とある科学の流動源力-ギアホイール-   作:まるげりーたぴざ

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第一二一話、投稿します。
※次は八月二四日木曜日です。


第一二一話:〈一時収束〉でこれからを見据える

大悪魔コロンゾンに操られているA・O・フランキスカ──烏丸府蘭の救出。

府蘭の救出は、アレイスターにとって大切な通過点だ。

アレイスターは、霊媒(アバター)として大悪魔に乗っ取られた娘のローラを助けなければならない。

だからこそ、コロンゾンに操られて日が浅い烏丸府蘭を助けるのはとても重要なことなのだ。

 

コロンゾンから府蘭を切除できれば、ローラからもコロンゾンを切除できる。

だからアレイスターは第七学区のマンモス病院の片隅で、クランケ烏丸府蘭を前に曲芸じみたオペを続けていた。

 

朝槻真守たちはというと、その様子をすぐ近くで見ていた。

真守はアレイスターを気にしながら、そっと目を細める。

 

真守は『窓のないビル』によって宇宙へと放逐された大悪魔コロンゾンについて考えていた。

コロンゾンは『窓のないビル』でエルダー=マクレーンが呼び出したエイワスと戦っており、おそらくエイワスはアレイスターがリリスと感動的な再会をするまで時間稼ぎをしていたことだろう。

 

エイワスの時間稼ぎは、アレイスターが頑張ったから慈悲で時間を稼いでやろうという心配りだ。

だからエイワスはコロンゾンを消滅にまで持ってこうとは思わない。勝利するのはコロンゾンだ。

 

勝ったコロンゾンは絶対に地球へと戻ってくる。

アレイスターだってそれは理解している。策を講じないわけではない。

 

『窓のないビル』は、太陽系から脱出しようとしている。

エイワスと戦いが終わって力に余裕が出たコロンゾンは、おそらく『窓のないビル』をUターンさせて戻って来るだろう。

その時に何が起こるか。それはつまり──。

 

「真守?」

 

考えていた真守は、垣根に声を掛けられて顔を上げた。

垣根は考え込む真守のことを、心配そうに見つめていた。

 

「どうした、ぼーっとして。体調悪いのか?」

 

垣根はそっと真守の頬に手を沿える。

真守の体調は万全ではない。

そのため、どうやら考え事をしていると外見からはぼーっとしているように見えるらしい。

垣根は不安そうに真守を見つめて、そっと眉をひそめる。

 

「やっぱり中に入るか? ここはどう頑張っても外だしな」

 

真守たちは外で曲芸じみたオペをしているアレイスターの近くにいる。

つまりマンモス病院の駐車場にいるのだ。

建物の外にいるため、垣根は真守が心配なのだ。

 

「……外って言っても、垣根がすごく居心地良くしてくれてるだろ」

 

真守は心配している垣根を困ったように見上げる。

真守は現在、垣根帝督が造り上げた未元物質(ダークマター)の椅子に座っている。

しかもただの椅子ではない。

真守の体にフィットした、真守が一番楽な体勢を取ることができる椅子だ。

 

カブトムシは真守が寒くないように未元物質(ダークマター)を散布しているし、何なら真守は未元物質製の毛布でぐるぐる巻きにされている。

 

はっきり言ってやりすぎな現状。垣根が真守のお願いによって作りあげた簡素な椅子に座っている一方通行(アクセラレータ)は白い目を向けており、上条は苦笑している。

 

一方通行と上条が呆れるほどまでやっているのに、それでも心配してくる垣根。

真守は心配性の垣根を見上げると、垣根にすり寄ろうとする。

そんな真守のために、立っていた垣根は自らが動いて真守の肩を抱いた。

 

「垣根。私はそんなにヤワじゃない。だから大丈夫だ」

 

事実、真守は大悪魔コロンゾンに『拡散』を打ち込まれても無事だった。

確かに少し体調を崩してしまったが、普通の人間が大悪魔コロンゾンに『拡散』を打ち込まれたら、その場で崩壊・消滅していただろう。

垣根はすり寄ってきた真守の小さな背中を撫でて、真守のことをジトッと睨む。

 

