永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話   作:ぐっちSKG

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宴もたわけ、いや間違えた。宴もたけなわ。今回で感謝祭はおしまいです!


ストックホルム症候群とか嘘ばっかりですわ!

おハナちゃんトレーナーから伝えられた真実は、この場に集まったチームリギルとやよいちゃんに衝撃を与えた。

 

ダイナカールさん・・・ダイナカールさんはオークスで優勝したトレセン学園のOGだったはず。

 

オークスの大混戦の中、最後に差し切った伸びは凄まじく、華がある走りをしますの。現役を退いた今でも根強いファンがいるそうです。

 

引退したと聞いてましたが、まさか娘さんとこんな所でエンカウントするとは思いませんでしたわ。そりゃあ秘密にしますわよね。有名どころか超有名ですわ。

 

私が感慨深そうな目で見ているのに気がついたたわけちゃんことエアグルーヴちゃん。胡散臭そうなものを見る目をしながら話しかけてきますわ。

 

「なんだゆーかいはん。なにかわたしのかおについているか?」

 

・・・・・あれこれやばくない?わたくしの吹けば飛ぶような実家ごと消されたりしません?

 

「やばいね♡」

 

誤解なんですわ!誘拐なんて企んだことはありませんわ!

 

ですがわたくしの悲鳴のような言い分は通らないのです。無駄に騒動を大きくしたのには間違いはありませんので。

 

しかしおハナちゃんトレーナーの仲介の結果状況の把握ができた。エアグルーヴちゃんとダイナカールさんは、ライブを2人で見ていたそうです。

 

そして人の濁流で繋いでいた手が離れたところを、わたくしがやよいちゃんと勘違いして引っ張り上げたらしいですわ。

 

なので今もダイナカールさんも探し回っているのかもしれないそうですわ。でも少なくとも運営委員会の方にはまだ情報が流れていないそうです。

 

誘拐されたという誤解を解かないと・・・わたくしの冒険は終わってしまう!

 

ですのでわたくしはこの子に逆らうことが出来ない。弱みを握られている・・・ということもなく、きちんと説明すればわかってくれるはず!多分!メイビー!

 

それにしても人の濁流に巻き込まれたということは、一般席で見てましたのね。オークス獲ったなんて言ったら貴賓席の一つでも開けてくれるでしょうに。

 

「おかあさまはそういうのはあまりすきじゃないんだ」

 

ふーん変わってますのね。ダイナカールさんってお金持ちのお嬢様育ちかと思っていましたけど。

 

「それよりも、ひとつきいてもいいか」

 

なんでしょうエアグルーヴちゃん。

 

「なんでせいざしてるんだ」

反省の意を表明しておりますの。こうして自分を罰することで後のお説教を軽くするんですわ。大人は事故とはいえ責任取らされますのよ。

 

「残念だが軽くするとは言ってないぞ」

 

おハナちゃんトレーナーの無慈悲な宣言によって希望が絶たれる。なので立ち上がりますわ!軽くならないならやる意味ありませんからね!

 

「残念だが重くしないとは言ってないぞ」

 

・・・やっぱり正座しておきましょう!

 

スッと立ち上がり、またスッと座る所をみておハナちゃんトレーナーはため息をつく。エアグルーヴちゃんも呆れ顔ですわ。

 

ま、まぁ冗談はいいのですわ。とりあえずそのお母様を探さなくては。エアグルーヴちゃん何か連絡手段とかありませんの?スマホとか。

 

エアグルーヴちゃんは首を横に振る。でも連絡手段の一つもなく出かけるなんてありますかね。とくにこんな混雑するのがわかりきってる場所で。

 

「ダイナカールさんの電話番号がわかるものを持っているんじゃないか?」

 

おおルドルフ冴えていますわね!エアグルーヴちゃん何か預かってませんの?メモとかそんなものとか。

 

少し考えていたエアグルーヴちゃんが自身のポシェットから何かを取り出す。これは・・・お守り?手縫ですわね。

 

神社で買うものよりも少し大きい手縫のお守り。表面には安全祈願と刺繍が入っています。厚みが少しあり、中に何か入れているのでしょうか?

 

「おかあさまが、こまったときはおとなのひとにこれをわたしなさいって」

 

なるほど。この中に連絡先とかあるかもしれませんわね。ちょうどよく持っていたハサミで紐を切る。ちょきん!

 

「なんでそんなもの持ち歩いているんだ・・・」

 

ふふふ、これかっこいいでしょうルドルフ!貰い物の真っ赤な折り畳みマルチツールですの!ネジも回せますのよ!まあ使ったことないですけど!

 

それはともかく中を開けてみるとこれは・・・おお、小さいビニール袋にいろいろ入ってますわ!なになに?

