ですが、祝! 10話! です!
これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m
「任せろ敦。俺が何とかしてやる」
「いや、あの、カズマ君……」
「そうよアツシ。カズマさんに任せれば狡っ辛い手を使って毎回どうにかしてくれるから」
「や、そうではなくて」
「あの女のスカート捲りくらい御茶の子さいさいさ!」
「だから違うから! やってることただの犯罪だからあああああ!!」
僕の名前は中島敦。
……今、探偵社にやって来た太宰さんをも上回るトラブルメーカー達と犯罪に片足を突っ込んでいるところです。
◇◆◇
アクアちゃんとカズマ君が探偵社に来て一週間。
二人の事情を聞き、二人が使う謎の力について納得の行った僕達は前のように二人を疑ってかかることはしなくなった……のだけれど。
「カズマさんカズマさん、政府とかっていう成金どもからラブレターが届いてるわよ!」
「あぁん? 『一刻も早く異能特務科本部にやってこい。さもなければお前の命は無いぞ』……か。よしアクア、確かこの前あそこ覗いたら女の人が居たな。あの美人さんにちょっと悪戯してこようぜ」
「ねえ君達、本当に止めてくれないかな。世話役頼まれてる私にクレームが回ってくるのだよね」
ここ最近、太宰さんが自殺をしていない。それどころか社の迷惑になるような行動すらとっていない。その原因はただ一つ、『国木田さんが社長経由で太宰さんにアクアちゃんとカズマ君の世話を命じたから』だ。
これには流石の太宰さんも逆らえず、二人の世話に勤しんでいる。けれど、肝心の二人がこれまでに類を見ない、常識を知らない二人だったので、あの太宰さんも心の余裕を無くしているのだ。
昨日の依頼は、ある男性が女性にストーカーされているらしく、どうにかして懲らしめて欲しいとのことで。
その依頼を受けたのは僕とカズマ君とアクアちゃん。……この時点で嫌な予感しかしない。
そして任務の最中、嫌な予感は的中した。
アクアちゃんが魔法で女性に背後から水を浴びせかけたり、カズマ君が風の魔法でスカートを捲ったり、不思議なスキルで下着を盗ったり。女性は泣きながら「こんな土地出てってやる」と叫んで去っていった。普通にあの女性は可哀想だった。というかやってること自体は此方側が圧倒的に悪いと思う。
しかも、この二人はあの一件以来、政府の異能特務科に命を狙われている。文字通り。普通ならこの事実を認識した瞬間恐怖で動けなくなりそうなものだけど、あろう事かこの二人はその状況すら楽しんでいた。今だって、正真正銘の脅迫文にセクハラで対抗しようとしている。どう考えてもおかしいよね。っていうかそろそろこの二人は罪を償った方がいい気がする。
「敦君、見てよ。そこに青い蟹が居る。美味しくなさそうだね」
「太宰さん、蟹は居ません。居るのは青い疫病神ですよ」
「何言ってるの、居るのは水の女神でしょう! さあ、私を敬って! 崇めて! そしてアクシズ教徒になりなさい! 今なら五千エリスで懺悔を聞いてあげるから」駄目だ全く会話が通じない。
「なあ賢治。ちょっとやって欲しいことがあるんだけどさ……」
「はいなんでしょう?」
「この唐変木が!! 妙な手品で賢治を買収してセクハラの片棒を担がせるなあああああ!!」
怒鳴る国木田さん。疲労のあまり幻覚を見る太宰さん。賢治君を買収するカズマ君、ひたすら意味不明なことを口走っているアクアちゃん。
探偵社には混沌の女神が舞い降りていた。
ああ、誰かどうにかしてください……。
「邪魔するぜ探偵社」
その時、カチャリと云う小気味の良い音が響き、探偵社の扉が開く。
特徴的な黒い帽子。黒い外套。小柄な体躯。
そこに立っていたのは、見紛うことなき天下のポートマフィア幹部。
「我が名はめぐみん! 紅魔族随一の痛あああああああ!? ……なんなんですか、どうして最近名乗りを上げさせてくれないのですか!? ええいいでしょう売られた喧嘩は買うのが紅魔族です!」
「なあチュウヤ、叩くのはめぐみんではなく私にしないか? ……ああっ、どうして無視を……しかしこれもまた中々……」
……否。
感情の導火線がひどく短い少女を叩く少年と、そんな少年の様子に興奮して頬を上気させる不審な女性がそこにいた。
少年は――中也さんは心做しかやつれた表情で云った。
「探偵社。……と云うか太宰。マフィアと探偵社、合同の任務が決まった」
その一言に、混沌と化していた社内の空気がピンと張り詰める。
合同の任務。今まで幾度も行われてきたそれは、大抵とてつもなく厳しい内容のもので。
だから僕達が自然と表情を引き締めるのも当然の反応と云えた。
「政府に謝りに行こう」
……中也さんの、その言葉を聞くまでは。
出して欲しいキャラなどいましたら、感想欄などからどうぞっ。