明日(28日)試験なのに小説書いちゃったこばとんです。
うん、何やってんだろう。
書いてる場合じゃないのに……。
……だ、大丈夫。多分なんとかなるよ……。
なんとかなるといいなー。
という駄目人間ですが、楽しんで下さい。
______ポチャン。
重量物が水の中に落ちる音を鳴らして沈んでいくのを目にしながら俺は考える。
俺の頭の中では彼女達が言っていた発言が脳内に浮かんでは消え、浮かんでは消えている。
『本気を出せばお兄ちゃん達は強いんだもん』
『これ、さっきご親族の方が届けにいらしたんですが』、『まあ!力持ちですね』
『特別な人間は、非凡に生きようとしても世界がそれを許さない』
彼女達は何を知っているんだ?
何故俺はこの学校に入れられた?
誰があんなモンを送りつけてきた?
……わからんねぇ。
考えても答えなど出る筈もなく俺はその場で両手で頭を抱え込むようにして項垂れた。
視界の先には俺が不法投棄したブツが暗い暗い底へ向かってゆっくり沈んでいく。
池の底を見ようにも藻や蓮が水面に浮かんでいるせいか沈んでいったアレらを見ることはできなかった。
俺らが今いるのは学園の裏庭の池の前。桜の木々に囲まれた場所でさっき、京菱キリコが言っていた発言が気になった俺は隣に立ち、俺と似たような行動をして日本刀を不法投棄した静刃に話しかけた。
「なぁ、静刃。自分が特別だって自覚とかあるか?」
変な事を聞いてんなーと思いながらキリコが言っていた特別な人間発言について静刃にそう聞くと彼は……。
「何言ってんだお前?」
などと言って険悪な表情をした。
特別な人間とかに抵抗があるのか、静刃にジト目を向けられて呆れられた。
「睨むなよ。例えばの話だ」
そう言いつつ、自身が言った言葉を自分自身にあてはめた。
特別な人間……か。
今まであまり考えないようにしてたが……。
何故だろう。特別というその言葉が引っかかる。
前にも『誰か』に言われたことがあるような……。
俺が考え事をしている間に、隣にいた静刃は桜の林の奥にいたとある少女を見ていた。
女が苦手とか話していたわりにフラグ構築させる静刃をどう料理するかを考えていると少女が持つ携帯電話が鳴り出した。
「はい、黛よ。あっ、それがね。急用ができちゃったの。たった今。今日も出れないわ」
黛……?
宛名に書かれていた名前と同じだ!
どういうことだ。
彼女があの銃が入った包みを送ったのだろうか?
電話している彼女を警戒しながら隣に立つ静刃に話かけた。
「なあ……あいつは知り合いか?」
「知らないのか?」
何故か知らないことを驚かれたがこんな美少女なんか知らん。
夢の中ならともかく、現実で会うのは始めまして……の筈だ。
俺が静刃に「知らない」と返事する前に黛と言った女が静刃に話かけてきた。
「あたしのこと知ってる、って顔してるわね」
知らねえよ。
なんて言う前に静刃が答えた。
「……知ってる」
「見たことある?」
「ある。テレビと____」
何故か静刃が途中で口を閉ざしたので会話に加わろうとしたが2人の間に入り込める空気じゃなかった。
俺、空気化してる⁉︎
「あは。うれしいな」
そんな俺に気づくことなく2人の会話は続いた。
黛が猫の真似をして静刃に近づき静刃に名を名乗った。
「あの〜」
「あたし、1年V組。
「……?」
静刃は何で名乗ったんだ、って顔してビビを見ている。
「お〜い〜」
「お・な・ま・え。女子にだけ名乗らせる気?」
俺の事はガン無視で静刃に詰め寄るビビ。
「あ、ああ。X組の……原田静刃だ」
「俺は「あんたはいいわよ!
