やがて妖銃の弾輝《はじき》   作:トナカイさん

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異能2 出会い

中学時代、俺はその『何か』を避けるため、程々の俺であり続けた。

その『何か』に巻き込まれないために、交友関係もあまり広げなかった。

特に、女は入念に避けたつもりだった。

まあ、従姉妹や幼馴染とは普通に接していたけどな……。

おかげで当時は、根暗、草食系とか言われてたな。

 

 

 

―――だが、入学した高校が悪かった。

俺は……いや、俺達はとうとうその『何か』と対峙し、戦うハメになる。

見つかってしまったんだ。

その『何か』と関わる、よりによって、女達に。

そう、やがて魔剱のアリスベルとやがて魔弾のマリナーぜと呼ばれるようになる―――あの姉妹に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何だよ。

何でこんな物が……」

 

古びた洋館のとある部屋のとある床に『それ』は置かれている。

段ボール箱に入れられていた『それ』は箱から出され床に無造作に置かれている。

漆黒の銃身に金色のラインが3本入っており形は歪でトリガーの先、銃身の先端へと行くにつれ三角形に広がっており金文字でデカデカとX(イクス)の装飾が彫られている。

リボルバーの弾数は8発でグリップの先には伸びる秘匿性のワイヤーアンカーが収納されていた。

銃弾は赤い弾と青い弾、普通の銃弾として.44マグナムが30発同梱されていたケースに入っていた。

赤い弾は紅色でまるで燃えてるかと錯覚させるような輝きを放っている。

青い弾は逆に見る者の心を萎縮させるような濃い青色をしている。

箱から出す時に手に取ったが漆黒の銃からは禍々しい炎が触れた瞬間発生した。

気のせいかと思ったが俺が触れるたびに銃身から黒い炎が出る。

気味が悪くなった俺はすぐさま物を段ボール箱に詰め、書かれていた伝票先の住所を確認した。

何度見ても宛先はこの館で宛名は俺の名前が書かれている。

送り主の欄には名前と住所が書かれていたが……ありえん。

書かれているのは俺の実家の住所だ。

無論、親兄弟、親戚、知人に黛なんて人はいない。

 

「どうなってるんだ?」

 

気持ち悪い。

ストーカーか? 嫌がらせか? 悪戯か? ドッキリか?

誰が何の為に?

どうして俺に送ったんだ?

駄目だ。

考えてもわからない。

気分が悪くなってきた……。

少し外の空気でも吸ってくるか……。

 

 

俺は財布と携帯を持って外出しようと1Fに降りた。

階下に降りると食堂(ダイニング)から原田兄妹の声がした。

覗くと……。

 

「はいお兄ちゃん、どうぞ」

 

静刃の前に祈さんがハンバーグが載っているプレートを寄せていた。

 

「あの、熱かったら言ってね?祈、ふーふーするから」

 

「……そんな事しなくていいって。熱かったら自分で吹く」

 

溜息を吐きながら静刃は食べ始めた。

傍から見てると兄妹というより完璧にバカップルだな……。

女が苦手な俺にはどうでもいい事なんだが……。

だが見てるとイラつくな……。

静刃爆発しろ!!

そんな事を思いながら俺は屋敷を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前を歩いているとリサイクルショップが目にとまった。

使えるものが売ってないか冷やかす気持で入ろうとすると入口に置いてあったクロスバイクが目についた。

値段が信じられないくらい安い。

驚きの価格、なんと新品同様で7000円だ!!

これは買うしかない。

店内に入るとすぐに店員を探して購入の意思を示す。

 

「え?

あ、あのクロスバイクをですか!?

お客様、少々お待ちください。

て、店長を呼んできます」

 

何故か慌てた様子で裏の事務スペースに駆け込む店員。

すぐに店長がやってきた。

 

「購入希望者は君か?

悪いことは言わない……やめときなさい」

 

何故か販売拒否をする店長。

 

「え、あれ売り物ですよね?」

 

「そうだ。しかし、あれはもう売らない。

そう決めたんだ……」

 

売らないってそんな馬鹿な!?

そう思った俺は店長に理由を聞いてみた。

 

「あれは、あの自転車は呪われているんだ。

呪いなんてあるわけない?

私もそう思う。

いや思っていた……。

呪いなんて信じていなかった。

だがあれを買った客は24時間以内に死ぬ……死ぬんだ!」

 

おいおい、突然何言っちゃってるの?

 

「疑うのも無理はないけどな。

あれを売り出してから3か月で8人購入者がいて、8人全員死んだんだ。

だからもう誰にも売らない。

悪いが他の商品にしてくれ……」

 

売らないと言われるとほしくなる。

 

「頼む、売ってくれ!!」

 

店長と店員はなにやらごちょごちょと話し込んでいる。

 

「……条件がある」

 

「何だ?」

 

条件?

 

「そこにある42型のテレビとそこのアイロンも一緒に購入するなら売っ「買った!!」……まいど~♪」

 

なけなしの財産全てはたいて俺は自転車をGETした。

総支払額100000円。

……いい買い物をした。

店を出た俺は早速整備が終わったクロスバイクに乗って夕日が沈む町中を漕ぎだした。

 

 

あれ?

しかし、少し冷静になって考えてみると。

なんか損してないか?

冷静に考えたら……。

自転車に乗っただけで、死ぬなんてことあるわけないしな。

 

 

神奈川県横須賀市、居鳳町。

住宅地、学校、公園、コンビニ、ショッピングセンター―――何でも揃ってるがどこか閉鎖的な町だ。

あまり好きにはなれないな。

自転車で日が落ちて暗くなった街を走っていると俺と同じように自転車で夜道を走っていた静刃がいた。

一緒に夜道を、海辺の国道を走っていると……。

 

・・・・・・フッ、フフッ、フフフフッ・・・・・・

俺達を追い越すように、車道の明かりが次々と消えた。

停電か?

と思った時……

――――バッ、ババババッ―――!

妙な音が聞こえた。

 

岩場の方に誰かいる。

岩場の人影は変な形の物体……メカを身に付けた。

少女だけじゃない。

空中にツインテールの少女がいる。

目の錯覚か?

いや違う、俺だけじゃない。

静刃も同じ方向を見ている。

静刃の視線が国道先のガードレールの脇に向いた。

俺もそちらを見るとツインテールの少女が2人いた。

危ない。

ここから、このあきらかに異常なここから逃がさないと……。

そう思い俺は声をかけてしまった。

 

「「―――おい!!逃げろ!」

 

重なる俺と静刃の声。

声をかけられた彼女達は振り向く。

 

「「……? どうして『絶界』に人が……?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが俺と魔弾のマリナーぜとの運命の出会いで、静刃と魔剱のアリスベルとの衝撃的な出会いだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある商店街のリサイクルショップ(おまけ)

 

「店長やりましたね~」

 

「ああ、いいカモが来てくれたな。

まさか、本当に買うとは思わなかったけどな……」

 

「あのクロスバイクの話ホントなんですか?」

 

「はは……まさかな。

商店街にある自転車屋の親父が商店街の福引で出したんだが、あまりが出たからタダで貰ったんだ。

ぶっちゃけ誰もいらない残り物さ……。

だから7000でも十分元取れるんだよ」

 

「悪っすねぇ~」

 

「誰も損してないからいいだろ」

 

商売人は狡猾だ。

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