「お前の大丈夫は当てにならねえ」

 

「最近はそんなことないぞ」

 

真守はちょっとムッとする。そんな真守を、垣根は少し怒った調子で睨んだ。

 

「ついさっきまでお前は本当に具合悪そうにしてたんだ。心配するのは当たり前だろ」

 

垣根は大きく眉をひそめると、分からず屋の真守を見た。

 

「俺はお前が何よりも大事だ。分かってるだろ」

 

「分かってるよ。それはすごく分かってる」

 

真守は少しため息をつきながらも、垣根の手を握る。

 

「いまはもう体内のコントロールを取り戻してる。先生が筋道を立ててくれたからな。だから本当に何も問題ないんだ」

 

冥土帰し(ヘブンキャンセラー)が体の調子を整えてくれたおかげで、真守は一時的な負荷から逃れることができた。だから真守は自身の能力で自分の体調をコントロールできるまで回復したのだ。

すぐには能力なしで動けるようにはならないだろう。

だが寝ていても問題は解決しないため、真守は行動するつもりだ。

 

それに自分の霊格や霊体が揺らいでいる感覚が分かった。

それを調整しつつ、霊媒にも気を使えばいいだけの話なのだ。

 

「……正直、生きた心地がしなかった」

 

垣根は先程まで高熱にうなされていた真守の事を思い出して、顔を歪める。

そして、真顔になった垣根は淡々と口を開く。

 

「お前が消滅するなら、俺は世界をお前への手向けとして滅亡させてから死ぬ」

 

「目がマジだし、垣根なら私がいなくなったら絶対にそうするだろう。想像できる」

 

真守はため息を吐くと、隣にいる一方通行を見た。

 

一方通行(アクセラレータ)、どう思う? やっぱり垣根、ちょっと行き過ぎなところあると思う」

 

真守が思わず一方通行へと助けを求めると、缶コーヒーを飲んでいた一方通行はため息を吐く。

 

「オマエの男が極まってンのは前から分かってた事だろォが、好きにやらせておけ……それに、俺もあの大悪魔には思うところがある」

 

真守の頼みの綱である一方通行(アクセラレータ)も、実は大悪魔コロンゾンに怒りを覚えていた。

何故なら一方通行にとっても、朝槻真守という少女が大事な存在なのだ。

代わりのいない大事な人を傷つけられて、怒らないなんてありえない。

しかもコロンゾンは真守とアレイスターが戦って和解したところに、横から入ってきたのだ。

卑怯な手だ。だから絶対に大悪魔コロンゾンのことを赦すつもりはない

 

「……大悪魔コロンゾン、ぶっ潰して()る」

 

怒りがふつふつとこみあげてきて、思わずぼそっと呟く一方通行。

垣根も一方通行に全面的に同意している。

真守は微妙に気が合う二人を見て、遠い目をした。

 

「……みんな、ちょっと私に依存し過ぎじゃないか……?」

 

天然人タラシこと朝槻真守。

真守は人が自分に依存しまくる振る舞いを無自覚でしながらも、無自覚故に思わず遠い目をする。

すると、リリスを抱き上げているエルダーが一方通行(アクセラレータ)を見てくすっと笑った。

 

「オマエもオマエで随分真守に傾倒しておるなあ」

 

エルダーが笑っていると、府蘭の処置を終えたアレイスターがやってきた。

真守たちの近くにいた上条当麻は、アレイスターを見てぎょっと目を見開く。

何故なら見目麗しい美少女になったアレイスターが、口の端から血を流しているからだ。

 

「アレイスターッ!?」

 

「魔術の反動、ぶつかり合う位相と位相がまき散らす飛沫の話は知っているだろう? 私はメイザースやウェストコットとは違う。実存世界で火花をよそへ逃がさず自分で抱え込めば、これくらいの事は起きるだろうさ」

 

