とある科学の流動源力-ギアホイール-   作:まるげりーたぴざ

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第一四話、投稿します。
次話投稿は五月三一日火曜日です。


第一四話:〈前哨戦闘〉は閉幕して

(一一月一〇日、オアフ島、新ホノルル国際空港、避難誘導の過程で持ち主の手を離れたジョークグッズのペン型カメラの映像より)

 

『あ。もしもし、バードウェイ?』

 

真守は中央ロビーの鉄骨の上に乗ったまま携帯電話でバードウェイと連絡を取る。

電話は会議モードとなっており、上条当麻の携帯電話とも一応繋がっていた。

真守の眼下では、浜面仕上が奮闘している。

 

即席の圧縮ガス銃で、だ。

 

浜面仕上は武装無能力集団(スキルアウト)のリーダーだったが、御坂美鈴を殺し損ねた事により、『アイテム』の下働きとして働くようになった。

 

武装無能力集団(スキルアウト)というのは学園都市で鼻つまみものだ。だから彼らは自分の身を守るための即席の武器をその場で組み立てられるという特技がある。

 

そのため浜面仕上はその特技のために盗んだ四本の大型の消火器をまとめて、ホースの先端に鋼鉄製のパイプを繋げた。

 

そしてパイプの中に釘を貫通させたコルクを()めて撃ち出す、即席の圧縮ガス銃で応戦し始めたのだ。

 

だがサンドリヨンは時速二三〇キロで空気を切り裂く弾を、怪物じみた速度で避け続ける。

 

真守は無能力者(レベル0)なりに浜面仕上が奮闘しているのを感心しながら、バードウェイと会話する。

 

『うん。私は垣根と一方通行(アクセラレータ)と一緒に中央ロビーの天井付近にいるぞ。私たちは本当に待機でいいのか?』

 

『感謝をします、お婆さん』

 

真守が携帯電話で連絡を取っている中、サンドリヨンは(うた)いながら浜面が懸命に撃ち続ける釘を貫通させたコルクを避け続ける。

 

『王子様との素敵なダンスの時間をありがとう。キラキラ輝くドレスにガラスの靴。素敵なお召し物が弱気な私を後押ししてくださいます。優美で完璧なる一夜の姫に』

 

サンドリヨンは謳うように言葉を紡ぐと、ハイヒールの(かかと)をカカカッ! とフラメンコのように高速で地面に打ち付けて移動しながら上条を見据える。

 

そしてサンドリヨンは浜面仕上の攻撃を避け続けながら、流れるような動きで上条当麻に素早い速度で迫った。

 

『くっ!!』

 

上条は右拳を構えるが、間に合わない。

 

サンドリヨンは二本の細い腕を上条の右腕に絡め、そして上条の両足の間にハイヒールを片方差し込む。

 

サンドリヨンが体を締め上げてくるため、上条はその激痛から逃れようと身をよじる。

 

すると上条当麻の体がくるっと、回った。

 

まるで社交ダンスでリードされているように。華麗に、自然と言った風に。くるり、と。

 

サンドリヨンは上条の体を優美に振り回すと、盾のように自分の体の前に上条を持ってくる。

 

浜面がサンドリヨンを圧縮ガス銃で撃とうものなら、上条当麻の体に当たる。

 

それを悟った浜面仕上は、サンドリヨンへ攻撃ができなくなってしまった。

 

『カボチャの馬車のお婆さん』

 

サンドリヨンは上条の脇に腕を通して、即席銃が撃てなくなった浜面たちへ右手の平を向けた。

 

『急いで馬車をくださいな。一夜の夢が覚めるよりも早く、早く。カボチャの馬車を走らせてくださいな』

 

するとサンドリヨンの右手の平から、凄まじい衝撃波が繰り出された。

 

その衝撃波は床をめくり上げながら、まっすぐと浜面たちがいた場所へと突き進む。

 

