阿伏兎(不死者)に転生したサラリーマンの物語   作:アルトリア・ブラック(Main)

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はい、Pixivの方で告知しておりました。阿伏兎に転生したサラリーマンの物語です。

なんとか1日でまとめ終わりました。



第1話『ワケありにもほどがある』

とある大企業の社員として勤めていた男は己の会社のブラックさに苛々しながら家に帰宅した。

 

「あぁ〜!あんのっクソ上司!少しくらい周り見ろよ!価値のねぇモンばっかり受け取りやがって…!」

 

バフンとベットに倒れこむとベットの枕元の近くに置いてあった積み重なった漫画が手に落ちてくる

 

「イッテ!」

 

起き上がって漫画を見る

 

「あ、そういや、今日は新刊が出てたな、確か虚が地球で戦う話だったっけ?」

 

男が好きなのは『銀魂』であり、作中でもかなりメタイ発言が多く、その年に流行したネタをすぐにパクるものだ。

 

ギャグやシリアスなネタが交互にあり、男はシリアスもギャグも両方大好きだった。

 

特に大好きなのは吉原炎上編、洛陽決戦編だろう。

 

つい最近じゃ銀ノ魂編だったか、その長編が大好きだった。

 

「さぁてと、続きを読みますか…」

 

読もうとした時、携帯に一本の着信が来る

 

「ぁあ?!あのクソ上司か?!」

 

電話に出ると至急会議に参加してほしいから来てくれと言われ電話を切ると怒鳴りながら家から出る。

 

歩道を渡った際に青信号にも関わらず車が突っ込んでくるのが横目でも見えた。

 

「あ、終わったー」

 

目の前が明るくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と…阿伏兎」

 

綺麗な声に呼ばれハッと目を開けると、そこは道路でなく、あの暗い空でもなく

 

変な色の空が広がり、寝っ転がっていた場所は砂場だった。

 

「……へ?」

 

仰向けに倒れており、そこを覗き込む人物が見えた。

 

「派手に頭から落ちてたが、大丈夫か…大丈夫じゃないな、記憶飛んでるな」

 

江華さんがいた

 

これは夢なのだろうか?よくある、アニメとか漫画見すぎて夢にも見るというアレだろうか?

 

いや、しかし、感覚はある。

 

五感という五感が生きていると告げている(混乱)

 

江華さんは俺の頭に手を乗せると『うん、再生しているから大丈夫だろう』と言ってくる。

 

「……ヤベェ大事なモン失った」

 

そう呟くと江華さんは「あそこぶつけたのかい」と聞いてくる

 

女の子がそんなこと言っちゃいけません!

 

先ほど、江華さんが『阿伏兎』って言ったが、俺はまさか、あの…春雨第七師団副団長の阿伏兎なんか…?

 

いや、アイツは確か、不死者じゃなかったはず。

 

阿伏兎という名の別人か?

 

いや、この世界に阿伏兎は一人で大丈夫なはずだ。

 

困惑しつつ江華と共に家に帰ると、こういうのは慣れっこなのか江華がいろいろ説明してくれ、鏡を見せてくれる。

 

(阿伏兎じゃん)

 

あの本当は吉原炎上編で死ぬはずだったけど、作者に気に入られたお陰で最終局面まで生きていたというあの阿伏兎に成っていた。

 

それから、慣れるまでかなり時間が経過し、生きているという実感が湧いたある日のこと…

 

「……どこ見ても何もねぇ、世紀末みてぇな世界だな」

 

一人で星を歩いていると…

 

「〜〜!」

 

オロチが出てきてこちらを見てくる

 

「あん?どうしたオロチ」

 

足を止めてオロチを見ると、何故か悲しそうな声を出す。

 

「ん?何々?変な船がきてる?」

 

オロチの頭に飛び乗ると頭上を見上げる。

 

「お〜マジモンの船初めて見たなぁ〜」

 

銀魂の漫画ではかなり見たが、こう、自分の目ではっきりと見るのは楽しかった。

 

「よし、江華に知らせてくるか!」

 

走って行こうとすると、オロチが鳴く

 

「一人ではやらねぇよ?客人をからかう時は江華も誘わねぇと尋常じゃねぇくらい怒るからな」

 

 

 

 

 

 

ー江華ー

 

この星で生活して、もう何年が経過しているか分からない。

 

いや、数百年近く生きているかもしれない。

 

一人で生活していたそんなある日、荒廃したビル群の近くに小さい子供がいた。

 

その子供は1ヶ月で人並み以上に大きくなり、この世界に適応した。

 

つまるところ、自分と同じ存在が現れたのだ。

 

そこからなんとなく二人で生活して、なんとなく二人でたまにくる珍客をからかったりし遊んで

 

