とある科学の流動源力-ギアホイール-   作:まるげりーたぴざ

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第五話、投稿します。


第五話:〈主人公達〉は一堂に

真守が黒夜を引きつれて第七学区の待ち合わせしていた喫茶店に入ると、既に垣根帝督と一方通行(アクセラレータ)、それに浜面仕上と(くだん)の幼女、フレメア=セイヴェルンがいた。

 

一方通行(アクセラレータ)は第三学区の個室サロンで黒夜の襲撃があった時から浜面仕上と共にフレメア=セイヴェルンを救出しようと『新入生』の一人、シルバークロースを追っていた。

 

だがシルバークロースが一方通行(アクセラレータ)の苦手な地下へと入ったので、一方通行は情報収集のために追跡を一旦中止して真守に連絡を取った。

 

すると真守が『黒夜をとっ捕まえるから今から言う喫茶店で合流しよう』と言ったので、相変わらず手が早いヤツだ、と一方通行(アクセラレータ)は思いながら喫茶店に来ていた。

 

そして浜面仕上はドラゴンライダーと呼ばれるバイクを含めた駆動鎧(パワードスーツ)を譲り受け、シルバークロースからフレメア=セイヴェルンを奪還したところで垣根帝督に声を掛けられた。

 

垣根はカブトムシで浜面のことを救援しようと思っていたが、浜面仕上が面白いオモチャを手にしたので静観しており、事が終わってから近づいたのだ。

 

各々はそのような動きをして、真守との合流地点である喫茶店へとやってきていた。

 

現在、垣根たちは六人席に座っており、浜面仕上とフレメア=セイヴェルンはもちろん隣同士で座っていた。

 

一方通行(アクセラレータ)と垣根だが、過去を振り切れたとしても垣根に一方通行と仲良くする気があんまりないので、真ん中の席を一つ空けて座っていた。

 

つまり垣根と一方通行(アクセラレータ)の間と、フレメア=セイヴェルンの隣の席が空いている状態である。

 

真守は座席の様子を見て考える。

 

フレメアを殺そうとした黒夜をフレメアの隣に座らせるわけにはいかない。

 

そのため真守はトンッと黒夜の小さな肩に手を乗せた。

 

びくんっと震える黒夜。

 

「黒夜海鳥。お前は一方通行(アクセラレータ)と垣根の間な」

 

「はァ!?」

 

黒夜は驚愕で声を上げるが、真守は気にせずに黒夜を一方通行(アクセラレータ)と垣根の間に強制的に座らせる。

 

「よォ。さっきぶりだなァ、『新入生』」

 

一方通行(アクセラレータ)は隣にちょこんと座ったパンクファッションロリに声をかけて邪悪に笑う。

一方通行の魂胆を理解した垣根は意地悪くにやーッと笑って、隣に座った黒夜へと近づくためにテーブルに肘を置いた。

 

「そういえばお前、確か俺たちのことを『卒業生』とかって呼んでたんだっけか? 面白ぇ呼び方するじゃねえか、なあ?」

 

二人の超能力者(レベル5)が黒夜に圧を掛ける様子を見てガクガクブルブル震えていたのは、向かいに座っている浜面仕上である。

 

「お……鬼だ。鬼がここにいる……っ!!」

 

浜面は超能力者(レベル5)二人の間に黒夜を放り込むという、神の慈悲なき所業(しょぎょう)に恐れおののく。

 

対してフレメアはと言うと、自分の左隣に座ろうとしている真守の右肩にしがみついている、垣根が未元物質(ダークマター)で造り上げたカブトムシ、通称『帝兵さん』に目が釘付けだった。

 

「気になるのか?」

 

「にゃあ、おっきいカブトムシ!!」

 

真守が問いかけると、フレメアは目を輝かせて真守の右肩にくっついているカブトムシを指差した。

真守は少し考えてからカブトムシを手に取ると、そっとフレメアに手渡した。

 

「にゃあ! ありがと!!」

 

「あ。オイ真守! 何ガキに渡してんだ!」

 

真守から手渡されたカブトムシを両手で受け取ったフレメアを見て垣根が声を上げると、真守はフレメアの隣に座りながら垣根を見た。

 

「別にいいだろ。一匹くらい」

 

「良くねえよ!!」

 

「帝兵さん、嫌か?」

 

垣根が即座にダメだと言うので、真守はフレメアが抱えているカブトムシに声を掛けた。

 

『いえ。私は垣根帝督(オリジナル)と違って心が狭くないので』

 

「オイ端末ゥ!!」

 

反抗的なカブトムシに垣根がダァン! とテーブルに拳を叩きつけると、超能力者(レベル5)の怒りを感じて黒夜と浜面がビクゥッと体を縮こませる。

 

