才能無くて首吊ったら美少女に憑依したけどこいつも才能無くて首吊ってた 作:小中高校道徳の成績5でした
「どう歌ったらこうなるんだ?」
「編集じゃないのか?」
「編集でここまでなるものか。歌い方の問題だ」
「機械混じりな声ってどう出すんだ?」
「やっぱ編集じゃないかな」
「でもここまで編集したら声潰れない? 発音まではっきりと聞こえるよ」
「編集するいみってある? それに最初っから機械声じゃないと無理」
「でもそんな声って、そんな人いた?」
「長文失礼。そもそも電子音なんてどう出すんだ? 出せる人はいるけど、歌声じゃないし。ロボットじゃないんだよ。なんて言えばいいかわかんないけど、ちゃんと声があるっていうか、人の声なんだよ。機械だけど」
「言いたいことはわかります」
「今までの歌はアンノイズが歌ってたけど、今回はノイズって人が歌ってる……アンノイズってもしかして2つの単語を合わせているのかな。アンなんちゃらとノイズって。そんで二人組で」
「それなんだけどアンノイズとノイズって、声が似てるんだよね」
「ふたごかな? でも声質は全く違うし」
「速報:過去の曲のボーカル表記が変わった。アンノイズからアンノウンになった。」
「と言うことは、アンノイズ、アンノウン、ノイズの三人組? いや、二人で作ってるからアンノイズて合わしてるから二人組か?」
「まてまてまて、おかしいおかしい。チャンネル説明欄を見てみろ。全部一人でやってますって書いてあるぞ」
「え? え? え? え? アンノウンとノイズは同一人物ってこと? おかしくね? いや声は似てるけど」
「似てる……歌い方を変えてるとか?」
「そんな次元じゃない」
「よく見たらノイズのほうのボーカルになってるときは編集ソフトが一つ多い」
「そこで声を弄ってるのかな?」
「機械っぽいから違和感なく聞いてたけどそもそも編集するって珍しくないか?」
「確かに。編集=歌が下手って言われてるぐらいだし」
「もしかして機械が歌ってたりして」
「…………やべえ、マジで納得した」
「いやいやいや、流石にそれはないだろ………ないよな?」
「一つ気になる。ノイズの時の編集ソフト。1つだけ不明だよな」
「本当だ。全てフリーソフトなのに1つだけ聞いたことないやつがある」
「AnotherVocal? 別の歌手?」
「これもう確定だろ」
「AnotherVocalと言うソフトがノイズの声で歌ってるって事か」
「え? それってつまり、マジで機械が歌ってるってこと?」
数時間後
「速報:ノイズは機械のボーカル。アンノイズ自らコメントした」
「本当なら大革命だぞ。そんなソフトがあるなんて、どこかの大企業かなにか?」
「いや、チャンネル説明欄に個人活動って書かれてる」
「じゃあ企業は関わってないってこと? 何者なの?」
「わかんない」
「何者?」
「誰?」
「企業側からはなんの発表もコメントもない。本気で無関係かも」
「アンノイズって、いったいどこの誰なんだ?」
「謎すぎて気になりすぎる」
「だから人前で歌わないのか」
「いったい誰なんだ」
「今までの情報を整理しても全くわからない。女性の疑いがあるぐらい」
ピ。
パソコンの電源を落とす。アイドル以外の音楽スレはほぼ全てアンノイズの話題で持ちきりだった。
存在を知るものは例外なく正体を知りたがった。
その正体を知るものは………現時点で二人。本人と協力者。だが近いうちに、もう一人増えるだろう。
金髪の紅い瞳の少女の目に映る。ずぶ濡れで、手が血で染まって、殺意に満ちた瞳をした彼女の正体を。