才能無くて首吊ったら美少女に憑依したけどこいつも才能無くて首吊ってた 作:小中高校道徳の成績5でした
【ラブマスター】のライブは凄かった。本当に、凄かった。凄かった!(大事な事なので2回言いました)
それに圧倒的存在感! 一人一人が目立ちキャラクター性がある。なのにその全てが調和し、完璧にマッチしていた! 複雑な歯車全てが噛み合うように!
「………………は!?」
そうだ……なぜ忘れていた。【キャラクター】だ! 俺は【アンノイズ】として活動しているが皆が皆unknown。謎の存在として認識していた。ミステリアスな存在だと。だがしかし! ミステリアスな【キャラクター】としては認識していない!
過去の曲を全て確認する。
少女
女性
実写
ともかく見た目に一貫性がない。ましてや歌ってるのは【アンノウン】【ノイズ】と2種類に別れている。これじゃあアンノイズのイメージはわかない。だからこそひと目にわかる【デザイン】が必要なんだ。
盲点だった……いや違う。既に完成したかと思っていた。【デザイン】は既に終わっていたかと思っていた。そもそもまだやっていなかった。例えばVtuberにも【デザイン】はある。本間ひま○りは声を聞いただけでその性格、姿、プレイ画面の様子が目に浮かぶ。それは既に完成しているからだ。想像が容易い。
だがアンノイズはどうだ? 声を聴いてどんな姿を浮かべる? 画面を見てどんな歌声で歌う? 名前を見てどんな奴だと思う? わからない。ミステリアス……とは違う。あれはあれで【デザイン】がある。イメージがある。
よし早速! ………………………………
「……………まずは絵……ペンタブほしいな。んー」
財布の中を確認する。良いやつが買えるには買える。だけど買ったら手持ちが無くなる。ノートパソコンは新しいのを買ってもらったから前のを売るという手もあるが大した値段にならないのが現実。MMWで販売している曲は6月分振り込まれたが殆ど売れてない(中旬から販売した)から足しにも心もとない。7月分はまだ先だし。どうしようかな。
まずは金銭問題か。いつかはピアノも欲しいし(弾ける)
そろそろ表現の幅を広げたいがこれじゃあスローペースだ。せっかくの夏休み。宿題は課題研究以外終わらせた(徹夜)し。この期間で何とか次に行きたい………
「というわけで相談しに来ました。あ、これ次の曲です」
「はい! わかりました! 時間一杯、いえ! 時間過ぎても次のお客様が来るまで全力を尽くします!」
「ありがとうございます」
いつものスタジオのお姉さんに相談することにした。【Another Vocal】を開発してくれるときに連絡先を交換した。定期的にアップデートしてくれる。この前なんか下手に音程を弄りすぎると発音が潰れるのを直してくれた。
「そうですねー、フリマアプリとかどうですか? 中古でしたら安いですし」
「一応探し回りましたけど、めぼしいものは………」
「そうですか、確かにペンタブって自分に合う一式揃えるとなるとむずいですからね……」
「それがないとまずデザインを考えるも何も無いですから」
「むしろパソコン一つで完結させていた今までが凄いですよ」
「んー」
「んー、すぐにお金………楽器系はまだまだ先でも良いですが編集環境は真っ先に揃えないと行けないですからね……」
二人で考える。スタジオのお姉さんは腕を組んで頭を上に向けたり指で頭を押して何かアイディアを出せと自分に発破をかけているように見える。
するとお姉さんは疑問符を浮かべた。
「ん? いつかピアノを買うつもりでいるんですよね」
「はい。そうですが」
「なら今すぐに弾きましょう!」
「………へ?」
持ってないものを? この場に無いものをすぐに? いや、と言うより随分後のはずのピアノ?
「今すぐにお金が欲しいんですよね。なら手っ取り早くストリートライブをすれば良いんですよ」
「ピアノで!?」
「ピアノで!!」
「どうやって!?」
「楽音通りというストリートライブが盛んな通りがあるのは知ってますよね」
「はい。一応」
この世界の事を知るために調べまくった時に、アイドル業が盛んな影響かストリートライブも同時に盛んなのだ。楽音通りには文字通りで楽器が買えない人でも借りられるからできるし習える店が沢山ある。ピアノも設置してる。それで食っていってる人もいる。けれどそれはどれも有名人だ。ペンタブ代を短期間で稼ぐって事は簡単にはできない。
「むずくないですか?」
「はい。どれ程の腕前にもよりますが……廊下に出て奥から二番目の部屋に電子ピアノがありますのでそこで一度引いてみましょう。本当は地下にあるちゃんとした奴が良いですがあっちは完全に予約制で私の一存じゃ無理なので」
あったんだピアノ。
それはともかく一度ピアノを弾くことにした。
ピアノか、弾くのは数年ぶりだな。元々ボ○ロ+生演奏というのは俺の好きなボカ○Pが自分で演奏してたから。やりたくなった。だから弾いた。それでも駄目だったが……
「よし」
感覚を取り戻す為に軽く弾く。
今回はストリートライブ……その強みは【自由】な点だ。著作権もクソもない。つまり有名な曲も行けるということ。
「借りるぞ……」
そう独り言を呟く。ズルいが、ルールほぼ無用なストリートライブ。だから今回ばかりは使わせてもらう!
30話以上もあったのにこいつ未だに編集環境整ってねえんだけど。