ようやく完成しました。
下の方に質問とリクエストの活動報告のリンクが貼ってありますのでそちらから質問とリクエストをお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=272401&uid=318815
懇親会の翌日。
九校戦は、何事もなかったように開催されたのだ。昨晩の一件を知る者は、当事者と、その当事者から一件を伝えられた者達以外にはほとんどいない。選手は皆、一流の魔法力を持つとはいえ、まだ高校生だ。
全く未遂で終わったことでもある為不安を与えるのは好ましくない、との判断が下された結果だった。そして、この後すぐ、九校戦最初の競技が行われる。そう、スピード・シューティングである。
スピード・シューティングのルールは
空中に設定された、一辺、十五メートルの立方体を、ポイント有効エリアとして予選までは、制限時間が5分以内に標的を破壊した数を競う、スコア型。本戦からは、紅白の標的が百個ずつ用意され、自分の破壊した数を競う、対戦型となる。
尚、モノリスを除く全競技に共通のルールがとして九校の内、三つの学校は二人のまでしかエントリーできない。数合わせのため、昨年の成績が悪い順に三つの学校が足切りに遭う。
本戦スピード・シューティングは、九校戦全体の最初の競技である為に、どの学校もこの種目で良い成績を出して勢いに乗りたいと考える。そして、このスピードシューティング第一試技。つまり九校戦最初の試合の選手は、達也と決まった。
「イキナリかよ!!まあ、達也なら緊張とかしないだろけど。」
「心配いらないわよ。他の候補者、全員に勝ってるんだから。」
レオとエリカの会話を聞いて、他の者も同じ事を思って居る。此処には深雪、リーナ、雫、ほのか、鋼、英美、スバル、奏、レオ、エリカ、美月、幹比古、紅音が居る。もちろん全員が達也の応援だ。
ただ、この会場の応援席は異常なまでの人の多さだ。スピード・シューティングの会場は、男女同じ場所に隣同士にある。つまり、同じ会場で男子の試技も女子の試技も見る事が出来る。だが、明らかに客の視線は、こちらの、男子の方に向いて居る。
「今まで秘密にされていた十師族・四葉家の後継者の実力の程を、見に来たって所だろうね。」
鋼からの説明に納得顔の面々。
「見たら度肝を抜かれる事間違いなしね。」
「だろうね。」
因みに孝一、夏、リムル、ディーノ、ミリムは別の場所で応援していたのだ。この五人が、何処に居るかと言うとスピード・シューティングの会場の応援席の屋根に居るのだ。当の彼らは、そこで会話をしていたのだ。
「相変わらずだな〜あいつは、な、兄貴?」
「知らん、俺に話を振るな、夏。リムル、ミリム、ディーノ、達也の強さをよーく見てけよ?」
「そうだな?」
「面白そうなのだ!」
「え〜俺も?面倒くさいよ〜。」
夏が、そう言うと孝一が適当にあしらうと、リムルが、そう答えてミリムは面白そうだと答えるとディーノは面倒くさいと言ったのだ。孝一達がそこで会話をしていた所で第一高校のロゴの入ったユニフォームを着て小銃形態デバイスを持った達也が現れる。
「・・・ねぇ、深雪。達也君て、本当に私達と同い年?」
「失礼よエリカ!お兄様は歴とした16歳よ!」
「あ、ああ、ごめん。なんていうか、貫禄が・・・。」
「確かに、堂々としていらっしゃいますね。」
エリカの言葉を美月が拾い共感する。
「おっ、始まるぜ?」
巨大なスクリーンにBE QUEITの文字が浮かび会場が静まる。達也が透明のゴーグルをかけデバイスを構える。カウントが始まり、緊張感が漂う中、その瞬間を待つ。そしてカウントがゼロになりクレーが発射された。
次の瞬間、ポイント有効エリア全体が黒く塗りつぶされる。そして、クレーが、その黒く塗りつぶされた空間に入った瞬間、クレーの動きが鈍くなり、暗闇から突如発生した稲妻によって
ーー破壊されたのだ。
「なに、今の!」
