阿伏兎(不死者)に転生したサラリーマンの物語   作:アルトリア・ブラック(Main)

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原作の方であんまり阿伏兎と神威が出てこなかったので、こちらでは割と原作キャラに絡ませたい今日この頃。

神威が春雨に入る以前の話もあります。

仕事の日は文字数が少ないかもしれませんがお許しください


第5話『強さに固執しない奴ほどめっちゃ強い』

ー日輪ー

 

「そうかい、第七師団がここを管理することになったのね」

 

吉原の空を覆っていた鉄板が開き、太陽光が差し込んでいた。

 

「つ、つまり…その気になれば好き勝手にされる可能性があるんですか?」

 

新八の心配する声に銀時が

 

「まぁ、星海坊主の馬鹿息子はここに興味なんてないらしいし、ここを直接管理してる阿伏兎ってやつも、先代の団長・鳳仙が死んだからその引き継ぎしてるみたいなもんだし、平気だろ」

 

『俺の義弟・阿伏兎には気をつけろ。アイツは本気にならない分にはマシだが、本気になったら馬鹿息子より手が付けられねぇ、何かあったら俺が助けに入ってやる。神楽ちゃんのためだからな』

 

そう言う星海坊主の言葉が脳裏に浮かぶ。

 

(強さが鳳仙以上とか、考えたくもねぇよ…何?夜兎ってそういう奴しかいねぇの?)

 

銀時は神楽たちより先に帰るために歌舞伎町を歩いていると…

 

「……えぇ…?」

 

目の前に見覚えのある服装と番傘が見え、足が止まる

 

ゆっくりと横道に逸れて伺うと、星海坊主が言っていた『阿伏兎』なのを見てため息をつきずりずりと地面に座り込む

 

(マジかよォ〜!?まだいたの?!てか!一人で危険人物がフラフラしてんなよ!)

 

顔を上げてみると阿伏兎は何か探しているようで、足を止めたり足早になったりしていた。

 

(…そういやぁ、アイツといつも一緒にいた馬鹿息子がいねぇじゃねぇか…うん、とりあえず離れよ、二連続で戦いたくねぇ)

 

そう感じ離れていく

 

 

 

 

 

 

 

 

ー阿伏兎ー

 

春雨の本艦隊から第七師団に戻り、そのまま地球に来た阿伏兎は神威が仕事をぶん投げて来たことにイラつきつつ、仕事に当たっていた。

 

「なんで自分で管理しねぇんだよ第八師団団長の奴」

 

苛々しながら第八師団団長がミスってばら撒いた宇宙産の麻薬を回収するために地球のある場所に来ていた。

 

時刻はすっかり夜になってしまい、眠気やら何やらで苛々マックスだった。

 

港に来ると丁度よく運送している人間達がおり、今から外国にでも売りつけるのか、隠すのかどちらか分からないが、運ぼうとしているのを見たので早速姿を見せる。

 

「な、なんだ!貴様は!!」

 

「こちとら早く帰って休みたいのによぉ…お兄さんら好き勝手してくれるじゃねぇか…まぁ、ミスってばら撒いたあの野郎にも責任はあるけどな」

 

帰って寝たい、と苛々して傘がメキッと鳴る

 

「さっさと回収して帰るか」

 

 

 

 

「……これ人間の死に方か?」

 

阿伏兎が帰った後、現場から通報があったため、真選組は急ぎ現場に急行する。

 

土方は目の前の惨状にタバコをふかしながら見つめる。

 

人間の死に方とは思えないぐらいの腕力で捻り潰されている人間だった遺体達。

 

「ザキ、なんか分かったか?」

 

「はい!被害者は密輸を行っていたらしく、宇宙海賊春雨から流れてきた物資を横流ししていたらしいです」

 

 

 

 

阿伏兎は真選組がやってくるのがわかったが、頭に血を登らせ過ぎて反応が遅れてしまった。

 

(…しまった。俺ヤバいぞ、今…)

 

傘でぶん殴ったり、手刀で殺したりしたせいで大体返り血塗れである。

 

完全にザ・犯罪者である。

 

(屋根の上行って逃げるしかねぇか…)

 

そう感じ、屋根に登った時…

 

「犯人はまだ現場にいるって言ったじゃないですかィ、土方さん」

 

その言葉にピシッと固まる。

 

横目で見ると、そこにいたのは沖田くんとクールにタバコを吐く土方がいた。

 

(…面倒くさいけど…なんか、戦ってみたい)

 

夜兎に生まれ変わってしまった宿命なのか、こう、なんというか強そうな奴を見るとなんかワクワクするのである。

 

「はぁ…ツイてないなぁ、お前さんら」

 

血だらけ(#返り血)の手で髪の毛を掻くと、向こうも殺気に気づいたのか剣を構える。

 

「声かけなきゃ見逃してやったっていうのに、まぁ、警察の建前上仕方ねぇのか」

 

一歩踏み出し、勢いよく二人の背後に回る

 

後ろに回ったのに驚いたものの、殺気に気づいた沖田くんが刀を向けて来るのがゆっくりと見えた。

 

「!!総悟!」

 

沖田くんを吹き飛ばすと勢いよく、地面にぶつかる

 

土方くんの頭を思いっきり傘でぶん殴るとギリギリで防いだのか、刀が折れる。

 

そのまま足場が壊れ、屋根を貫通して地面に落ちる。

 

(いっけね…ここでこんな遊んでたら団長がめんどくさい事になるな、早く帰らないと…)

 