浜面や番外個体(ミサカワースト)、そして黒夜海鳥は慌てて通路の角の向こうへと身を引っ込めるが、浜面たちを極限まで追従した衝撃波はその通路の角を粉々に砕いた。

 

『このっ!!』

 

上条のすぐ近くにいた御坂美琴が前髪から電撃を飛ばすが、サンドリヨンは再び上条を盾として美琴の前に突き出す。

 

電撃を放ったら上条に当たる。

 

そう理解した美琴は、完全に攻撃の手段を封じられてしまう。

 

『カボチャの馬車のお婆さん』

 

サンドリヨンは上条の足を払うと、美琴を巻き込む形で上条当麻を床へと押し倒し、無力化しながら再び(うた)う。

 

『ガラスの靴をくださいな。距離は五〇〇、人数は無制限。不誠実な嘘つきたちをまとめて項垂(うなだ)れさせる、厳正かつガラスの靴の試練をお一つ』

 

サンドリヨンは、先程バードウェイの部下を一網打尽にした魔術を中央ロビー全体に発動しようとする。

 

バードウェイに手を出すなと言われていたが、流石にマズいと思った垣根と一方通行(アクセラレータ)は真守を見た。

 

二人の視線を受けて、真守は二人の視線を誘導するためにアイコンタクトをしてから、二人に見てほしい方向へちらっと目を動かした。

 

新ホノルル国際空港の中央ロビーの外に面している壁は一面ガラス張りとなっており、陽の光が入りやすいようになっている。

 

もちろん中央ロビーということもあって壁は三階建ての建物ぐらいあって、左右には三○〇メートルほども広がっていた。

 

真守の視線誘導に引かれて垣根と一方通行(アクセラレータ)が外を見る。

 

 

すると。そこには、航空燃料を五〇トンは積載した超大型のタンクローリーがいた。

 

 

そして、真守たちのいる中央ロビーを一直線に目指して爆走していた。

 

 

その超大型タンクローリーの運転席の上。

 

そこには仁王立ちのバードウェイが立っていた。

 

バードウェイは躊躇(ためら)うことなく全速力のタンクローリーを操って、中央ロビーに派手に突っ込んだ。

 

一面ガラス張りの壁は鉄骨もろとも粉々に砕け散り、轟音が響き渡る。

 

『そいつの足を押さえとけ』

 

バードウェイは勿論魔術を使ってガラスの破片から身を守り、スピーカーフォンにして通話していた上条に指示を出した。

 

上条は突然ながらもバードウェイの指示に従い、サンドリヨンの足を引っ掴む。

 

上条の一手に気を取られたサンドリヨンは、タンクローリーをどうにかするための思考を鈍らせてしまった。

 

その瞬間、タンクローリーはサンドリヨンに直撃する。

 

一緒にいた上条と美琴はすんでのところでタンクローリーの車体の下に潜り込んでおり、二人の鼻先スレスレをタンクローリーは滑って行った。

 

そして時速二〇〇キロ近いタンクローリーは、サンドリヨンを前面に張り付けたまま中央ロビーの壁に激突。

 

壁が割れ、瓦礫が落ちて粉塵が舞い上がる。

 

そんな轟音が何度も立て続けに巻き起こり、様々な破壊音が響き渡る。

 

真守が呆れている前で、バードウェイはひらっと中央ロビーへと降り立った。

 

『こんなもんか』

 

そう呟くと、周りでうめき声を上げて倒れ伏している自身の配下たちを見下ろす。

 

『まったく、あっちもこっちもバタバタ簡単に倒れやがって。車輪で上手く隙間を縫わせるのは大変だったぞ』

 

『か、怪物め……』

 

上条は自分のすぐそばに近づいてきたバードウェイを睨み上げながら呟き、起き上がる。

 

『おい、あのサンドリヨンってのはグレムリンの隠れ家や計画を探るために必要だったんだろ!? 全体的に容赦がなさすぎる! もう救急車どころの騒ぎじゃなくなってるじゃないか!』

