永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話   作:ぐっちSKG

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4章スタートです。ついにトレーナーをチョイ見せします。

メインストーリーが進まない・・・。


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わたくし見たもん!暗闇で揺蕩うトトロを見たんだもん!


薄暗く、カビくさい一室で巨漢の男はパソコンの前で作業をしていた。

 

ここは図書室の資料室の奥の奥。司書ですら立ち寄らない開かずの間とも言うべき一室。

 

その一室の出入り口の扉は電子キーにより施錠されており、キーカードを持たない者は立ち入ることができない。

 

部屋の真ん中の執務机の上には大きなパソコン、そしてのその脇には大量の資料や分厚い本が山積みにされていた。

 

パソコンの前の男の両手は、まるで全ての指がバラバラに意思を持っているかのようにのたうち、キーボードをタイプする。

 

濁流のようにパソコンに打ち込まれる文字はあっという間に単語となり文章となり、そして一枚の文書となる。

 

そしてその文書はメールに添付されて、日本の裏側とも言うべきフランスでトレーナーをしている、そんな旧友の元へと送られる。もはや何年も顔を合わせていない旧友へと。

 

男は一仕事を終わらせた区切りに大きく伸びをする。今日も5人分ほど働いて残業なのだ。まぁこの程度は大したことはない。前職に比べればここは福利厚生が行き届いている。余計な気苦労もない。

 

チラリと時計をみる。なんとも半端な時間だ、部屋に帰るのも億劫だしここで仮眠を取ろうかと考える。あの理事長秘書は泊まり込みはするなと煩いが構うものか。

 

それに私が最低限でもこのくらい働かなくてはこの学園のレベルは維持できないと分かっているのだろうか?

 

だがそれにしても・・・それにしてもお腹が空いたな。何か食べられるものが残っていたか?ないのなら買いに出かけよう。

 

 

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だから!わたくしは嘘なんて言ってませんわ!

 

感謝祭明け数日後の教室でわたくしはクラスのみんなに熱弁をしていましたわ!でも誰も信じてくれない!こんなのおかしいですわ!

 

「いやミカド・・・流石にそれは嘘だろ」

 

「そうだよ♡どう考えてもありえないよ」

 

むむむ、どうして親友の言う事を信じてくれませんの!私見ましたのよ!トレセン七不思議を!バトラーは信じてくれますわよね!ねっ!ねっ!

 

バトラーは黙って首を横に振る。ひ、ひどいわたくし生まれてからこの方嘘なんてついた事ありませんのに。誰も信じてくれない!

 

「大体その話には無理があるだろう。まだ幽霊を見たと言った方が信憑性があるぞ」

 

まあわたくしもその通りだとは思います!ですが自分の目で見た以上それは紛れもない真実なのですわ!だってわたくしバッチリ目撃しましたのよ!あの有名なトレセン七不思議!深夜の学園に出没するトトロを!

 

「そもそも深夜は外出禁止だろう」

 

 

・・・・・・そこは内緒ですわ!

 

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というわけでわたくしは深夜に張り込みをしていますの。ブルーとルドルフは嫌がったのでわたくし1人ですが!親友に対して何という扱いなのでしょう!

 

寮の門限はとっくに過ぎてはいます。ですが手がないわけではありませんの。もちろん外出届なんて通るわけありません。トトロを探しに深夜に出かけますなんて言ったら寮長のブレーンバスターがわたくしの脳天をかち割りますので!

 

寮に戻った後、二階の窓からロープを伝って下に降りたのだ。最近寝付けない時に散歩に行くための常套手段なのですわ。深夜にこっそりと抜け出して散歩するのはスリリングで楽しいのですわ。

 

見つかったら・・・まあ結構やばいですが。でもわたくしの脚なら誰が相手だろうが逃げ切れますわ。目出し帽をニット帽のようにかぶり、いつでも顔も隠せるようにしていますし。警備員の巡回ルートと監視カメラの位置はバッチリ押さえていますのでなんとかなるでしょう。

 

ゆっくりと校内を散策する。足跡を立てないように歩く。ライトチェック・・・ヨシッ!今日のマグライトちゃんも絶好調ですわ!頼みますよ相棒!

