とある科学の流動源力-ギアホイール-   作:まるげりーたぴざ

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第九一話、投稿します。
次は一一月一六日火曜日です。
大覇星祭篇、開幕。


大覇星祭:魔術side:刺突杭剣篇
第九一話:〈外部披露〉は盛大に


大覇星祭。

 

九月一九日から七日間にわたって大規模に展開される学園都市全ての学校が参加する大運動会。

能力者同士の大規模干渉の観測を目的としたもので、この日限りは能力の全力使用が許可され、なおかつ学園都市が一般客を迎え入れる数少ない行事だ。

 

大覇星祭は一八〇万人もの学生が参加するため開会式は三〇〇か所以上で行われるのだが、真守はその中でも一番広大で、主軸であり、全世界にテレビ中継される大型スタジアムにいた。

 

真守がそのグラウンドへと入場した瞬間、ざわざわとしていた会場がしぃんと静まり返った。

 

新たな学園都市の頂点、超能力者(レベル5)、第一位。流動源力(ギアホイール)──朝槻真守。

 

真守の長い艶やかな黒髪はヘアマニキュアで輝いており、彼女が普段結い上げているように猫耳ヘアへと整えられていた。

だが猫耳の下にそれぞれ蒼銀のリボンとレースがあしらわれており、猫耳部分にはスワロフスキーの輝きがちりばめられている。

頭には大粒の学園都市製の人工ダイヤモンドが煌めくティアラが載せられており、前髪にはアラビアン衣装でよく見られるヘアクリップの細やかなティアラが付けられていた。

 

いつも真守は薄化粧だが、大覇星祭が巨大な運動会である事を考慮してナチュラル風ながらもしっかりとした舞台化粧を施されていて、爪には光沢のみを重視したマニキュアが塗られており、つま先から指先まで華麗にドレスアップされている。

 

服は真守が通っている高校の体操服で、ほっそりとした足に黒のニーハイソックスを穿いていて純白のおろしたてのシューズが良く似合う。

 

極めつけには体操服の上に煌びやかな刺繍が施された蒼銀の学園都市製の高級人工毛皮マントを羽織っており、王者の風格を表している。

 

真守が堂々と歩くたびにマントが(ひるがえ)り、そして真守は選手宣誓に使われるお立ち台の上に乗った。

 

それから開会式が始まり、選手宣誓が回ってきた。

 

『──選手宣誓』

 

真守は静まり返る会場の中、スッと息を呑んで選手宣誓を始める。

 

その声はダウナー声で在りながらも良く透き通る声だった。

 

そのダウナーさも朝槻真守に相応しいと感じさせるような調子だった。

 

『私たち学生一同はスポーツマンシップに(のっと)り、本年の大覇星祭に臨み。若人の熱い血潮を力に換えて、共に学生生活を送り切磋琢磨し合う仲間と消えることのない絆を携え。日ごろ学んだことの成果を発揮し、己の成長した姿を見せることで父兄への感謝を表し。この大会が私たちにとっても、父兄にとっても。来場者の皆さまにとっても最高の思い出になるようにあらゆる困難、艱難辛苦が待ち受けていようとも断ち切れることのない絆で乗り切ることを──誓います』

 

真守は長い選手宣誓をつっかえることなくはっきりとした発音で言い切った。

 

しぃぃぃんっと静まり返る会場からどこからともなく拍手が沸き上がり、それが大喝采へと繋がる。

 

学園都市総合体育祭『大覇星祭』の開会式。

そこで、真守は新たな頂点として全世界から認められて賞賛された。

 

そんな喝采の中。

 

真守はどこかで見ているであろう深城や垣根、真守にとってかけがえのない大事なことを教えてくれる人々のことを想って、大喝采に気圧されることなく堂々と立っていた。

 

 

 

──────…………。

 

 

 

「残暑が厳しい……暑い、……ゆだる……茹でダコになりそうだったけど……涼しいぃ~」

 

真守は開会式が終わって移動用に用意された冷房が効いたリムジンの中で冷風を浴びて涼んでいたが、少しして白いハチマキを手に取り自分が白組だと示すために首元に回してネクタイのように結び、競技の準備を始める。

