永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話   作:ぐっちSKG

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愉快に踊るのは貴方達学園サイドですわ。天使とダンスだ!


今年はカボチャが豊作なので踊りましょう

ハロウィンがあと明日に迫ったある日、それは突然現れた。食堂のど真ん中でカボチャマスクを被ったウマ娘が演説を行なっていた。スピーカー付きの拡声器を持ち出して、聴衆に話しかける扇動家のように話し出した。

 

『おはようございます!!皆さまご機嫌よう!ハロウィンでもないのに、わたくしがカボチャを被っているのはおかしいでしょうか?いいえおかしくはないはずです』

 

そう言い一度カボチャ頭のは言葉を切る。貴重なほど静かな一呼吸分の空白。カボチャマスクの中で息を吸い込む音が聞こえる。

 

『数日前わたくしたちに届けられた一報。ここに集まったウマ娘諸君なら、もう耳にしているはずですわ!残念ながらわたくし達は、ハロウィン当日には仮装は禁止されましたわ』

 

『わたくしはそれを聞いて悟りました。わたくしたちの今年のハロウィンは、わたくし達が楽しむためにあるのではないのです!ですが諦める必要はありません!』

 

『いずれ入学する可愛い後輩たち!その子たちの為に!ハロウィンの楽しみを残す為に!今日のわたくしたちは涙を飲んで!明日のトレセン学園に反省を促さなくてはならないのです!』

 

一節一節を区切るように強調するように話す。演説をしているカボチャ頭は興奮しているのか、身振り手振りが大きくなっていく。

 

『わたくし達はその後輩たちに残せる最も大きなものは、このトレセン学園の素晴らしい伝統なのではないでしょうか!』

 

『わたくしたちの大好きなトレセン学園を!彼女たちにも知ってもらいたいのは!そこまで悪いことなのでしょうか!いいえ!悪いはずがない!あるはずがありませんわ!』

 

『それを不当な圧力により!貶められようとしているのです!仮装なくして!何がハロウィンか!そんなものを未来の後輩に胸を張ってバトンを渡せますか!?』

 

『今年の10月31日はハロウィンであるだけでなく!学園の生徒が断固たる決意を示した日として記憶されるでしょう!わたくし達は戦わずして敗北はしない!』

 

そうだそうだ!仮装万歳!ハロウィン万歳!と会場のボルテージが上がっていく。カボチャマスクのミカドちゃんが演説の締めにハロウィン!!と言って敬礼をする。それに合わせて集まったウマ娘も声を上げる。

 

 

ハロウィン!ハロウィン!!ハロウィン!!!

 

 

『さあ!一心不乱の大ハロウィンですわ!』

 

 

-------

 

 

ハロウィン当日。わたくしは進路指導室に呼び出しを受けていた。若い教員から事情聴取というか尋問を受けていました。それにしても確たる証拠もなく呼び出すなんて、思い切りはいいですが判断が甘すぎますわ。

 

「このカボチャマスクで何をするつもりであったか!言え!」

 

さーしりませんわ。これひろったのでー。

 

「しらばっくれるな!」

 

というわけでわたくしは詰め寄られている。でもカボチャマスク持ってるだけで犯人扱いするなんてひどいですわ。今日は誰が持っていてもおかしくないでしょう?

 

「それは・・・そうかも知れんが・・・」

大体あれがあった時にわたくしは授業を受けていましたわ。貴方もよく知っているでしょう!

 

そう今日のわたくしはおとなしーく授業を受けていました。今日は仮装するウマ娘もなく、いつも通りの一日なのでした。

 

授業中にガラスの向こう、窓から見える学園の道の真ん中でカボチャマスクを被って踊っているウマ娘が現れるまでは!

 

仮装は禁止なのにぃぃ!と言いながら走って捕まえに行った指導担当の教員が現場につく頃には、カボチャマスクのウマ娘は跡形もなく消え去っていた。

 

そしてそれは終わりではなかった。遠目にカボチャマスクを被って踊っているものが続々と現れるのですわ。そして現場につく頃には消えている。 

 

その時に教員たちは気づいた。何故か学園のそこかしこにカボチャマスクが落ちている。物陰や草陰、木の横。ベンチの下。10枚20枚ではない。それこそ学園の至る所に隠されていた。

 

ですのでわたくしが拾っていてもおかしくはないでしょう?あのカボチャは・・・きっと新しい学園の七不思議ですわ!きっとジャック・オー・ランタンの亡霊なんですわ!