 

と言っても普段からはライトは使わない。わたくしは夜目が効く方なのでこれは非常用ですわ。それに夜中にライトがピカピカ光ってたら遠くからでもバレかねませんからね!

 

確か昨日見たのは図書室の方でしたわね。そこを中心に当たって見ましょう。何かが見つかるかもしれませんわ。

 

そうして図書室の近くに移動していると、何人かの警備員とすれ違う。ですがわたくしは物陰に隠れてやり過ごす。ふぅ危ない危ない。

 

そうやって何度かやり過ごしていると、ようやく図書室の前に着く。私は物陰に隠れて息を殺す。誰かいますか?うーん誰もいませんわね。

 

とりあえず昨日見かけたポイントを見渡せる場所に着く。ここなら何処からトトロが来ても大丈夫ですわ。

 

腕時計で時間を確認する。もうとっくにみんな帰っている時間帯ですわね。カメラマニアの子から貰った使いかけの使い捨てカメラを構えて待つ。

 

スマホじゃないのはなんとなくですわ。ほら幽霊とかならフィルムに写るイメージがあるので。

 

でもフィルム残り4枚。なんて半端なのでしょうと思いつつも、貰い物ゆえにケチは付けられない。後で現像してくれるって言ってましたし。

 

さあ!お化けでもトトロでも撮ってやりますわ!明日の話題はこれで決まり!うふふ。

 

 

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・・・・・来ませんわねぇ。

 

あれから1時間くらい経ったのですが誰も来ない。警備員がたまに通るくらいでトトロなんて影も形もありませんわ。

 

うーん今日は来ないのでしょうか?写真を撮って証明してやりますわと大見栄切ったのですから、出てくれないと困るのですが。

 

どうしよう。今日は諦めて帰ろうかな。明日も学校ですしこれ以上粘ると明日に響きますわ。悔しいですが何処かで切り上げなくては。

 

そう思っていると話し声が聞こえてきた。図書室の外からですわね。わたくしは素早くそちらに耳を向ける。これは・・・

 

1人は女の声ですわね。若い女性の声。ハキハキと喋っている。声色に怒りの感情がある。おそらく20代前半。何処かで聞いたことあるような・・・誰でしたっけ?

 

もう1人は男の声。かなり低い声。めんどくさそうな態度の声だ。年齢は・・・わからない。ただこっちは聞き覚えのない声ですわ。

 

こっそりと物陰から様子を伺う。あっトトロ!やっぱりいましたわトトロ!と言っても当然ながら本物のトトロではありませんが。大柄の男の人みたいですわ。

 

暗がりなのでシルエットしか見えませんが横にいる帽子の女性の人と何やら話し合っているみたいですわね。暗くて良くは見えませんがなにか言い争い・・・というよりは女性の方が詰め寄って、男の方が聞き流しているようです。

 

幽霊の正体見たりなんとやら、というやつですわね。でもあんなおデブちゃんの職員いましたっけ?大体の職員は把握しているつもりですけど、あの巨漢の人は見たことありませんわね。

 

でもしょうがないですわね。折角だし証拠写真の一つでも撮っておきましょう。この距離ならフラッシュを焚かなければ気付かれないでしょう。音が少し鳴りますが仕方ない。

 

構えよし、フラッシュの光が漏れないようにライト部を指で抑える。こういう使い捨てカメラってあんまり使ったことがないのですよね。とりあえず真ん中に入れて・・・・パシャリ。

 

夜道に僅かに響く使い捨てカメラのシャッターの音。それと同時にわたくしは駆け出した。音が鳴った瞬間に女性の方ぐるりと顔をこちらに向けて目があった!やばい!気づかれましたわ!信じられない事にこの距離で気づいたらしいですわ!

 

走りながら被っていた目出し帽で顔を隠す。後ろから女の人が追ってきている。ふふん!でも人間がウマ娘に速さで勝てるわけありませんもの!

 

そう思いつつ後ろを振り返る・・・・えっなんかあの人私より速くないですか?詰められてますわ!

 




追跡しているのは誰なんでしょう。あの緑色の孤独なsilhouetteは・・・?

次回変則レース回。いわゆる逃亡フェイズです。
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