 

大覇星祭は学校対抗で得点が加算されていくが、学校内でも白組と赤組に分かれており、白組にされた学生対、赤組にされた学生として学校の垣根を超えて行われる競技もある。

そんな複雑性を秘めながらも総合得点を学校単位で競い合い、大覇星祭は順位を決めるのだ。

 

(去年は長点上機が一位で、常盤台は二位だったからリベンジに燃えてて大変だって美琴は言ってたっけ)

 

長点上機学園と常盤台中学は学園都市で五本指に入るエリート校だが、両学校はスタンスが大きく異なる。

 

どんな違いかと言うと、長点上機は能力開発においてナンバーワンでありまた一芸に秀でていれば誰でも入学可能だが、常盤台中学は世界有数のお嬢様学校で強能力者(レベル3) 以上ではないと入学が認められないというものだ。

 

(そう言えば垣根の学校は霧ヶ丘女学院と長点上機を足して二で割ったような校風だったな。……垣根、大覇星祭嫌いだから学校の制度利用して特別公欠で大覇星祭に出ないって言ってたし……まあ、垣根が学生らしく運動しているところなんて想像できないけどな)

 

垣根が通っている学校も学園都市の五本指に入るエリート校だが、校風は真守の呟き通り、特殊な能力者を育てる霧ヶ丘女学院と、一芸に秀でていれば誰でも入学できる長点上機の特徴を持っている学校だ。

 

そして秘匿されてはいるが、暗部組織や公的な機関で働く特別な能力者が多い学校だ。

そのため『特別公欠』というものが導入されており、『仕事』がある能力者は学校を休むことができるという、学業よりも社会での活躍を優先する学校である。

 

垣根のような『仕事』がある特殊な能力者はごくわずかなので、その者たちをカモフラージュするために一芸に秀でている学生を集めており、その学生たちが大覇星祭を『五本指』として頑張るので特異な能力者は参加を強要されずに、それでもエリート校らしくいつも好成績を残しているのだと真守は垣根から聞かされていた。

 

大覇星祭の特別公欠を学校が許可しているのだって能力がバレると面倒な『仕事』をしている能力者を大覇星祭から守るためで、垣根はそれを利用しているに過ぎない。

 

ただ特別公欠制度を知らない学生にとっては普通のサボりと同じだと思われるらしく、垣根は付き合いがあるクラスメイトからことあるごとに『出席日数がヤバいんじゃないの?』とメールが来ているらしい。

真守にとっては心配してくれるクラスメイトがいるだけでありがたいと思うが、当の本人は心底面倒に思っていたりすることを真守は知っている。

 

そんな特色豊かなエリート校たちだが、真守もあらゆるエネルギーを生成するという能力者なため、長点上機学園、霧ヶ丘女学院、そして垣根の通っている学校など、様々なエリート校からオファーが来たが、真守が学校に通ったことがないのもあって、冥土帰し(ヘブンキャンセラー)はどこにでもあるあまり目立たない真守が今通っている平々凡々な高校を選んでくれたのだ。

 

普通というものが分からない真守にとって今の学校はありがたくて新鮮で毎日が楽しいし、小萌先生は優しいし、クラスメイトも学校の全てを真守は気に入っていた。

 

(色々と飾り立てられていたからその飾りを取るのに随分と時間が食われてしまった……。どうしよう、間に合うかな。吹寄にごめんって言わないと……)

 

真守はリムジンの中でそんな自分が気に入っているクラスメイトの一人で大覇星祭の運営委員である吹寄制理が自分の到着を待って気を揉んでいないかと焦る。

 

だがリムジンは道路交通法を守って進んでいるので、真守の気持ちは焦るばかりである。

 

(飛んだ方が早いって言ったんだけどなあ……流石に選手宣誓直後に超能力者(レベル5)第一位が空を飛んでいたらそれだけで騒動になるって言われたんだよなあ。……それにしても、初めての大覇星祭がコレかぁ)

 

