二部六章の登場人物や活躍したサーヴァント達を中心に語り合うお話。
ここは二部六章慰労会。敵味方の垣根を越えて楽しむパーティである。
藤丸は妖精王の元に歩く。そしていたのは二部六章のラスボスであるオベロン・ヴォーディガーンだ。
「久しぶりオベロン」
「やぁ藤丸、奈落の底では俺を突き落としてくれたね」
「地球滅ぼすのに俺達を呑み込んだんだから当然だろう」
「「ハッハッハ」」
肩を組んで笑いあう二人。立場上は敵同士だが、過ぎたことを根に持ったりはしないのである。
まあ藤丸としてはオベロンに利用されてたとはいえ、最後の奈落の虫が出るまで犠牲者誰も出てないから私怨を持ちにくいというのもあるかもしれないが……
ヘイトだけならキリシュタリアを刺したベリルとか、トネリコを苦しめノクナレアを毒殺したオーロラがダントツ過ぎるというのもある。
そして彼等の談笑にやって来たのは妖精騎士ガウェインことバーゲストだ。
「貴方達、本当に敵対してたのにその仲の良さはどうなんですの?」
「あ、バーゲストじゃないか!ひ弱な妖精達だらけのウェールズの森を良くも焼いてくれたなぁ!ありがとう!」
「貴方、本性出したからって清々しいまでの笑顔で言う台詞じゃありませんわよ……」
「まあヴァーディガーンの本性知っちゃうと別に恨んじゃいないってなるよねぇ……」
初めはウェールズの森を焼かれてオベロンは根に持ってるけど、バーゲストを味方に付ける利点から私怨を呑み込んだのかと思ってたのだが本性バレるとぶっちゃけ悲しんだりしてないよねってなったのである。
「オベロン。俺ぶっちゃけブリテンって聞いた時、愛歌様来ると思ってた。ていうか二部五章後の新しいOPで出てくる妖精見た時、オベロンじゃなくて擬似サーヴァントの愛歌が来る!?って思ってたよ」
「誰だい、その愛歌様って?」
「ブリテンのアーサー王に一目惚れして、ビーストで人理定礎を崩壊させてブリテンを復活させようとしたサイコパス」
「ハハハ、まっさかぁ。それやったら人理修復案件じゃないかぁ」
「うん、今でもケルヌンノスを裏で操ってたのがオベロンじゃなくて愛歌様と言われても納得出来るレベルの害悪だから」
「人間は本当に愚かだなぁ」
「違いない」
否定できる材料は無いので素直に頷く藤丸。まあ二部六章の妖精も酷かったが、汎人類史での人間だって酷い奴を探せば彼等以上の悪意なんてザラにあるからだ。
「まあ二部六章終わって思ったのは一部の妖精除いて殆どの妖精ってクソだな」
「うぐっ、滅ぼした私では否定出来ませんわ……」
「いやあそこで妖精仕留めなかったら確実にシャドウボーダーで暴動起こされてたとか考えられたから英断だったよ」
胸を抑える妖精騎士ガウェインことバーゲストを慰める藤丸。あそこで妖精の本性らしき人間を虐殺する愚行を起こす辺り汎人類史は救われたとも言える。もしあそこで本性隠してたら確実にシャドウボーダーで救助してただろうから。
「良い妖精は割といたよね。バーゲストを筆頭にノクナレア、マイク、ガレス、レッドラ・ビットとか」
「わ、私を筆頭にしなくても。恥ずかしいですわ……」
「ぶっちゃけバーゲストはガチャのマイルームで凄い好みだったから!何この娘お嬢様っぽくて可愛いってなった」
「なっ!?そ、そ、そんなに褒められると照れますわ……」
「後は第三再臨が某流星の岩男3に出てくるレッドジョーカーかよって思って格好良かったというのもある」
「レッドジョーカー?」
「世界を救ったヒーローの変身した姿」
「世界を救った……」
「バーゲストも世界を救ったとも言えるよ。君があそこで妖精達を殺さなかったら何も知らない俺達は悪意ある妖精達を汎人類史に連れ帰っていたかもしれない。そしたらきっと汎人類史にとって厄災と変わらないし」