 

折りたたんだお札あっこれ旧札ですわね。それに保険証とかの縮小コピー。血液型とかアレルギーの有無の書いた紙。あっありましたわ!これ緊急連絡先ですわ!番号的にケータイの番号ですわ!

 

これで一安心。とりあえずなんとかなりそうですわね。じゃあ電話かけますね。

 

いや私が掛けるとおハナちゃんトレーナーが言い切る前に電話番号をスマホに入力する。ぷるるる、ぷるるる、ガチャ。

 

もしもしダイナカールさんのお電話ですか?はい、娘さんの件で話がありましてですね。はい、はい。娘さんを預かっていますの。はい、急ぎ広場の方まで来ていただけると。はい、はいそれでは失礼します。

 

ふう、これで連絡もつきましたわ!よかったですわねエアグルーヴちゃん!・・・なんですのその顔は?

 

「なんていうか・・・やっぱりゆーかいはんみたいだぞ」

 

えっ!なんで!!

 

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年長かつ責任者であるおハナちゃんトレーナーがダイナカールさんに連絡すべきだったという内容で、お説教が追加されたミカドランサーです。どうもご機嫌よう。

 

あの後広場に急ぎ駆け込んできたダイナカールさん。帽子を被りサングラスをかけていたので、現役時代を知っていても本人と気が付かないかもしれませんわね。

 

エアグルーヴちゃんはダイナカールさんが見えた途端駆け出して行き、今は後ろでダイナカールさんの服をぎゅっと掴んでいる。なんだかんだ寂しかったようですわね。

 

そんなわけで現在は頭をペコペコ下げるダイナカールさんと、おハナちゃんトレーナーに頭を押さえつけられて、わたくしも頭を下げさせられていますの。エアグルーヴちゃん早くわたくしを弁護して!お願い!

 

「当然!ここはしっかりと謝るべきだからな!」

 

「今回の騒ぎはお前のせいだぞ」

 

「右に同じ♡」

 

わたくしの弁護をする奴が1人もいない!ああなんて素晴らしい仲間なのでしょう!分かってます?これは皮肉ですわよ!

 

とりあえずダイナカールさんからの許しも得て解放される。でもわたくしに安息の時間は訪れませんわ。おハナちゃんトレーナーがダイナカールさんに、後でしっかりと言い聞かせておくと言っていたので!

 

わたくしは賢いので分かるんですわ!この後お説教でしょう!わたくしは怒られるのは嫌なのでほとぼりが冷めるまで逃げます!ああルドルフによって捕獲される!逃げられない!

 

助けてマルゼンスキー先輩。いない!あー!あー!抵抗虚しくわたくしはルドルフによって引きずられていく。

 

みんなが別れの言葉を言いながらダイナカールさんとエアグルーヴちゃんから離れていく。

 

そして引きずられていくわたくしに、呆れた顔をしながら手を振るエアグルーヴちゃん。あっお別れの前に言っておかなくては!

 

エアグルーヴちゃん!トレセン学園で待ってますわよ!じゃあね!

 

 

そんなわけでわたくしの感謝祭は終わった!

 

 

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・・・・・ということがあったんだ。

 

私はいつものように日課の花壇の手入れをしていた。

 

その時に訪れた可愛い後輩であるメジロドーベルに昔の話、そうあの問題児の先輩の話をしていた。

 

「あの先輩って昔からああなんですね」

 

・・・・そうなるな。あのたわけが説教が嫌で逃げるのを追いかけるのも、もう飽き飽きなんだがな。

 

「でもグルーヴ先輩」

 

どうしたドーベル?

 

「先輩がさっきの話をしている時、楽しそうな顔をしてましたよ」

 

私は思わずジョウロを持っていない方の手で口元を覆う。楽しそう・・・そうか楽しそうか。

 

・・・まぁそうかも知れないな。

 

 




次回で三章はおしまいです!エピローグは恒例のプリンちゃんの毒舌狂言回しですね。

今回の話で登場した折り畳みマルチツールのイメージは、ビクトリノックスのクラシックです。

皆さん宝物って持ってますか?僕はいくつか持っています。そのひとつがビクトリノックスのマルチツールです。アルミハンドルのアノダイズ加工のものです。

もう15年以上使ってるかな?貰い物で長年使っているので愛着があります。物持ちの悪い私がここまで長年愛用するってなかなかないです。

この話でミカドちゃんに持たせたのも、わぁい私と同じもの持ってるー!てやりたかっただけです。作者特権てやつだ。

まあ宝物なんてなんでもいいんですよ。私の宝物はビクトリノックスとジッポライターくらいですからね。高価な物でなくても、使っているうちに身体の一部みたいになります。しかもポケットに収まるんだぜ!

でも赤色のアルミハンドルはリミテッド限定品なんだ・・・買えなかったんだ・・・私のはシルバーなんだ・・・。でも気に入ってるからヨシッ!
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