阿伏兎(不死者)に転生したサラリーマンの物語   作:アルトリア・ブラック(Main)

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今まで阿伏兎の話書いてて、松陽先生(虚)みたいに蘇生するシーン書いてないなと思い、とりあえず今回はそれ書きます。

胃が痛すぎて最近、ロクにトイレから出られない。

星海坊主vsになります。イメージは虚vs星海坊主みたいな感じ

神威幼少期の話が後半あります。


第7話『不老不死なんてロクなものじゃない』

ー星海坊主ー

 

嫁の弟は正直なところ本気を出さなければ鳳仙クラスでまぁまぁ相手になる。

 

「パピー!!」

 

まぁかと言って長く相手になんかしたくないが、今回来たのは神楽ちゃんの危険があったからだ。

 

「行くぞ神楽!あのハゲが相手してるうちに!」

 

そう言って将軍サマとやらを連れて逃げ出す神楽。

 

「イッテェ…容赦ねぇな」

 

砂埃の中から煙を上げて出てきた阿伏兎に舌打ちする。

 

「首の骨やる勢いで蹴り飛ばしたぞ、なんでも再生するのか、便利だな不死者ってのは」

 

「首の骨折れたとしても数分の内は生きれるんだよ不死者ってのは、基本的に首刎ねられたって生きてるしな」

 

そう言って首をゴキゴキ鳴らす。

 

「喧嘩すんなら息子ん所行ってやったらどうだ?あの息子、お前さんとすごい戦いたいって言ってたぜ」

 

「俺があっちに行ったら手前は他の奴らに向かうだろうが、馬鹿息子は神楽やあの侍でなんとかなるが、手前は放ったらかしにしたら取り返しのつかないことになるから俺が相手してやってんだよ」

 

阿伏兎と物凄い勢いで戦う。

 

(挑んでも挑んでも手応えねぇな…!大地でも叩いてる気分だ…)

 

星海坊主の殴打より先に阿伏兎の重すぎる攻撃が飛んでくる。

 

吹き飛ばされ、壁に背中を打ち付ける。

 

「ぐっ!?」

 

星海坊主の腹に阿伏兎の番傘が突き刺さる。

 

番傘を掴み、抜こうとするが馬鹿みたいな握力の阿伏兎が握っているせいでなかなか取れない。

 

「知ってるか?腹を掻き回される事でショック死するパターンもあるんだ。それこそ怪我やら欠損が多い夜兎でもな」

 

阿伏兎は楽しそうにしていた。

 

いつも馬鹿息子の隣にいるときのような表情ではなく、神威のような笑みを浮かべていた。

 

星海坊主は足で阿伏兎を蹴り、阿伏兎の足を掴むと勢いよく地面に叩きつける。

 

腹に突き刺さった番傘を引き抜きぶん投げる。

 

江華と阿伏兎が再会した翌日、阿伏兎の事を問い詰めた事を思い出す。

 

 

〜洛陽〜

 

「阿伏兎の事がそんなに気になるのか…まぁ、お前が想像しているようなことはお互いしてなかったよ、私はあの子の姉で、育てたというだけだよ」

 

「野郎と同じところで暮らしてたんだろ?」

 

そう心配そうに言うと江華は笑い

 

「お互い永劫の時を過ごしてると、そういうことは考えないんだよ、子供を作って幸せに生きるとか、それに、不死者同士で子供は出来ないよ、子供に不死の血は受け継がれない。多少子供が頑丈な肉体を得るだけで、不死でもない。だからこそ、お互いそういう関係には至らなかったさ」

 

江華は笑って阿伏兎から貰ったお土産を見る

 

そう言われてしまえば星海坊主も納得せざる得ない。

 

「というか江華。アイツ…義弟は確か春雨第七師団の副団長を務めてると聞いたが…戦闘の場に出れば不死者だというのがばれて危険なんじゃないか?」

 

春雨は海賊だ。

 

そんなところに不死者が行けばロクな未来が待っていなさそうである。

 

