才能無くて首吊ったら美少女に憑依したけどこいつも才能無くて首吊ってた   作:小中高校道徳の成績5でした

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推しのウマ娘は

オグリキャップ
ツインターボ
ライスシャワー
ゴールドシップ
ミホノブルボン 

です。



聞く側

【掴み】。【トウメイダイバー】を覚えてもらう為の最初に聞いてもらいたい歌。彼女達はそれを目的に作詞作曲する事に決まった。とは言っても、既に悩み悩んで7割程度出来ていて改正、残りの3割を考える程度。

 

それでも7割はできてるので軽く歌ってもらった。

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

全員が一斉に、同じように歌い出す。確かに綺麗だ。声が透き通っている。耳にすっと入る。ユニット名が彼女たちを表している事が良くわかる。 

 

 

まるで海底まで見える海に飛び込んだような錯覚が襲ってくる。

 

一瞬にして彼女達の声に吸い込まれた。耳に声の波が襲い掛かる。

 

 

 

海の中で浮いている。澄んだ海は太陽の光が届いていてその美しさから目が離せない。歌詞や音程が変わる度に揺られる海中。その流れは強く、一箇所から一方通行に自分を襲う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耳が痛い。歌を止めさせた。

 

「……………」

 

「……………」

 

智秋も俺もあまり印象が良くないといった顔をする。それを見た彼女達も少し暗い顔になる。けれどまだ未完成、すぐに問題点が気になったようでどうでしたかと聞いてくる。

 

「多分だけど、全員同じように歌うつもり?」

 

「い、いいえ、元々一人一人を覚えてもらう為にソロパートはあります」

 

「聞き方を間違えた。全員が同じ音程?」

 

「は、はい」

 

「……逆効果だよ」

 

「え? と、どういうことですか?」

 

「今はただの生声だけど、さらに音を大きくするマイクを使えば確実に耳が痛くなる。全員が透き通る声が合わさって過剰に一つの音が大きくなりすぎる。それじゃあむしろ無視どころか聴きたくなくなる」

 

「えっと、でも、誰かが歌わないって言うのは、そういうパートでも無いですし。それに今までそういう事は言われたこと無かったです」 

 

困惑する。全員で歌うパートで全員で歌うと駄目。だからといって誰かを仲間外れにして歌わせない訳にも行かない。アイドルは全員で歌うパートがあるからこそ輝く。なのにそれを逆効果と言われた。

彼女達は素人であっても初めてじゃない。数回学園内でライブを行っている。今までやって来たことに良くないことはあったものの悪い事を言われたことは無かった。

だから反論した。彼女達は自身のしてきた事を否定されたと感じて……………すぐに反論の余地が無くなることも知らずに。

 

 

 

俺は口を開く。

 

 

「一般人とアイドル(ここ)は一緒じゃない。この学校(弗愛高校)は全員が全員色んな大きな音に慣れてる。だってアイドルだから。だけど一般人は違う。これを聞いてみて」

 

「はい?」

 

俺はイヤホンを渡す。耳につけてもらったところで、一つの音を重ねたものを聞いてもらう。

 

俺は問答無用で音量を上げた。

 

「キャッ!?」

 

いきなり耳にくる程の音量になって咄嗟にイヤホンを外す。すぐに外さなかったら確実に耳を痛めてたであろう俺の行動に先程の不満もあって少し怒りの感情を含んだ声を出す。

 

「いきなり何するんですか!」

 

「次これを聞いてみて」

 

「無視!?」

 

「聞かないの」

 

俺はある音楽を流す。彼女は渋々付け直す。言うことを聞く辺り乃至の言うことには必ず理由がありそれが自分達の為になるとわかっているのだろう。それ程の事を積み上げてきている。

 

それは置いといて音楽を聞いている彼女はそれに集中していた。

 

音楽を切る。

 

「さっきと今、どっちがうるさいと感じた?」

 

「さっき」 

 

「どっちも同じ音量だよ」

 

「え!?」

 

彼女は困惑した。それを見る他のメンバーも連鎖的に困惑する。同じ音量であるはずの音に全く違う反応を示していたのだから。

 

「なんなら音の数は後の方が多い。なのにどうして前の方がうるさいと感じたと思う?」

 

「………同じ音だったから」

 

「そう、全員が同じ音を出すと言う事はそれだけでうるさくなる。拍手と一緒」

 

核心を言う。

 

「一般人が普段聞くのは自分にあった音量の音楽。だから最初の一つの音が重なった音を聞いても音量を小さくするだけ。だけどライブは違う。聞く側は音量を選べない。うるさい前提だけど、同時に慣れてない。【トウメイダイバー】は透き通る声が強みだけど、音が強すぎるとかえって耳が痛くなるだけ」

 

全員がはっ!? となる。

 

この学園ではライブをする側も見る側も同じく()()()()()()が混在する。なまじアイドルと言う感覚に慣れているのだ。完全な一般人の観客はこの学園に存在しない。評論できるやつはいるが。

 

だけど同時に彼女らはまだアイドルの世界に憬れている学生でもある。自覚すればほぼ一般の観客になれる。

 

彼女達は智秋から【なんの為の歌】かを教わり俺から【聞く側】を教わった。後は彼女の頑張り次第で伸びるところまで伸びるだろう。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからさ、こんなのはどう?」

 

俺は【トウメイダイバー】の新曲に提案をする。全員が耳を傾けてくれた。さっきのおかげで俺の言葉全てが目からウロコなのだろう。おかげでなんの疑問も不満も持たずに聞いてくれた。

 

おかげで俺が【トウメイダイバー】の声を聴いて思いついた曲を、彼女達の作詞作曲を上書きする形で作り上げることができた。

 

 

 

 

後日、【トウメイダイバー】初の一般観客ライブが開催された。

 




智秋もこの場にいるから扱いどうしようかと思ったけど、ほったらかした。

ほったらかし温泉てよく言ってたんだけど、道が整備されすぎて沢山人が来るようになってから行かなくなった。
前は地元の人でさえ知らない秘境だったのになぁ…………
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