「すごい・・・」
次々と打ち出されるクレーが、夜の闇に吸い込まれように有効エリアに突入し、光り輝く稲妻に破壊されていく。その、圧倒的な破壊力に会場が一気に湧いた。
「あれはまさか・・・『ヘルヘイム』・・・」
摩利が驚愕の表情で達也の魔法の名を口にする。
「正解です。領域型分離魔法『ヘルヘイム』。達也君はあまり領域魔法を使いませんが一点に集中する魔法が得意なだけであって、使えないわけではありません。スピード・シューティングのような有効エリアが、予め決まっている物なら十分に実戦で使えるレベルの威力が出せます。」
『ヘルヘイム』
一定領域内を真空、無重力の空間に分離し空間内で発生した真空偏極により、存在する荷電が作り出す電場によって電荷を持つ粒子、反粒子を強制的に分極し、電磁波を発生させる領域魔法。
「校内の試技をした時は、対戦形式でしたから、使用しなかったと言っていましたね。」
「あの魔法は、確かA級魔法師にしか起動式を公開していないはずだが・・・。」
「まあ、そこは流石、十師族と言ったところでしょう。」
鈴音の説明に、ヤレヤレと首をすくめる摩利だった。
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一方、会場の屋根の上で、試合を見ていた孝一達が会話をしていたのだ。
「ったくよ。達也の野郎、後で覚えてやがれよ?」
「兄貴、流石にそれはやめてくれよ?」
「そうだぞ?お前を止める俺達の身にもなってくれるか?」
「zzzzz。」
「面白そうなのだ!」
孝一が文句を言って居ると、夏とリムルが孝一を諌めていると隣でディーノが思いっきり寝ており、ミリムは面白そうだと言いながら楽しそうにしていた。
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「・・・綺麗。////」
「・・・素敵。////」
「達也様・・・。////」
達也の作り出した、暗闇の空間に光る稲妻。その幻想的な光景とデバイスを構える達也の勇ましい姿に会場の女性たちの目は釘付けになったのだ。
「一瞬でファンを増やしちゃったわね。他の学校の生徒も見惚れちゃってるんだけど。」
「でも、そうなる気持ちも分かるかも。」
「確かに、一年生でこんな魔法を使えるなんて。」
エリカは半分呆れたような表情だが、ほのかと幹比古は観客と似た感想を持って居た。
「お兄様がこの魔法を選んだ理由は二つ。一つは有効エリア全体をカバー出来るから。二つ目は、この強力な魔法を見せる事で後に続く選手にプレッシャーをかける事よ。」
「・・・そんな事まで考えてたんだ。」
「まあ、でなきゃ達也が、あんな目立ちまくる魔法、使うわけがないわな。」
深雪の説明に関心を持った雫と納得の表情を浮かべるレオ。
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(残り5秒。)
心の中でカウントダウンを始める。打ち漏らしは無い。完全な仕上がりだ。残り2秒になったところで最後のクレーが発射される。達也は最後のクレーを今日一番の、さながら花火のように放電で、打ち砕いた。
「「「「「わあああああ!」」」」」
その圧倒的な光景に会場が湧く。今年の九校戦は、観客の興奮を高める。九校戦は最高のオープニングで幕を開けたのだ。
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会場の屋根上には相変わらず孝一達が居たのだが、背後から四人の人影が現れたのだ。そして孝一とリムルがその人物達に話しかけたのだ。
「何しに来たアインズ、イビルアイ。」
「何のようだ、ギィ、ルミナス。用件を言ってくれるか?」
フードを被った骸骨姿のアインズと金髪で仮面を被った少女のイビルアイ、赤髪のギィと銀髪で金銀妖目(ヘテロクロミア)のルミナスが居たのだ。イビルアイが口を開けたのだ。
