永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話 作:ぐっちSKG
ハロン棒を通過した後、わたくしはターフに仰向けに倒れ込み、酸欠気味の体を横たえる。あー空気がうめーですわー!
今回の勝負は負け。認めますわシンボリルドルフ。貴方がナンバーワンですわ。ですが次はわたくしが勝ちますので!
横に顔を向けると、シンボリルドルフも相当きつかったのか膝に手をつきしんどそうに息をしている。いっそ横になれば楽なのに。それにしても汗だくになりながらもこいつは絵になるやつですわね。
「な、なんてペースで走るんだ君は・・・追い抜くのは本当に骨が折れたぞ・・・」
少しうらめしげに息を荒げながらシンボリルドルフこちらを見る。すいませんそれもこれも理性ってやつが悪いんですわ。あいつには責任を持って腹を切らせますので、許して欲しいですわ。
頭の中で理性担当ミカドちゃんが冤罪だーと言い残しながら粛清されていくのを感じながら謝る。次の理性はうまくやってくれるでしょう。
「うーん。やっぱりここのターフは合わないかなぁ?」
走りづらーいと言いながら、なぜかこのレースに参戦してきた小柄の青いウマ娘がぼやきながら近づいてくる。そうだ貴方だ!貴方!一体誰だ!やいこの不審ウマ娘め!どこから現れましたの?!
「君はブルーインプだな。後ろからついて来ていたのには驚いたぞ」
知っているのですか!シンボリルドルフ!
「知ってるも何もクラスメイトじゃないか。今朝自己紹介してただろう」
お、覚えていますわよ。そう!ちょー覚えてますわ!
ただほら、あれですわ!教科書忘れたときに全部吹っ飛んだんですわ!
覚えていないじゃないかと、呆れ顔のシンボリルドルフである。申し訳ないですわ。
それで彼女はブルーインプさんでよろしいのですね。はじめましてブルーインプさん。わたくしミカドランサーですわ。こっちのはシンボリルドルフですわ。
「はーい私はブルーインプ。よろしくねー♡」
・・・なんでこいつクラスメイトに媚び声出してるんですの?変なやつですわ!
「よォ。ご歓談のところ悪いんだけどな、ちょっと話があるんだわ」
あ、貴方は教官!額に青筋を浮かべている。走って来たのだろう。帽子が風圧で吹っ飛んだのかウマ娘の耳が見えている。やべーですわ、険しい目つきで耳を伏せている。それに言葉遣いも違う。ブチギレ5秒前みたいな感じである。
「・・・・で、誰が主犯なんだ。怒らないから言え」
絶対嘘だ!焦って言い訳を考えながら、左にいるシンボリルドルフを見る。目が合う。お前が言い出したんだろうと目が言っている。
右を見るとブルーインプはあろうことか、わたくしを指差している。
えっわたくしぃ!?
「そうかそうか。お前か」
教官がわたくしの前に立つ。身長差もあって威圧感がやばいですわ。大人と子供くらいの身長差から生まれる威圧感は実際怖い!
「参っちまうよなァ。今年は問題起こす奴が少なそうでな、優等生揃いで俺は嬉しかったんだよ。それがまさか初日で勝手にレースまでやるバ鹿どもが、俺の担当に紛れ込んでたなんてよ・・・で?」
で?とは・・・一体なんですか?
「最後に言い訳くらいはさせてやろうと思ってな。優しい教官を持てて幸せ者だなお前らは」
こ、殺される。こいつ絶対3人くらい殺ってますわ。顔は笑顔だけど目が言っている!養豚場のブタでもみるかのように冷たい目ですわ!『かわいそうだけど、明日の朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なのね』ってかんじの!
助けて理性担当!えっいない!なんで!肝心なときになんでいないんですの!畜生、奴は死んだわバカめ!
怒られる覚悟はしていたが、出来ることなら怒られたくはないし、ここまでブチギレるのは想定外ですわ。言い訳を、何か言い訳を考えなくては・・・・
「おい、黙り込んでんじゃねェ。さっさと答えろ」
よし!多少無理があるかもしれないが、なんか酸欠で頭が回らないし、こいつで通す・・・!
・・・た
「た?」
なんとか切り抜ける!
た、ターフチェック!ヨシッ!!これで安心して上級生に引き渡せますわね!万事OKですわ!教官殿!
「・・・・・」
「・・・・・」
行けるかッ・・・・!
「・・・・そうか」
通った!?やったー!パパママ!わたくしはやり遂げましたわ!生きておうちに帰れる!
「そうかそうか」
教官は素早くわたくしの左腕取ると、一瞬でアームロックをかけた。
痛い痛い痛い痛い。お、折れるぅぅ!どうしてぇぇえ!!
「どうやら痛くしねェと覚えないみてェだからな」
怒らないって!怒らないって言ったのにぃぃぃ!痛いぃぃぃ!
「そんなこと言ってねェ」
言いましたわ!絶対言いましたわ!
「この練習場内はてめェらみたいなひよっこに発言権はねェんだ。教官の俺が言ってないって言ったら言ってねェんだ」
横暴ですわ体罰ですわ!痛いですわぁぁ!
「おっと教官殿。それ以上はいけない」
その声が掛かると腕の締め付けがわずかに緩む。お、折れるかと思いましたわ・・・。
腕を解かれ、解放されるとわたくしは半泣きになりながらシンボリルドルフのそばまで一目散に逃げる。距離を取らないと第二陣が来そうで怖い。
唐突に現れたのはトレセン学園生徒会長のシンザン会長だった。教官も突然の登場に驚いている。
「シンザン会長、どうしてここに?」
その通りですわ。今は授業中なのでは?
「初練習ということで様子を見に来てたのさ。怒る気持ちもわかるけど。教官殿、君にはまだ仕事があるだろう」
そういえば片付けがあるんでしたわね。よくよく考えればこのレースのせいで、上級生チーム練習の時間が削られるかもしれない。それは本意ではありませんわ
「しかしですね・・・」
「なに、処罰はこちらに任せてくれ。全員きっちりと受けてもらうさ。これで納めてくれないかい?」
シンザン会長の言葉に渋々教官はうなずいた。
教官が、いえ鬼教官がこちらに背を向けて、クラスメイトの方へと戻っていく。た、助かったぁ!
「全く・・・教官を怒らせたらダメだよ?普段は優しいけど、怒るとすっごい怖いんだから」
た、助かりましたわ。シンザン会長!生きて明日を迎えられるのは貴方のおかげですわ!貴方は命の恩人ですわ!
「大袈裟だなぁ・・・。おっと君たちはこっちだよ。処罰を言い渡さなくちゃいけないんだから」
処罰?どんなことをすればいいんですの?
「それは後のお楽しみ。まぁそれなりにきついとは思うよ」
ニコニコ笑顔のシンザン会長に、わたくしたちはついていくことになった。
きつい処罰かぁ。やだなぁ。
*後書き*
ミカドランサーちゃんはなにを見てヨシと言ったんですかね。
少しずつUAが伸びていますね。僕の鼻もぐんぐんですわ!みんな読んでくれて、ありがとな!
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ドトウが諦め切れないので、僕は回すよブルボン。
「マスター、もう残弾がありません」
なぁに!諭吉弾があるさ!こいつで引く!
これは!豪華な扉!来た!扉を開けてくれ。たずなさん!
・・・君は!メイショウドトウ!なんか釣りが好きそうで、菊花賞でワールドレコードを出しそうなメイショウドトウじゃないか!
ぁぁぁあああ!やっぱ可愛いなぁ!
サイゲは神だな!これからもついていくぜ!