上条当麻は自分の体を犠牲にするアレイスターを止められない。

何故ならそれはアレイスターが魔術を使うなりのけじめであって、誰かを運命で翻弄することを良しとしないアレイスターの決意だからだ。

そんな上条を見てアレイスターは小さく笑った。

 

「そんな顔をするなよ。これはつまり、自分の力がよそ様へ迷惑をかけずに済んだという喜ぶべき証明さ」

 

アレイスターは笑うと、真守の隣に垣根が作りあげたガーデンチェアに座る。

真守はくいくいっと、垣根の服の裾を引っ張る。

 

「垣根、アレイスターが魔術を使って負った傷の治療をしてあげて」

 

「…………俺が断ったらお前が力使うんだろ」

 

「当たり前だ。私に力を使わせたくないんだったらやって」

 

真守にせがまれて、垣根はしぶしぶカブトムシを呼んでアレイスターの傷を治療させる。

ちなみにインデックスと烏丸府蘭が簡易ベッドに横たわっている。無事にコロンゾンの切除が終わったが、彼女たちは真守のようにすぐさま回復するような存在ではない。

アレイスターはカブトムシの治療を受けながら、真守を見た。

 

「そろそろ間抜けなコロンゾンは第二の罠にかかっている頃合いだが……どうだ、朝槻真守。コロンゾンは罠にかかったか?」

 

「おそらくコロンゾンは『新天地』に落ちてるだろう。なんだか薄いフィルムを通して、それとなく嫌な気配がするからな」

 

真守が問いかけると、アレイスターは頷く。

真守とアレイスターが何を話しているか分からない一同のために、真守は口を開いた。

 

「アレイスターは時間稼ぎだけを考えて、『窓のないビル』を使ってコロンゾンを地球から引き離したわけじゃないんだ」

 

垣根と一方通行(アクセラレータ)はその言葉に顔をしかめ、上条は首を傾げた。

 

「相対性理論に基づけば、太陽系に放出された『窓のないビル』が地球にUターンしてくると、地球という場所から少しズレたところに着陸するはずなんだ」

 

真守の説明の意味に気が付いた一方通行(アクセラレータ)と垣根は、同時に目を薄く見開く。

学園都市の最高峰の頭脳を持っている二人の同時の反応に笑いながら、真守は言葉を続ける。

 

「太陽圏外に超高速宇宙旅行に出かけたのにそのままUターンして戻ってくれば、時間と空間にズレが生じて空間を突破してしまう危険性が出てくるに決まってる。だから出戻ってきたコロンゾンは地球でありながらも地球ではない、地球の少しズレた位置にある『新天地』に落ちるんだ」

 

相対性理論とは、光の速度に近づくほどに時間の流れが遅くなるという理論だ。

つまり速度を出し過ぎると、時間の流れに干渉してしまうということである。

それがよく分からない上条を見て、真守は後で説明してあげようと笑う。

 

理想送り(ワールドリジェクター)が生み出した『新天地』には魔神がうじゃうじゃいる。そこに落ちたコロンゾンは、今頃魔神たちと盛大なバトロワを繰り広げているだろう」

 

上里翔流の右手に宿っている理想送り(ワールドリジェクター)は、魔神たちの願いによって生み出された力だ。

どんなに暴れても終わることのない、魔神たちがのびのびと暮らせる『新天地』。

その『新天地』は地球の少しズレた位置に、地球と全く同じ形をして存在している。つまり空間を突破してしまったコロンゾンは、元の地球ではなく『新天地』に降り立ってしまったのだ。

 

真守の説明が終わると、一方通行(アクセラレータ)と垣根はそろって呆れた表情をする。

 

「そンな誰も実証できねェ事を、よく土壇場で実行しよォとするよな。下手すりゃァ次元の狭間行き……まァ、そうなっても問題ねェのか」

 

「流石学園都市を作った統括理事長サマだな。頭のネジが飛んでやがる」

 