「ですが私は……本能に抗えなかったのです……」
「ったく、本能に抗うなとか受け入れろと言ってるわけじゃ無いよ。けど君がいることで救われた命だってあるのさ。俺達カルデアは君に救われたし、カルデアに来たからには頼らせてもらうからな」
「……はい!ぜひお任せを、私の力を存分にお使いください」
「頼りにしてるよバーゲスト」
「君本当に英雄たらしだよね」
オベロンが言った通り、落として持ち上げるのテンプレートでバーゲストを手懐けた藤丸の手腕にドン引きせざるを得ない。まあそれをやるからこそカルデアのマスターは英雄たらしなどと呼ばれるのである。
「まあ否定はしないよ。非力な分、英霊とは紳士に向き合う必要があったんだよ……」
「まあ蔑ろにしたら反感買うから仕方ないよな」
「反感買わなくても問題行動起こす英霊も結構いるけどな」
「「ハッハッハ」」
お互いに笑い合う藤丸とオベロン。バーゲストが仲が良いと言ったのも間違いではないのである。
「因みにオベロン戦は初見ノーコンテで倒したけど、バーゲスト戦は霊脈石1個使いました。ぶっちゃけ円卓組が出てきたせいでパーティ圧迫されたのが何よりキツかった」
「えぇ!?」
「いやテンプレのアタッカー1人に控え含めてサポーターで順次フォローする編成をやってたからガウェインとランスロットで二枠削られたのが何よりしんどかった。自分が未熟だなぁと痛感したよ」
「ハハハ、俺の時はどうだったの?」
「オベロンはぶっちゃけフォーリナー関係なくキャストリアとウラドさんで削ったから苦戦すらしてない」
「こいつめ……」
「グワァー」
オベロンにヘッドロックを決められタップする藤丸。勿論手加減してる辺り、藤丸に甘いオベロンであった。
そうして次に出会ったのは妖精騎士トリスタンことバーヴァンシーとモルガンだ。
「バーヴァンシーは二部六章の後編で大分印象変わったよな」
「な、何だよ…」
「召喚時と二部六章前半だと生意気なメスガキって印象だった」
「メスガキ!?」
「二部六章後半のモルガンが夢を手放しても助けたかった優し過ぎて酷使される少女ってところから可哀想と幸せになって欲しいって思うようになった」
「ど、同情してんじゃねぇよ!」
「あ、因みにプレイヤー視点でモルガンの回想見てたからそう思ってるけど、多分原作主人公視点だと裏事情なんて知る良しもないからマスターとキャストリアを拉致った後はいつのまにかブリテン崩壊の巻き添えで勝手に死んでた空気とか思われてるよきっと……」
「く、空気って何だよチキショー!あっ、こら撫でるな、やめ、ヤメロォ!……えへ、えへへ……」
初めはいきなり頭を撫でられて反抗してたが、撫でられるという行為自体が余り無かったせいか、嬉しそうに受け入れるバーヴァンシー。イベントクエストとかでも良いから幸せになってくださいとか思います。
「モルガン、この娘可愛いな……」
「当然です。我が自慢の愛娘ですよ」
「お母様!?」
「妖精國だと妖精に弱み見せちゃいけないってのもあったんだろうけど、カルデアでは気にせず甘やかしてあげたいって思う」
「そうですね。存分に甘やかしたいと思います」
「えぇ!?」
後にバーヴァンシーは甘やかされることは確定である。
「お、よぉ後輩。元気か?」
「ベリル!?戴冠式のエピローグであ、そういえばこいつまだ生きてたなぁと空気だったベリルじゃないか!」
「グハァ!」
「倒した後の回想で実は良い奴でした回想やめてくれとプレイヤー達に思われながら最後までクズを貫き通した根っからのクズオブクズの悪役をこなしたベリル(※プレイヤーが思ってたかは作者の偏見です)」
「グボァ!?」
「やめて藤丸ちゃん!ベリルのライフはもう0よ」
「あ、ぺぺも久しぶり」
そうして会ったのはクリプターであるベリルとぺぺである。
