とある科学の流動源力-ギアホイール-   作:まるげりーたぴざ

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第一二〇話、投稿します。
次は八月一七日木曜日です。


第一二〇話:〈静止人間〉に火を灯して

一〇万三〇〇〇〇冊の魔導書。

その知識の全てを小さな頭に記録している、魔導書図書館。

銀髪碧眼の、どこにでもいる普通の少女──インデックス。

今の彼女は、大悪魔コロンゾンに操られていた。

 

自動書記(ヨハネのペン)』という、インデックスに魔導書図書館として備わっている防衛機能。

かつてその防衛機能は幻想殺し(イマジンブレイカー)によって破壊された。だがインデックスに防衛機能を搭載させたのは、インデックスを魔導書図書館に仕立て上げた大悪魔コロンゾンだ。

だから大悪魔コロンゾンがその気になれば、インデックスの防衛機能である『自動書記』は起動できるのだ。

 

インデックスはゆっくりと宙を浮いており、その瞳に魔法陣が浮かび上がらせた。

目に浮かんだ魔法陣は巨大になって広がり、それと共に空間に無数にヒビが入った。

 

「インデックス!?」

 

上条はかけがえのない少女を見て叫ぶ。

浜面仕上は烏丸府蘭を押さえつけたまま、悲痛な声を上げた上条当麻と共にインデックスを見た。

 

現在、超能力者(レベル5)二人は遥か上空にて、府蘭お手製の宇宙ステーションの対処に向かっている。

地上に残っている真守は病み上がりで、しかもその手の中にはリリスが収まっている。

まだ府蘭だけならなんとかできる。マズいのは、インデックスという強大な力を操る少女が追撃をしてきていることだ。

 

「制御の陣を探せ」

 

アレイスター=クロウリーは上条当麻へとそう指示する。

 

「魔導書図書館の体のどこかに浮かんでいるはずだ。すでに一度、キミはそれを成し遂げているはずだぞ。今のキミには思い出せないとしても、歴史に刻んだ事実までは変わらない」

 

上条当麻はアレイスターに指示されて、顔を歪めた。

ずぎんっと、上条当麻の右のこめかみに激痛が走ったのだ。

 

その痛みが本物なのか。幻の激痛なのか、上条当麻には分からない。

頭を押さえながら、上条当麻は目の前の少女を必死になって見つめる。

 

インデックスはまるで今までとは違う存在であるかのように、無表情になっていた。

無垢な笑顔を見せる彼女はどこにもいない。上条当麻のことを怒って噛む、可愛らしいところを持つ彼女ではなくなっていた。

 

インデックスから投影された魔法陣と、空間に走る無数のヒビ。

そのヒビの向こうを見てはならないと警鐘が脳裏に響くのは、あれが大悪魔コロンゾンの息がかかっているという証拠なのだろうか。

 

上条当麻には記憶がない。

かつての記憶を保持した神経細胞は壊れてしまった。

朝槻真守でさえ、垣根帝督でさえ。その失われた情報は取り戻す事ができない。

 

それでも上条当麻の頭の中で何かが疼く。

心の奥底。魂から、脳裏に声が響く。

あの理不尽を、許すな。

何としても囚われた少女を助け出せ。

 

「上条、大丈夫だ。一人じゃない」

 

魂の奥底からの叫び。それを聞いていた上条当麻に、朝槻真守は声を掛ける。

真守はリリスを大切に抱き上げたまま、頭に乗ったカブトムシに目を向ける。

 

「私は万全じゃないけど、帝兵さんの力を借りれば大丈夫だ」

 

真守が臨戦態勢を見せると、近くにいたエルダー=マクレーンが笑った。

 

「大丈夫だ、あの日の再演はさせぬぞ」

 

「エルダーさま?」

 