「…そうだね、今の所ばれていないって言ってたけど…あの感じじゃ複数回は死んで蘇ってるね」

 

「!!」

 

「それでもああしていられるのはあの子の異常性というか、戦闘狂なところというか…まぁ、不死者の生き方なんて本人次第なんだ。私はこうしてアンタと生きることにした」

 

微笑まれて真っ赤になる星海坊主。

 

江華は煙管に火をつけ阿伏兎が出て行った方向を見つめる

 

その瞳が明らかに暗い色を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

ー阿伏兎ー

 

星海坊主のパンチってめちゃくちゃ痛い。

 

流石夜王鳳仙に並ぶくらいの男だよ、アルタナの残量50%ぐらい切ったし

 

星海坊主に右腕吹き飛ばされて、再生した箇所を見る

 

身体のあちこちから煙出てる

 

星海坊主は血だらけで、義手の方の手が地面に落ちている。

 

腹から血が出ているのを見て、流石に止めるかと感じ取る

 

星海坊主を殺しても別に構わないが、流石にそれをしたら江華に怒られそうだと思い、星海坊主が拳を振りかざして襲ってきたタイミングで腹に物凄い勢いで拳を打ち込む。

 

「ガッ!!」

 

口から血を吐いた星海坊主を気絶させてその場に転がす。

 

死んでしまった部下の服を拝借し、一応の処置はする

 

「さぁてと…団長と合流しますか」

 

(あ、いっけね、穴空いてる服は目立つからやめるか)

 

服を脱ぎ、予備の服に着替えると、別の部下からマントを拝借し羽織る

 

その場から歩いていくと、見えたのは天導衆の船と、高杉達を見限った喜喜がいた。

 

天導衆の船が飛び上がったのを見送ると神威と合流するために歩き出す。

 

(…嫌な予感…)

 

足を止めて船を見上げると、先ほど喜喜を回収しに来た天導衆ではなく虚が見ていた。

 

「………」

 

睨めっこのように虚を睨むと、船が飛び立つ

 

(…他が傷だらけなのに、俺だけ無傷なの流石に疑われるか…?)

 

鬼兵隊にバレるのは今のところ避けたい。

 

(…あえて再生しないのも手か)

 

血だらけな部分を再生させずに神威の元に向かうと

 

「あ、阿伏兎〜撤退しよう。邪魔されちゃったから」

 

「おう、こっちは忍びの連中大体討ち取ったぜ」

 

「流石阿伏兎、仕事が早いね」

 

気絶しているであろう高杉を鬼兵隊の元まで運ぶと

 

傷だらけの神威が「あれ?阿伏兎、傷再生させてないの?」と言ってくる。

 

「ある程度怪我してた方が怪しまれねぇだろ」

 

「そういうもんかなぁ」

 

二人で艦隊に戻り、自室に戻り、ため息をつく

 

神威が医務室に行くと言って居なくなったので、星海坊主と戦った時のことを思い出す。

 

不死者の同類は久し振りに会う。

 

自分は江華と違って一人でいた時間が短い。

 

例え長く生きていたとしても、江華と一緒に生きていたので寂しさ辺りは微塵も感じなかった。

 

強いていうなら、痛みになれてしまったというか、ギロチン辺りで殺されてから感覚が少しずつ変わったというか…

 

(…虚は、確か何十年と目玉をほじくりだされたとか、拷問されたって聞いたな…そりゃ八つ当たりもしたくなるわ)

 

自分は幸いにも夜兎で、生まれつき戦闘能力はあったため無抵抗に殺されることはなかった。

 

しかし、自分が死なないからと盛大に巻き込み自爆引き起こそうとするなんて少しだけ迷惑な気がする

 

死にたいなら辺境の星で塾でも開いて細々と死ねば良かったのに

 

(…まぁ、独りで死ぬのは嫌だからって感じでもあるか)

 

こうして考えると不老不死ってロクでもない。

 

(…確か、次はさらば真選組編だっけ?)