オロチと戯れたり、二人で大声で歌ったり、拾ってきた男の子…いや、今はれっきとした男『阿伏兎』は物を見つけるのが上手かった。

 

荒廃したビル群の近くから大量の本を見つけたり、いろいろしていた。

 

退屈じゃなくなり、阿伏兎を見て揶揄うのが楽しくなった。

 

「江華〜!珍客きたぞー」

 

低音の良い声が聞こえてくる

 

「あぁ、今行くよ」

 

番傘を持ち、声をかけられた方に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

ー阿伏兎ー

 

やってきたのは夜兎の軍団で、江華と二人で派手に暴れてからかって遊んだ。

 

まぁ、死なないギリギリの範囲でボカボカ殴っていたら向こうが撤退を決めこもうとしたので、向こうの長らしき人物と話をつけることになった。

 

「俺たちは夜兎の故郷を見にきただけだ!別段何もしようとしてない!」

 

「だろうね、この世界じゃ、普通の人は一ヶ月も持たないさ」

 

江華が優雅に煙管をふかしながら言う。

 

「さて、帰ろ…」

 

江華が言葉を途中で止めたことに気づき、横を見ると

 

「…あぁ、阿伏兎、アンタ着いて行きたいのか?」

 

「ん?」

 

江華は微笑み

 

「楽しそうな顔をしていたよ、まぁ、初めて同族と出会ったんだ。外を見てみたいと思っても不思議じゃないさ」

 

そう言ってハッとなる。

 

確かに、このままここにいて星海坊主と江華の出会いを邪魔するわけには行かない。

 

それに、銀魂の世界をもっと見てみたいと思った。

 

「やっぱり、ここの主人にはバレるか」

 

そう言うと『アンタの方が主人って感じはするけどね』と言う。

 

「江華、アンタは行ってみないか?」

 

星海坊主が誘うのは分かってはいるが、長い間一緒にいた江華を見捨てる事はできない。

 

「いいや、私は行かないよ、この星を捨てる事は出来ないさ」

 

「だから行ってらっしゃい」と言う江華の答えに笑う

 

「それじゃ、俺は行ってくらぁ」

 

そう言って立ち上がると

 

「阿伏兎」

 

「ん?」

 

「行くのはいいけど、定期的にここに帰ってくるんだよ、悪い予感がするから」

 

おそらく、江華の言う事は『ここから離れたら死ぬかもしれない』という事だろう。

 

江華と同じ星で生まれた己は、きっとこの星以外では生きれない。

 

同じアルタナであろう地球では生きられるかもしれないが、かなりリスクは高い。

 

阿伏兎は船に乗り込む前に振り向くと、江華が軽く手を振っていた。

 

軽く手を振り返し、船に乗り込む

 

定期的に帰ることを約束して

 

 

 

 

 

〜数年後〜

 

宇宙海賊春雨、第七師団の団長が鳳仙になった。

 

(…いろいろ大変だったマジで)

 

何回鳳仙に腕捥がれるかと思ったか

 

「副団長!仕事が!」

 

「副団長!!団長から書類の整理が…!」

 

「だぁああ!!!字面と睨めっこするやつばっかり俺に渡しやがってぇえ!あの旦那は?!」

 

「そ、それが…!数日前から居なくなってまして…吉原に行くから後を任せたと」

 

「…吉原…?え?女遊びに行ったの?あのすっとこどっこい」

 

「?は、はい…」

 

「マジで…」

 

机に突っ伏すと密かに目をつぶり、地球の方々に謝罪する。

 

どうやら阿伏兎(アルタナ)がいることにより、鳳仙は一足早く地球に降り立ってしまったらしい。

 

(すみません。早速原作破壊してしまいました)

 

流れ的に言えば、神威が春雨に入る→鳳仙が吉原に行くって流れだったはず。

 

(…ん?神威?鳳仙…?ハッ!!?)

 

ガバッと起き上がった衝撃で目の前にいた部下の顎にクリーンヒットする。

 

「っ…!?っ…!!?」

 

痛がる部下と相反し、阿伏兎の後頭部はまるで痛くなかった。

 

「お前らぁ!!これから徨安行くぞ!」

 

「副団長…壊れてるっ…せっかくの第七師団の良心が…!」

 

とかなんとか言っている部下をフル無視して指示を出す

 

 

 

ー徨安ー

 

久々に降り立った徨安は相変わらず何も変わらなかった。

 

部下たちは息がしづらいと言い船に残っていた。

 

阿伏兎は江華がいたであろう場所に向かうと、そこはもぬけの殻だった。

 

(…出かけてるわけじゃなさそうだな…ん?)