彼女の発言に驚き、素っ頓狂な声を上げてしまった。
「どういう意味だ?」
俺は彼女なんか知らない。間違いなく会ったのは今日が初めてだ。
「言葉通りよ……あたしはあんたを知ってる。
あの日からね……」
意味深い発言をして俺の前に立った彼女は今度は俺に抱きついてきた。
「会いたかったよ……弾輝」
突然の事だった……。
ビビに抱きつかれたせいか、俺の……
____ドクン。
心臓の鼓動が早くなった。
それとほぼ同時に俺の視界に変化が起きた。
普段は視えないけど、今ははっきりと視える。
いくつかの『表示』が。
まるで3D映像のように、この現実のあちこちに。
ビビの頭の上、そこには『Bibi』という名前が表示されている。
『表示』が示すように左手の掌を池の方に開いて『来い!』と念じると……。
さっき沈めた銃が水面から浮き出て俺の掌の中に飛び出して収まった。
まるで銃のホルスターはここだといわんばかりに。
左手で握りしめた銃身からは真っ黒な炎……いや、焔が発生している。
不思議なことに全然熱さを感じない。
それどころか、どこか懐かしさを感じる。
暖かい。まるで陽にあてられたような心地よさを感じる。
本来あるべく所に収まったかのように……。
「……っ⁉︎」
俺はビビを放そうとしたが彼女は離れない。
むしろ俺の顔を、頬を両手の掌で包みこむように挟んで顔を動けなくしてから、俺の唇に自身の唇を重ねてきた。
「……⁉︎」
抵抗できなかった俺は数秒間彼女に唇を吸われてからようやく解放された。
産まれて初めて異性との接吻をした俺はその現実を理解するまで、頭の中が真っ白になった。初めて出会った相手と。それもこんな美少女にキスされた。高揚感があるがそんな気分はすぐに吹っ飛んだ。
何故なら彼女に関する記憶が頭の中に戻ってきたからだ。
「逃げろ、静刃!」
「逃げようとしても無駄よ。もうあんた達はあたしの『魅力』にかかってる。弾輝はともかく、静刃はシロート同然だったわね」
状況を理解させる余裕などなかった。
すでに俺と静刃はアイツの張った異空間の中に入れられたからだ。
「絶界か……。
懐かしいな……」
そう呟きながら彼女に向けてローキックを放った。
俺に攻撃されることを予測していたのか、彼女は俺から素早く離れた。
なんで忘れてたんだろう。
ずっと、ずっと知っていたのに……。
アイツとの暮らしじゃあ当たり前だったのに……。
そんなことを考えていると制服の内ポケットに入れているスマホが鳴り響いた。
スマホからは『夜空ノ○コウ』の着うたが流れたので電話に出ようとしたらすぐ切られた。
悪戯か?と思いながらスマホの液晶画面を見ると不在着信が表示されていた。
それも100通も。
異空間なのに届いていた。
「怖っ⁉︎」
表示されてるのはどれも非通知だ。
着信履歴に非通知設定で100件来ている。
何これ、ホラー?
昨日から俺の周りで超常現象起こりすぎだろ。
見覚えのない着信履歴の相手とオカルト現象にキレてると俺の手の中にあるスマホがまた鳴り出した。
電話に出るべきか、無視すべきか迷ったが後回しにしても何も変わらないと思い、一言電話の相手に文句を言う為に電話に出ると聞き覚えがあるとある少女の声が聞こえてきた。
『もしもし? 私、マリーさん。今から貴方を殺しに行きますから……』
「都市伝説かよ⁉︎」
電話の相手に突っ込んだ。そんな気はなかったが……。
呪いの人形とかシャレにならん。
順序いろいろと端折りすぎだし。
もうちょっと段階踏めないのかよ……。
「余所見なんて余裕ね。今日は昔みたいに白い『妖刀』使いはいないのよ?」
ビビがいつの間にか戦闘服に着替え終わっていた。
近くには日本刀を胸の位置で置かれた静刃が地面に倒されていた。
「お前、静刃に何をした⁉︎」
「まだ、何もしないわ。これからするのよ……あんたの『異能』を奪ってからね」
銃を彼女に向けると身体中の筋肉が膨れあがるのがわかった。
俺はこの銃を知っている。この力を知っていた。
そして目の前の彼女とあの『化生』の事も知っていた。
そして幼馴染の『刹那』の事も……。
『もしもし? 私、マリーさん。今貴方達がいた世界にいるの……』
昨夜、居鳳海岸で出会ったあの少女の声が聞こえた。
返事を返す間もなく、その声は続いて聞こえてきた。
「もしもし? 私、マリーさん。今貴方の後ろにいるの……」