 

あの話は割と泣いたしつらかった。

 

でもまぁ、そんなこと言っている暇はない

 

「副団長!春雨の艦隊が!!」

 

複数の敵艦隊が第七師団の艦隊と鬼兵隊の艦隊目掛けてやってくる

 

ここで確か、星海坊主が来るはずだが、あの時ボコボコにしてしまったのでおそらくは来ないだろう。

 

「流石、分かってるね…ウサギは寂しいと死んじゃうんだよ」

 

神威がやる気モードになってるのを見て首根っこ掴む

 

「おら団長。待て待て、一回離れてからやれよ、宇宙空間で放り出されたくねぇしな」

 

そう言うと神威は『敵が目の前にいるのにお預けなんて生殺しだよ』と言う。

 

「鬼兵隊助けに行ったら烙陽にとりあえず避難するぞ」

 

「…え?なんで烙陽?」

 

「あん?燃料が切れかけてるから補給しねぇといけねぇだろ。それに、烙陽に行くなら必ず星海坊主のやつも来ると思うぜ」

 

そう言うと神威の目がギラつく。

 

「分かったよ、阿伏兎の言うこと聞いてあげる。とりあえずシンスケ達を助けに行こう」

 

既に敵艦隊が鬼兵隊の艦隊に突撃してるのを見て、神威が部下達を連れて向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

〜神威幼少期〜

 

甥っ子・神威が春雨第七師団に入ってきてすぐ、なんというか反抗期特有の子供で流石に大変だった、

 

江華から託された手前、そう簡単に投げ出すわけにもいかないし、神威は出来る限り阿伏兎が面倒を見ることにした。

 

入ってきた当初はずっと何かに怒っているようだったし、余裕がなかった。

 

「だ〜から言ったんだよ、神威。一人で突っ込むなって」

 

ガラガラと崩壊したビル群から出て行く

 

心臓に突き刺さった鉄の塊を抜く

 

多分一回死んだけど、これについては急いで蘇生した。

 

だって神威が自分の下にいたし、下手したら圧死したら困ると思ったためだ。

 

「一人でやれると思ったんだ…現に数人倒せたし」

 

「アイツら負傷してたし、油断させて殺すつもりだったんだろ」

 

神威を左脇に抱えて倒壊したビルから離れると、ビルが倒壊する。

 

「おら、少しは怪我しないで戦える方法を教えてやろうか?」

 

「いらない」

 

余裕のない神威に苦笑いすると神威が睨んでくる。

 

「…そういうアンタは怪我ばっかりしてるじゃん」

 

「俺はいいの、怪我してもすぐに治るんだから」

 

そう言って神威の前を歩くと、神威が後ろを着いてくる。

 

「……俺は強くなる。誰にも負けないぐらい」

 

「そうか、星海坊主に勝ちたいんだろ?」

 

「……アンタだって、母さんから頼まれたから俺の面倒見てるんだろ…もう、子守は…」

 

拳骨を神威にお見舞いすると、地面にめり込む

 

「別に嫌々でお前の面倒なんて見てねぇ。好きで面倒見てるんだよこのすっとこどっこい」

 

「…?…?」

 

拳骨された事に困惑する神威の前に屈む

 

「神威、何後悔してるかなんて分からないが、自分で選んだ道だろ、そんな暗ぇ顔してねぇで、顔を上げて歩け、下見て歩いてたらどこ突き進んでるか分かんなくなるぞ」

 

神威の頭を撫で『なんでも付き合ってやるから』と言って笑う

 

神威はそう言って阿伏兎の背中を見つめていた。

 

 

 

 

それから神威は少しずつ努力しているようで、12歳ぐらいには阿伏兎の知っている神威になっていた。

 

強さを追い求める夜兎の顔になっていた。

 

 




【阿伏兎の死んだ回数】
ギロチンを含めて割と死んでる。
その度に不死者だとバレなかったのは知った人間を皆殺しにしてきたから
三凶星辺りは薄々気づいている


次回、洛陽決戦篇の前にギャグパートというか日常回といったようなもの挟んで良いですか?
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