永遠なる皇帝とストイックモンスターメスガキが、主人公を大岡裁きするお話   作:ぐっちSKG

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へぇい!トトロは妊娠何ヶ月?


脂肪☆遊戯

後輩たちにとっては最初の試練ともいうべき健康診断は終わった。一部の年頃の乙女たちにとってXデーといったところでしょう。

 

健康診断までの間の学園のお通夜の様な雰囲気はあまり好きではありませんでしたが、終わってみれば呆気ないものです。健康診断が近づくにつれて慌てて食事を減らしている生徒もいましたが。

 

でもちょっとついても走れば解決するのですからそこまで気にする必要はないと思うのですけどね。どうせ近いうちにカロリー制限しなくてもいいくらいハードな練習をする羽目になるのですから。

 

健康診断の結果自体は特に気になる結果ではありませんでした。少し体重自体は増えていましたが、少し背が伸びたのを踏まえると別に取り立てて代わり映えするものでもないですからね。

 

いくつか記憶に残っているのは、ブルーが身長が伸びないと凹んでいたこと。あいつはあいも変わらず小さいままです。可愛らしくていいと思うのですが、一般的に身長のある方が力強い走りができるのでブルーらしいといえばブルーらしいです。以前からわたくしのパワーを羨ましがっていましたし。

 

それとわたくしがルドルフに身長の伸びで負けたことでしょうか。ルドルフにはタッパで負けているので追いつけると思っていたのですが、思っていたよりはわたくしの身長が伸びていませんでした。

 

ぐぬぬ。ルドルフは身長が高くなりすぎるとフォームを変えないといけないから一長一短だとはいっていましたけど。伸びた長さ比べではルドルフが1番です。

 

あとは健康診断では採血もあったのですが、ルドルフは冷静な振りをしつつ隠してはいましたが注射嫌いなのがミエミエ。あのいつも冷静なルドルフが採血の順番が近づくにつれて冷静でなくなっていくのが面白かったくらいです。

 

なにせ先に注射を刺されたわたくしとブルーがあっさりと終わって動揺していましたもの。おおよそわたくしが注射やだー!とでも言って駄々をこねるとでも思っていたのでしょう。ふふふ考えが甘いですわよ。

 

わたくしも別に注射が好きというわけではないですが、刺される時に別のことを考えておけばいいのです。流石トレセン学園に出入りする医者といったところでしょうか。腕がいいので刺されても痛みがなく、気がついたら終わってますわ。

 

きっとルドルフのことだから自分に注射器の針を刺す瞬間をガン見してたんでしょう。ルドルフの癖というかなんというか・・・・警戒するもの初めて見るものから目を離さない、注意を逸らさないのですわ。注射嫌いなのに困ったやつです。

 

まあルドルフの事は忘れましょう。ブルーがルドルフの注射嫌いをからかってお仕置きされていた時の事は記憶から消し去ります。わたくしは慈悲深いウマ娘ですので。

 

ということでトレーナー!わたくしの健康診断の結果です!特に問題はありませんでしたわ!ミカドランサー異常なし!ヨシッ!

 

健康診断の結果が手元に来てトレーナーの仕事場へ報告は来たのです。わたくしの健康診断の結果が悪ければトレーニングにも差し支えが出ますからね。ふふふ・・・わたくしの事をできるウマ娘と言ってくれてもいいですわよ?

 

「いちいち報告に来なくても担当ウマ娘の診断内容はトレーナーには開示されているぞ」

 

いつものようにコーラを口に流し込みながらトレーナーは答える。あれそうなんですの?そういうのって個人情報的なものでなのでてっきり知らされていないとばかり思っていましたわ。意外と緩いんですのねぇ。

 

「過去に虚偽の診断報告をしたウマ娘がいたらしいからな。それ以降トレーナーは担当ウマ娘のパーソナルデータを見なくてはならなくなったわけだ」

 

なるほど。年頃の女の子ならそういうのは嫌がってもおかしくはないですわね。わたくしは特に気にしませんけど。なんせ!わたくしに恥ずかしいところなんてありませんので!

 

わたくしの言葉を聞いてこちらに顔を向けたトレーナーの顔は呆れ顔。何ですのその顔は?わたくしの顔に何かついていますか?

