阿伏兎(不死者)に転生したサラリーマンの物語 作:アルトリア・ブラック(Main)
何回休むんだとか思わないでください。あっち行ったりこっち行ったりする奴なんです。
前々から投稿していた話をまとめてポンっと出してます。
神楽って原作ではあんまり触れられてなかったけど、烙陽にいた時って一人で、家出するって決めた時も一人で決めてたっぽいから割と星海坊主さん家にいなかったのでは?と思い書き始めました。
烙陽ってホント治安悪いだろうし
割と星海坊主がひどい扱いになってますけど、お許しください。
神威と阿伏兎の関係性は叔父と甥で、相棒同士な間柄ですが、神楽と阿伏兎の関係は叔父と姪との関係ですが、ナイトと令嬢みたいな関係でもあります。
ブチギレ阿伏兎がおります
番外編『逆転兄妹篇』
ー神楽ー
母が、マミーが死んでから数日間はパピーがいてくれた。
数日経ち、パピーは家を空ける事が多くなった。
数日帰らないときはまだマシな方だ、家にある物でなんとか凌げるし、パピーはそれなりに食事を用意してくれているから助かるが、数ヶ月間いないときは死ぬような思いだった。
烙陽は治安が悪い、夜兎である事を理由に暴力を振るって来る大人なんてたくさんいた。
それこそ、連れ去ろうとかそういう奴もたくさんいた。
そんな治安の悪い星で暮らしていた神楽の心の中はどんどん暗いものになって行った。
一人で家出しようと荷物をまとめたとき、大きな船が止まっているのが見え、そちらに向かう
(…叔父さんアル)
神楽は自然と足がそちらに向かって進んでいた。
「始末書終わったアルな…」
「どっかの誰かさんが他の師団の団員殺してくれちゃったから余計に増えたからなぁ」
「まだ根に持ってるアルか?根に持つ男は嫌われるヨ」
「根に持って結構。ところで団長さんよ、こんな町をフラフラ歩いてて大丈夫なのかよ、ロクな目に合わなさそうだけど」
吉原での仕事を終え、阿伏兎と二人で歌舞伎町を散策していた。
「別にいいアル。部下たちが自由にしてるからこっちも自由にするネ」
「いや、ほとんど俺の金だからね?そこんとこ忘れないでね」
町を歩いていると…
「………」
「ん?どうした?」
神楽が公園を眺めていた。
(…あぁ、あの公園で神楽はいろいろあったんだよな、原作だったら…)
春雨を選んでしまった以上、それは出来なくなってしまった。
神楽のいた居場所には神威がいる。
とてつもない罪悪感に襲われるが、神楽は何か納得したのか阿伏兎の横に歩いてくる。
「何辛気臭い顔してるネ、公園で遊びたいアルか?」
「そんなわきゃないだろうが」
いろいろ話しながら船に戻って歩き出す。
「阿伏兎〜帰ったらご飯作ってヨ」
「え?俺まだ仕事あんだけと」
「その前にアル」
「おいおい、パワハラだぜ?」
「阿伏兎の作る料理美味しいアル」
「しゃあねぇな」
「(…ちょろいアル)」
艦隊に向かって歩き出す神楽と阿伏兎だった。
地球で仕事するのは当然と荒事に巻き込まれるわけで、阿伏兎が神楽が吉原近くで大暴れしていると部下から報告されて見に来てみると、真選組の沖田総悟くんと派手にドンパチしていた。
「春雨第七師団の団長様が何の用ですかねィ!!」
「仕事アルよ!」
(…仲良さげだなぁ…)
夜20:30になってもなかなか帰って来ない神楽を心配して艦隊から降りて歩いていたら見つけたのだ。
このまま地球にいるのも悪くないのではないかと阿伏兎は感じていた。
本当だったら神楽は万事屋にいて、あの二人と馬鹿騒ぎしてたはずなのだ。
それを自分は横から掻っ攫ってしまった。
罪悪感は今も払拭できないが、同時に少しだけ期待している部分もあった。
何に、とは言わないが
『副団長!1時間後には出発します!』
「おう、団長さっさと回収して来るわ」
そう言って無線を切り、ゆっくりと神楽の方に歩み出す。
気配を消してのんびりと歩いていてから、神楽達の周りを囲んでいた真選組隊士達に軽い拳骨をかます。
六人ぐらいまとめて気絶させると、阿伏兎が来たことに気づいた神楽が『うげっ…』と言っているのが聞こえる。
「神楽。仕事に熱心なのは結構、だけど、こんな時間まで仕事を頼んだ記憶は無いけどなぁ?」
「……(汗)」
神楽が引いている。
原作の神楽がたまに見せる引き顔に似てて笑える。
「半端者が夜遊びなんて100年早い」
拳骨をお見舞いすると地面にめり込む神楽
「喧嘩両成敗。ほれ、さっさと帰るぞ団長」