真守が声を上げると、エルダーは柔らかく微笑む。

そして、腰に提げていた一冊の魔導書を手にした。

アレイスターはエルダーが何をしようとしているか察し、柔らかく微笑んだ。

エルダーは一つ頷くと、インデックスをまっすぐと見た。

 

「全ての男女は星である。元来世界に不要な存在などはなく、全ての人が重要な意味を持っている。──まあ、ワタシがそれを言うのはおかしいだろうが、今のワタシはトートタロットを基盤とした演算機器より生まれし存在だからな。既に純粋なケルトの民ではない」

 

エルダーは片目を閉じて、尻尾をゆらっと振る。

 

「本来ならばいらない存在。取るに足らない一ビットこそが、真に巨大なプログラムを停止させるカギとなる。ワタシは元々本来ならばありえないパラメータだ。必要のない蛇足的な存在である。──だが、それでもワタシの在り方には意味がある」

 

エルダーは自身のための魔導書、ルーズリーフに書かれた『銀猫(ぎんびょう)祭祀(さいし)秘録(ひろく)』を開く。

 

「さあ、記憶するがよい。本来あるべきオマエの役割に従って、一〇万三〇〇一冊目となるワタシを。禁忌を極めた『原典』を」

 

インデックスは完全記憶能力を保持している。

そのため一度見たものは忘れない。

だからこそ、その目に映された魔導書から逃げることなどできない。

 

「ワタシの毒素を持ってオマエの歪ながらも洗練された在り方を侵す。トートの一枚は逆さになれば良い役割が悪いモノへと転じる。そのため毒は薬にもなる。だからこそ、ワタシの毒素はオマエに最適な薬となる」

 

エルダー=マクレーンは魔導書をパラパラと開きながら宣誓する。

 

「大悪魔コロンゾンよ。誰にも断てない正当化と共にオマエが埋め込んだ邪なコントロールを、ワタシが焼き切ってみせようぞ」

 

一冊の魔導書を前にして、体をカクカクと動かし小さく痙攣させる魔導書図書館。

そしてついに、ばづんっという音が響いた。

それは負荷がかかりすぎてブレイカーが落ちるような音だ。

不安になる音を弾き出しながら、インデックスはゆっくりと下降する。

 

銀髪碧眼の小さな少女は雨で濡れた病院の駐車場、そのアスファルトに崩れ落ちる。

エルダー=マクレーンは、インデックスが地面に落ちる前に優しく受け止める。

上条当麻はそれを見て、思わずエルダーに叫び声を投げかける。

 

「大丈夫なのか!?」

 

エルダーはインデックスのことを抱き寄せると、ご機嫌に尻尾を揺らめかせた。

 

「問題ないぞ。ワタシという『原典』を取り込ませることで、悪意あるプログラムを除去しただけだからな」

 

エルダー上条当麻から視線を外して、そしてアレイスターを見た。

 

「アレイスター。ワタシはオマエの手を取らなかった。そして決して許さないと告げた。復讐の道を突き進もうとするオマエを止めもせず、オマエの背中を押すようなコトをした」

 

魔術があるからこそ、娘を喪った『人間』。

魔術があるからこそ、自らの位相が滅ぶと運命づけられている一族の一員。

その二人が最期に会った、あの雨の日。あの日、アレイスターとエルダーの道は明確に別たれた。そしてそれぞれの道を進み続けていつか交わる時が来たら、また笑いあおうと約束をした。

 

「確かにオマエは多くの悲劇を生んだ。そして我が血族すらもそれに巻き込んだ。だがそれでも、ワタシはオマエが歩んできた道は素晴らしいものだと思うよ」

 

何をやっても失敗する。裏の裏を読んだってそれが裏目に出る。

失敗と敗北。屈辱的な人生をずっと、アレイスター=クロウリーは歩んできた。

血と汗と涙と。それに塗れながらも、懸命に前を向き続けた。

 

約束したから。どうしたって何をしたって、諦めるなと言われたから。

最果てに辿り着いたら、笑おうと言われたから。

たった一つの約束を胸に抱いて、アレイスター=クロウリーは進み続けてきた。

 

