才能無くて首吊ったら美少女に憑依したけどこいつも才能無くて首吊ってた 作:小中高校道徳の成績5でした
久々に桜花小春。風凛夏美。宮坂智秋。涼清水冬花。再登場。そういやチケットコイツらももらってたな。
「暑い………やっぱり夏はいつになっても慣れないなぁ……」
「わかる」
「何で乃至は汗一つしかかいてないの」
「体力には自信あるからね」
「羨ましいな」
「会場は入れば涼しいと思………」
人、人、人。どこもかしこも人だらけ。多すぎる人たち。埼玉ハイパーアリーナに近くなる度にどんどん人が増える。軽く一万人はいるんじゃないか? まだついてないぞ? 皆がラブマスターのファンだと予想はつくが……入り口の駐車場にはいったい何人いるのだろうか。
「流石に多すぎない? 収容人数限られてる筈なのに」
「ライブには見に行けなくてもグッズ販売とかあるからその人達も多いよ。前々回も見に行けたけどその時よりはマシかな」
これでマシって、コミケより少し少ない……博○例大祭レベルだぞ。流石は現No.1アイドルグループ【ラブマスター】まさかここまでとは。それにしても…
「………?」
暑い暑い言ってるし汗かいてるのにだるそうにしてないし姿勢は良い。プロアイドルは普段もちゃんとしてるって事か………いや、智秋が姿勢良いだけか。アイマスにも滅茶苦茶な奴いたし現実でもちょくちょくやばいのいるし。
「あ、智秋だー!」
不意に後ろから元気な声が聞こえる。桜色の髪の毛。ボブのヘアーが揺れている。勢いよく手をふる。思いっきり目立っている。あんたら仮にもプロアイドルなんだからもうちょい隠れろ。智秋だって帽子被ってるし。
この世界髪色十人十色過ぎて帽子被っただけでもだいぶ目立たなくなるのな。
「小春!」
智秋も笑顔で振り返る。その視線の先には小春が一番に見えるだろうけどその後ろに帽子を被った、おそらく【4Season's】のメンバーがいた。あとそれぞれのお連れ様。小春が勢いよくこっちに駆けてきた為に全員が後ろをついてくることになった。
「智秋もライブに来たんだ!」
「もちろんだよ。だってあの【ラブマスター】のライブだもん! 冬花さんも夏美も一緒なんだね」
「さっきそこであった!」
「こら小春、勝手に走り回らない。貴女は智秋のお友達でしょうか? こんにちは」
冬花にチョップされ頭を押さえる小春。それを無視して俺に挨拶をする。
「こんにちは、菜野乃至と言います。今日はライブに誘われたので同行してます」
「流石智秋、もう友達ができてる〜、私は風鈴夏美。よろしく!」
夏美はそう言って手を出してくる。俺も手を取る。何故か智秋が不服そうにこっちを見てる。それに気づいた夏美はニヤニヤする。
「智秋、もしかして嫉妬〜?」
「………初対面時の態度が全く違う」
「初対面からこんな感じだったよ」
「うそうそ、嫌いとか言ってきた」
「図々しい頑固意地を通すゴリ押し幻想主義アイドル脳巻き込み魔」
「………てへ」
誤魔化す表情で目をそらす。
「どんな出会い方をしたんだよ………」
「「出会い方………」」
夏美の言葉に智秋と目を合わせる。
「「跳んだ」」
「は?」
そんな腑抜けた返事が帰ってきた。
「座席までは一緒ってわけじゃないんだね」
「元々用意されてなかったのを愛さん……あ、愛さんはラブマスターの一人なんだけど、その人の好意で急遽用意してくれたから、バラバラのペアチケットを貰ったの」
「だから各々一緒に行きたい人を連れてきたんだ」
「そう。あ、そろそろ始まる」
会場が暗くなる。そして始まる。【ラブマスター】のライブが………………
ステージが、照らされる。全員がポーズを取っていた。よく見る、よくある光景だ。だけど流石はトップ。全員が綺麗に止まっている。まるで時がまだ流れてないようだ。
「……………スゥ」
全てが飲み込まれた気分だった。さっきまで別のアイドルグループと一緒にいたのに、一瞬にしてその記憶を吹っ飛ばされた。センター一人の強気な語り部のような歌い方から始まる。
次に右に、左に、別の人が歌う度に目で誰かを追ってしまう。既に夢中になっていた。全神経が研ぎ澄まされる。彼女らの音楽を聴くために、見るために、感じるために。
耳は一人一人の声を聞き分けるかのごとく、生まれるハーモニーを全て受け入れ、流れる音楽は声と一寸の差もなく、ただの一度もズレを起こさない。起きない。たった一度も崩れない。
目はそれぞれが舞い踊る一人一人、全員の姿を捉える。音楽と合わせるその動きは芸術で、歌詞に合わせて動かされる口でさえ計算されているかのように錯覚し、瞬き一つ許されない。
肌は盛大に波のように押し寄せてくる音楽と歌声に触れビリビリと震える。まるで体を支配されたかのように内側の心臓でさえ掴まれている気がする。 そのさらに内側の心にさえ響き渡り興奮が抑えられない。
そんな幸福が一曲じゃない。5曲、7曲、10曲続いた。永遠にも感じられる時間は一曲終わるたびに確実に進んでいる。
いずれ終わりが来る。ずっと感じていたいそんな感情も、いざ終われば満足感が支配する。疲れも同時にくる。それは黄金の体験のようで、ただただ笑顔だった。楽しかった。
一体何年ぶりだろう。こんなに何も考えず楽しんだのは。最後は前世のいつ、高校生ぐらいか。それから〇〇年………
「流石はトップアイドル。全部が凄かった。それ以外の言葉はいらない……私達もいつか!」
智秋は興奮気味に言う。俺もだ。俺もいつか、ラブマスターのような世界を作り出したい。そんな音楽を世に放ちたい。色々とインスピレーションが湧いたが今やるべきことはそれじゃない。今は…
「CDを買わなくては!」
当たれ! その中にある握手券! あと次のライブにはうちわとペンライト持ってくから!
長くなったが4Season'sの全員と絡ませられたしラブマスターの歌をきけたの2つを達成できたので良しとしよう。
オマケ
小春→お父さん
夏美→親友
智秋→友達(俺)
冬花→兄
と一緒にライブに来てました。