永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話   作:ぐっちSKG

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なので代理を置いておきます。


エピローグだけど、プリンは実家で寝正月なの。

やれやれ世間は正月か。日が経つのは早いな・・・。

 

私は資料室の奥でいつものようにパソコンと向き合っていると、いつのまにか時計が12時を回ってしまっていることに気がついた。

 

どうにも窓もないところにいると時間の感覚が分からなくなるな。いい加減生活を改めるべきかもしれない。

 

一旦作業を切り上げ、資料室の端にある小型の冷蔵庫からコーラをとり出す。プルタブをひねり喉に流し込めば、炭酸の刺激と強烈な甘さが脳を覚醒させる。何度飲んでも美味い。この美味しさはやはり脳に素早く届く。

 

コーラを片手にタブレットの情報収集アプリを開く。トレセン学園のサーバー情報をピックアップして送ってくる自作のアプリだ。ものすごく便利なのだが、サーバーに不正アクセスしてるのがバレたらまずいので公表はしない。

 

前の職場なら問題ないんだがなぁ。まぁあそこは変わってるから・・・上司の承認の判子とか机に放置してあって、勝手に押していけとかだったからな。やりたい放題できた方がおかしかったのか・・・。

 

タブレットに事前の条件をもとに自動選別された情報が流れてきて、その1番上の情報に思わず口元が上がる。

 

それにしても随分と調子がいいようじゃあないかミカドランサー。タイムが少しづつ上がっているようだ、難があった安定性が改善してきた証拠だ。

 

私のアドバイスだけではない。あいつを見ている東条トレーナーは思っていたよりもずっと有能らしい。若い世代の中のトレーナーでは群を抜いているとは思っていたが・・・明らかに中堅クラスのトレーナーを凌駕する能力がある。あるいは古参すら。

 

シューズに合わせたフォームの修正が予想よりも早くて的確だ。やはり噂話はあてにならないな。マルゼンスキーの才能におんぶに抱っことは・・・見る目がない奴の流したただのくだらない妄言だったか。

 

それに彼女が抑えている三人のウマ娘。ミカドランサー、シンボリルドルフ、ブルーインプ。どれも次世代のエースを張るに相応しい逸材ばかりだ。

 

確か・・・リギルだったか?そうチームリギルだ。マルゼンスキーを旗頭とした世界にも通用するドリームチームと言っても良いだろう。話に聞くよりはずっと欲深い夢を持っている。

 

バ鹿で欲深い奴は好きだ。どこまでも愚かに駆け抜けていく者は、常道になぞる者には到底たどり着けない場所へと行くだろう。まぁ大半は途中で潰れるが・・・。

 

 

それにしてもあの理事長秘書にも困ったものだ。わざわざクリスマスに釘を刺しにくるとは。

 

おかげで私からは声をかけられない。もはや脅迫に近い状況で約束だった。だがやはり甘いな、ミカドランサーが置かれている状況をなにも理解していない。

 

理事長秘書は東条トレーナーの夢に協力するつもりだろう。あの夢は確かにレースを愛する者なら一度は見たい夢だ。現在の目的はおおかたチームリギルが成立するまでの時間稼ぎだろう。余程私にちょっかいをかけられたくないらしい。

 

事前に全ての準備を済ませておき、既成事実に近い形でチームを立ち上げる。一度理事長の承認さえ通してしまえば、確かに私も私以外も手は出せない。

 

 

だがそんなものが成立するわけがないというのに。

 

 

今は無名とはいえ本当に次世代の頂点達を独り占めできるとでも思っているのか?目利きの効くものは、既に3人に目をつけている。それに特定のチームが一人勝ちをすることを許すほどURAは甘くはないぞ。いくらなんでも見積もりが甘過ぎる。

 

新人トレーナーにとってトレセン学園はそこまで甘いところじゃないんだ。チーム運営経験なし、たかだか優秀なウマ娘を1人育てた程度の実績しか持たない。そんな新人トレーナーになんとかできるものか、圧力をかけられるに決まっているだろう。

