自分より強いのがいないから育てた 作:師刃
ロドスの職員達と飴を舐めながら、過去の記憶を思い出していた。
産まれたときから強者。化け物を狩り、感染生物を蹴散らし、国すら相手取って。だが、それでも自分の周囲には自分を下す者はいなかった。
故に旅に出た。
山を越え谷を越え、様々な場所を転々としつつ、強者を探す旅。
体内に生き物を飼う女がいた。
竜のようなそれを軽く捻り潰し、少し面倒を見た後にまた旅に出た。
【神】と呼ばれた存在がいた。
海で見つけて追いかけたが、全速力で逃げられた。
特殊な力を使う、今まで見たことの無い種族の者達と戦った。
多少は楽しめたが、本気を出すまでもなく終わってしまった。共に食事をし、その後別れた。
天災へと自ら足を進めた。
狂った重力を斬って均し、降ってくる星を石ころに変え、源石の谷を無力化した。
そうしていると、ある日から天災に会うことが無くなり、異常現象を見ることは無くなった。
暇だった。どうしようもなく暇になった。遊ぶ対象もない。傭兵の真似事をやっても、強者には出会えず。金が貯まるばかり。
そんな、体は生きていくが心が死んでいく中で受けた依頼。そこに彼女がいた。
柔と剛のどちらも吸収して自身の物とし。1を教えると10を知り、他の知識と掛け合わせて何倍にもする。
才能の塊だった。今まで生きて来た中で1番の、かつて戦った者達を越え、自分に届くかもしれないほどの。
あぁ、メランサよ。君は、僕を越えられる。
僕の技を教えよう。僕の知恵を教えよう。僕の武器をあげよう。僕の全てを尽くして、君を育てよう。だから、君は僕を越えてくれ。僕の膝を地に付けさせてくれ。
そうして、彼女を育て・・・なんか怖くなったんだけどなにこれ
「そういや知ってるか? メランサさんって、師匠と出会う前はもっと静かで大人しかったらしいぞ」
「へー、じゃあさ、ああなったのって師匠の『師匠の悪口か貴様?』おかげなんですね!」
(((((走り去ったのに何故ここに!?)))))
「いいですか全ては師匠のおかげなんですよかつての自分はあまり何も言いませんでしたが師匠は全て分かってくれました疲れて倒れそうになった時も静かに支えてベッドまで運んでくれましたし勉強する時もつきっきりで教えてくれましたこんな事は今までありませんでしただって愚かな昔の自分は喋ることをあまりせず相手はそれを分かるわけもなく無意味な時間が過ぎたことだってあるのですからなのに師匠はそれらとは違いました出会ってすぐだというのに疲れていた自分のことを気遣ってくれて元気がない時は楽しい遊びを教えてくれて私の心に彩りを与えてくれたんですですが私には師匠のことがあまり分かりません私を見るときはそれは楽しそうだったのにそれ以外のものを見ているときはまるで死んでいるかのようだったのですから私が聞いても答えてくれることもなくなのにケルシー先生やニェンさんやシーさんと話すときは死んだ瞳が輝きを取り戻すのです不思議でしょうなんで私を見ている時だけの物だと思っていたのにどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてだから私は知ることにしたんですあの人の事をだってそうでしょう分からないことがあれば知れば聞いてくれと言ったはあの人なんですから答えてくれますよね師匠」
「「「「「「ヒェッ」」」」」
うふふ、あははといきなり現れたメランサはまた食堂から出て行った。
なんでこうなったんだろうか。ただ怪我をしないように鍛え。協力することの大切さを教えるために、不特定多数の人と遊び。自分の知っている事を全部教えた。覚えれば褒め、ミスをしても何がダメだったのかを共に考え、嬉しいことがあれば共に笑った。それだけなのに
なんでこうなったんだ
メランサ
この作品では師匠と出会うことで覚醒。概念的強化やらがされてない限り殆どの物は斬れるらしい。
ゲーム的に言えば、攻撃時50%の確率で防御無視。
メランサ自身の体格も変わっており、胸部装甲が厚くなっていたり、身長が伸びていたりする。けど、揺れるほどの胸部装甲ではなく、綺麗なお椀型。他のメランサ族より小さい
源石病には罹った事がある、らしい。
【源石融合率】0%
【血液中源石密度】0.08u/L
メランサの師匠
名前はまだ決めてない。てかもう無しでいいかな?
一部オペレーターとは昔に知り合った事がある。
強敵いなくて絶望してたらメランサにあってウッキウキになった。で、態度が軟化しまくり現在の性格に。元々考えるのが苦手とかではない。断じて(目逸らし)
メランサと違って全て斬る事ができる。
あと、色んな事ができるらしい。前回と今回は、匂いと姿形と気配と仕草を変えて一般社員と喋ってた。メランサが匂いを追っていったのは、メランサが目の前にいる状態で匂いのついたものを持って別の場所に置いただけ
【源石融合率】0%
【血液中源石密度】0u/L