フレメアは垣根の怒りなど毛ほどにも思わず、カブトムシを(かか)げて訊ねる。

 

「にゃあ! あなたお話しできるの!?」

 

『はい。帝兵さんとお呼びください。真守に名付けてもらいました』

 

「真守……真守ってこの人のこと?」

 

フレメアはカブトムシと会話しながら真守を見上げた。

真守はフレメアへと笑いかけながら頷く。

 

「朝槻真守。超能力者(レベル5)第一位だ。お前はフレメア=セイヴェルンだよな。よろしく」

 

「にゃあ、よろしく朝槻!」

 

真守とフレメアが和気あいあいとしているのを見ていた垣根は、自分が作った端末であるカブトムシが命令を聞かないのでギリギリと歯噛みする。

 

そんな垣根を見た一方通行(アクセラレータ)はコーヒーを飲んでからぽそっと告げた。

 

「その年頃のガキはマスコットが大のお気に入りなンだよ。取り上げるとうるせェから持たせとけ」

 

打ち止め(ラストオーダー)やそこに連なる妹達(シスターズ)、そして高校生くらいまで肉体を成長させられた番外個体(ミサカワースト)でさえマスコットに釘付けなのだ。

 

真っ当な真っ当な幼女であるフレメアにも好きにさせればいいと一方通行(アクセラレータ)が告げると、垣根は一方通行にくわっと怒りを向けた。

 

「マスコットじゃねえんだよ! 俺の一部みてえなモンだ!」

 

「あァ? じゃあなンで子供受けする外見にしてンだよ」

 

「子供受け狙って造ったんじゃねえよ! 利便性を考えてんだよ!」

 

真守は言い合いをしている二人を見て、その二人の間に挟まって縮こまっている黒夜を見ながらため息を吐いた。

 

「垣根、一方通行(アクセラレータ)。間に挟まれている黒夜の顔が真っ青になってるぞ」

 

ちなみに超能力者(レベル5)が言い争いをしているので顔が真っ青にさせそうな浜面だが、浜面はフレメアと仲良くお話しするカブトムシを見つめて、これは突然変異なのかそれともロボットなのかと悶々(もんもん)と考えていた。

 

色々とカオス空間になっているが、真守は黒夜海鳥たち『新入生』が動き出した理由を話す。

 

「これから起こる『魔術の神さま』との戦いに邪魔だから、不穏分子として第三次世界大戦に関わった俺たちをいっぺんに排除しよォとしたァ?」

 

真守が黒夜本人と緋鷹から聞いた話を簡潔に浜面と一方通行(アクセラレータ)に伝えると、一方通行は怪訝な表情をした。

 

「魔術の神さま、って……なんだよ。というかその前に魔術って一体何なんだ?」

 

浜面が戦々恐々としたまま真守に問いかけるので、真守は小さい口でパンケーキを食べていたが、そういえばと目を(またた)かせた。

 

「浜面仕上。お前はどうして第三次世界大戦に参加したんだ?」

 

一方通行(アクセラレータ)打ち止め(ラストオーダー)を救うために参加して、真守は垣根帝督と共にいられる未来を求めながら右方のフィアンマと戦った。

だが浜面仕上に関しては真守は何も知らない。そのため真守が問いかけると、浜面はぽつぽつと話し始めた。

 

「実は学園都市に命を狙われてそのままロシアまで逃げたんだ。そこで滝壺の具合が悪くなって、現地の人たちに助けられたり、俺たちが助けたりして……それで学園都市の駆動鎧(パワードスーツ)に追われてエリザリーナ独立国同盟に逃げ込んだら、一方通行(アクセラレータ)と会ったんだ」

 

「そンでエリザリーナにコイツの連れの体に溜まってた毒素を抜いてもらったンだ。オマエがコイツに助言したンだったな? あの女には細胞単位で毒が溜まってるって」

 

真守は大体の事情を把握してふむふむと頷く。

 

「じゃあがっつり魔術に関わっているのに、まったく魔術のことを知らないわけか」

 

真守が納得していると、一方通行(アクセラレータ)が飲み終わったコーヒーのカップをテーブルに置いて真守の方へ身を乗り出した。

 

「魔術ってのはなンだ? 俺よりも深いところにいるオマエなら知ってるだろォが。オマエの具合が悪かったから機会伺ってたが、そろそろ答えてもらうぞ」

 

「どこから話せばいいものか。私も別に専門家じゃないからなあ」

 

真守が顔をしかめながらも一応の説明に入ろうとすると、タイミング悪く携帯電話に着信があった。

 

一方通行(アクセラレータ)が舌打ちをする中、真守が携帯電話を確認すると、そこに表示されていた通話相手を見て目をきょとっと丸く見開いた。

 

