阿伏兎(不死者)に転生したサラリーマンの物語 作:アルトリア・ブラック(Main)
沖田くん達をボコボコにした後の話
紅蜘蛛篇だったか、とりあえず地雷亜が出てくる回の後で遭遇します
鬼兵隊と話したりとかします。番外編なので文字数少なめで本編に行きます
ー阿伏兎ー
吉原の一件から数ヶ月、阿伏兎達は地球によく来るようになった。
といっても歌舞伎町街で仕事する事が多いが、部下達が吉原で女遊びしたいと言ったりしたので自由にさせていた。
「あそこ一応、第七師団の管轄になったけど、本当に新しい夜王とか作らなくて大丈夫?」
神威の言葉に『あの街ほっといても勝手に自衛してくれんだろ』と返すと「ふーん、そういうもんかなぁ」と返す
「ねぇ阿伏兎〜ここの店寄らない?食べ放題とかやってるよ」
「…アンタ、それで前の店のモン大抵食い尽くして出禁になってただろうが」
「あんなチマチマした料理でお腹一杯になるはずないじゃん」
腹の虫がやかましいぐらいに鳴り出した神威に釣られるようにお腹が鳴ってしまったので赤面しながら、食べ放題の店に入ることにした。
まぁ、二人で入ったのだが、阿伏兎自身も腹ペコだったので大量に食べてしまい、結果的に出禁になった。
「………」
「阿伏兎も人のこと言えないじゃん」
マントを肩に担ぎながら歩く神威の一言に阿伏兎は無言になる。
「そういえば、母さんも阿伏兎並みに食べてたなぁ、不死者ってあんな食べるの?」
「…少なくとも、毎日あんなに食わんわ、毎日あの量なのお前さんぐらいだわ」
「えー?あんなに食べてないよー?」
「嘘つけ、その大食らいの血縁がアンタの中にも流れてんだぞ?」
二人で話しながら歩いていると、吉原が騒がしくなっていた。
「なんかあったのかな?」
野次馬に紛れて神威がどんどん中に行くのでため息をつきながら着いて行く
「微妙に見えない」
神威がぴょこぴょこ跳ねているのを見ると、両脇抱えて持ち上げる。
「……阿伏兎。それ素でやってんの?」
「?」
170センチも決して小さくはないが、人混みがすごい中、阿伏兎でさえ僅かに背伸びして見えるぐらいなのだ。
「…善意からが一番タチ悪い」
「は?」
神威を下ろすと
「なんか騒ぎがあったみたいだね〜近くで見てみる?」
「…喧嘩すんなよ」
「アハハハ」
「いや、否定して?」
少し高いところに上がると、どうやら火事でもあったのかいろいろ燃えていた。
「なんか糸が無数に張り巡らされてるね、なんか闘争でもあったのかな?」
(…あ、糸ってことは地雷亜との戦いでもあったのかな)
「見に行ってみる?」
「やめとけやめとけ、面倒なことになるぞ」
そう言うと笑顔で『じゃあゴハンだけ食べに行こうよ』と言って阿伏兎の腕をひっつかむ
「あっぶね!なんでそんな積極的なんだよ!」
ー神威ー
「あ、少年。久しぶり」
「……!」
少年・晴太は突然現れた神威と阿伏兎に驚き固まる
「おーい?少年ー?」
「…アンタ、あん時やったこと忘れたのかよ」
「あ、そっか、大丈夫大丈夫。俺も阿伏兎も戦うために来たわけじゃないから、なんか食事処ないかなと」
「お、お店…」
晴太が困惑していると車椅子の音が響く
「晴太。お客さんかい?」
そう言ってやってきた日輪は神威達を見ると、怯むことなく笑顔で接客してくる
「お店なら一件。用意出来るけど、そこで構わないかい?」
「なんでもいーよ、沢山食べれるなら」
「そうかぃ、なら案内するから着いて来てくれ」
日輪の神経の図太さに感心しているのか、阿伏兎が「へぇ」と呟いていた。
日輪に案内されて着いて行ったのは普通に豪華な所で、運ばれて来た食事を食べていると…
「だから!違うって言ってるアル!!」
「ブベラァアア!!」
隣の部屋から飛んできた銀髪のお侍さんが阿伏兎目掛けて倒れてくるが、ひょいっと避けた阿伏兎が御膳を持って横に移動する。
「げっ!!」
神楽が神威を見てそう呟く
