永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話 作:ぐっちSKG
レースは、レースはないんですかー?すいませんそれ次回からなんですよ。延期だ延期!
「おや、君が来たのかい?シービー」
「シンザン会長も来てたのね。誰かと待ち合わせでもしてたの?」
「来るとしたらマルゼンスキーかなと思ってたからね。次点で君だったよ」
「あー確かにあいつなら来そうね」
頭の中にチョベリグ快速ウマ娘を思い浮かべる。後輩思いのマルゼンスキーなら、どんな新入生がトレセン学園に入学してきたのかは気になるところだろう。
優等生なように見えて自分のルールを優先するフシのあるあいつなら、授業をこっそり抜け出してもおかしくは無い。
「いつかアタシたちと競いあう子がいるかもしれないって思うとさ。やっぱり気になっちゃうじゃない」
「でも君、この時間は授業中だろう?」
「抜けてきたわ。みんな快く送り出してくれたわよ」
「ここは生徒会長としては、怒らないといけない場面なんだけど・・・でも君、言い出したら誰のいうことも聞かないからなぁ。」
教員の胃に穴を開けないでくれよ全く。と言いながらシンザン会長は肩を竦める。
考えておくと答えながらアタシはシンザン会長に近づいていく。
今では最前線から身を引いたものの、いまだにトレセン学園の最高戦力とも言われるシンザン
三冠ウマ娘であり現役世代の最強格とも言われる。トレセン学園の誇る名バ、ミスターシービー
レース好きなら知らぬもののいないそんな2人が、コースを一望できる場所で手すりに体を預けながら並んで立っていた。
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「今日は退屈なゲート練習なようだけど」
眼下では新入生達がゲート装置を出たり入ったりしている。あの練習はすこぶる評判が悪いのだ。せっかく初めてコースなのに目の前でお預けなのだ。
いつも思うが最初くらい思い切り走らせてあげたらいいのにと思う。
アタシも初めてのゲート練習では、散々ストレスを溜めることになったのだ。
「この練習本当に効果的なの?あの子たち、全然集中できてないわよ?」
実際のレースなんて当分先なのだ。ゲート練習はもっと後に回してもいいのではないだろうか。
「そうでもないさ。この練習にはちゃんとした意味があるのさ。」
意味?
「高いフラストレーションを溜めたウマ娘は、普段とは違う突発的な行動を取ることがあるからね。それを調べる必要がある」
そういうのは入学テストの面接では測りづらいだろう?と生徒会長は新入生から目を離さずに話す。
「つまり、この練習は一種のストレステストってわけ?」
「専属トレーナーやチームトレーナーと違って、教官は何十人も一度に面倒を見ないといけないわけだからね。誰に注視しなければならないか知ることは急務なのさ」
確かに癖ウマ娘と呼ばれている子達は、目を離すと何をしでかすかわからないものだ。
アタシも癖ウマ娘と呼ばれることはあるが、自分も初めてのゲート練習は上手くは出来なかった気がする。
「そうそう・・・君はゲート前で座り込んで、走らせないのならテコでも動かないぞって言ってたんだっけか」
「・・・あの頃の話はやめて頂戴」
こちらに目を向けたかと思えば、シンザン会長はニヤニヤと揶揄うようにこちらを見ている。確かにそのあとは教官とクラスメイトの3人がかりでゲートに放り込まれたのだ。
「それにほらあの子・・・」
シンザン会長が指差した先には、ゲート練習の待機組がコース脇でたむろしていた。その中でも一際目立つ、赤い流星の入った葦毛のウマ娘が、教官にバレないようにこっそりと複数人に指示を出すような動きをしているように見える。
その横には腕を組んだウマ娘が、指示を出している赤い流星のウマ娘を睨め付けるように立っている。腕を組んだウマ娘はどこかで見たような気がする。
「腕を組んでいるウマ娘はシンボリルドルフという。今年の首席合格者だよ。あの子は私のお気に入りでね。」
新入生代表として入学式では壇上でスピーチしてたんだけど、覚えてないのかい?うん全然覚えてない。というか聞いてなかった。
呆れたように目元を抑えるシンザン会長を他所に、アタシはその二人組を見る。
中央トレセン学園は狭き門と言われてはいるが、入試の成績が必ずしも強さに直結するわけではない。なんなら面接官の印象さえ良ければ他は壊滅的でも受かるという噂すらあるのだ。
そんな入学の為の面接だの学力だのを合わせた総合的な点数などはアタシとっては重要ではない。重要なのはコース上でアタシを楽しませてくれるかだ。
「どうやら今年も癖ウマ娘はちゃんといるらしい。あれは悪巧みをしている顔だよ」
シンザン会長の声にアタシは思わず笑みが溢れる。今年の新入生にも面白いのがいるようだ。ああ本当に楽しみだ。
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『ジャックすると言ったが、本当にそんなことができるのか?』
出来ますわ。何も教官を捕まえて縛り上げるわけじゃありませんもの
『方法は?』
ゲート練習のフリをして、ゲートが開いたらそのまま教官の声を無視して走ればいいだけですわ。狙い目は気の緩む最終組ですわね
『勝手に走ってしまえばいいわけか。ゴールはどうする』
そうですわね・・・7本目のハロン棒でどうです?
