聖闘士星矢:転生者編   作:madamu

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短め。


お馴染みのコロシアム

「下手な変装はやめろ。トレミー」

聖域の中央近くにあるコロシアム後に、城戸家のプライベートジェットから降りると使者のふりをした矢座のトレミーが現れた。

ジャンプコミック第9巻だったかな。

 

纏っていたローブを脱ぎ捨てると苦々しい顔をしているトレミー。

 

聖域殴り込みには青銅共と城戸沙織、辰巳徳丸、そして白銀聖闘士を代表して、俺とアルゴル、ダンテ、魔鈴、カペラが聖域に足を踏み入れた。

アステリオンは日本で治療中のミスティとモーゼスの警備、ジャミアンはカノン島に行ったバベルの付き添い。

 

「源十郎・・・!貴様、聖域を裏切ったか!」

「馬鹿を言え。聖域はアテナの聖闘士の総本山…俺が聖闘士である限り裏切ることはない」

お前、教皇の正体は双子座のサガやぞ…と言ってやりたいが、証拠は俺の脳内にあるジャンプコミック12巻だけである。

 

こちら側の青銅、白銀聖闘士たちは戦闘態勢に入る。

周辺にはどこに隠れていたのか雑兵共がわらわらと現れた。

 

「はん!貴様らは今となっては反逆者!」

トレミーは俺嫌いの筆頭格だ。

日頃の鬱憤もあり口調がキツイ。

伝統的な聖域が好きな口だ。古くからの聖域が好きで、教皇の命令が絶対と思っている。

俺がどれだけ裏任務で世界を飛び回っているか知らんだろう。

去年のメキシコは暑かった。

 

「ファントムアロー!」

トレミーは必殺の幻影の矢を放つ。

知っている。それ。

「ソニックアロー!」

後ろの方で星矢が「りゅ・・・」と技名を名乗る前に俺がオリオン座の基本技ソニックアローで無数に見える矢の幻影を一つ残らず撃ち落とす。

 

星矢君、きみは技の初動が遅い。

まあ星矢の通常の拳速はマッハ1、俺は優にマッハ5を超える。

これが青銅と白銀の明確な差だ。

小宇宙を爆発させれば青銅も白銀に迫れるが、通常の攻撃力を見れば圧倒的なのは白銀だ。

 

カキン。

 

 

「「黄金の矢!」」

 

氷河と瞬が同時に声を出す。

これが防げれば話が変わる!と言いたい。

「これが答えかトレミー、それとも教皇の回答か?」

 

俺の言葉と視線に対して、目を背け卑屈な笑みを浮かべる。

トレミーの笑みはお為ごかしの笑みではない。

なぜならばこのコロシアムから伸びる十二宮への階段を降りて来る人物に対しての卑屈な笑みだ。

 

「見ろ!時計塔に炎が!」

星矢が叫ぶ。

遠くに見える大時計の十二宮それぞれを指し示す場所に火がともる。

あの炎は小宇宙の力の炎だ。

 

階段から降りてきた人物は司祭長。聖域でも教皇の最側近の1人。

俺たち聖闘士や雑兵の平時の世話を全て担う人物だ。

 

「教皇よりの伝言でございます」

司祭長が重々しく伝える。声は青野武的に聞こえる。

青野武だよ。くっそー。涙が出そうだ。俺最推しの初老声。

 

「真にアテナであるならば、それに従う青銅聖闘士が時計台の12の火が消える前に教皇を十二宮から連れ出すことが可能なはず。為せぬのならば、アテナにあらず」

司祭長の言葉は全面抗争の宣言だ。

いまから大急ぎで青銅たちは十二宮を抜けねばならぬ。

 

「そんな!一方的な!」

「だが、出来ぬと言っては負けたも同然か」

瞬が驚き、氷河がクールな反応。

「くっそ!ふざけやがって!」

そして星矢が怒りを表す。

 

たが、ここで感情を爆発させている暇はない。すでに火時計は時間を刻み始めている。

「青銅聖闘士たちよ。この場は白銀聖闘士オリオン座の源十郎が預かる!お前たちは一秒でも早く十二宮を駆け抜け、教皇を引きずり出せ!」

 