真守が心の中で呟いた通り、真守は五年前まで研究所に所属していて、中学は内臓器官の退化の治療のためという名目で、冥土帰し(ヘブンキャンセラー)のもとで学校に通えるようになるほどの真っ当な倫理観を学ぶために病欠していたので、初めて大覇星祭に参加するのだ。

 

初めての大覇星祭で選手宣誓を任されて、超能力者(レベル5)第一位として全世界に紹介されるのは異常すぎて流石超能力者(レベル5)と言われるだろう。

 

真守はそんな自身の異常性を感じつつも、リムジンの中でそわそわとしながら自分の学校のグラウンドで行われる最初の競技に間に合うか気を揉んでいた。

 

 

 

──────…………。

 

 

 

真守はリムジンから降りて駆け足でクラスメイトが待機している選手控えエリアへと急ぐ。

 

「吹寄!」

 

真守はクラスメイトである上条当麻のことを睨み上げている吹寄の名前を呼び、前日から競技に真守が自分が間に合うか酷く心配していた彼女を安心させるために駆け寄る。

 

「ごめん、ギリギリになってしまった!」

 

「朝槻。ううん、大丈夫よ。それよりお疲れさ、」

 

吹寄が言いかけていると、突然真守と吹寄にバシャッ!! と、水道水が降りかかった。

 

「「……」」

 

何が起こったかと言うと、元凶はやっぱり上条当麻である。

 

どうやら上条がグラウンドの砂埃をある程度抑えるために地面に這わせてある散水用のゴムホースを踏んでいたらしく、上条の足で水が()き止められたことによって圧力がかかり、水が逃げ場を得ようとした結果、散水専用の蛇口に付けられていたホースの口が勢いよく外れたらしい。

 

そんな蛇口の近くにいたのが吹寄で、大覇星祭体育委員の彼女のもとに選手宣誓で遅れそうになってしまった真守が近付いてしまったわけで。──二人は大量の水を頭から被ってしまった。

 

「ふ、吹寄、朝槻ィいいい!? おのれカミジョー属性、俺たちの最後の砦とカリスマアイドル属性付与の超能力者(レベル5)を!!」

 

「もう駄目だ。カミジョー属性の手にかかれば、あの堅物たちも濡れ透けの餌食か」

 

「そして実は可愛らしい下着とかエロエロの下着とかがバレて、いつものラブコメになっちまうんだ……」

 

「我々人類の絶望やね。──っつか、吹寄と朝槻でダメなら後は誰が残っとんねんボケェ!」

 

阿鼻叫喚のクラスメイトの中、ぽたぽたと前髪から水がしたたり落ちながら(うつむ)いていた真守はキッと上条を睨み上げた。

 

「……っこの野郎、人が……っ人が面倒なモノから解放されて、競技に間に合うか車の中でそわそわしてやっと合流できたと安堵した途端に……コレかァ────!!」

 

真守はぽたぽたと滴る水を振りまきながら上条へと一直線に近づくと、ガッと襟元を掴み上げて上条当麻を宙へと縫い付ける。

 

「わぁああああ朝槻さんストップストップ! いやこれわざとじゃなくてですね!? ほんっと。ほんっとうに超能力者(レベル5)第一位様を濡れ濡れの透け透けのエロエロにしたかったわけではなく!! ていうか本当、お前すんげえ下着着てんな!?」

 

上条は真守の体操服が濡れて透けて見えている下着をガン見して思わず叫び、その叫び声に呼応するかのようにクラスメイトの男子の半数以上が真守の下着を見て鼻血を噴き出した。

 

真守は『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』の『残骸(レムナント)』騒動の時にランジェリーショップに大覇星祭用の下着を買いに行っており、その時に買ったスポーツブラタイプの勝負下着を身に着けていた。

 

その勝負下着とは、黒のレースに紐が背後でクロスして、交差した場所にバタフライモチーフがついているスポーツブラだった。

 

スポーツブラで気合を入れるような勝負下着はこういうものしかないのだ。

 

高校生にしては大人びている下着だが、真守が着ているとなるとなんら不思議ではない。

 

