幼き頃の夢を見るノーマン。何も知らず、幸せだったあの時間はもう戻ってこない―
―最近、夢に昔の出来事が出てくることが多くなった―
『ねぇ、ねぇノーマンってば!早く起きて遊ぼーよぉ!!』
ある冬の日、僕はエマからの催促の声で目覚めた。
起き上がると、ピョコンと揺れるオレンジ色の髪の毛が見える。
「んん…まだ眠いよエマ。もうちょっとあとでにしt『いいからぁっ!!今日は雪が降ってるよ♪』
言うことにちっとも耳を貸さないエマを見て、僕は苦笑する。
窓越しに外を見ると、エマの言う通り、霏霏と雪が降っていた。
今日は風邪も引いていないし、早く起きて久しぶりに雪合戦に参戦しようかな―
エマに急かされながら食堂に降りると、親友のレイも既に起きていた。
【おはよう、寝坊助ノーマン。】
「寝坊助だなんて酷いなぁ。僕はいつも通りに起きたんだけど…」
『雪が降る日は特別早起きだよ♪』
相変わらずクールなレイと、雪に興奮するエマを交互に見て思わず笑みが溢れる。
朝ごはんのためにママの手伝いをして、家族みんなで一緒に手を合わせる。
『「【[(〈〔《いただきます!》〕〉)]】」』
食堂に家族の声が一斉に響き渡る。こうして家族みんなで過ごす時間が僕は好きだ。
朝ごはんを食べ終わると、みんな待ってましたと言わんばかりに、一斉に外へ飛び出す。僕も慌ててエマやレイを追いかける。
外は美しい銀世界になっていた。先程よりも降る雪は弱く、遊ぶのにもってこいだ。
さて、エマたちはどこかな...とあたりを見渡すと、既にいつもの鬼ごっこメンバーと集まって、じゃんけんをしている。やっぱり、雪合戦が始まるようだ。
『あ、遅いよノーマン!早く早くっ!』
エマに呼ばれて、僕もそちらへ行く。僕はレイと同じチームになった。さて、今日も頭脳戦が始まるぞ―
―数十分後―
『あぁぁぁぁぁぁ!悔しい悔しい悔しいっ!!!あと少しでノーマンに勝てたのにぃ!』
「ははっ、でもエマ凄く強かったから、結構焦ったよ。」
【ま、結局はノーマン最強ってところか。】
『えぇ!?私だって強いもん!よぉし、ねえ、もっかいやろ!』
少し膨れ面になったエマはそう言った。
「うーん、もう一回戦やりたい気持ちは同じだけど、僕は遠慮しておくよ。」
『えぇっ!?そうなの!?』
「うん、このままだと風邪引いちゃいそうだし。」
『そっかぁ...じゃあまた明日、雪が積もってたらやろうねっ!』
そう言ってエマはとびきりの笑顔を見せた。
思わずドキッとしてしまうような笑顔だった。
僕はこの、エマのヒマワリみたいに明るい笑顔が好きだ―
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
目が覚めると、いつもの天井が見えた。
辺りはシンと静まっている。 吐いた息は僅かに白かった。
ふと窓の外を見てみると、雪が降っていた。
先程まで見ていた夢が蘇ってくる。
何も知らず、大好きなママや兄弟のみんなと暮らしたあの時間。
幸せだった...
〔ボス、お目覚めですか。〕
気づけば部屋のドアが開き、仲間が顔をのぞかせている。
「おはよう、ヴィンセント。いましたに降りるよ。」
〔…承知しました。〕
そう言うと仲間はドアを閉めた。
さて、早く下に行かなければ。今はまた新たな仲間が待っている。
確かに昔は幸せだった。
でも、今だって不幸な訳ではない。
ここにいるみんなは、同じ境遇に合った者同士、協力し合いながら敵に立ち向かっている。
―あの笑顔を守るために。
約ネバが原作名を選ぶところになくてびっくりしました(゚∀゚) ノーマンいいねぇ…