「オマエの道に恥じるべきコトなど何一つない。オマエの道に余計な贅肉などはない。進みに進んで、そしてここまで至ったのだ。だから、自分に優しくなれ。アレイスター」

 

アレイスター=クロウリーは朝槻真守を見た。

真守の腕の中にいる、小さな命を見つめる。

アレイスター=クロウリーが復讐の道を進み始めた事で、全てが始まったのだ。

そうでなければ学園都市が生み出される事も、エイワスを再臨させる事も、リリスを再び取り戻すことも叶わなかった。

 

確かに間違っていたのだろう。

だが『黄金』を瓦解させたのも、自らに失敗の呪いを植え付けたのも。アレイスターがこの結末に辿り着くためならば、必要な事だったのだ。

 

「アレイスター。ワタシを送り出したかの者からの神託を賜ろう」

 

エルダー=マクレーンは表情を消して、厳かな口調で告げる。

 

「たとえ君がどのような人間だろうが、それでもしあわせになるための努力を常に怠るな」

 

そう前置きして、エルダー=マクレーンは続ける。

 

「君はよくあれだけの不遇を耐えた。一人ぼっちで、歯を食いしばって、誰にも理解されず、理不尽の闇の中を手探りで歩み続けてきた。だからこのエイワスが全てをひっくり返す。君が背負った積年の痛み、流した血と汗と涙の重さに見合うだけの祝福を必ず与えてやろう」

 

一九〇四年。新たな命と必要な知識を授けられた運命の年。

あの時からアレイスター=クロウリーは失敗と屈辱を是とした道を進み続けてきた。

だがこれからは違う。

神託と共に、アレイスター=クロウリーは成功と勝利の道を凱旋するのだ。

 

「加えてワタシからも言葉を贈ろう、アレイスター」

 

エルダー=マクレーンはたおやかに微笑み、永遠の友を見つめる。

 

「道は違えた。だがこうしてもう一度会えた。この結末はオマエとワタシが意図していない結果となっただろう。──だがそれで良い。ワタシにとって、この結末はとても喜ばしいモノだ」

 

エルダーはアレイスターに微笑みかける。

 

「世界とは変わりゆくものであり、喜ばしい結果が一つとは限らない。オマエはもう、しあわせになっていいのだ。だって人間頑張れば、ちょびっと良いコトがあってもいいだろう。歩んできた苦難が長いほど、そのちょびっとが至極のモノとなる」

 

アレイスターはエルダー=マクレーンの言葉を聞きながら歩き出す。

震える手を、望まれて生まれながらも運命に翻弄された姫御子に伸ばした。

 

真守は柔らかく微笑んで、小さくて未熟な命をアレイスターに差し出した。

アレイスターはつたない手で、自分の娘であるリリスを抱き上げる。

 

小さな命は『親』に向かって、小さな小さなモミジのような手を伸ばす。

それが何を意味しているか。

リリスもアレイスターも理解している。

 

リリスがこの世に生まれ落ちた、あの日。あの日も、リリスはアレイスターの指を掴んでいた。

 

あの運命の年の繰り返しを思い出して、アレイスターはゆっくりと震える手で指先を伸ばした。

おずおずと、何とも言えない恐怖を抱えながらゆっくりと、アレイスターは手を伸ばす。

 

アレイスターのその指先を、リリスはしっかりと握った。そして無邪気に笑った。

 

娘の笑顔。それを、魔術師である『人間』は再びしっかりと目撃した。

美少女になり果てたアレイスターは、どこからどう見ても『父親』としてはあまりにも不釣り合いな容姿だ。

だがそれでもアレイスターは稀代の魔術師であり、一人の父親なのだ。

 

愛娘であるリリスの笑顔を目撃した瞬間。

アレイスター=クロウリーの中で冷え切っていたものが、再び熱を灯して動き出した。

 