「……っ上条、お前ってヤツはなんでそういう注目集めること口にするんだァあああああ────!!」

 

真守が顔を真っ赤にして雄たけびを上げて上条をぶんぶんと振り回し始めたので、クラスメイトは我に返って騒然とする。

 

「ヤバいっ!! 朝槻、それは流石にマズい! 大覇星祭始まってすぐに超能力者(レベル5)がクラスメイトをボコるのは大問題だ!!」

 

「入学式の時の再来キタ!? ヤバいぞ、あいつ今超能力者(レベル5)だぞ!? 今度こそ上条が死ぬ!!」

 

「女子! 女子組早く来いっ!! 朝槻を(なだ)めろ、アイツは宥めればちゃんと止まる!!」

 

真守の下着を見て鼻血を噴き出していたクラスメイトは我に返って上条と真守に次々と殺到し、怒れる超能力者(レベル5)を止めた。

 

騒動が少し収まると、真守はクラスメイトの女子に宥められながら低く(うな)って上条を睨みつけており、女子たちは真守を囲んで必死に宥めていて、そんな真守たちの前で吹寄はぷんすか怒って怒りを鎮めるために紙パックの牛乳を飲んでいた。

 

男子たちは真守と吹寄の下着を見ないように顔を赤くしてそっぽを向いているが、ちらちらと意識がいって仕方なかった。

 

だが真守が上条を睨み上げている中、突然それは起こった。

 

バサッと。

 

真守の視界を(さえぎ)るようにして何かが落ちてきたのだ。

 

「え。ナニコレどっから落ちてきたの?! 空!?」

 

「でも何もいないけど? ……風で飛んできたの?」

 

「この無風で残暑厳しい晴れ模様で?」

 

真守の周りにいた女子生徒たちが困惑している中、真守は頭に落ちてきたその何かから顔を出した。

 

「……ジャージ?」

 

真守が頭から取って両手に持ったのはジャージの上着だった。

それは黒地に赤いラインが肩や裾に入っているスタイリッシュなブランド物の高級ジャージで、とても普通の学生が着用することはできない逸品だ。

 

「男用? なんか、コレ見覚えが……」

 

真守は男性が好む柔らかなシプレのフレグランスが(まと)わせてあるジャージを抱えながら小首を傾げると、固い感触があってジャージを探る。

 

固い感触とは胸元についていた二種類のピンであり、一つは校章でもう一つは紳士服に着けるピンだった。

 

「あ」

 

真守はその二つに見覚えがあった。

 

一つは真守がお礼としてとある人物に選んでプレゼントした大粒のスワロフスキーがついた(いかり)のピンで、もう一つはとある人物の所属している学園都市五本指に入るエリート校の校章をモチーフにしたピンだった。

 

真守はそれを見てとある人物が誰か見破り、ダバッと滝汗を流して心の中で叫ぶ。

 

(ヤバい、みんな消される!!)

 

真守にジャージを頭から落としたとある人物とは学園都市五本指の学校に通う超能力者(レベル5)であり、暗部組織『スクール』のリーダーである垣根帝督に間違いない。

 

彼は『特別公欠』で大覇星祭を休んでいる。

そして真守が大覇星祭を初めて経験するので、大覇星祭中はずっと自分と一緒にいて超能力者(レベル5)第一位として有名になった自分のボディーガードをしてくれると言ってくれた。

 

つまり──最初の競技が行われるこのグラウンドの観客席にいる。

 

多分、未元物質(ダークマター)で造り上げた姿を消せる人造生命体であるカブトムシによって真守の上からジャージを落としたのだろう。

 

あの独占欲の塊である垣根が随分とご執心の自分の下着を見た人間に怒り狂わないはずがない。

 

特にこんな事故を引き起こした上条当麻。

 

ヤツは必ず消される。

 

真守がジャージを抱き込んだまま硬直していると、周りの女子生徒が首を傾げた。

 

「……そんなことは……絶対に、────ですよーっ!」

 

「……馬鹿馬鹿しい──に決まって……ですか」

 

「あれ?」

 

