久しぶりに描きたくなりました。(単純なんです)
やがて魔剱のアリスベル、原作は完結してしまいましたが、緋弾のアリアで静刃は暗躍してるので、アリアでの活躍が楽しみですね!
「真円を描く金属の輪、それが噂の……
憎々しげにビビが言い放つ。
円盤上に黒いストラップシューズを履いた踵を揃え、そのほっそりとした美脚を見せ、アリスベルは……チェック柄のスカートを、花びら混じりの風に揺らしながら立っていた。
「確かに、過去……道を踏み外れた
魔女?
魔女って、じゃあ、もしかして……マリナーゼも魔女なのかよ⁉︎
確かに、マリナーゼは魔女っぽい、ミステリアスな雰囲気がするが、その姉のアリスベルは魔女というより、さっきビビが呼んでいたが
と、ビビやアリスベルが言い放った現実から逃避していると。
俺の視線と、マリナーゼの視線が一瞬、交錯した。
その一瞬で、俺はマリナーゼ達がこれから何をするのか、理解できてしまう。
マリナーゼは一瞬視線を交錯しただけで、確かにその視線はこう言っていた。
『ここは任せて早く逃げなさい』と。
「姉さん、ビビさんとは休戦の合意を得られました。だから、ここはお互い退くべきだと思います」
「それなら、それで構いません。ですが、ただで退くわけにはいきません。
持っているのでしょう? 『
アリスベルは女子アナみたいな綺麗な声で言い放ち、豊かな胸元から一つのペンダントを取り出した。
(あれは……色金?
いや、違う。似てるけど、違う。別の何かだ)
そのペンダントは
オパールのような、赤や、橙色をしたもの。
ファイヤーオパールのようだが、それよりももっと光輝く宝石。
まるで本当に炎を閉じ込めているような______輝きが、
(あの炎の感じ……似ている。似てる……この、俺が持つ妖銃が放つ炎の揺らぎにソックリだ!)
妖銃を持つと発生する黒い炎……その炎と似ている。
これはただの偶然か? それとも……?
「いやよ。せっかく、手に入れた『
それに私はあんたほど無用心じゃないわ。体内に隠してる」
と答えたビビを見て。
「……どこ」
何を考えたのか、アリスベルは頬を少し赤らめて問いかけた。
「どこだっていいでしょ。欲しけりゃハダカにひんむいて探してみなさいよ」
いや、ハダカって……いいのか?
そんなこと言われたら本当にやっちゃうよ? 俺が!
「弾輝くん? 本当にやったらキョーレツに許しませんよ?」
うおおっと、何やらキョーレツな殺気を感じるのですが、マリナーゼさん。
何を怒っているんですか?
そして、何故俺の考えていること解るんですか?
「ホントにやりますよ。私、やるときはモーレツにやる性格ですから」
「やれるもんならやってみれば? ______こいつを喰らってからね!」
会話で油断させていたビビは、突如______
すでに銃口の奥を赤く光らせていたフリントロック・グレイブを、アリスベルへ向けて突き出した。
「あたしの
その言葉を合図に、始まってしまった。
『
ビビが放った光弾は、環剱から飛び降りて後ろに下がっていたアリスベルの環剱の中に浮かぶ、ホログラムみたいな時計の文字盤が並ぶ像を通過し______クンッ______と軌道を変え、あらぬ方向へと飛んでいき霧散した。
「くッ……重力レンズの魔法陣とか……!」
ビビが、悔しそうに歯ぎしりをした。
対するアリスベルは、クイッ。像の消えた環剱を両手で引き倒しながら、その穴に自分の体を入れた。
まるで浮き輪やフラフープを回すような感じに。
そして、静刃を飛び越えるように着地してから、自身を囲む環剱を傾けて構えた。
その円形の刀身の上を______小さな流れ星のような、砂粒サイズの光が滑るのが見える。
(環剱をフラフープのように回して、加速させて放つ式……まさか!)
俺がその式が何かを思い当たったその時には、すでに。
ぐるりっ、ぐる、ぐる______る、る、るるる______環剱をレールのように周回し、加速した光が増大していた。
「______
アリスベルがまるで、呪文のように呟くと、その光の粒はビー玉のような大きさまで増大された。
それはさっき上空から放たれた爆発より、もっと強い、光……!
その光の式をアリスベルはビビへと向けるが、ビビは逆に手に持つ銃、フリントロック・グレイブを静刃の方へ、向けた。
クソッ、人質を捕らえた!
俺ならともかく、
どうする? どうしたらいい……クソッ、
「あら誰でしょう。私の知らない人ですね。撃ちたければ撃ちなさい。関係ありませんので」
俺が悩んでいると、アリスベルがかなりワザとらしい口調でそんなことを言った。
「棒読みにも程があるわよ、アリスベル。コイツを助けようと、乱入してきて、目配せまでしておいて、無関係なんて話は筋が通らないわ。______ほらッ⁉︎ ホントにいいのね⁉︎ 静刃をコゲ肉にしてもッ!」
「……このッ……卑怯者……!」
ビビの恫喝を受けて、悔しそうに歯ぎしりをしたアリスベルは環剱に溜まっていた光を消そうとした。
「……待てよ、ビビ。やれ!」
「え?」
「やれるもんなら、やってみろ。
ただし、俺に撃たれる覚悟があるんならな?」
俺は手に持つ銃をビビに向ける。
ビビは俺が介入してくるとは思っていなかったみたいで。
「ちょ、ちょっと……アンタとは休戦したはずよ!」
「正解には休戦しようとしていた、だろう? まだ、正式にはしちゃいない。
それに静刃に手出しするなら、俺が許さない。
覚えておけ。俺は友を、仲間を傷つける奴は誰が相手だろうが絶対に許さないッ!」
「くっ、そう……そうなんだ。アンタは……私よりも……コイツらを取るのね。なら、いいわ。アンタがそういった態度を取るなら、まずは……弾輝。アンタから死になさい!
______
俺に向けて、ビビは光弾を放った。
迫る光弾に向けて、俺は……。
会話で気を逸らして装填を終えた妖銃をビビに向け、いつでも発砲できる構えを取る。
「……全てを無に帰せ______
そしてそう呟いて、トリガーを引く。
まずは、青い弾丸を発射。次に赤い弾丸。
二つの弾丸に同じ量の魔力を込めて、ほとんど同時に放って衝突させる。
先に発射された青い弾丸は、滞空の式がかかり、空中で停止しながら冷気を出し、その式を使うのに必要な『マイナス』のエネルギーを。続けて放たれた赤い弾丸は、発砲直後から太陽光を収束し、熱に変換させ『プラス』のエネルギーを発生し始めた。
そして……弾がぶつかり合った時に、ソレは起きる。
二つの弾丸が衝突した瞬間、黒い炎が生まれ。
その黒い炎は柱のように上空へと広がると。
ビビが放った光弾を、ビビが展開していた『絶界』ですら飲み込んだ。
全てを『無』に帰す禁忌の式。
俺はそれを使ったのだ。