相対性理論という簡単に実証できないものに基づく作戦なため、アレイスターの作戦が本当に上手くいくとは限らない。

だが現にコロンゾンは罠にはまった。

はまったからよかったものの、もし失敗していたら、なんて可能性は絶対に考えたくない。

呆れる一方通行(アクセラレータ)と垣根帝督を他所に、上条当麻の頭には『?』が浮かぶ。

 

「上条。光の速度に近づけば近づくほど、時間の流れというのは遅くなるんだ。相対性理論というヤツだぞ。そして光の速度に近い状態で地球に戻ってくると、時間の流れがおかしくなって空間を突破してしまう可能性があるんだ」

 

真守は人差し指を立てて、丁寧に上条の顔を見つめながら解説する。

 

「光の速度に近付いて太陽系から地球へUターンすると、相対性理論に干渉してしまって元いた地球に帰れない可能性がある。誰も実証できないコトだけど、アレイスターはそれを実際にやって、結果コロンゾンを地球より少しズレた位置にある『新天地』に落とすコトに成功したんだ」

 

「へ、へー!! ま、まあ上条さんは朝槻さんに説明されなくても分かってたけど! ……って、嘘です分かってませんでしたやめてぇ!! そんな目で見ないでぇっ!!」

 

上条当麻は嘘を吐いた事で垣根帝督と一方通行(アクセラレータ)に睨まれて声を上げる。

そんな上条を他所にアレイスターは話を進める。

 

「ローラ=スチュアートを霊媒(アバター)として自由に扱うコロンゾンは、当然ながら最大主教(アークビショップ)の立場を利用していただろう。つまり総数五三か国、イギリス連邦加盟国に細工を埋め込んでいるはずだ」

 

アレイスターは情報を整理して、真剣な表情をして敵を見据える。

 

「コロンゾンが仕組んだ細工、その全てを掘り返して破棄しない限り、コロンゾンは倒せない。一時的に退けても自然回復してヤツは何度でも襲い掛かってくる」

 

アレイスターが断言すると、上条当麻は気が遠くなってしまった。

 

「……なんか、いきなり話がデカくなってないか?」

 

「腐っても相手は旧教三大宗派の一角だぞ。今現在、ざっとみて一〇億以上に分化したアレイスター=クロウリーが各々の国家を攻撃している。連邦加盟国程度ならばどうにかなるが、流石に英国そのものは私が行かなければ落とせないだろう」

 

「ねえ何でー!? 一体何をどうやったら個人名なのに中国とかインドとかの総人口とタメ張れるようになるんだよ!? ダメでしょいきなり地球の人口を一〇%も増やしちゃ!! 食料とか石油とか色々問題が噴出するってぇ!!」

 

アレイスターは上条当麻に叫ばれて、目を瞬かせた。

そして真顔で深刻そうな声を出す。

 

「しまったな、また失敗だ。そこまで考えてはいなかった」

 

「もしかしておめーがポンコツ続きなのって単に極限の近視眼で『とりあえずやってみた』の連続だったからじゃないよな?!」

 

上条が鋭く的確なツッコミを入れると、真守はため息を吐く。

 

「何をやっても失敗するんだからダメ元でやってみなければ始まらない、というのがアレイスターのやり方だからな」

 

真守がジト目でアレイスターを見ると、エルダー=マクレーンはトランペットのオモチャをフリフリしてリリスをあやしながら告げる。

 

「何が何でも失敗する。そんな男を問答型思考補助式人工知能(リーディングトート78)であるワタシがガイドするのはとても骨が折れることだったぞ。まあガイドしててもこの有様だがな」

 

エルダーがじろっと銀髪美少女アレイスたんを見ると、アレイスたんは笑顔でリリスの頬をつんつん突く。

 

「何はともあれまずは英国だ。朝槻真守、英国は現在どのようになっている。アシュリン=マクレーンから聞いていないのか」

 

話を思いきり変えたアレイスターに、垣根は白い目を向ける。

 