「私達が来て悪いか?」
「そうだぞ?お前達が此処に居るのを確認したからな、此処に来ただけだが?」
イビルアイに続いてアインズがそう言うと、ギィとルミナスが会話に入って来たのだ。
「おいおい、そんなに俺達が来て問題でもあるのか?」
「そうじゃぞ?妾達が来てくらいでは問題にならんはずじゃろ?」
「まあ問題ねえはねえけどよ?特にイビルアイ以外のアインズ、ギィ、ルミナスのお前らだ!」
ギィとルミナスの反応を見て孝一が、そう言うとギィが反応する。
「どう言う意味だ?」
「そのままの意味だ。アインズは見た目が骸骨だし、ギィ、お前の場合はオーラーが原因だ!ルミナスの場合もギィと同じだ!」
「そうか?妾達は出していたつもりは無いんじゃが?」
「俺達は気づいて居るが会場に居る奴らも、ほとんどだが、おそらくだが気付いてると思うぞ?」
「そうなのか?」
「分かったぜ。気をつけるぜ?」
「頼むぞ?」
そう言いながら孝一達は会場の屋根から降りたのだ。
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孝一と夏とリムルとミリムとディーノは会場脇で達也と真由美が居るのを見つけたのだ。五人は二人の元に移動したのだ。すると二人が会話をしていたのだ。
「随分とモテるのね〜、た・つ・や・く・ん★」
「・・・。」
試技を終えて達也が控え室に戻ろうとすると会場脇で観戦していた真由美が『笑顔』で出迎えてくれた。、、、、負のオーラをまとって、、、。
(・・・恐ろしい。)
達也は珍しく、本気で恐怖に体を支配されていた。真由美の笑顔から放たれたる、何とも言い難いプレッシャーがかつて無いほどに、達也の恐怖を引き立て、体を硬直させる。
「この後の選手たちへの牽制っていうのは分かってるけど・・・ちょ〜っと、目立ちすぎじゃないかな?おかげで、あんなに女の子がウットリした目であなたの事を、見てるわよ?」
尚も笑顔で詰め寄ってくる真由美。こういう時の対処は決まっている。
「すいません。」
そう、謝るしかない。下手な言いわけをして話を話がコジれると一週間は口を聴いてもらえないからだ。
「・・・まあ、今回は多めに見てあげるわ。」
明日は真由美のクラウド・ボールの試合を担当しなければならない。そんな時に、つまならい事で喧嘩をしていれば、気まずいどころの騒ぎではない。そんな思いも相まって謝罪だったのだが真由美は案外すんなりと許してくれた。
「旦那様のカッコイイ所を見れて私も嬉しいもの♫」
今度はいつもの笑顔ですり寄ってくる真由美。それなら、最初から怒らないでほしいのだが。また話をぶり返す事は避けたいので、達也は大人しく抱き枕に甘んじていた。
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真由美が満足したので試合の準備に向かう。そして達也が孝一達が居る場所に顔を向けて口を開いたのだ。
「お前達は、いつまでそこで見て居るつもりなんだ?」
「仕方ないだろ達也?お前が、そんな事してたんだかろよ?」
「確かに孝一の言う通りだな。」
「俺はリムルと同じく。」
「俺も、兄貴と同じ意見だ。」
「私は面白そうだったのだ!」
「お前らは相変わらずね。」
孝一達は口々に言うと達也がため息をつきながら、そう言ったのだ。
「しゃーねだろ。俺達は何時もこうなんだから?」
「まあそこはツッコムのをやめておこう。」
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「お義姉様の試技が始まるわね。」
「女子の方も、真打登場だね。渡辺先輩は第三レースだから、十分に間に合うし。」
深雪の言葉に反応してほのかが答える。ほのかは、新人戦の方で『波乗り』に出場するので優勝候補の摩利の試合は、ぜひ見ておきたかった。
