才能無くて首吊ったら美少女に憑依したけどこいつも才能無くて首吊ってた   作:小中高校道徳の成績5でした

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今回は宮坂智秋視点です。  

坂と阪で間違うことがありますが気にしないでください。

誤字報告ありがとうございます
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アンノイズ

私の名前は宮坂智秋(みやさかちあき)

 

駅近くにあるアイドル事務所。シキセツプロダクション。そこでは日々アイドルとして歌ったり踊ったり、トーク力を高めたり。本番に向けて汗を流している。

 

これは個人的な意見だけど今やアイドルは飽和状態にあると思う。都会の駅近くには必ず事務所が一つはある。激戦区である秋葉原なんかは凄いことになってる。

 

テレビをつければバラエティ番組一つにつき一人は必ずいる。その為、アイドルは陽の目を浴びやすい。たくさんいるからたくさん浴びる。私も例外なく浴びる。

 

でも、誰でも浴びると言うわけではない。それは必然か、偶然か、光に影あり、因果の法則と自然の摂理。どうしようもないと呼ばれる現象。

 

必ずいる。だから努力する。笑顔で、綺麗に。何度も訪れる一度きりのエンターテイメント。

 

 

 

 

 

 

 

 

「しぬぅ!! 死んじゃうよぉ! どうして春休みなのにレッスンを入れるのさぁ! このままじゃ小春、入学式には枯れちゃうよ」 

 

「仕方ないでしょ。貴女が一番の時期なんだから。桜花小春(おうかこはる)なんて今が旬でしょ」

 

ピンク髪のショートヘアの背の低い女の子は床に寝そべって転がりながら水筒を取って愚痴とスポドリを交換する。

 

「休みなのに増える出勤、小春なのに大なる期待、青春一瞬今絶旬! チェケラ!」

 

「ラップ歌える余裕があるなら平気そうね」

  

「絶旬て何?」

 

「えぇ、」

 

YOYO! DJをやりながら口を尖らせる。絶旬て自分が言ったのに自分でもわからないって………ただリズムに乗りたかっただけなのかな。

 

 

絶旬て何?

 

 

「流石に休憩しようよ。小春、最近疲れ溜まってるのぉ。と言うか、冬華と夏美はどうしたの? 来てなくない?」

 

「仕方ないでしょ。春休みは家族間でも忙しい時期なんだから。私だって昨日いなかったわよ。転校関連で」

 

「仕方ないかぁにしても奇跡だよね。名前で春夏秋冬揃うのって」

 

「ユニット名にもなっちゃったしね。珍しいって人気も出てきたし」

 

 

4Season's(四季)】それが私のユニット名。シキセツプロダクションのオーディションを受けに来たとき、合格した四人が私達だった。それが奇跡的に名前に春夏秋冬が集まり、すぐに意気投合してプロデューサーもそのまま私達でユニットを組んだ。まだ2年目と言う新人ではあるものの順調に仕事は増えている。それでも人気かどうかと言ったらそうじゃない。

 

「珍しくて人気と言ったらこれ見てよ」

 

小春のいつもの長く休憩する為の話題振り。いつもだったらすぐに話を切るが今回ばかしはその限りではなかった。

 

投稿日昨日。再生数1万。

 

 

 

 

 

【誰も知らない音楽会】

 

小春がスマホの音量を上げて一本の動画をみせてくる。いや、動画と言ったが画面は常に一枚絵のみで動かない。    

 

空には雲がかかり不十分に明るい。

世界が荒廃したのか、瓦礫が沢山あり、その上にひび割れた機械が置かれていた。明かりがついていることから起動している事がわかる。そして、その機械たちに囲まれているように汚れた白い一枚服を着た少女。瓦礫の上に座り足をぶらつかせながら楽しそうにしていた。

 

 

引き込まれた。

 

 

そこから流れる音楽。少女は歌が上手いのか下手なのか、本人はそんな事全く気にしてない。一人で生きてきたのか、何も知らないのか。  

 

機械たちから鳴る不穏な電子音。それが当たり前かのように少女はそれに合わせて歌う。機械もまた、彼女に合わせて演奏する。楽器なんてない。マイクも無い。ステージすらない。誰かを気にしてる訳でも、誰かの為に歌っているわけでもない。

 

機械が演奏してくれてるから、楽しく歌う。それが伝わってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「作詞作曲、編集、絵、演奏、歌、全て一人でやってるんだって。すごいでしょ? 絶対に伸びるよこの人!」

 

「え!?」

 

信じられなかった。作詞作曲、歌、演奏、私達四人でやってきたこと。そこに録音、編集まで加わったらと思うと。そう考えたらすべて一人でやっていることは不可能だと言いたかった。しかし、動画の概要欄をみると全ての項目が同じ名前で埋め尽くされていた。

 

 

【アンノイズ】

 

どういう意味なのか知らない。だけど、確かに一人で出来る。演奏は実際に演奏してるわけじゃない。ソフトを使ってる。不穏な電子音はそこからきている。

 

「いったいどこの誰なんだろうね! こんなに不思議な気持ちになるの小春初めて!」

 

小春は興奮気味に興味を示しており概要欄にあるソフト等を検索していた。

 

私も気になって検索してみる。

 

 

 

 

 

何もわからなかった。使用されているソフトは全て無料で配布されているもの。アンノイズと言う名前はその動画以外使われていない。どんな人物かもわからない。

 

顔も、年齢も、何もかも不明。明かされているのは歌声のみ。女性と予想できる。でも、それ以外本当に何もわからなかった。

 

 

今やアイドル戦国時代。顔も、趣味も、身長も明かし見た目と実力と個性で勝負するのが当たり前。にも関わらず、その真逆をやっているアンノイズにたった4分で釘付けになってしまった。

 

他の人もそうなっているのか、気になるのか、再生数の100分の1と言うコメントの割合の高さが見て伺える。

 

 

なにもわからない。不思議な感覚。でも、その不思議な感覚に何故か覚えがあるような気がする。  

 

前に会った誰かに似てる気がする。でも、誰なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 




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