才能無くて首吊ったら美少女に憑依したけどこいつも才能無くて首吊ってた   作:小中高校道徳の成績5でした

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父「ドローン借りてきた」
娘「飛ばすのにも許可取ったの?」
父「飛ばすのに許可は必要ないだろう?」
娘「そうだっけ」

まあ民度良い世界だからドローンに対する新法ができなかったんでしょう。


自由の無冠に

 6月のある日、夏に入り日向は暑い。それでも月曜日は学校の日。登校する日。そんな日の朝、突如としてとあるMVが公開された。その歌は他のMVとは違い異質で、異様で、だが綺麗で忘れられない。

 

 そのMVのすべてを乃至自身知っている。何せ自身の曲だから。作業終了したその直後、見直す。編集作業で本来使わないところも含めて何回も見ているはずなのに完成したその作品を見れば懐かしい思いにぶつけられた。仮面を付けた自分が歌うふりをする動画。昔の時、学生だった頃を思い出す。何者かになろうとして、何者にもまだなれていない、目指していた頃。

 移りゆく景色は全てが美しく見える。だがそこに大人になった『今』を付け足すと一瞬にして代わり映えしない何もないただの景色に見えた。何かをしても、がむしゃらに、無邪気に。そんなことはもう、ないのだろう。

 

 この曲を聞いたからと言ってそんな感情に浸るのは俺だけだ。たまたま過去と照らし合わせてしまった。ただそれだけ。

 

パソコンで動画サイトを開きカーソルを合わせる。ちゃんとアップロードできているかの確認も込めてその動画をクリックする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風なびく景色、ゆらゆらと水面に映る町並みは歪む。地面の上にいる仮面の少女は揺れてなかった。歌い始める。胸に手を当て、時には激しく動き、時に踊る。されど仮面の少女の喉は動いていなかった。

 

 その歌声には生気がない。強弱も、何も無い。ただ音程に合わせられて淡々としている機械声。歌っているふりにも思える。その違和感はきっと少女が人間ではないと思うことで辻褄が合う感覚を得る。

 

 公園で、河川敷で、スタジオで歌う。時には路上ライブをする。されど変わらない。その姿はミュージシャンを真似ているようで、まるで仮面の少女は人間のふりをしているようで……

 

 時間の流れで変わりゆく景色。人々は皆変わってゆく。固定カメラが映し出す少女の姿はどこにいても、何時にいても変わらない。

 

 次の日も少女は歌う。草原の上で……雨が降る。明るかった空は一瞬にして暗くなる。それでも歌うことをやめない。最初と同じ動き、変わらない演出。だがその雨は少女の体を濡らし、そして転ばせる。歌が途切れた……………演奏も、全てが止まり雨の中を映し出す静寂だけが一瞬と2秒を支配する。

 

 仰向けになりながら、歌を再開する。続けようとする。

 

 転ぶのは想定外のことだったのか、動かない。ただ仰向けで空に向いている。カメラは空に、広がる草原に小さくなる少女。無気力、虚無、遠ざかる程に強くなる。意味なく終わる……… 

 

 

 日が差した。演奏は強くなる。

 

 

 近くの固定カメラは少女は手を空に伸ばす瞬間を映し出す。空に消えていく何かに縋るように立ち上がり、空に向けその顔を向け、演技を再開する。

 

 雨によって濡れた少女の体は日によって照らされ、夕焼け色に染まり始める。より激しく手を広げより激しく舞い踊りより激しく………ならない歌声。

 

 空高く飛ぶカメラは照らされる草原全てを映し出す。しかし一点、動く光があった。それは小さくて認識できないものだったがあの一点には何があるか容易に想像できる。

 

 仮面の少女だ。無機質で、人間のふりをする顔のない少女は輝いていた。それを追うようにカメラは下に降り近くによる。

 

 その瞬間、強い風が吹き仮面を吹き飛ばす。演奏はより激しくなる。

 

 

 仮面の下にあるモノは映らず露わになることはなかった。

 少女は仮面を追いかける。続く歌、演技を放り走り出す。その姿は自由で手を伸ばす姿は人間のよう。

 濡れて重い髪も強風に煽られ夕焼けに輝きながら靡く。その瞬間だけは人間よりも美しかった。

 

 仮面を取った少女は即座につけ直す。

 

 曲はもう終わり。歩き始めると同時に演奏も弱くなる。

 

 歌唱はもう無くなり終演だけが静かに鳴り響く。

 

 

 

【自由の無冠に】

 

 

 

 

 

 




ここ数話話進んでないから次回から一気に進めるか。

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