永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話   作:ぐっちSKG

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三章おしまいです。なんてことだ、もう助からないの


エピローグなので、ミカドを真水につけるの

トレセン学園感謝祭から1週間後、プリンのルームメイトの様子がおかしくなったの。いやおかしいのは前からなの。もっとおかしくなったの。

 

正直な話コイツがどうなろうが知ったこっちゃないの。感謝祭終わってからずっと上機嫌でソワソワしてたし。普段よりテンション高く話しかけてきて鬱陶しいとは思ってたの。

 

なんでもブレンボとかいうとっても高いイタリアのレースシューズを買ったらしいの。知りたくもない情報をベラベラと話し続けるのでプリンもコイツのシューズに詳しくなってしまったの。

 

「わったくしのー♪かっわいいかっわいい♪ブレンボちゃーん♪ふふふふーん♪」

 

うわぁこいつシューズに話しかけてるの・・・。

 

壁とか鏡に話しかけろとは言っていたけど、まさかシューズに話しかけることになってるとは、これはついにコイツ壊れたの。

 

プリンのせいなの?いや知ったことではないの。見ないふりをしてプリンでも食べるの。

 

プリンがチラッと見たことを目ざとく気づいたミカドが馴れ馴れしく話しかけてくる。

 

「ふふふん!このシューズが気になりますか?!気になりますわよね!」

 

いやどうでもいいの。プリンは忙しいの。シューズとでも話してろなの。

 

「またまたぁ!こんなかっこいいシューズ世界に2つとしてありませんわ!気になりますわよね!」

 

うぜぇのこいつ話を聞かないの。無視してプリンを冷蔵庫に取りにいく。

 

ベラベラとブレンボのカッコよさについて喋りだすコイツの言葉は、脳が記憶する必要がないと判断したのか右から左、バ耳東風。プリンにとってはプリンの方が大切なの。

 

「ちょっと!聞いてますの!?」

 

聞いてないの。

 

「ぐぬぬ。貴方もレースに生きるのならこのシューズのカッコよさがわからないのですか!」

 

知らないの。というよりもお前もこの前まで、シューズのことなんて全然知らなかった筈なの。

 

「そ、それはそうかもしれませんが!このカッコよさは言葉にしなくても分かるでしょう!」

 

ほら!ほら!とシューズを見せつけるようにプリンに見せつけてくる。よく手入れされ磨き上げられたシューズは、確かに駅前の店で売っている量産品とは違う。強烈な存在感のようなものを感じるの。

 

はぁ、じゃあ1つそのシューズについて聞いてもいいの?

 

「どうぞ!わたくしはブレンボちゃんのことで、知っている事ならなんでも答えますわ!」

 

そのシューズ。前にイタリア製って言ってたけど、イタリアの何処なの?

 

「えっ・・・イタリア市?」

 

イタリアにイタリア市なんてないの。ローマ?ミラノ?ナポリ?何処か教えてほしいの。

 

「えーとえーとパリですわ!」

 

パリはフランスなの。お前よくそれでなんでも答えると言えたの。

 

「・・・・ううう地理は苦手なんですわ!」

 

本当に好きなら全部知りたいものなの。プリンは少なくとも食べるプリンは何処のメーカーが何処の卵を使ってるかは調べてるの。

 

「うぐぅ」

 

本当にそのシューズを気に入ったのなら、知ったかぶってひけらかす前にするべき事があるとプリンは思うの。

 

「・・・・ハイ」

 

しょんぼり顔になったミカドがすごすごと退散する。よしよし上手いことやり込めたの。これで今日はプリンをゆっくり食べられるの。

 

プリン専用の冷蔵庫を開けるとひんやりとした空気が中から溢れてくる。うーん今日は焼きプリンの気分なの。このメーカーは苦めのカラメルがいい仕事をするの。

 

冷蔵庫からよく冷えたプリンを取り出す。プリン専用のスプーンも準備完了なの。昔にアンティーク市で買ったお気に入りのこのスプーン。このスプーンで食べるプリンはいつだって最高なの。

 

プリンは焼きプリンとスプーンを持って、鼻歌でも歌いたくなる上機嫌な気持ちで部屋に戻る。だがそこには信じられない光景が広がっていた。思わず焼きプリンを落としかける。

 

 

なんてことなのもう助からないの・・・ミカドがお勉強してるの。

 

 

さっきまで抱きかかえていたシューズを脇に置き、地理の教科書を広げている。普段からは考えられない真剣な表情をしているの。

 

ベラベラと話しかける事もせず。教科書にかじりつくように見るミカドは今まで見たことなかったの。できることならそういうことは普段からするの。

 

「・・・わたくし、先程のプリンの言葉で目を覚ましましたの」

 

足音で部屋に帰ってきたことに気がついたのだろう。教科書から顔も上げずにポツリとコイツが呟く。

 

「わたくしこのシューズを本当に気に入りましたの。だから大嫌いなお勉強だって我慢しますわ」

 

嫌な予感がするの。出来れば聴きたくはないの。耳を塞ぎたいけど、両手はプリンとスプーンで塞がっているの。

 

「いっぱい勉強して、しっかりと説明できるようにしますわ!」

 

だから説明はきちんと知識をつけてからにしますわね!といって再びコイツは黙り込む。

 

・・・ああ自主的に勉強をするなんて素晴らしい話なの。でもできることならその説明を聞かせるのは、プリンじゃなくて壁か鏡にして欲しいの。

 

でもきっとその望みは叶わないの。悲しいけど火の付いたコイツを止めるのは無理なの。もう半年以上付き合わされているプリンには分かるの。

 

プリンはそんないずれ訪れる現実を見るのに疲れたので、取り敢えずプリンを食べるの。パクッ。美味いの!

 

 




というわけで三章終了です。

いやぁ予定よりかなり遅れてますね。うふふ。

やりたい事が多すぎてなかなか進まないんですね。
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