「予選では達也さんのみたいに大破壊力を以って標的を一気に破壊すると言う戦術も可能だけど準々決勝以降は精密な照準がようきゅうされる。」
「普通なら、予選と決勝トーナメントで使用魔法を変えるところだけれど・・・・。」
「七草会長は予選も決勝も同じ戦い方をする事で有名ね。」
深雪が言いかけた台詞を、背後に座ったエリカが横取りする。
「・・・始まる。」
雫の声に反応して全員が会場の一点に視線をむける。大型スクリーンに BE QUIET の文字が表示され会場全体が静まり緊張が漂う。
開始のシグナルが点った。軽快な射出音と共に、クレーが空中を翔け抜ける。
「速い・・・!」
真由美は首を傾げず、真っ直ぐに立ってCADを構えている。その立ち姿は、銃をよりも寧ろ、弓の構えに似ていた。クレーが次々と、不規則な間隔で打ち出される。射質数は5分間に百個。平均すれば三秒に一個。
真由美はその全ての標的を、一個の取りこぼしもなく、個々に打ち砕いて行く。五分の試技時間は、あっという間に終了した。
「・・・パーフェクト。」
ゴーグルとヘッドセットを外し、客席の拍手に笑顔で答える真由美。
「ドライアイスの亜音速弾、ですね。」
「ええ、お義姉様が得意とされている、実体弾での狙撃は相変わらず精度ですね。相変わらず。」
美月の質問に深雪が答えると観客席で応援していた深雪の視線に気づいた真由美が、深雪に向かって手を振り深雪も、少し照れくさそうにしながら、真由美に手を振り返した。
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予選を通過が確定となった達也と真由美は二人揃って、摩利の応援に来ていた。孝一と夏、リムル、ミリム、ディーノは別の場所で試技を見て居たのだ。
九校戦のバトル・ボートは全長三キロの人工水路を三周するコース。予選を一レース四人で六レース、準決勝を一レース三人で二レース、三位決定戦を四人で、決勝レースを一対一で競う。平均所要時間は十五分。
「摩利さんなら大丈夫ですよ。」
「三年連続だからね、昨年も優勝してるし。」
昨年、優勝したからといって今年も優勝するとは限らないが少なくても、予選をとりこぼす事はないだろう。
「始まりますね。」
開始のシグナルが鳴り一斉にスタートする。しかし、ここで他校の生徒が自身が起こした大波に足を取られ周りの選手も巻き込んでいくが、摩利はものともせずに進む。
「硬化魔法の応用と移動魔法のマルチキャストですか。」
「正解。摩利は複数の魔法科をマルチ・キャストする技術に長けているからね。」
「相変わらずだな。」
後ろから孝一と夏、リムル、ミリム、ディーノが姿を現して観客席にやって来たのだ。
「お前達も珍しいな余りこう言う事に興味がなさそうだから。」
「達也、俺や夏は必要以上に見たくないだけだぞ?」
「孝一の言う通りで俺やミリム、ディーノは立場上、仕方ない事だろ?」
「まあ、それは置いておこう。」
摩利が実際に魔法を使っている所を見た事がない達也やリムル、ミリム、ディーノ、夏に真由美が説明したのだ。
「面白い使い方だな、、、。確かに硬化魔法の対象は、単一構造物のパーツである必要はない。うん、これなら。」
「達也くん?」
「おい、達也。いつものが出てるぞ。」
天才技術者の性か、物思い耽りかけた達也を、真由美の声が引き戻したのだ。摩利の姿は、スタンド影に入って見えなくなってしまっている。達也は「何でもない。」とお茶を濁し大型ディスプレイに視線を戻す。そして、このレースは摩利の独走で決着がついた。
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孝一とリムルは一高の本部テントの前に居ると、孝一の恋人の一人である愛梨がやって来たのだ。因みに夏、ミリム、ディーノはスピード・シューティングの試技が行われる会場に居る。
「孝一、少し良いかしら?」
「なんだ、愛梨?」
