パッと思い浮かんだものをツラツラと書いただけの物です。
 別に面白くもなんともありませんが、せっかく作ったので投稿します。

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第1話

 「死んでしまったら?」

 「え……?」

 冷たい教室の中、彼女の声だけが響く。

 「だから。死んでしまったら?」

 意味が分からなかった。

 だって、そうじゃないか。

 普通死にたいって言ったら、誰だって死ぬなとか無責任な言葉をかけるじゃないか。

 「適当に生きて後悔するくらいなら死ねば良いじゃん。」

 彼女は、嫌になるくらい死を強調した。

 その時少し感じた。

 僕に生きている意味はあるのだろうかと。

 

 昔からの課題だった。

 多分、みんな同じなんだと思う。

 みんな、同じような課題を持って生きていく。

 いや、違うな。

 生きているからこそ、なぜ生きているのか。それを自らに問わないと生きてられないのだ。

 その例に僕は勿論当てはまった。

 

 なぜ生きているのだろうか。

 なぜ死なないのだろうか。

 死ぬのが怖いから。

 そう言ってしまえば、全て纏まる。そんな話。

 

 なぜか死ぬことを恐怖する。

 死の先を想像し、震える。

 

 馬鹿らしいと思う。いつか人は死ぬ。

 いつか無へと還る。それなのに。

 なぜ。なぜ自ら命を経つことはこんなにも難しいのか。

 

 だから、今まで生きてきた。

 死ねないから、生きてきた。

 生きたいから生きてきた訳じゃなかった。

 

 そこに自分の意思はあった?

 そう聞かれれば、ないと答えるしかない。

 

 誰かが死ぬなと言ったから。

 だから生きていたに過ぎない。

 

 それなのに。

 その誰かから好かれないのなら。

 僕に、生きている意味なんて存在するのだろうか。

 

 「死にたいなら死ねばいい。そうじゃない?」

 彼女は、簡単にそう言った。

 

 ……でも確かにその通りだ。

 でもそれなら、僕は今頃死んでいても良いはずだ。

 

 なのに、なぜ死なない?

 どうして死なない?

 

 自分が自分で嫌になった。

 死んでしまいたいなんて言葉は何の意味もなさないのを知りながら、思わずそんな言葉が頭に浮かんだ。

 

 「さ。どうする?窓はすぐそこにある」

 俺に死を進めるかのように彼女は視線をグラウンドに向けた。

 その凛とした姿は黒い髪とも相まって死神のようだ。

 「ここから飛び降りれば、きっと全てが楽になると思うんだ」

 窓から吹く風が、彼女の黒髪を揺らす。黒は不幸を運ぶ色。その意味が今理解出来たような。そんな気がする。

 

 朧気な頭で、死を頭に浮かべる。痛みは全くと言って想像できなかった。俺はあまりにも死に無理解だった。

 

 「死について考えたことある?」

 自分でも気づかなかった、芯を突かれたような気がした。

 死にたいして深く考えたことがなかった。

 「死ってね。あなたが考えてるより重いものじゃないんだよ。」

 「そして、あなたが考えてるより……」

 重い。彼女は、どっちともつかない意見を突きつける。

 「じゃあ、一体死ってなんだっていうんだよ。」

 俺の問いに、彼女は一息ついて、言う。

 「私が死んでも、あなたが死んでも。私が生きても、あなたが生きても。世界は回る。私たちの存在はちっぽけなものでしかない。でもね。この世界には、生きたくても生きれない人もいる。死にたくても死なない人がいる。あなたは飢えを知ってる?あなたは、いじめを知ってる?何も知らないあなたは、死を語れるの?あなたは死んでもいいの?生活が特別苦しいわけでも、過酷な環境に置かれてるわけでもない。」

 

 「あなたは、本当は生きたいの。」

 

 

 __でなければ。どうして誰かに死にたいと伝えたの?



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