「テメエが世界中で謎の勢力として暴れてるせいで、大混乱だとよ。真守の伯母は残ってるが、他のマクレーン家の人間は異空間通ってイギリスに帰ったぜ」

 

「ふむ。ケルトの異空間はイギリスに多く偏在しているからな。それを使えば天草式十字凄教の縮図巡礼じみた瞬間移動ができるという事か。それでアシュリン=マクレーンはどこにいる?」

 

「ここにいますわ、以前に会った時とは随分と様変わりいたしましたね、統括理事長サマ」

 

アレイスターの言葉に応えたのは、丁度深城と共に真守の元へとやってきたアシュリンだった。

アシュリンはリリスを抱きかかえているエルダー=マクレーンを見る。

 

自分と、確かに似た顔つきをしている祖母。

優美で気品が溢れて、自信たっぷりな様子。

そんなエルダーを見て、アシュリンはエルダーに視線を合わせて微笑む。

 

「エルダーさま。猫耳と尻尾が生えた以外はお写真とお変わりなく」

 

「うむ。マクレーンの皆が今日まで元気でやっているのがワタシも嬉しいぞ」

 

エルダー=マクレーンは尻尾を優雅にゆらゆら揺らす。

それを見て、アシュリンはご先祖様に猫耳と尻尾を生やして使役していたアレイスターをゆっくりと見た。そして、にっこりと微笑む。

 

「わたくしたちのご先祖様に猫耳と尻尾を生やした事は後日、ゆっくりとお話しさせていただくとして。──イギリスへの経路については土御門元春に準備させていますわ。深城ちゃん以外のこの場の全員で行きますのよね?」

 

アシュリンが問いかけると上条が声を上げた。

 

「ええ!? もしかして俺も行くの!?」

 

アレイスターは何を言っているのかと上条を見る。

 

「悪いがこれは決定事項だ。逆らった場合は舌を入れてキスして初体験を頂こう。その上で骨抜きにして連れて行く」

 

「う、うわぁあああ!! ヤバいどう頑張っても逃げられねえ!!」

 

上条の叫び声が轟く中、浜面仕上は一人わたわた焦っていた。

プロセッサスーツが脱げないのである。

すると浜面のミニスカサンタコスをしている滝壺理后がプロセッサスーツの緊急着脱を促すための穴を見つけて、試しにクリップを突っ込んでみた。

 

その瞬間、プロセッサスーツが脱げてパンツ一丁の浜面仕上が現れる。

滝壺理后は股下にある着脱用の穴にクリップを伸ばしていたため、浜面仕上の大事な部分を顔に突きつけられる格好になった。

 

巨乳サンタ滝壺ちゃんはぷるぷると震える。そして不可抗力で元気になりつつある浜面仕上の大事なところに頭突きをかまし、浜面仕上はノックアウトされた。

各々が準備を始める中、垣根は立ち上がった真守の腰に手を添えて支える。

 

「大丈夫か?」

 

「うん。垣根が一緒にいてくれるから大丈夫。垣根が私のことを守ってくれるから、問題ない」

 

「当たり前だ。絶対にお前を誰にも穢させない」

 

真守は垣根の宣言にふにゃっと笑うと、垣根にそっと体を寄せる。

そんな垣根と真守へ、深城が近付いてきた。

 

「深城。行ってきます」

 

その言葉が、大切な女の子を連れていけないと言った言葉だった。

深城はそれに駄々をこねずに頷く。

 

「うん。行ってらっしゃい、気を付けてね」

 

真守は垣根と深城の前で微笑む。

たいせつな女の子と、だいすきな男の子。

そして絶対に大事にしたい家族と、愛する世界。

その全てを守るために、真守たちは動き出す。

 

次の舞台はイギリスだ。

朝槻真守にとって、アレイスターにとって縁深い土地だ。

真守はイギリスに思いを馳せながら。かけがえのない人たちと共に、イギリスへ向かうための準備を始めた。




大悪魔コロンゾン篇、終了です。
次回から『イギリス篇第一幕:神威混淆』が始まります。
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