そう言って地面から引っこ抜いてその場から立ち去る。
鬼兵隊と共闘関係を結ぶようになってから、神楽は来島また子に構うことが増えた。
なんというか、女の子同士(多少物騒)戯れてるのを見るとなんか癒される。
「また子、他の奴らに銃は向けんなよ」
神威が居ないせいなのかなんなのか、高杉くんの話のターゲットがこっちに向いている気がする。
まぁ、計画等々の打ち合わせは阿伏兎が担当しているから仕方ないのだが
「ーーー」
「ーーー」
二人で会話していて感じたのは高杉くんが思いのほか話してくれるということ。
原作でもあんまり出て来なかったから、あんまりイメージが湧かなかったけど。
地球に向かうことになり、その打ち合わせをし終わると神楽を回収して艦隊に戻る。
「阿伏兎、地球に行ったら馬鹿兄貴の相手するネ、阿伏兎は雑魚狩りヨロシクネ」
「了解〜」
「…で、今日の晩ご飯何アルか?」
「ん?地球で手に入れた米使ってチャーハンでもなんでも作ろうと思ってるぞ」
「チャーハンアルか!他は?」
「カレーとかその他諸々、あれ…?俺、主夫みたいになってない?」
「主夫アル」
「あれ?否定してくれないの?そこ、俺一応副団長だよ?」
洛陽に行くまでは本当に早かった。
え?展開が早すぎるって?そこらへんは察してくれると助かる。
だって、話すほどの代わり映えのあるようなものじゃなかったし
基本的に原作と変わらない展開だったし
「母さんに置いていかれて、泣いているだけの弱虫の馬鹿兄貴なんて要らないアル」
激しく戦う神威と神楽
「神楽…」
星海坊主は神楽の言葉に息を呑む
「…私は、最後まで守ろうとしたアル…それなのに、手放しちゃったのはお前らネ!何を今更っ!」
(…多感な時期に江華が死ねばそうなるよなァ…)
何回か神威と星海坊主は愛情表現やら感情表現が不得意な男だと問い聞かせていたのだが、神楽は二人を許すつもりがないのか受け流されて終わりだった。
それならば喧嘩しかない、思いっきりぶつかって仲直りしてくれたら幸いだと感じた。
神楽の本気の拳を、神威や星海坊主に分からせてやれと背中を押した。
どっちにしろ、神楽は二人を殺せない。
「やめてくれぇええ!!」
星海坊主が走って二人を止めに行こうとする。
「!」
殺気を感じ、崖の上を見ると、そこにいたのは笑っている虚がいた。
星海坊主は気づいていない。
声を上げて星海坊主に知らせるのも良かったが、明らかに虚が神楽を狙っているのを見て神楽の方に走る。
神楽を押し飛ばし、虚の刀が阿伏兎の肩に直撃する。
(…腕取れた…)
その後、すぐに降って来た爆弾に神楽と神威が吹っ飛ばされる。
星海坊主、阿伏兎vs虚の戦いは互角に見えて明らかに虚が優勢だった。
虚の腕がもがれても、心臓を斬られても虚は笑っていた。
(…同じ不死者の自分でさえ、あれは薄気味悪いなぁ…全く)
「おい、義弟。不死者を殺す方法あるか」
星海坊主の声かけに阿伏兎は煙を上げながら立ち上がる
「んなもん、アルタナ切れるまで戦って、アルタナが切れたらもう一回殺すのが良いんだよ」
「それが出来ると思いで?」
虚の余裕そうな言葉に
「アンタ死にたいんだか生きたいんだか、ハッキリしてくんない?ハッキリしてくれたらちゃんと答えてあげるからさァ」
「不死者を殺す方法を知っていると?実に興味深い。やはり、同じ不死者は違いますね」
「質問に答えてくれない?俺、壁に喋ってんの?」
阿伏兎の軽口に星海坊主が何か心配そうにこちらを見ていた。
虚の瞬間移動に気づき、阿伏兎は星海坊主の背後に向けて番傘を放つ。
虚はそのまま番傘を蹴り飛ばし、吹き飛ばし攻撃をかけてくる。
「!阿伏兎!!」
吹っ飛ばされて崖に直撃した阿伏兎を心配する星海坊主。
しかし、すぐに降って来た虚の攻撃に必死に対応していた。
(…アルタナ…やべ、切れて来た…)
後一回保つか分からない再生能力。
星海坊主が懐からアルタナの結晶石を出す仕草をする。
「心臓を握りつぶすのとどっちが早いと思う?」
「私が両断するのとどっちが早いと思いで?」
「さぁな、だが!嫁へのプレゼントは一ヶ月前に買い揃えておくタイプだったぜ!!」
虚の心臓をアルタナの結晶石ごと握りつぶす。
「っ…!」
阿伏兎は立ち上がり、千切れた腕の方に向けて走り出す。
しかし、虚が再生するのが早く、虚が星海坊主に斬りかかろうとしていた。
(間に合えっ…!)