 

『そうでもない』

 

バードウェイは右手を軽く振る。

するとその右手にはいつの間にか杖が握られていた。

バードウェイは杖を振りながら、余裕たっぷりで告げる。

 

『見ろよ。グレムリンってのはやっぱり一筋縄ではいかないらしい』

 

『?』

 

上条がバードウェイの言葉に顔をしかめた途端、金属の扉を無理やりにこじ開けようとしているような鈍い音が耳に入ってきた。

 

振り返ると、タンクローリーの潰れた運転席と砕けた壁の間から細い指が出て、中から何かが這い出ようともがいていた。

 

『サン、ドリヨン……!?』

 

上条が思わず愕然(がくぜん)としていると、バードウェイは呆れた様子で講釈垂れる。

 

『そりゃまあ、灰被りは王子の前じゃ完全無欠のお姫様だったからな。失敗なんてありえない。ありえないように外的要因全てを再調整する。その都合の良い勝ち組オーラが「舞踏会」ってヤツなのかな。ただの大質量の塊で程度で少女の憧れが中断することもない、か』

 

バードウェイがそう告げた瞬間、タンクローリーの間からギロッと、サンドリヨンが血走った目でバードウェイを睨みつけた。

 

『ただし、灰かぶりのドレスには機能制限が存在する。深夜一二時のリミット。日付をまたぐことに意味があるんだろうが、一夜の夢を終わらせるならもう少し分かりやすい象徴を当てはめる事もできる』

 

バードウェイはくるくると回していた杖の回転を止めて、その先端をタンクローリーへと向ける。

すると、その杖にはいつの間にか金の懐中時計が鎖によって絡みついていた。

一二時を意味するその時計。

それをサンドリヨンへと向けながら、バードウェイは告げる。

 

『夜明け、さ』

 

直後。

 

 

タンクローリーに積まれていた五〇トンの航空燃料は、バードウェイの手によって着火された。

 

 

上条やバードウェイの部下たちが慌てて逃げる中、航空燃料は大爆発を引き起こした。

 

爆風が吹きすさび、炎が燃え盛る中。

 

学園都市が生み出した怪物たちの頂点は、もちろん無事だった。

 

『頭ぶっ飛んでんな。流石上条を北極海から引き上げたガキだ』

 

垣根帝督はそう吐き捨てながら、三対六枚の純白の未元物質(ダークマター)で造り上げられた翼の間から顔を出す。

その中には当然真守もいて、真守は辺りを見回して頷く。

 

『うん。負傷者もいないっぽいし、大丈夫そうだな。美琴がやってくれたし』

 

死亡者や怪我人がいないことを確認すると、真守は垣根と共に一足先にバードウェイの近くに降り立った一方通行(アクセラレータ)の隣に降り立つ。

 

火の粉や爆炎が舞う中、超能力者(レベル5)たちは無残な姿になったサンドリヨンを睥睨する。

 

『さて、これからだな』

 

バードウェイが呟く中、真守たちはとりあえずその場を後にした。

 

 

 

(一一月一〇日、オアフ島、新ホノルル国際空港第三ターミナル倉庫、防犯カメラの映像より)

 

 

 

バードウェイのタンクローリーアタック(物理)で体をぐちゃぐちゃにされたサンドリヨン。

 

それでもサンドリヨンは自己の肉体とドレスを合わせて童話を基にした魔術を構築しており、そのおかげで体は細かい火傷を残して綺麗に再生していた。

 

だがこれ以上の魔術行使が行われないようにバードウェイはサンドリヨンの象徴である半透明のドレスを引きはがしており、現在サンドリヨンはダイバースーツのような体型矯正用下着、つまりコルセットのみの格好になっていた。

 

『で、どうする。私は専門じゃないから手荒な事になるかもしれないけど、一応記憶の読み取りはできるぞ』

 

真守はバードウェイの足元に転がっているサンドリヨンを見つめながらバードウェイに声を掛ける。

 