アレイスターは我が子を優しく抱きしめながら、片手を静かに構えた。

アレイスター=クロウリーの扱う、霊的蹴たぐり。

ジェスチャーを見た瞬間、標的が思い浮かべた武器の破壊力をそのまま叩きこむ術。

 

それを使って、アレイスターは双眼鏡を覗き込むそぶりを見せる。

それだけでレーザーやGPSで座標指定を行い、攻撃支援をする軍用双眼鏡と分かる。

その行為だけで、アレイスターは霊的けたぐりを一流に扱えるのだとよく分かる。

 

完璧なジェスチャーによる、幻視の攻撃。だからこそ周囲にいる者は分かるのだ。

アレイスター=クロウリーが霊的蹴たぐりとして繰り出そうとしているその武器の名前が。

一度も目にした事のない兵器を思い浮かべて、上条当麻はぎょっとした。

 

「航空支援式の……ビッグバン爆弾ッ!?」

 

アレイスターの目標は周辺一帯に蠢く細胞質の生体凶器、ミメティックプレデターだ。

無機物ではなく生物ベースであり、学習能力が高いミメティックプレデターは、アレイスターがジェスチャーによって生み出したビッグバン爆弾を正確に思い描いた。

 

霊的蹴たぐりというのは、そもそも想像で人を攻撃する術式だ。

そのため本当の意味でその事象は起こらない。

レーザービームで撃たれたらその衝撃が体に伝わるだけであり、周囲のものは何一つその想像のレーザービームによって壊れない。

 

だからこそ。ミメティックプレデターにしか分からない爆発が巻き起こされた。

凍てつく雨が降る駐車場の一切を傷つけずに。

その場にいた数百から数十万に届く生体兵器は確実に吹き飛ばされた。

 

想像上の攻撃。

ミメティックプレデターはその攻撃を思い浮かべた瞬間、その攻撃から逃れられなくなった。

成す術もなく、ミメティックプレデターは一網打尽にされた。

 

ミメティックプレデターの、細胞の一つ一つに至るまでが散り散りになって行く。

当然だ。何故ならビッグバン爆弾とは、銀河や星雲などという世界を吹き飛ばす兵器なのだから。

 

「甘い」

 

『人間』を苛烈に極め、『神』へと至る道すら拒絶したアレイスターは告げる。

 

「『衝撃の杖』。すなわち対峙する者から見てその威力を一〇倍に拡張する!!」

 

その言葉と共に、想像は宇宙の限界を飛び越えた。

元はと言えば、『衝撃の杖』は『魔神』を相手にするための秘奥技だ。

その意味を知って体を硬直させた烏丸府蘭は、無力化されたミメティックプレデターたちの中でただ一人無事だった。

 

何故なら烏丸府蘭は試金石なのだ。

憑依された二番目の娘を救い出すためには、手始めに烏丸府蘭を救わないと始まらない。

そのためわざと術式の標的設定から外して、一人だけ見逃したのだ。

 

「さて」

 

完璧に場の掌握をしたアレイスターはそう呟く。

 

 

すると上空で大きな爆発があり、雲が一気に晴れた。

 

 

垣根帝督と一方通行(アクセラレータ)。彼らが飛来してくる宇宙ステーションを押さえた結果である。

アレイスターは太陽の光を一身に受けながら、口を開く。

 

「ケダモノのフリをするなよ、コロンゾン。君は元来『囁く者』だ。悪魔に憑かれた者は下手に脅しをかけるより、意味不明な雄たけびを繰り返してコミュニケーション不能にしてしまった方が恐ろし気に見えるのは見とめるがね」

 

「……、できない」

 

聞いた事のない声だった。

小柄なビキニの少女でもない、かといってローラ=スチュアートでもない。

聞く者によっては、音色が異なってしまうかもしれない名状しがたい声。

それが府蘭の口から響き渡る。

 