「うるさい客が入ってきたな、あんまりうるさくすると殺しちゃうぞ?」
「な、なんでお前がここにいるアルか!!」
「どこにいようと俺たちの勝手だろ、馬鹿妹」
「………」
「誰が!馬鹿妹ネ!!」
「か、神楽ちゃん…」
メガネの少年が慌てながら神楽を止める。
阿伏兎は我関せずなのか素麺を黙々と食べていた。
ある程度お腹いっぱいになり、立ち上がると
「馬鹿妹。弱い奴に興味なんてないけど、食後の運動の相手してあげる」
そう言って神楽に殴りかかる
「!!!」
神楽が大慌てで防御するが、容易く吹き飛ばされる。
「神楽ちゃん!!」
メガネの大声が聞こえてくる
(阿伏兎も機嫌良さそうだし、ここはとりあえず半殺し程度にしとくか、あんまりやり過ぎると阿伏兎のきっつい拳骨が飛んでくるだろうし)
神楽は正直言って弱すぎるため、加減しないとすぐに死んでしまうだろうし、阿伏兎も江華の娘だからか『喧嘩するなら殺さない程度に』とかよく言っていた。
ー阿伏兎ー
吉原でご飯を食べていると神威と神楽が戦い始めたのを見てため息をつく
幸いにも神威は殺す気で挑んでいないので慌てている新八を見て止める。
「変に割り込んだら団長に殺されるぞ、やめとけやめとけ」
そう言って食器を置くと新八がビクつく
「ウサギがじゃれて遊んでるだけだ」という
「…アレでウサギがじゃれてる?狂犬にしか見えねぇけどなぁ」
銀さんがそう言ってくる
何故か警戒しているが、明らかに阿伏兎の方をみて警戒しており居心地の悪さを少し感じる。
すると、無線に連絡が来て部下からだった。
阿伏兎は立ち上がると神威の方に歩いて行く
「おら、団長、帰るぞー!」
背中に視線を感じながら進むと、傷一つ付いてない神威が「了解〜」と返してくる。
主人公といろいろ話してみたかったが、吉原炎上篇の後すぐに話すのはさすがに、会話がしづらかった。
神威と共に艦隊に戻ると、神威が早々に「シンスケに会ってくる」と言って鬼兵隊本艦に行ってしまう。
「相変わらず変わりませんねぇ」
低音ボイスが聞こえて来て振り向くと、そこには河上万斉と武市変平太がいた。
「たくっ…オタクん所のリーダーとえらい気があってな…仕事放ったらかして会いに行く始末だ…まぁ、保護者としたら部下達以外に話し相手が出来たのは嬉しいけどな」
神威を幼少期から見ているが、部下達以外と話しているのを見るのは少しばかり嬉しい。
これが父性なのかなんなのか分からないが
「次の計画についての打ち合わせを行ってもよろしいですか?」
「おう、歩きながらでいいか」
「構いませんよ」
「……」
武市と話しながら進む。その後ろにいる無言の河上万斉もだいぶ慣れてきた。
春雨の艦隊に近づいてくると、武市が「それでは計画に何かありましたらご連絡お願いします」と言う
「おう、ウチの団長が何かやらかしたら言ってくれ」
そう言って手を振って艦隊に戻って行く
「どうしました?」
万斉に問いかける武市
「いや…あの男、恐ろしいぐらいの無音であったでござる。リズムが何も聞こえて来なかった。不気味な男と思ったでござる」
そう言って万斉は鬼兵隊の艦隊に向かって歩き出す。
万斉はあまり阿伏兎のことを好ましく思っていなかった。
いつも平坦としている音が聞こえるのに、時々、異常なぐらいの音が聞こえてくる。
掴み所のない男だと
ー虚ー
烙陽に向かう道すがら、虚は同じ不死者である【阿伏兎】の情報を眺めていた。
同じ不死者でありながら、不死だとバレずに隠し通せている事実。
少なくとも、自分が知れたのは星海坊主との戦闘をしている際に死から蘇っているのをみて確信に至った。
「……宇宙は広い、まさか、私と同類がいたとは」
「……」
朧が後方に立って話を聞いていた。
「確か彼は惑星・徨安のアルタナから生まれた不死者でしたね」
「…はい、調べた限りでは」
「それならば、地球産と宇宙産の違いを確かめることが出来そうだ」
阿伏兎が執心しているであろう神威の情報を見て嗤う