『上条当麻』

 

北極海で消息を絶った少年。その少年から電話が来たのだ。

 

「もしもし?」

 

〈朝槻か? 今学園都市に帰ってきたんだけど、どこにいる?〉

 

「おかえり。ずっと帰って来るのを待っていたんだぞ」

 

真守が柔らかく微笑みながら穏やかな声で告げると、上条当麻は電話の向こうで息を呑んだ。

 

〈ああ。ただいま、朝槻!〉

 

「新しい敵が動き出してる。魔術の神さまってヤツだ。そっちでは何か掴んでいるか?」

 

〈! ……ああ、そのことで話さなくちゃならないことがあるんだ。あの戦争に関わってた学園都市の連中にも色々説明したい。後、お前に個人的に会いたいってバードウェイのヤツが〉

 

「バードウェイ? ……とりあえず分かった。どこで合流する?」

 

真守が突然出たバードウェイという第三者の人間の名前に首を傾げながらも頷くと、上条は気まずそうに声を上げる。

 

〈あー……じゃあとりあえず学生寮まで来てくれるか? 寮の前で待っててくれ〉

 

「分かった」

 

真守は通話を切って怪訝な表情で見ていた一同を見据えた。

 

「上条当麻が学園都市に帰ってきたって。魔術の専門家を連れて来てるらしいから、合流してから腰を()えて話をしよう」

 

真守の言葉に垣根、一方通行(アクセラレータ)、浜面は目を見開く。

 

そして、全員話を聞くために準備し始めた。

 

 

 

──────…………。

 

 

 

「やあ。キミが神人だな?」

 

真守たちが上条の学生寮の前にやってくると、黒服の男たちに囲まれた上条当麻と十二歳程度の少女が立っていた。

 

金髪の少女だが、フレメアとは違う類の印象だ。シックなブラウスにスカート、ストッキングの配色がアンティーク調のピアノを彷彿とさせる。

 

真守は偉そうにしている少女から視線を外して、上条を見た。

 

「上条。なんだこのちんまいの」

 

「ちんまいの!? この……神人! 言うに事欠いてちんまいってなんだ!!」

 

幼女がぷんぷんと真守の表現に怒って地団太を踏む姿を真守が見つめていると、真守の隣で垣根が首を傾げた。

 

「で? 一体誰なんだ、お前」

 

少女は腕を組んで苛立ちを(あら)わにしながら自己紹介する。

 

「魔術結社、『明け色の陽射し』のボス。レイヴィニア=バードウェイだよ、まったく」

 

「名前からして『黄金』系の魔術結社か?」

 

真守が即座に問いかけると、バードウェイはない胸を張って宣言する。

 

「ふっ。そういえば神人はケルト崇拝のマクレーン家にゆかりある人間だったな。そうだ、我々『明け色の陽射し』は黄金系の魔術結社でも最大規模を誇るんだ!」

 

真守が事情を知っているのに自分は何も知らないという構図に不機嫌になった垣根は、真守のことをじろっと睨む。

 

「黄金系ってなんだ?」

 

黄金夜明(S∴M∴)。稀代の変態魔術師、アレイスター=クロウリーが所属してた魔術結社だ」

 

「アレイスター……」

 

垣根は真守の説明に目を細める。

 

公にされていないが、学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーは今、真守が言った稀代の魔術師、アレイスター=クロウリーと同一人物だ。

 

それをバードウェイが知っているとは思えないが、垣根はそのことはひとまず置いておいて問いかける。

 

「で? お前が上条を北極海から助けたのか? でもなんでヤツと一緒に学園都市に来たんだ?」

 

「『ヤツら』と戦うためさ」

 

垣根が問いかけると簡潔に答えたバードウェイ。

その言葉に真守の隣で聞いていた一方通行(アクセラレータ)が口を開いた。

 

「『ヤツら』ってのは……魔術の神さまってヤツかのことかァ?」

 

「お、なんだ。そこまで話がいっているのか。だが魔術の神さま単体が攻撃を仕掛けてくるわけじゃない。『ヤツら』が複数形なのはそのためだ」

 

話が早いとバードウェイが笑うと、浜面は首を傾げた。

 

「だからそのマジュツってのはなんなんだ? 超能力と違うのか?」

 

浜面の問いかけに上条は神妙な顔になって告げる。

 

「学園都市が(かか)げる『科学的に開発される超能力』とは全く別の、超常現象を引き起こす法則が存在するって胡散臭い話だけど。そこを信じなくちゃ始まらないんだ」

 

上条は真守のことをちらっと見てから、グッと拳を握った。

 