「できるワケない、のです。貴様に、失敗と敗北にまみれた貴様に、誰かを救えるわけが……」

 

「レントゲン」

 

アレイスターは片手一本で器用に赤子を抱えたまま、遮るように告げる。

 

「CTスキャン、MRI、血液検査、ガスクロマトグラフィー、超音波エコー、遠心分離機、透過型電子顕微鏡、ポリメラーゼ連鎖反応式DNA検査装置。ああ、何だったらサイクロトロン加速器も用意しようか?」

 

アレイスターは自らが積み上げていった科学の産物を一通りに口にする。

 

「これだけあればクランケ烏丸府蘭の全身を輪切りにして中身を覗き込むくらいは造作もないだろう。……頭のてっぺんから足の先まで、人体を形作る分子の一つ一つまで精査してやる。どこに貴様の薄汚れた痕跡が根を張っていて、何を攻撃すれば影響を取り除けるのかも含めてな」

 

アレイスター=クロウリーは右手を動かす。

霊的蹴たぐりというのは、見せられた相手の想像が鍵となる。

だがその想像を絶え間なく変化させれば、対象はその想像を絶え間なくしなければならない。

 

結果、その想像に脳のリソースが割かれ、動く事ができなくなってしまう。

烏丸府蘭はアレイスターの右手が持っているものを想像する。

鉛筆のようで、蛍光マーカーのようで。タブレットデバイスのようで、だがころころとその認識が府蘭の頭の中で切り替わる。

 

「私を、縛るつもりですか……。人間」

 

想像を絶え間なく続けさせる事で、人が体を動かす時にしなければならない思考をさせない。

想像の牢獄に府蘭を閉じ込めながら、アレイスターは解説する。

 

「たった一つのビジュアルがイメージを固着させ、捕らえ、自由度を奪う。この応酬で相手の手札を封じて思考を袋小路に追い詰めるのもまた、魔術戦の基本というヤツさ。そして現実の達人は基本を重んじる。誰でも作れる卵焼きでも、真のシェフはお客を驚かせるというモノだろう?」

 

アレイスター=クロウリーは悠々自適と告げる。

既にアレイスターの勝ちは確定だった。それをアレイスター自身も確信していた。

 

「先程のビッグバンは……まあ正確にはその一〇倍のやらかしだが。ともかくあらゆるものを生み出した。放射線もその一つ。それ自体は善にも悪にも変じる劇薬だ。扱い方次第では従来の方式では救済不能とされた命をも助ける『武器』になる」

 

アレイスターはリリスを丁寧に抱き上げたまま、その手に『武器』を持つ。

その『武器』は人を助けるものだ。とある医者が戦場と呼称する場所で使うものだ。

 

「ガンマナイフ。脳腫瘍など、極めてデリケートな器官に包まれているため切除不能な患部であっても、肉体を投下してごく章の標的の身を正確に焼き潰す医療ツール。……おっと失礼、このくらいは博識で聡明である君ならばもちろん常識として知っていなければおかしいものだな」

 

アレイスターはガンマナイフを持つジェスチャーを完璧にしながら、おどけるように笑う。くるくるとガンマナイフを手で弄ぶが、それは烏丸府蘭にしか分からない。

 

「心配するな。たとえ『烏丸府蘭』がどれだけ暴れようが、私は『貴様だけ』を選んで正確に切り刻む。完全に、一片の残骸も残さずに。だから安心して、存分に抗ってくれたまえ」

 

アレイスターは笑いながら、近付いてきた朝槻真守にリリスを抱かせる。

そして、科学者として獰猛に笑った。

 

「たまには、生きたままの悪魔の踊り食いも悪くはない。そうだろう?」

 

それは、誰にも止められない必要なオペだった。

道具も薬も一切使わない。ただ想像だけで繰り広げられる、曲芸じみたオペだった。

 




次回、大悪魔光臨篇最終回です。
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