才能無くて首吊ったら美少女に憑依したけどこいつも才能無くて首吊ってた   作:小中高校道徳の成績5でした

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コロナ死ね。


始まりの姿

この世界に来て、俺は変わったと思う。

 

それを自覚するのにさほどきっかけなど無かった。前世と違う体に生まれ変わったことから、自然と客観的に見ていたからだ。

 

最近、歌う事への認識が変わっている。前はただ研究する為、ストレス発散の為。

 

今、そこに自分の歌を歌う為が加わった。だから、自分が歌うために曲を作っている。合成音声ソフトを手に入れた以上俺の声はもうお払い箱のハズ。なのにそうはならなかった。

 

………宮坂智秋。

 

彼女の歌声に惹かれたあの日を思い出す。すげぇと思った。感情が揺さぶられた。俺もあんなふうになれたら、昔に捨てた子供の頃の夢を今になって見つけて拾ってしまう。

 

「…………恵まれないな。乃至も、俺も」

 

夢を追い続けて、駄目で、諦めて。希望を見いだせなくて、捨ててしまって、道を断つ。

頻繁に見返す乃至の日記が事実を語る。鏡写しとも言えるその本は今や間違っていると誤認するほど今と合わない。

 

死んでしまった乃至はもう乃至じゃない。かと言って死んだ俺がこの体に憑依して乃至になったかと言われたらそうじゃない。

 

 

俺は俺。だけど皆は乃至と呼ぶ。

 

気にしてなかった。気にしてる。

 

捨てた人との関係、乃至になって拾ってしまった。

 

………納得がいった。

 

どうしてあのとき、合成音声ソフトが完成したとき乃至の姿が見えたのか。

 

乃至と俺を切り離したかったんだ。心の一つの決まりとして。

 

俺がアンノイズ。彼女がノイズ。明確に、別の存在として認識できるように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作詞・作曲 アンノイズ

 

ボーカル ノイズ

 

 

【始まりノ歌】

 

前奏、

 

少女は目が覚める。どこか知らない海に。口から空気が漏れるも窒息する様子もない。少女はそれを気にしていなかった。

 

海面に上がる。陸地が見えたから上陸する。

 

 

 

そこから歌が始まった。

 

 

 

何故海にいたのか、もしかしたらそこから生まれたのかもしれない。紛れもなく人間のはず、だが少女の歌声。

 

 

 

人の声でありながら人の声でなかった。

 

 

 

なんの疑問も無く、砂浜で踊りながら歌う少女はまるで歌姫のようだった。

 

森を抜け、山を越え、草原を歩き、街につく。

 

 

 

間奏に入る。

 

 

 

一人が少女を目に止めた。直ぐに立ち去った。

 

一人が少女を目に止めた。立ち止まった。

 

一人が少女を目に止めた。近くの椅子に座り込んだ。

 

一人が少女を目に止めた。無視した。

 

 

あまり見ない顔の少女が気になったのだろう。

 

 

 

少女は何故か人に見られるほどに、歌いたくなる。使命を感じた。何故そう思うのか。当たり前だった。

 

 

 

少女は歌う。誰かに向けた歌声が観客たちの耳に届く。声に交じる、いや一体になってる電子音が頭の中で乱反射し、一度聞けば歩く人も含め、全員が同時に耳を傾ける。

 

 

その後の反応はバラバラだ。だが少なくとも、

 

 

 

耳を傾け続けている者は少女の歌声に魅了された人達。それが少なくとも、多くても。

 

上手いかなんてわからない。下手かなんてわからない。存在しない、いや存在しなかった歌声など、誰が評価できよう。

 

誰も評価できなかった。だからこそ、少女を歌姫たらしめる存在の証明………それは。

 

 

 

 

 

 

 

声を聴くもの、そのものの数だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




コロナ死ね。
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