才能無くて首吊ったら美少女に憑依したけどこいつも才能無くて首吊ってた 作:小中高校道徳の成績5でした
と言うわけで遅れました。
あと短い
失敗。それを体験したばかりの智秋は落ち込んでいた。
しかしその事を俺は知らない。彼女の職場に、俺の立つ意味は無いのだから。
俺が知ることは失敗の可視だ。言葉だけでも充分に伝わるそれはTVをつければ想像以上の物だった。
失敗と言われれば失敗だった。だが、指摘されなければ他人は失敗だと気づかない。
本人は失敗だとわかっていた。見れば一目瞭然。カリスマ溢れたラブマスターの人達に惹かれ、わかりやすく堅い説明しかしてない彼女らの事など印象に残らない。それどころか、その説明に画面映えのするリアクションを示したラブマスターの方に意識は全て持っていかれていた。
彼女らの事なんかアイドルと言うことすら忘れられた。
失敗に気づきすらしないぐらい、何も感じなかったのだ。
安全安定を取った結果、それすら評価されないぐらい何も残らなかった。
見終わったテレビを消す。父さんは友人(嘘ついた)と俺から聞いてたので智秋の事は記憶に残ったが、残りの3人は忘れていた。
部屋に戻ってパソコンを起動する。まだ黒い画面に自分が映っていた。
自分の前の顔、なんだっけ? ああ、あんな感じだったな。
【失敗】と書かれた顔を見て思い出す。
『kem○が好き』
『○兆年と○夜物語とかね』
『俺が好きなのはアンノイズかな』
『誰それ知らね』
『俺はかいりき○アが好き』
『同じく』
『MADで知ったけどすっげえハマった』
『バル○ンもあるよね』
『Let’s go now far awaywwwwwwwwww』
『それサ○ルwwwwwwwww』
俺の知名度なんてこんなもんだ。
誰の記憶にも残らないのが失敗だというのなら、俺の殆どの人生は【失敗】となる。
そもそも失敗の基準はそれぞれ異なる。
智秋達は
前の俺は
結局酷いモノだ。
安心安定の失敗など、その場に踏みとどまるだけで何も学べやしない。
才能の無さゆえの失敗など、どう学ぼうとも意味がない。逸脱した発想や奇抜な考えを手に入れないと成功は手に入らない。
無意味な事。ただの茶番。
パソコンが起動したのでソフトを開く。知り合いから貰った世界で一つのソフト。
だからこそ、俺はこの世界に来たことを嬉しく思う。何せ、死ぬことでしか手に入らなかった逸脱した発想が合成音声ソフトで手に入るのだから。
このチャンスを逃すわけには行かない。たとえ後続が来たとしても、永遠に忘れられないような人気を手に入れてやる。
今度こそ。今度こそ、夢を叶える。
そういや生理の回やってないな。