俺は叫びながらも内心、ドキドキだ。

他人にこれからの運命を任せたのだ。

実力はあるが未熟で無鉄砲な四人の少年に。

原作通りに事は運ぶんだろうか。いや運んでもらわないと困る。

 

少年たちは聖衣が入ったパンドラボックスを担ぎ、一気に雑兵の壁を飛び越え白羊宮へ続く階段を駆け上がる。

 

 

「雑兵一同が取り囲んでどうする」

カペラの言葉と視線は周囲の雑兵たち、そしてトレミーに向けられた。

 

「ですが、我々も…」

雑兵と取りまとめる隊長が律儀に返事をする。

顔には大きな汗粒が浮いており、どうやったって白銀聖闘士数名に対してこの雑兵の数では勝てないことを承知している。

何もできない、白銀聖闘士のトレミーを戦力に組み込んでも城戸沙織の柔肌一つ傷は付けられない。

 

「時間をかけ過ぎだ」

コロシアムの観客席の上段から現れた太陽光を反射する銀色の姿。

「オルフェ!」

白銀聖闘士最強と言われ、その実力は黄金聖闘士に匹敵する琴座のオルフェ。

涼し気な目元、白い肌。その姿は現代というよりも神話の時代に近い。

「何も聞くな源十郎。歯向かえばお前を討つことになる」

 

伏し目がちなのは、これから起きることに積極的でないからだろう。

言って悪いがオルフェは日和見なところがある。

日和見と言う言葉が悪いのであれば個人主義であり、聖域の政争には興味が無い。

命令されれば実行するが、それでも教皇とは距離を置いている。

 

そのオルフェまで動員したんだ。教皇も相当シリアスに感じているんだろう。

 

「アルゴル、ダンテ、マリン、カペラ。お前たちの相手は俺たちだ」

オルフェの後ろから現れたのはヘラクレス星座のアルゲティ、巨犬座のシリウス、銀蠅座のディオだった。

大男、渋顔、小男と変な三人組に見えるが実力は折り紙付きだ。

特にディオのすばしっこさは魔鈴でさえ辟易するほどの敏捷性である。

「アテナの名を騙る逆賊の誅殺は中止されてはいない」

渋顔のシリウスがそう告げる。

教皇を引きずりだしつつ、アテナを守るか。相当重労働になりそうだ。

 

「馬鹿を言え!本当のアテナがここにおわすのに、なぜ教皇は誅殺の命を出した!これでは逆賊は教皇ではないか!」

アルゴル…完全に城戸沙織嬢にずっぽりだな。

 

「だが、城戸沙織嬢が本物とは証明されて…いや、会話では平行線になるな」

言葉途中で首を横に振るオルフェ。

「言葉は無用か」

言葉を返したカペラを始め、俺もアルゴルも魔鈴もパンドラボックスを背中から降ろし、各々ボックスを開けた。

「その通りだ。実力の無き者が地上の平和を守れるわけがない」

渋顔が答える。数秒の間。聖衣はまるで磁石に吸い付く砂鉄のように俺たちの四肢へ吸い込まれるように装着される。

アニメの演出も実際はオカルト染みた不思議な光景でもある。

小宇宙による疑似サイコキネシスなんだけどね。

 

「では、アテナに替わり俺たちが実力を見せよう!」

左腕にメデューサの盾を装着したアルゴルが高らかに宣言する。

俺の視線はオルフェを刺す。この中でオルフェを相手どれるのは俺だけだ。

オルフェもそれに気づき、明らかに俺だけに小宇宙を向ける。

 

「言っただろう!アルゴル!お前達の相手はこちらだと!」

アルゴルが一瞬オルフェに殺気を向けたのを感じ取ったアルゲティが言葉で横やりを入れる。

あの三人組には悪いが、俺を相手どれるのもオルフェだけだろう。

 

「アテナ」

カペラが囁くように城戸沙織に言葉を投げかける。

それに頷く城戸沙織。

「許します。聖闘士同士の争いは不毛ですが、こちらの正義を証明する必要があれば拳を振るいなさい!」

 

出た!脳筋殴り込み誘発(一度たりとも城戸沙織は海底にも冥界にも殴り込めとは言葉にしていない)美少女城戸沙織のお墨付き!

 

「源十郎!」

「オルフェ!」

 

一瞬にして俺とオルフェの小宇宙は爆発的に高まる。

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