真守が沈黙した途端、誰かが言い争う声が聞こえてきて真守は小首を傾げた。

真守が落ち着いて余裕が出た女子生徒たちにもその声が聞こえてきたので、真守と一緒にその声がする方へと顔を動かした。

渦中(かちゅう)の真守が目を(またた)かせて何かに気を取られたので、クラスメイトたちもそちらの方へ──体育館の裏手へと意識を向ける。

 

「だから! ウチの設備や授業内容に不備があるのは認めるのです! でもそれは私たちのせいであって、生徒さんたちには何の非もないのですよーっ! それに、ウチの頑張り屋さんが超能力者(レベル5)第一位に認定された事もあって、設備の援助が始まっていて授業内容もそれによって適宜変更しているのですっ!」

 

体育館の裏手で声を上げていたのは真守たちのクラスの担任である月詠小萌先生で、身長一三五㎝のプリティー体型に何故かチアリーダーのような応援コスチュームを着ていた。

 

小萌先生と向き合っているのはスーツを着込んだ男性の教師で、彼は嘲笑を浮かべていた。

 

「はん。確かに統括理事会から追加資金が下りたそうですが、それは朝槻真守のためであって学校のためではないでしょう? それにあなたは超能力者(レベル5)という成功作を一つだけしか生み出していないじゃないですか。その証拠として一学期の期末能力測定も、朝槻真守以外酷かったんでしょう? まったく、失敗作を抱え込むと色々苦労しますねえ」

 

「せ、生徒さんには成功も失敗もないのですーっ! あるのはそれぞれの個性だけなのですよ! みんなは一生懸命頑張っているっていうのに! それを……それを、自分たちの都合で切り捨てるなんてーっ!」

 

小萌先生は抗議するように手を挙げているが、そんな小萌先生を睥睨して男性教師は嗤ってまくしたてる。

 

「それが己の力量不足を隠す言い訳ですか。はっはっはっ。中々夢のある意見ですが、私は現実でそれを打ち壊してみせましょうかね? 私の担当育成したエリートクラスで、お宅の落ちこぼれと所謂『棚ぼた』を完膚なきまでに撃破して差し上げますよ。エリート軍団とエリートではエリート軍団の方が勝ちますからね。うん、ここで行う競技は『棒倒し』でしたか。いや、くれぐれも怪我人が出ないように準備運動は入念に行っておくことを、対戦校の代表とし忠告させていただきます」

 

「なっ……」

 

小萌先生が絶句する中、男性教諭は振り返って後ろ手を挙げながら去っていく。

 

「あなたには前回の学会で恥をかかされましたからねえ。全世界に放映される競技場で借りは返させていただきますよ? ああ、それと。超能力者(レベル5)がいるならば手加減はしません。愚図もろとも完膚なきまでに叩きのめして差し上げますよ」

 

「……、違いますよね。みんなは、落ちこぼれなんかじゃなりませんよね……?」

 

小萌先生は、自分のせいで大切な生徒が罵倒されてしまったのだと心の底から責任を感じており、ぽそっと呟いてからこらえるように空を見上げた。

 

「……──お前たち、話は聞いたか?」

 

真守がジロッと阿鼻叫喚だったクラスメイトに訊ねると、クラスメイトたちはそれぞれゆらりとやる気のオーラを立ち上がらせた。

 

「やる気がねえとかじゃねえ……」

 

「オールで体力が尽きたとか、そういう問題じゃねえ……」

 

「何が何でも曲げちゃならねえことがあんだよ……っ」

 

やる気に満ち溢れていくクラスメイトたちを睥睨して、上条当麻は拳を掲げる。

 

「……ああ。テメエら、やるぞォ──────!」

 

雄たけびを上げて気合を入れた小萌先生の教え子たちは、その時猛者と成り果てた。

 

こうして大覇星祭初日、真守たちは最初の競技を勝利で収めることができた。

 




大覇星祭篇開幕です。
しょっぱなからラッキースケベの上条さん。そして怒り狂っているであろう垣根くん。

これで過去に上条くんが真守ちゃんの胸わし掴みしたって垣根くんが知ったら本当に上条くん殺されそう……。

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