

 

・・・むん!行ってきますわ!

 

 

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「いい傾向ね」

 

ミカドランサーが練習に復帰してくるのを見て私は呟く。彼女は今日はかなり練習が身に入るようになってきている。

 

彼女ははっきり言って練習中の集中力があまりない。基本的に甘い方へと流れていく傾向があった。サボるわけではないが効果的にトレーニングできているとは言えなかった。

 

しかしあの幼い少女、秋川やよいが見学に来ている間はそれがなくなっている。最初は練習の見学を断ろうかと思ったが、ミカドランサーがゴネるので渋々許可した。でもこれで良かったのかもしれない。

 

ミカドランサーは生まれ持った身体能力とレースセンス、そして度胸で今まで走ってきた天才肌の選手だ。どう走れば勝てるのかをなんとなくだが理解できている。

 

瞬間的な爆発力はあのミスターシービーにも匹敵するかもしれない。技術とレース理論さえしっかりと仕込めれば適性のあるマイル路線なら重賞を総なめできるかもしれない。

 

まあ3人で1番欠点が多いのも彼女だ。シンボリルドルフとブルーインプにいまいち勝ち切れないのはその欠点のせいとも言っていい。なんせすぐに掛かってしまう・・・それがなければ勝っていた可能性は十二分にある。

 

ただあの派手な差し脚は、間違いなく観客の目を引くだろう。性格も悪くはないしスターとしての素質はある。3人で1番華のあるタイプだ。

 

 

そんなミカドランサーに比べて、シンボリルドルフとブルーインプは割と手のかからない方だった。もともと2人は地味な反復練習をする事に慣れているのもある。

 

シンボリルドルフは身体能力が優れているが、彼女の本質はそこではない。身体能力の伸びしろであればミカドランサーに軍配が上がるだろう。

 

彼女は練習中にはその真価は発揮できない。本質はレースでこそ生かされる。常に相手の2手3手先を読み、事前に対応策を用意する事であらゆる状況に対応できる。

 

いわゆる思考の柔軟性に秀でている。ただ闇雲に走るだけの選手では彼女には勝てない。その上身体能力も抜群で目立った欠点のない彼女には安定感がある。1番敵に回したくないタイプであり、1番勝たせやすいタイプだ。

 

 

ブルーインプは練習中もレース中も集中力が恐ろしく高い。集中力だけならスタート時のマルゼンスキーにも匹敵するかもしれない。

 

実は3人の中で最も身体能力に劣っているブルーインプがミカドランサーに勝ち越しているのは、地面の使い方がとにかく上手い。足裏から地面に伝える力のかけ方を、レース中に組み替えている。

 

バ場に対する理解の速さ。対応の巧みさ。良バ、重バ、ターフ、ダートはもちろん、洋芝、雪道、林道、アスファルトだろうと彼女は走れるだろう。どこであろうと走れる環境適応力こそ彼女の武器だ。

 

資料に書いてあったが彼女はラリーレース出身だったな。未舗装路を走るという特殊な環境がそうさせたのかもしれないが、かなり珍しいタイプだ。

 

おそらく1番鍛えがいがあって、なおかつ1番鍛えにくいのが彼女だ。なんせ選択肢が膨大でどのようにも育てられる。

 

「みんな末恐ろしいわねぇ」

 

ようやく来たのねマルゼンスキー。連絡があったとは言え最近遅刻が多い。弛んでるんじゃ無い?

 

「メンゴメンゴ!どうしても外せない用事があってね?」

 

外せない用事ね。それは私には言えない事なの?遅刻の言い訳をするなら訳くらい話したらどうかしら?

 

「うーん、そうしてもいいんだけど。今は内緒♪」

 

全く・・・さっさと運動着に着替えてきなさい。可愛い後輩達をちょっと揉んでやれ。お客さんも来ているんだ、粗相のないようにな。

 

はーい、といいマルゼンスキーは上機嫌で着替えに行く。マルゼンスキーもかなり調子がいい。

 

私とマルゼンスキーのチーム。リギルという世界一のチームを作るとは考えてはいた。

 

絵空事のようなものだと考えていたが、もうそれは不可能な事ではない。世界一と信じているマルゼンスキーに、世界すら届きうる未だ若き未完の大器達。

 

少なくとも今、幸運な事に私の手に全てのピースは揃っている。

 

彼女達のお披露目が今から楽しみで仕方がない。

 

 




やよいちゃんに頑張ってって言われたら、そらえい!えい!むん!てなるよね。
私だってそうなる。ミカドちゃんだってそうなる。

マルゼンスキー先輩が何か企んでますね。うーんなんなんでしょう。
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