 

問題があるとすればマルゼンスキーだろう。彼女は人気があるし影響力もある。だが政治屋気取りの古狸どもならなりふり構わず手を打つ。あいつらはマルゼンスキーに散々辛酸を舐めされされたのだ。その再来なんて許すはずがない。

 

トレーナーとしての能力では全てを兼ね備えている、そんな東条トレーナーが政治力のなさ故に夢を失う。まぁ世の中そんなものだろう。・・・気に入らないことだが。

 

無様で滑稽極まりないありふれた終わり。あと少し実績を積み上げてさえいれば。マルゼンスキーが活躍している間に先んじてチームさえ作っておけば、根回しさえうまくできていれば・・・言い出せばキリがない。要は運が無かった。

 

ああどうしてもっとシンプルにできないんだ。できる奴がすれば良い。少なくとも東条トレーナーにはできる。お前たちトレーナーはウマ娘の引き立て役を自ら選んだというのに。脚を引っ張り合うためにトレーナーになったわけでもないだろうに。

 

おそらく後ろ盾のないミカドランサーは東条トレーナーの手から溢れ落ちる。ブルーインプも同様に。手元に残るのは名門出身のシンボリルドルフだけだろう。

 

東条トレーナーが担当を任せられるくらい交流があるのは・・・沖野トレーナーくらいか。おそらく零れ落ちたどちらかは彼が預かることになる。能力があり割と型破りなあのトレーナーならば、1人くらいは受け入れられるはずだ。

 

これは予想だが受け入れるのはおそらくブルーインプだ。沖野トレーナーとミカドランサーは相性が良い。良すぎるほどに。

 

それ故に東条トレーナーは沖野トレーナーにミカドランサーは預けないだろう。危険すぎるからな。

 

アクセルは踏み抜かせることはできても、ブレーキを踏ませられない男だ。才能を磨くことにかけてはトレセンでも有数の実力があるが、いつか担当ウマ娘をそのウマ娘自身の才能によってすり潰す日が来るだろう。かつての私のように。

 

ミカドランサーは・・・まぁ何処かのトレーナーあたりが拾うだろう。東条トレーナーの教育のノウハウが手に入るだろうし、走りに華がある。おそらく争奪戦になるな。

 

 

理事長秘書。残念だが君がいくら協力しようとも、彼女の夢が叶うことはない。

 

ああまた私が何か手を回したとでも言いがかりをつけられそうだ。今回は本当に関係ないといっても信じてはくれないだろう・・・面倒は嫌いなんだが。

 

だがこのままでは古狸共が楽しむだけだ。ああいう手合いは嫌いなので、少し遊びを加えてやろう。理事長が水面下で進めているあの舞台では誰もが主役になりうる。ミカドランサーがうまく踊ればあるいは面白いことになる。

 

 

『私は・・・』

 

 

シンボリルドルフがいいというのだろう?無茶を言うな。私とは接点がないんだ。どこで知り合ったんだ全く。

 

だが・・・すぐに全員と走ることになる。君のα版は終わった。次のβ版が上手くいけばめでたく私の仕事の大半はおしまいだ。

 

リリースさえしてしまえばどうとでもなる。問題はベータテスターなんだが・・・やはりミカドランサーがいいのかもな。あのブレンボとかいうシューズを履きこなせるのが予想よりも早くなりそうだ。予定の修正が必要だな。早めに話をつけておくべきなのかもしれない。

 

 

運のいい奴め、時代の先端に立てるなんてそうそうないぞ。

 

 

君もそう思うだろう?ラインの乙女。




トトロは性格が悪い。普段騒動を煽ったり、情報を流したりしています。これはたづなさんも嫌うわけですね。なんだこのアナキスト!

次章は苦難の道・・・すこし物語が荒れますので。でもミカドちゃんはイレギュラーなので全てを破壊します。彼女はアナイアレイター!
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