『手荒な事になるということは、具体的にどういう事になるんだ?』

 

バードウェイが楽しそうに問いかけると、真守は淡々と告げる。

 

『魔術で読み取りを妨害されたら競合か反発で頭が吹っ飛ぶけど、完璧に治せる自信がある』

 

『それもある意味見てみたいが、面倒が増えるから私に任せておけ。餅は餅屋って言うだろ?』

 

バードウェイは柔らかく微笑みながら真守をどかす。

 

そしてサンドリヨンの顔に羊皮紙でできた符をいくつも張り付けた。

 

魔術を使って吐かそうとしているバードウェイの手つきを、学園都市最高峰の頭脳を持つ超能力者(レベル5)三人は一挙手一投足間違えずに記憶する。

 

そんな中、バードウェイはサンドリヨンに冷酷に告げた。

 

『否定しろ』

 

半ば楽しそうに、バードウェイはニヤニヤと笑いながら告げる。

 

『お前が何を否定しようとしているのか、その項目をこちらで読み取る。だからお前は、ただ私の質問に対して全力で拒めば良い』

 

素直に答えれば魔術を使われなくて済むが、それが嫌で抵抗してもバードウェイの術式によって記憶を読み取られる。

 

つまり何をしたって、サンドリヨンはバードウェイの尋問から逃げることはできない。

 

唯一の逃げ道は『究極の無関心』だが、言葉を投げかけられて無反応を貫くのは脳の構造上人間には難しい。言葉と共に暴力を振られたら尚更だ。

 

そのためサンドリヨンが嫌々とゆっくり首を横に振るが、バードウェイはそれを無視した。

 

『お前の仲間はどこにいる?』

 

サンドリヨンは無表情を貫いているが、その頬がわずかに震える。

 

『お前の目的は何である?』

 

バードウェイがそう質問した途端、サンドリヨンの顔に張ってあった符が輝きを帯びた。

 

『割り出しは順当だ。あと三〇秒もあれば朗報が待っている』

 

バードウェイが勝利宣言をした瞬間、サンドリヨンの口が動いた。

 

『おーおー。サンドリヨンちゃん。すっかりはっきりやられちゃってんじゃん』

 

バードウェイは即座にサンドリヨンの口へと杖を容赦なく突っ込む。

それによってサンドリヨンの前歯が砕かれて血が零れ落ちるが、サンドリヨンは笑っていた。

いいや、彼女を操っている誰かに笑わされているのだ。

 

『取り押さえられても無駄無駄ちゃん。何なら手足を折っちゃっても構わないけど。外部干渉してる今ならマリオネットみたいに操れるワケだしさ。もっちろん、人間の限界(笑)とやらをぶっちぎった出力でね』

 

その宣言と共に、バードウェイがサンドリヨンの口に突っ込んでいた霊装がかみ砕かれた。

 

サンドリヨンの前歯は折れている。

 

それなのに霊装をかみ砕いたという事は顎の力のみでかみ砕いたということで、そんな事をすればサンドリヨンは激痛を(ともな)うハズだった。

 

サンドリヨンが弾かれたように動き出すので、一方通行(アクセラレータ)はチョーカーのスイッチを切り換えて能力行使モードに切り替える。

 

そして近くに落ちていた瓦礫の破片を、動き出したサンドリヨンに直撃するように蹴り飛ばした。

 

だがサンドリヨンはそれをひょいっと華麗に避けて、ひとっ飛びで五メートル以上も後退した。

 

そして口から血を垂れ流しながら、()()()()()()()()()声を発した。

 

『全額投入は赤の二五番に』

 

『ほいほいちゃん。勝負の結果は黒の一一番に。承認完了』

 

誰かが呟くと、サンドリヨンの体から乾いた音が響き渡り、サンドリヨンをその誰かが乗っ取った。

 

『チッ!!』

 