 

それに踊っていたのは何か伝えたいことがあったのでしょう!具体的には仮装を禁止するなというメッセージですわ!きっと!

 

わぁお教員がすごい目で見てきますわ。でもわたくし知らないもん!知らないと言ったら知りませんわ!

 

大体勝手に騒動の主犯として最初から疑ってかかるなんて失礼ですわ。・・・・まあ主犯なんですけど。でもやっぱり証拠揃えてから出直してきてくださいね。

 

そんなわけでわたくしは証拠不十分、無罪放免として進路指導室から解放された。のですが・・・・

 

 

うわぁ、これ徹底マークされてますわね。

 

なんかウマ娘が複数わたくしのことをこっそりとつけているそうですわ。チラッと見えた横顔、最近見たことある気がするのですが思い出せませんわ。ブルーわたくしの左後方の人見覚えがあります?

 

わたくしの言葉を聞いてブルーは近くのガラスを見る。ガラスは良く磨かれており、そこには尾行するウマ娘が映り込んでいた。

 

「・・・いや、ないかな♡」

 

そうですか。うーん絶対見たことある気がするんですが。正面からバッチリと見れば思い出せると思うのですが。振り返るといつのまにか隠れているのですわ。

 

向こうはバレてるとは思ってはいないようですので、このまま泳がせましょう。いやぁまさかわたくしを尾行しているなんてまさに予想通り。ルドルフさまさまですわ。

 

ちなみにルドルフは問題を起こす行動を嫌がって今回はお休み。無茶はしない、問題を大きくしすぎない、きちんと収束する、あとでシンザン会長には報告するようにとわたくしに約束させた上で策を授けてくれました。

 

昨日の演説もその為のもの。あれは決起集会でもありますが、学園にわたくしをマークさせる為ですもの。あんな学食の真ん中で目立つ事をやれば絶対にわたくしが主犯だと思いますものね。

 

まさかバンダナ先輩と問題児達が中心に踊っているとは、つゆほども思っていないでしょう。普段から問題を起こし慣れているので引際がとても鮮やか。いやぁすごく勉強になりますわ。

 

わたくし達とクラスメイトはバンダナ先輩のサポートです。逃げる先輩達をこっそりと匿ったり、嘘の情報を流したりしてます。そのおかげで誰も捕まらず、ゲリラダンス作戦は今のところ大成功。

 

わたくし?わたくしとブルーはこうやって目立つところを回りながら、囮としての役割を果たしています。この役割は退屈なのでわたくしも踊りたいのですが、今現在のところわたくしは2人にマークされているそうなので大人しくしてます。

 

それにしてもまさかわたくしを尾行しているつもりが、二重尾行されてるとは思うまい。ルドルフもえげつない作戦を思いつくものです。本当に敵には回したくないですわね。

 

カボチャが踊ってると聞いて、捕まえるために学園中を走り回っている警備員や職員は既にバテバテ。そりゃあ朝から晩まで走り回っていますからね。わたくしもブルーと突然離れたり合流したりで尾行の人大変そう。

 

そんな感じで尾行の人を煽りまくっていると、二重尾行の子からスマホにメール連絡が入る。これは画像データ?なんでしょうか。

 

そうしてメールに添付されていたのはわたくしを尾行していると思われるウマ娘の画像。隠し撮りなので目線はこっちに向いていないが、かなり正面角度に近い。

 

・・・ふぅん。なるほどなるほど。

 

ブルーは見た事がなくてわたくしには見覚えがある。けれど最近見た記憶がある。それもそのはず、そこに写っていたのはあの深夜の鬼ごっこにいた1人。名前は知りませんが間違いありませんわ。

 

夜間警備員なのに駆り出されているのでしょうか。お仕事ご苦労様です。

 

こうやってスマートに学園をかき回すのは楽しいですが、わたくしも消化不良気味。なんせ踊ってはいませんからね。最後は盛大にフィナーレと行きましょう。尾行の人!特等席で見れるなんてラッキーですわね!

 

 




次回フィナーレ。

それにしても基本的に夜勤勤務なのに駆り出される警備員可哀想。

尾行している警備員は学園の制服を着ています。OBなのにミカドちゃんを見張る為に着てるんですね。2人とも若いので制服を着ても違和感はありません。
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