星海坊主の真後ろに現れた虚に向けて番傘を勢いよく振るう。
それに気づいた虚が番傘を受け流しながら、星海坊主から刀を引き抜き、阿伏兎に斬りつけてくる。
それに向けて阿伏兎も撃つ。
虚の心臓めがけて撃ったが、わずかに軌道がズレる。
「ぐっぅ…」
虚が刀を横薙ぎに払う。
思いっきり肺を切られて痛い。
番傘を地面に突き刺し、なんとか倒れないようにする。
阿伏兎と虚、それぞれ煙を放っているが、虚は余裕そうなのに対し、阿伏兎は全く余裕がなかった。
「貴方がたのおかげで久しぶりに生を、生きているという実感を得られました。しかし、アルタナが底を突いてしまったようだ」
虚が落ちて来た天導衆の船を見て、あのカラスみたいなマスクをし「ここで引かせて貰います。アルタナが底をついたのは貴方も変わりないでしょう」と言って歩き去っていく。
「阿伏兎、おい」
星海坊主の言葉と当時に天導衆の船から錫杖を持った、包帯だらけの男達が降りてくる。
「……おいおい、奴さん達、そう簡単に引かせてくれないらしいぜ…たくっ…こっちはアルタナが底を突いてんのによ…」
ゲホッと血を吐くと星海坊主がハッとなり、血だらけのまま起き上がり、阿伏兎に「とりあえず避難するぞ」と声をかけながら担ぐために来ようとすると…
「星海坊主さん!!」
定春に乗った新八達がこっちに向かって来るのが見える
「!」
遠くの方に神楽達も見えて来る
「とりあえず逃げるアルよ!」
神楽がそう言って阿伏兎の腕を肩に回して立ち上がる
「……おいおい、怪我してんだろ」
神楽にそう言うと「黙って担がれてるヨロシ」と言って引っ張って来る。
とりあえず全員で合流して逃げようとした時、天導衆の船から包帯だらけの筋肉質の奴ら(青い顔のリーゼントの男と緑色の顔をしたハゲ)が飛んでくる。
「!!」
神楽を突き飛ばし、錫杖を番傘で防ぐともう一人が銀時達の方に飛んでいく。
血だらけの銀時が定春の上で木刀を振るい、男を押し飛ばす。
「っ…!」
「銀さん!!」
男の圧力に押し飛ばされ、定春の上から落ちる。
「阿伏兎っ!」
神楽達の方に包帯奈落が向かって行き、遮られてしまう。
必然と銀時と隣り合わせで戦うようになって、銀時は包帯だらけの男を見て呆れたように「おいおい」と言う。
「…何?コイツら、再生したんだけど…」
「…虚の傀儡になってんだろう。不完全に再生してるあたり、不死になりたくて虚の言葉に乗せられて輸血でもしたんだろ」
(…コイツら、最終回で出てくる奴らじゃねぇか…?え?ここで出てくんのか…)
そして船の方を見ると巨大なアルタナが積んであるのが見えた。
(…アレ、地球産のアルタナだな…あれ斬れば、コイツら消えるだろうな…)
完璧な不死者でないアイツらを倒すには、あのアルタナが必要だ。
「銀さん!!」
「阿伏兎っー!」
二人の男はほかの包帯奈落と違って耐久値が馬鹿みたいにあり、いくら殴っても全然倒れなかった。
「おい、坂田銀時!あれを斬ってこい!アレなら倒せる」
そう指示出すと察してくれたのか、銀時がそっちに走っていく。
銀時に付いていた緑色の顔色の奴を掴み、阿伏兎の方にいた青色の顔色の男の首を腕で全力で掴む。
夜兎の全力の力はさすがに外せないのか、かなり大暴れしていた。
「どっちが先に消えるか勝負と行こうじゃねぇか」
その言葉に反応した星海坊主が「やめろ!阿伏兎!!」と大声を出す。
銀時が斬ったことにより、ドンッ!!と爆発が起こり、アルタナが放出される。
捕まえていた男達が暴れて逃げようとしていたが、為すすべなく掻き消えて行く。
(あぁ…こう言う終わりも良いかな…)
左腕が消えて行く。
地球産のアルタナを阿伏兎は受け付けないと知っていた星海坊主は今にも走ろうとしてくる。
その前に神威に押し飛ばされ、アルタナの光から隠すように定春が隠してくる
「阿伏兎!!」
神楽が走り寄ってくる
(…美人だなぁ…江華にそっくりだ…)
何か言っているのは分かるが、声が聞こえなくなっていく。
だんだん神楽が泣いているのが見える。
(…なんか、感動…)
『部下でもいい、甥や姪に囲まれてでもいい、幸せに最期を迎えるんだよ』
江華の言葉が脳裏によぎる。
泣いている神楽の頭を撫でる。
その神楽の横に江華がいるのが見えた。
『阿伏兎』
そう言って手を差し出してくる。
その手を取る。
終わり
一週間ぐらいお休み頂きます。ごめんなさい