「普通は信じられないと思うけど、そういう連中がいるんだ。第三次世界大戦の裏で糸を引いてたのも、魔術を使う集団なんだよ。……俺はそこに所属しているわけじゃないからあんまり分からないけど。でも、」

 

上条が決意を口にしようとすると、悲劇が起きた。

 

バードウェイが上条当麻の股間を後ろから蹴り上げたのだ。

 

「ば……ばう…………ッ!?」

 

その場にいた男たちは突然急所を蹴られて、足をくねっと曲げて崩れ落ちた上条当麻を見て顔を青くする。

 

そんな一同の前でバードウェイは足を元に戻して腕を組み、泡を吹いて震える上条を睥睨(へいげい)した。

 

「偉そうに決意を語る前に、お前は頭を下げるべき人間に頭を下げるという大事な仕事があるだろう。ったく、一体何人泣かしているのやら」

 

「一端覧祭の準備で久しぶりに学校行ったら姫神がすごくへこんでたぞ」

 

真守は地面に体を預けてだらしなくお尻を天に突き上げた上条の近くに腰を下ろして、上条のツンツン頭をつつきながら告げる。

 

「ぐっ……しょ、しょれはとっても申し訳ないと思って……るぅ……!」

 

上条は鈍く痛む股間を押さえながら科学の神さまを見上げる。

 

「う……うぅ……朝槻ぃ。俺、どの面下げて会いに行けばいいんだろうな……っ?」

 

「頼られても困る。やっぱり誠心誠意謝るしかないだろ」

 

真守が顔をしかめていると、話の見えない浜面が真守を見た。

 

「さっきから何の話してるんだ? 頭下げなくちゃなんねえとか、泣かしたとか」

 

「上条は第三次世界大戦から今まで帰ってきてなかったから、死んだことになってるんだ。だから意気消沈している子たちが多い。特に女の子が」

 

真守がじろっと睨むと、上条は股間を抑えるのをやめて立ち上がり、しょんぼりと肩を落とす。

 

そんな上条を見て、バードウェイがため息を吐いた。

 

「どこをどう進んだって結局通る道なんだから、踏ん切り付けて早いうちに謝れよ」

 

「歯医者みたいなものだと考えれば良いかなあ」

 

上条がとっても気が重いと肩を落としている姿を見て、浜面はピッと人差し指を立てて提案する。

 

「もうどうしてもやるしかねえなら、せめて発破をかけるしかねえんじゃねえの?」

 

「どういうこと?」

 

「酒でも飲んでテンション上げちまえよ」

 

浜面は未成年に対してあまりよろしくない提案をするが、止める者が誰もおらず、提案者の浜面が買ってきた酒をあおった上条当麻は酔った勢いでそのままふらふらとどこかへ行く。

 

真守たちが待っていると、上条が帰ってきた。

 

大量の少女たちにがっちりとホールドされて。

 

「っつーか、何で結標の野郎までハシャいでンだ?」

 

一方通行(アクセラレータ)は上条にくっついていた女子たちの中に『グループ』の構成員で同僚だった結標淡希が何故か(まぎ)れ込んでいたことについて、当然のように疑問を浮かべた。

 

一方通行(アクセラレータ)は当然として知らないが、実は真守と上条の担任、小萌先生が結標を拾って居候させており、小萌先生経由で上条は知り合いになっていたのだ。

 

「師匠って呼ぼう」

 

浜面は上条のモテモテ具合を見てしっかりと頷き、垣根は全員知り合いである彼女たちに交ざろうとしてトテトテ歩いて行った真守を止めた。

 

「なんでお前まで行くんだよ」

 

垣根ががっしりと手を掴んで真守を止めると、真守はきょとっと目を見開いて不思議そうに垣根を見上げた。

 

「? 挨拶くらいした方がいいだろ?」

 

「あの集団に近付くのは絶対に許さねえ」

 

「なんで?」

 

真守が()に落ちない表情で垣根をじぃっと見上げていると、垣根が怒鳴った。

 

「お前があのハーレム野郎のハーレムの一員みたいに見えるからだ!!」

 

「そんなわけないだろ。私は垣根の恋人なんだから」

 

「その事実があったって嫌に決まってんだろ、絶対に行くな!!」

 

真守は器の小さい男だ、と小さく呟いて必死に自分を止める垣根の手をギュッと握る。

 

器の小さい男ではなくとも、ハーレムの軍団に好きな女の子が入るのは嫌だ。

 

その気持ちが痛いほどによく分かる滝壺理后という恋人がいる浜面仕上は何度もうんうんと頷き、フレメアはカブトムシと遊びながら不思議そうな顔で浜面を見上げた。




上条当麻、帰還しました。
新入生篇はこれで終了です。
一つ季節ネタを挟もうと思っていますのでお楽しみいただければ幸いです。


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