永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話 作:ぐっちSKG
学園の平日では今日も授業。授業の合間はわたくしが周りの人と話すのは珍しくはありません。なにせ隣の席はルドルフですから。そこにブルーが来ればいつものメンツ。わたくしが脚を組みながら座り、ルドルフは休み時間でも背筋を伸ばしながら行儀が良い。そしてブルーはわたくしの机に腰掛ける。
話題になるのはあと数日になったあるイベント・・・というほどのものでもない毎年の恒例行事のことです。
もうすぐデビューが控えているとはいえ、わたくし達はあくまでも学生。トレセン学園に恥じない模範的生徒である事を求められます。それは上級生だろうとデビュー前だろうと新入生であっても例外ではありません。
文武両道だの反省方向だのいつもルドルフがわたくしに口をすっぱく言うのもその為です。学業や私生活を疎かにするものはどんなに強くてもレースにすら出してもらえないという噂すらあるのです。眉唾な話ですけど。
「反省方向じゃなくて品行方正だ。それに出場停止は噂でも眉唾でもなく過去には何度かあったそうだぞ」
はははルドルフってば冗談がお上手ですわね。そんな事を言ったら学園の大半の生徒がレースに参加できないではないですか。いやそう考えればわたくしの独壇場になるのでは?案外悪くないかもしれませんね。
誰も彼もがわたくしのように模範的に行動できる訳ではないのですからね。新入生にはいい薬になるでしょう。
「ミカドちゃんは冗談が上手いなぁ♡」
どういう意味ですの!最近のわたくしは優等生でしょう!!
ブルーはニヤニヤと笑い、ルドルフはなんとも言えない顔をしていた。納得できませんわ!
------------
さて何故模範的な行動と言う話をしたのかと言えば、学園ではこのシーズンは学生のある一定層にとっては地獄の時期だからなのです。特に新入生にとっては。
そろそろ新入生が入学して学園の生活へと順応してくる頃。右も左もわからない状況から脱してそれぞれが新しい環境に慣れてくる。花の女学生が落ち着いてくれば目を向けるのは学園内外部の事。
天下のトレセン学園や学園周辺の施設という誘惑。初めて親元を離れる子も多く、ある種の開放感からハメを外してしまう生徒は毎年後を立たないのです。あるいは環境の変わったストレスからの場合もあります。
例えば学食は学園の調理班が作ったおいしい料理を幾らでも食べ放題。商店街にはB級グルメを扱うお店が沢山。駅前の食べ放題のお店やお洒落なカフェ巡りを巡ってもいいでしょう。おおなんと夢が詰まった誘惑のなんと多いことか!
しかしわたくし達は学生でありつつも未来のアスリートの卵。自制心に負けたものはこの時期には後悔の涙を流す羽目になる。
そう!この時期の学園一大イベント。それは身体測定・・・体重計という親愛なる友人によってもたらされる惨たらしい現実を受け入れる日なのですわ!
まぁ体重だけに限らず、身長とかもチェックをするのですわ。普段でも保健室に行けばそこら辺なら測ることができるのですが、怪我や病気の前兆がないかも一括で検査する目的があるそうです。
一括で検査することでコストを下げるとかそんなところでしょう。わたくしのトレーナーも情報整理の仕事があるって言ってましたから。めんどくさい面倒くさいとぼやいていました。
これはおそらく学園の仕掛けた罠。入学から少し開けてから計測を行うのは、気の緩みから羽目を外しすぎた愚か者への警鐘といったところでしょう。ある程度の自制心を育む為とでも言っておきましょう。
でも体重はいつの時代でも女の子の話題になる筆頭ですからね。特にまだ新入生はハードなトレーニングなんてさせてもらえないです。つまり食べた分だけ脂肪というウエイトを稼ぐ羽目になるわけですわ!
あまりにも体重が平均値から逸脱した場合、特製食事改善メニューを組まされるそうです。最悪の場合断食寺に放り込まれるという荒療治を行うと聞いたこともあります。おおまさに栄光からの転落人生としか言えませんわ。
去年もうちのクラスも阿鼻叫喚でしたからね。いかに人間に比べて代謝の良いウマ娘といえども食べ過ぎればつくものはつきます。半月も食事制限すれば余程ひどくなければ元に戻りますが。
ちなみにわたくしは普通にセーフでしたわ。なんせわたくしはいくら食べても太らない体質なのです。まあ走って消費しているのもあるかもしれませんが。
「お前は体重以前にお菓子ばかり食べている事を注意されてただろう。毎日毎日山のように食べていてよく太らなかったな」
あ、あれはウマチョコの新弾が出たからで・・・ほら開けたらウエハース食べないといけませんからね。美味しいのでパクパク食べちゃうんですわよね。
「合間にニンジンチップスも摘んでたよね」
甘いものばかりだと飽きますからねしょっぱいものも合わせて永久コンボですわ。
わたくしの言葉を聞いて、2人して呆れたものを見るような目つきで見てくる。ぐぬぅ・・・いいじゃないですか!体重的には全然セーフラインだったのですから!
まぁわたくしの事はいいのです。ルドルフ・・・貴方の方こそ問題がないのですか?あのファンクラブ騒動の差し入れお弁当地獄で相当体重が増えたんじゃないのですか?
お弁当と言っても小さなお弁当から重箱みたいなのまだありましたからね。机の上に重箱が二つ並んでいた時はもうどうなることかと思いましたわ。
普段のルドルフのお弁当は煮物とかそんなのばっかりでしたからね。揚げ物たっぷりの愛情弁当で太っていてもおかしくはない。
わたくしの言葉を聞いて、ルドルフはため息をつく。
「この前体重を計ったら少し増えていたんだ・・・。その時から東条トレーナーに栄養学についての勉強も受けている」
へーおハナちゃんトレーナーそんなことまでできるのですね。あいも変わらず多芸な方ですわね、できないことなんてないんじゃないですか?
「沖野ちゃんはそこら辺ルーズだからなぁ♡むしろもっと食べろって言ってくるし」
ブルーは小食気味ですからね。もっと食べないとパワーでませんわよ。ほらウマチョコ食べますか?カルシウムたっぷりですわよ。いつでも食べれるようにポケットに入れているので、ウエハースがバキバキに砕けてるかもしれませんけど。
ブルーにはいらなーい♡と断られてしまいました。仕方がないわたくしが食べましょうむしゃむしゃ。コーヒー牛乳と合わせても美味しいなんて素晴らしいお菓子だとは思いませんか?
「ミカド流石に食べ過ぎじゃないか?最近は昼食もお菓子ばかりじゃないか」
そりゃあ消費が間に合わないからですわね。駄菓子屋で箱買いしているので部屋にもいっぱいあるのです。シンザン会長のお手伝いで、ある程度自由になるお金ができたのでこいつにぶっ込みましたわ。
でもなかなかシークレットが出ないんですわよねぇ。ルームメイトにも食べさせてるんですが、脛を蹴られるので最近は自重していますの。
「・・・お前もトレーナーから栄養指導でも受けた方がいいんじゃないのか?流石にお菓子ばかり食べてたら注意の一つはされているだろう?」
んーそういえばそこら辺の注意はされたことがありませんわね。トレーナーから普段何を食べているかとかも聞かれたことがありませんわね。
今度相談してみよう。
最近書く時間が取れなくて辛い。仕事してゲームしてソシャゲ回して小説も書く。全部やらなくちゃあならないが覚悟はできている。