傘を背負い、その場から退散しようとすると、後方から殺気を感じる。

 

真剣が飛んで来るが傘で防ぎ、そのまま沖田くんの胴体を蹴り飛ばす。

 

割と力を入れたせいか、沖田くんがかなりの血の量を口から吐く

 

「ゲホッ!ゲホッ!!」

 

このまま足蹴りにするのもあれだなと思い、神威によくやるげんこつで地面に叩き落とす。

 

屋根から落っこちた沖田くんを黙って見て他の屋根に乗り移る。

 

屋根の上を走っていると、道中に走っている神楽と新八が見えた。

 

(早く帰らないとめんどくせぇことになるな…)

 

阿伏兎が前を向いた時、銀時の視線がこちらを向いているのに気づかず

 

 

 

 

 

 

 

第七師団・戦艦前

 

「おう、帰ったぞ」

 

部下にそう言うと部下達は唖然とする。

 

「返り血塗れじゃねぇか、阿伏兎!」

 

云業の言葉に阿伏兎が「うん、仕事した後に地球のお巡りと喧嘩したからな」

 

「団長は帰ってきたか?」

 

「後30分足らずで帰って来ると思うぞ」

 

「んじゃ先に風呂入ってるわ」

 

そう言って手を振って艦内に入る。

 

艦内に入ると、シャワーを浴びながら返り血を流していた。

 

(…しっかし、楽しかったな)

 

主要人物だから大丈夫だろうと思い、割とガチで戦ってしまった。

 

風呂から出て、いつも通りの服装に着替えて外に出ると、宇宙に出ていた。

 

「あ!阿伏兎いたー!ねぇ!戦おうよ!」

 

「艦内での戦闘はおやめください〜壊れます」

 

不貞腐れる神威が後ろに着いて来る

 

「あり?阿伏兎、すっごい楽しそうだけど、何かやってきた?」

 

(…なんですぐ察知するんだよ…)

 

「地球で仕事してた時に侍と遭遇して戦闘があったんだよ」

 

「え!?ずるいっ!!このまま地球に…ダッ!?」

 

神威にデコピンすると、軽く吹き飛ぶ

 

「イッッタイ!!!ねぇ阿伏兎!阿伏兎だけずるい!!」

 

ぎゃいのぎゃいの騒ぐ神威の声に耳を片方だけ塞ぐ

 

「わかったよ!今度の戦争の時にはちゃんと戦わせてやるから!」

 

そう言うと『約束だからな!』と言って来る

 

神威と二人で歩きながら神威の地球のご飯の美味しさなどいろいろ熱弁しているのを聞きながら笑う

 

 

 

 

 

 

ー江華と阿伏兎ー

 

自室に戻った阿伏兎は引き出しの中にあった写真を取り出す。

 

「……なんかこう見ると不可思議な光景だな」

 

江華と阿伏兎、やたらめったら暴れてブレる星海坊主と何故か、星海坊主と江華の間じゃなくて江華と阿伏兎の間にいる神威が映った写真を見る。

 

江華が死ぬ前日、珍しく江華から会って話がしたいという手紙が届き、嫌な予感がしつつも洛陽に行ったのを思い出す。

 

 

「阿伏兎、アンタが生まれてから私はかなり退屈じゃなかったし、寂しくもなかった。同類が居てくれるのは私にとっては幸せだった」

 

「………」

 

柄にもなく感謝を話す江華の言葉を黙って聞いていた。

 

「だから、不死者の先輩として少しだけアドバイスをしないとなと思って」

 

江華は笑いながら寝転がる。

 

「不死者にとっての死は、幸福なんだ。痛くも苦しくもない。それに、大切な人より早くに逝けるのってこんなに幸せなものなんだ」

 

幸せそうに言う江華に『死ぬな』なんてとても言えなかった。

 

「まぁ、少し心残りがあるとしたらアンタの嫁さんを見れなかったことぐらいかな、私に義妹が出来たらきっと楽しかっただろうね」

 

「嫌味か、このすっとこどっこい」

 

そうツッコミを入れると江華は笑う。

 

「まぁ、アンタがいつ結婚して子供を作るかなんて分からないけど、死ぬときは大切な仲間でも部下でも、甥っ子や姪っ子でもいい。囲まれて死ぬんだよ」

 

咳をする江華の手を軽く叩く

 

子供の頃(?)江華が良くやってくれたことだ

 

「まぁ、私が死んですぐこっち来たら毛根毟り取って追い返してやるから、来るのなら神晃より遅く、神威より早めになら許してあげる」

 

「おっかねぇなぁ」

 

そう呟くと江華が笑う

 

立ち上がって帰ろうとすると…

 

「阿伏兎。神威のこと頼むわね、あの子の相棒で父のように導いてあげて」

 

「…任せとけ」

 

そう言って手をふる

 

 

 

 

 

写真を見ていると扉を蹴破るように神威が入ってくる

 

「阿伏兎ー!ご飯の用意出来たよー!」

 

「いや!普通に入ってこい!修理代馬鹿にならないんだぞ!」

 

そう言って写真を引き出しにしまい、神威の元に向かう

 

 




【阿伏兎の拳骨】
松陽先生の拳骨の威力と同程度。
夜兎(+攘夷組)に対しては普通の拳骨だが、普通の人間にしてみればかなりの殺傷力のある拳。

【土方くんと沖田くんについて】
割とガチで阿伏兎が挑んだので重傷。
沖田くんに至っては一時期意識不明の重体だった。
でもまぁ、すぐに回復する。
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