「よ、容赦ねぇなぁ後輩……」
「まあ良識あるマスターならマシュの指折ったとか許さねぇ!…とか、キリシュタリアとぺぺを殺めたんだから地獄に落ちろ!…とか思うかもしれないけど……俺はベリルのこと常人には理解出来ない愛を持つ人って印象なだけだったから」
「お、まさかお前さんも俺の愛に共感したんじゃ……」
「いや身体を傷付けるのはNGだけど羞恥で恥ずかしがるマシュのこと可愛いくて困らせたいって感情もある意味傷付けてるのと変わらないよなぁって思っちゃって……」
「あら、羞恥のマシュちゃんが可愛い気持ちは共感出来るけど困らせるのは良くないわよ」
「例えば2016年のデンジャラスビーストの礼装とか」
そして藤丸はスマホで撮影したマシュのデンジャラスビーストの姿をした写真を見せる。
「ッブホォ!?」
「キャー!?マシュちゃん大胆ね!カルデアでこんな格好してたなんてビックリだわ!」
「おま、マシュになんて格好させてるんだ後輩!」
「いや俺もまさかハロウィンの夜にこんな格好で迫って来るとは思わなかったよ……」
「それでマシュちゃんとはどうなったの!?」
「男女が2人きりでマシュが誘ってくる衣装だったから何も起きぬ筈がなく……マシュって実は肉食系なんだよね……」
「グハァ!?」
本日最大の吐血で倒れるベリル。ある意味マシュを神聖視していたベリルにとっては汚されたと言っても過言では無かったのだろう。そしてぺぺはマスターとマシュの蜜月に興味津々なのは言うまでも無かった。
「あ、先輩」
「マシュ、それに楊貴妃」
ベリルやぺぺから離れた後にマシュと楊貴妃の2人に近付く藤丸。楊貴妃は二部六章のシナリオには登場してないが、今回のケルヌンノス戦で大活躍したエースである。
因みにマシュは藤丸がベリルやぺぺにデンジャラスビーストの姿を見せつけたのは知らない。
後にぺぺから情報が割れてお仕置きとしてマシュがビースト化するのは余談である。
「ケルヌンノスがモリゾーと言われて後から確かにって思った」
「戦ってた時はそんな余裕ありませんでしたからね」
マシュの言う通り、ケルヌンノス戦はめちゃくちゃ苦戦した。前情報無しで戦ったので特攻とかの情報無しでダブルキャストリアと楊貴妃のパーティでやったら対粛清防御打つ前に通常攻撃でダブルキャストリアが落ちる事故が発生したりしたのである。
「霊脈石二つ使っちゃったしねぇ。」
「はう〜すみませんマスター」
「いや楊貴妃は頑張ってくれたから。寧ろ安定して削ってくれる君がいなかったら霊脈石三つ目切らざるを得なかったし」
うちのケルヌンノス戦のMVPは楊貴妃である。火傷のコマンドをコマンドカード全てに付けてたお陰で通常攻撃→宝具のパターンで常に特攻を乗せれるという強みを発揮したのだ。
後はバーサーカー相手に防御有利のお陰で中々落ちないのも助かった。
「お役に立てて嬉しいです!」
「楊貴妃はバーサーカー戦で強いから頼りになるよ」
「フォーリナー来るまでは邪ンヌさんでのゴリ押しでしたからね」
「そうだねぇ。邪ンヌが最も火力出るから運用してたなぁ」
尚現在はスカサハによるクイックパ、キャストリアによるアーツパがメインになったせいで出番が減ったのは言うまでもない。そもそもルーラークラスの敵サーヴァントが少ないのも原因である。
先日六周年記念の強化クエストで宝具強化されたのだが、果たして出番があるのかは不明である。
新たな人権サーヴァントとなる光のコヤンスカヤにご期待だ。
こうして二部六章慰労会は始まるのであった。
Q:キャストリアやメリュジーヌなどは?
A:一旦パッと思いついたのが彼等だったのでカット。
うちのカルデアだと大体新章完結すると慰労会してるイメージ。
こんな世界線があっても良いよね……