 

本が折り重なっているところに行くと、小さな手紙があった。

 

それを取るとパラっとめくる。

 

「!おお!」

 

阿伏兎は内容に拳を振り上げる。

 

その手紙には『私も星を出て洛陽に行く。着いて行きたい人を見つけた』と書かれていた。

 

「星海坊主と出会ったか!」

 

その手紙には洛陽の場所(地点)と地図が描かれていた。

 

「よし!行くぞ!洛陽に」

 

 

 

 

 

 

 

ー江華ー

 

その日は相変わらずどんよりとした空だった。

 

(徨安に比べて太陽光がまるでない…)

 

これじゃあ、洗濯物が干せない…と思っていると、神晃(星海坊主)が入ってきて仕事の事をいろいろ話してくる。

 

その話を聞いていると…

 

「?」

 

「どうした?江華」

 

「…あぁ、アイツ、ここをやっと見つけたのか」

 

「?アイツ?」

 

外から馴染みの気配を感じ、立ち上がる

 

「知り合いでもくるのか?」

 

「あぁ、一種の兄弟みたいなものさ」

 

そう言ってドアを開けると…

 

番傘を差した人物がいた。

 

「江華〜遊びに来たぜ〜」

 

「全く、どうしてアンタは勘でなんでも当てるんだい?」

 

江華の笑顔と、親しそうに話す阿伏兎を見て神晃が激しく動揺してこっちを見たりあっちを見たりしていた。

 

「!!?」

 

動揺しすぎて椅子から滑り落ちた神晃(星海坊主)は立ち上がって江華の後ろにまでやってくる

 

「江華さん!!?その人誰!?もしかして、あの星にいた時の恋人!!?」

 

やかましいぐらいの大声に肘鉄を食らわすと「ブッ!?」みたいな変な声を出す

 

「恋人じゃないって言ってるだろう?兄弟だよ」

 

「どーも」

 

「ちょっと待って!!俺処理できないよ!!?流石にこれ!!え?!江華さん長生きだったんだよね!?そんな子があの星で野郎と二人きり!!?体の関係あるんじゃないの?!」

 

「………さぁ、どうだろうねぇ」

 

「え?!ちょっと今の間何!?野郎困惑してるけど!どっちの困惑!?ねぇ!江華さん!!?ないって言って!俺泣いちゃうよ!!?」

 

「昔のことだからあったかもしれないね、忘れたけど」

 

「ーーー!!!」(声にならない悲鳴をあげてぶっ倒れる)

 

「……おいおい、気絶しちゃったよ?旦那をないことで遊ぶなんてよりタチ悪くなったな…」

 

そう言うと江華は笑いながら『騙されやすいこの人が悪い』と言って神晃を引きずって室内に入る。

 

気絶している神晃をベットに放り投げ、椅子に座る江華に釣られて阿伏兎も座る。

 

「久しぶりだね、阿伏兎、元気にしてた?」

 

「あぁ、定期的にあの星には帰ってるぜ、それよりも問題なのは江華、アンタこそ帰ってないだろ」

 

「バレた?」

 

「バレるに決まってんだろう、このすっとこどっこい。分かりやすいぐらい元気ねぇじゃねぇか」

 

微妙に具合の悪そうな顔をする江華。

 

同じ星で育ったからこそわかるお互いの顔色。

 

「ほれ」

 

そう言ってダイヤモンドのようなものを渡す

 

「あぁ、わざわざ取ってきてくれたのか、ありがとう」

 

徨安にある【アルタナの結晶石】であり、アルタナが噴出する「穴」の付近で稀に産出される代物で、文字通りその星のアルタナの結晶である。

 

「俺も念のために常備してるからな」

 

阿伏兎は辺りを見渡していたが、何か納得したのか

 

「んじゃ、元気にしてるのも分かったし、これで帰るわ、部下どもを待たせてるからな」

 

「あぁ、元気にするんだよ」

 

その言葉に阿伏兎は手を振る

 

「あと、その旦那に着いた嘘を正しておいてくれよ」

 

そう言ってその場から立ち去る阿伏兎を見て微笑む




阿伏兎
中身別人
【中身】2020年を生きたサラリーマンであり、ブラック企業に勤めていた。漫画『銀魂』が大好きであり、寝る前に毎回読んでいた。映画も見た。推しは江華さん。

【阿伏兎(アルタナ)として】
サラリーマン特有の轢かれたら異世界に飛んでた。
身なりと容姿見て『え?阿伏兎じゃん』と思い辺りを見渡してみれば砂漠に、崩壊した街と不思議な色をした空が見えた。
よく分からない現状に首を傾げていると、オロチに乗った江華さんがいた。
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