 

「恥を知れという言葉は君の為にあるんだろうな」

 

ちょっとそれどういう意味ですの!!

 

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トレーナーに報告を挙げて直ぐにはいサヨナラっていうのも味気ないので、わたくしはトレーナーといくつか雑談をする。

 

合ったばかりの頃はうるさいとか言われてすぐに叩き出されていたのですが、最近はトレーナーもそれなりに話に付き合ってくれています。中身とかの無いたわいのない雑談ばかりですけどね。

 

1番美味しいコーラのメーカーは何処だとか、新作のハンバーガーは外れだったとか。過去のレースの内容についてだとか。

 

トレーナーとの会話は意外と話は尽きない。トレーナーがわたくしにも分かる様な話題をチョイスしているのかも知れませんけどね。

 

あとバンダナ先輩の事を褒めていました。何故かは分からないのですがトレーナーはバンダナ先輩を高評価しているのです。その割にスカウトはしないのは何故なのでしょうか。

 

「私にはあの手のタイプは手懐けられないんだ。賢くて判断力があり、能力と同じくらい道徳を求めるタイプだからな。私には合わないのさ」

 

私に築けるのは精々相互に利用し合うといった関係くらいなものさと言ってトレーナーは肩を竦める。そういう言い方をされると、わたくしがトレーナーの実力目当てで利用しているみたいに聞こえますわね。

 

そういうのは・・・なんか気に入りませんわ。この人なら強くしてくれると思ったから逆スカウトしたのであって、それは信頼しているから成り立っているのではないですか?

 

「言っておくが私のことは信頼するな。精々が信用程度に留めておくんだな」

 

わたくしには違いがよく分からないのですが。それって同じ意味なのではないのですか?

 

「信じて頼ると書いて信頼。信じて用いるというのが信用だ。私は前者には主体性がなく後者にはあると考えている。自分以外にも主軸を置く様な奴は嫌いなのさ」

 

トレーナーは時折よくわからない言い回しをする。信頼だろうと信用だろうと、信じているのなら結局同じゃないですか。

 

「同じじゃない。用いるという言葉は道具や手段に使う言葉だ。私に限らずトレーナーというのは君たちウマ娘にとっては手段以上のものではないし、そうあるべきでもない」

 

最近はそういう考えのトレーナーは少ないんだがねと言ってトレーナーは話を切り上げる。なんというか・・・ここは深入りしない方がいい気がします。勘ですが今は踏み込むべきじゃない様な予感がする。でもこれだけは聞いておきたい。

 

もし・・・わたくしがトレーナーを信頼していると言ったらどう思いますか?

 

わたくしの言葉を聞いてトレーナーは眉を潜め、少し考え込んだ。かなり真剣に考え込んでいる。適当に流せばいい話題なのに。

 

「きっとロクな競技人生を送れないだろうな」

 

ポツリと呟く様にトレーナーは絞り出した。

 

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信頼の二文字のせいで、楽しく雑談という空気ではなくなってしまった。うーん気まずい。

 

トレーナーの仕事にはかちゃかちゃとキーボードのタイプ音だけが響く。わたくしがここから出ていけばいいのですが、そのタイミングを逃してしまったので宙ぶらりん。

 

そう思っていると突然部屋がノックされた。ありがたい!この際誰でもいいのでこの空気をなんとかしてください!

 

はーい!と声を上げながらわたくしはドアへと近づき鍵を開ける。そこにいたのは・・・あれ?たづなさんではないですか。こんばんは!

 

たづなさんは緑色の制服が似合う美人秘書。この人がいるだけでトレーナーの寂れた仕事場が一気に華やかになった様な気がします。

 

たづなさんはわたくしがいた事に少し驚いていましたが、こんばんはとにこやかに返事を返してくれました。トレーナーもこのくらいの愛想のいい返事をしてくれればいいのですけどね。

 

挨拶もそこそこにたづなさんはトレーナーの所へと向かう。顔つきは真剣で雑談をしに来た様子ではない。えーと仕事の話ならわたくし席を外した方がいいのですかね?

 

「えっと一応ミカドさんにも無関係な話ではないのですけど・・・」

 

たづなさんは困った様な顔つきになる。そしてトレーナーははよ出ていけと言わんばかりに目線を送ってくる。ですがわたくしに無関係でないのならここに留まりますわ!