バードウェイは舌打ちをして、かみ砕かれた杖の残骸を手を(ひね)ってくるりと回す。

すると次の瞬間、破壊された杖の霊装は小さな(さかずき)に変わっていた。

バードウェイはサンドリヨンを操っている魔術師の攻撃が来ると身構える。

 

そんなサンドリヨンを操っている魔術師は、サンドリヨンの表情を動かしてニコッと笑みを浮かべた。

 

『そんじゃサンドリヨンちゃん。確かにグレムリンの情報は守ったげるよん』

 

 

サンドリヨンを操った誰かはそう告げると、サンドリヨンの口の中にあった杖の鋭い破片を取り出し、自分のこめかみへ力強く先端を突き刺した。

 

 

サンドリヨンも予想外だったのか、『え』という言葉を漏らしながら真横へと倒れる。

 

真守はサンドリヨンが倒れる前に即座に近づき、彼女の体を抱き留めた。

 

そしてゆっくりと地面に横たわらせると、真守はサンドリヨンの血で汚れる事も躊躇(ためら)わずに頭に触れた。

 

『脳細胞の損傷が激しい。こうなったら脳に深く入り込む記憶の入手は困難だ。──だから、この子の心の表面を読めるだけ読む』

 

真守は宣言して、びくびく震えるサンドリヨンの頭を読みにかかる。

 

サンドリヨンの頭は裏切りの衝撃や痛みに塗れていて、治療をしながら読むのは難しい。

 

『──────さろーにゃ。さろーにゃ、なぜ……』

 

だが真守は絶対能力者(レベル6)だ。サンドリヨンの命を繋ぎながらその脳裏にある誰かへの感情を読み取り、形にする。

 

『すごく裏切られた感覚がサンドリヨンを支配してる。多分、サローニャってのがサンドリヨンを操って自滅させた魔術師の名前だな』

 

真守は目を伏せて意識を集中させていたが、ぴくっと眉を動かした。

 

『──────きばくざい』

 

真守はサンドリヨンの脳裏によぎった単語に顔をしかめる。

 

『起爆剤? 何かの暗喩(あんゆ)か? それがこの子にとって今一番大事なモノみたいだ』

 

真守がそれを読み取った瞬間、サンドリヨンが血を吐いた。

 

『これ以上は無理だな』

 

真守はサンドリヨンに干渉して、丁寧に処置をしていく。

垣根はそんな真守に近づき、サンドリヨンの様子を一緒に見る。

 

『ふむ。流石は神人。良い働きをするな』

 

バードウェイが満足そうに呟く中、一方通行(アクセラレータ)は結局役に立たなかったバードウェイを見た。

 

『で。お前はどォするンだ。ご自慢の魔術でアイツが拾った貴重な情報を役立てられンのか?』

 

一方通行(アクセラレータ)が皮肉を言って責めると、バードウェイは肩をすくめた。

 

『口封じのためにグレムリンが接触してきた。だからサンドリヨンは情報を持っていた。──「起爆剤」とやらに価値がある事は確かだ』

 

バードウェイが得意気に告げる中、真守のそばに腰を下ろした垣根は苛立ちを込めてバードウェイを見た。

 

『ふんぞり返ってねえで救急車手配させろ。お前のことだ、ちゃんと息のかかった病院用意してんだろ』

 

『ああ。みたところ頭蓋骨は貫通していないが、骨の破片が脳に突き刺さってくも膜下出血が併発していると見える。手ごろな病院を用意させる』

 

バードウェイは携帯電話を取り出して、連絡を取り始める。

 

『割と役に立たねえな。あのクソガキ』

 

垣根が毒吐くと、真守はサンドリヨンのことを優しく抱きしめながら告げる。

 

『まあそう言うな、垣根。これから役に立つよ、多分だけど』

 

真守が少しばかり辛口なフォローをすると、バードウェイはもう一度肩をすくめた。

 

真守は『頑張って』と、バードウェイに小さく笑いかけて、サンドリヨンの治療に専念した。

 


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