『1400mか・・・短いな。ここからなら最終コーナー終わりから2本目か』
あんまり長いと一周して飛び出したゲートとこんにちはですわ。でも余興としては面白そうじゃありません?この条件に不満はありますの?
『無い。いいだろう乗った』
話がとんとん拍子に進みますわね。挑発でヘタレ呼びしてから、シンボリルドルフが好戦的すぎますわ。
これが終わったらマーティ・マクフライドルフとでも呼んでみようかしら。あまりヘンテコなあだ名をつけると変なあだ名返しされそうで怖いですけど、反応は気になりますわ。
そんなことを考えながら、先程一緒に昼食を食べたウマ娘を捕まえる。どちらが先にゴールしたかを見届けるように指示を出す。
私も走りたいよーと言ってはいたが、耳元で貴方にしか任せられないだとか、僅差なら貴方の目が最後の頼りになるかもしれないと煽てれば、目を輝かせわかった任せて!といい簡単に承諾してくれた。
すげーちょろいですわ。
すると横からで何故かシンボリルドルフが睨みつけてきますわ。さっきの挑発を引きずっているのかと思ったが、どうも違うようです。
えっ?いたいけな少女を言葉巧みに騙くらかすなですって?とんでもねぇ言い草ですわ!失礼ね貴方!
その他数人にも同じように指示を出す。いざという時に教官の目を引く役とか、わたくしとシンボリルドルフが同じ番になるようにゲート待ちの順番を入れ替えたりする。
もちろんなにかあったら知らんぷりするように言っておく。走っても無いのに連帯責任させるほどわたくしは非道ではありませんわ。
その際何故か青い髪のウマ娘がこちらを見ているのが気にはなったが、声はかけてこなかったので放っておいた。
全ての準備を済ませた後も何度かのゲート練習を行い。遂に最後の番となる。教官も最後となったグループを見て、少し気を緩めている。
「よーし、これで最終グループだな!これが終わったら今日の実技練習はお終いだ!すぐに片付けに入るから全員荷物は纏めておくように!」
大きな声で全員に指示を出す教官を尻目に、わたくしとシンボリルドルフは隣同士のゲートの前に立つ。
さぁ勝負ですわシンボリルドルフ。ぶっちぎって大差勝ちしてやりますわ。覚悟しなさい。
メイショウドトウ可愛いんですよ。
デザインも素晴らしいんですけど、なによりもテイエムオペラオーとの関係が対照的で実に良し。
自分に自信のあるオペラオーと、自信のないドトウ。友情のようなライバル意識のような、こいつには絶対負けたくないっていうのがスポ根好きには刺さる刺さる。
何度負けても悔しくて涙を流しても挫けず、泥だらけになりながら歯を食いしばりながら立ち上がる。そんな姿をするのがいいんですよ。
後胸が大きいのがry
ミカドランサーちゃんもそんな子に育って欲しい。ルドルフにボコられて泣いてもいいけど、挫けちゃダメだぞ。