 

わたくしが出ていかないのを見てたづなさんは迷っていた顔をしながらもこほんと咳払いをして話し始める。

 

「実はですね健康診断は職員全員も学生に合わせて一括して行われるんです。一般職員の福利厚生の一環としてなんですが・・・」

 

たづなさんはわたくしにも分かりやすいように順序立てて説明をしてくれる。ということはうちのトレーナーも健康診断を受けたのですね。でもトレーナーそんな事を一言も言わなかったですわね。

 

「態々言うことでもないからな。まあ私は数値的にはアウトだったが特にペナルティがあるわけでもない」

 

なぁんだ!わたくしてっきりなんかやばい話しかと思ってましたわ。わたくしあんまり関係ない話なんですのね!トレーナーは少し痩せた方がいいのには賛成ですけど!

 

喧しいと言うトレーナーからの言葉は聞き流す。だってトレーナー走れなさそうなんですもの。走るの命のわたくしから見てもどうかと思いますわ。

 

「ありますよ?ペナルティ」

 

・・・・・は?

 

たづなさんの言葉にわたくしとトレーナーは目を丸くして固まってしまった。えっどういうことですか。

 

「・・・ちょっと待ってくれ数値が引っかかるのは別に今回が初めてじゃないだろう?今年から制度が変わったなんて聞いていないぞ」

 

トレーナーは少し焦りつつたづなさんを問いただす。あまり納得がいかない表情を浮かべている。しかしたづなさんも予想していたのか無表情で淡々と告げる。

 

「確かに制度は変わってはいませんが・・・今の貴方はトレーナー。トレセン学園のトレーナーはもっと厳しい基準があるんです。ウマ娘を教え導くものが明らかに不健康な生活をしているというのは許せないという旨が、トレセン学園の規則文にも記されているんです」

 

去年と違って貴方はトレーナーという立場になってますから。余程のことではないと問題にはならないんですけどねとたづなさんは言葉を切る。

 

いやトレーナー!上層部が干渉しないといけないくらい不味かったんですか!?全然聞いてないんですけど!

 

「規則である以上は上層部も看過することはできません。流石に前例はないのですが何か罰則を与えるべきではないかと言う話が出ています。なにせ子供を預けている親御さんから信頼されずクレームが入ることもありますから」

 

信頼という言葉を聞いて嫌そうな顔をしたトレーナー。今日は厄日ですわね。

 

たづなさんは目立った実績さえあれば目を瞑る事もある、と言いますがそういやトレーナーってトレセン学園だと新人扱いでしたわね。企業レースの実績はカウントされない様です。

 

それにしてもペナルティがあるなんて穏やかではないですわね。トレーナーにもそこまでの求めるなんて一体誰がそんな事を決めたんですか?

 

「初代理事長です」

 

わぁおこれ絶対逃げられないやつ。

 

「つまりですね・・・痩せてください」

 

たづなさんの直球ストレート。容赦のないボディブローがトレーナーのぷにぷに腹回りを抉る。

 

「無茶なダイエットをしろというわけではありません。要は改善に向かって努力していると納得させる事をしてくれればいいんです」

 

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問題を伝えるだけ伝えてたづなさんは帰っていった。どーするんですかこの空気。さっきとは違う気まずい雰囲気じゃないですか。

 

トレーナーは・・・動揺を隠せてはいない。予想外の爆弾が自分のせいで出てきたわけですからね。取り敢えずコーラ缶に手を伸ばすが中身は空です。あっても飲ませませんが。

 

トレーナーは反射的にコーラのストック置き場へと目を向けるが、わたくしが視線の先に回り込む。このコーラ達はわたくしが預かります。

 

ひとまずトレーナー、まずはコーラをダイエットコーラにしましょう。あと明日から運動もきっちりしてくださいね。ええトレーナー、貴方のことを信・用していますからね?

 

「・・・あれは不味いから嫌いなんだよなぁ。アステルパームはどうにも好きになれん」

 

トレーナーは観念したのか肩をガックリと落としてぼやいた。

 

 




トトロの脂肪に気を取られた人は、たづなさんの態度が微妙に軟化していることに気がつかない。
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