「少し気になったんけど、其方の彼は誰かしら?」
愛梨が孝一と話をし始めると愛梨がリムルの方に目を向けて、孝一に尋ねたのだ。
「ああ。おい自己紹介するんだ。」
「ああ、一高一年、俺はリムル・テンペストだ。」
「テンペスト?そんな家、聞いた事が無いは。」
「愛梨。リムルは俺と同じ七武海で八人いる魔王である八星魔王の一人だ。」
「七武海で魔王!?彼が!?」
愛梨がリムルの名前を聞いて考え事をするが孝一がリムルの正体を伝えると愛梨が驚きの表情でリムルを見る。
「良く言われるよ。見た目がこんなんだしな。」
「そりゃ、そんな女みたいな顔をしてたら誤解されるし信じられないだろうな。」
リムルがそう答えると孝一が適当に返答する。
「そろそろ、スピード・シューティングの会場に向かうか。」
「そうだな。」
「愛梨、また後で。」
「ええ、分かったは。」
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準々決勝は女子の第一試合に真由美、第三試合が達也になった。
「満席だね、すごい人気。」
「さすが、お義姉様!」
驚いているほのかに対し、これが当然と言わんばかりに喜んでいる深雪。因みに孝一とリムルは席が無かったので会場の屋根から試合を見ていた。
「ここからは対戦形式になるんだよね?」
「うん、七草先輩は赤色だね。」
エリカの質問に鋼が答えるとある事に気がつく。
「あれ、幹比古は?」
「気分が悪くなったんだって。部屋で休んでるって言ってた。」
鋼の質問に答えた後、だらしない、とエリカが表情で付け加えた。
「熱気に当てられたみたいですよ。私もメガネを掛けていなかったらダウンしてかもです。」
美月が幹比古をフォローする。なる程、感覚が敏感すぎるとそう言う事もあるか、と鋼は思う。
しばらくして、真由美のシューティングレンジに姿を見せた瞬間、嵐のような歓声がスタンドを揺るがした。そして、競技開始のシグナルが点灯を始める。
空中を円盤が乱舞する。赤く塗られたクレーは、有効エリアに飛び込んで来た瞬間、ほぼ同時に撃ち砕かれていく。
「すごい、、、。」
後ろから聞こえてきた感嘆の声に、皆、心の中で納得した。
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真由美と対戦している選手は、移動魔法でクレー同士をぶつけてポイントを取る対戦形式では、オーソドックスな戦法だ。そして、練習よりも落ち着いて魔法を使えていた。
(あちらさんの、すばやい狙撃のおかげで自殺点の心配が無いしお互いの魔法が干渉する心配もないから自分のクレーに集中できる。それにどんなに命中精度がよくても、直線的な弾道に弱点がある。)
クレーの射出点から、赤と白のクレーが放たれる。二つのクレーは、そのまま平行に並んで飛翔する。選手側から見て、赤が白のクレーの陰に隠れている。
(これ!!こちらのクレーが射線をふさいでいるうちは絶対に撃てなーー)
パリン
「なっ!!」
死角であるはずのクレーが破壊され、魔法の操作が一瞬だが遅れる。遅れた分、クレーが外に行ってしまい、有効エリア外に出てしまった。
「下だ、下から撃ったぞ!」
「いったいどうやって!」
客席からのザワついた声も真由美には届かない。100%集中した状態で、残りのクレーを全て破壊する。
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「七草先輩じの『魔弾の射手』・・・去年より更に早くなってる。」
『魔弾の射手』
ドライアイスの弾丸を打ち出す魔法『ドライ・ブリザード』の射出点をコントロールする魔法。相手の領域干渉の外から狙撃する事が出来る。
「お義姉様が得意とする、Aランク魔法。やはり、高校生レベルでは勝負になりませんでしたね。」
深雪のつぶやいた言葉に、反応する者はいなかったが皆、深雪と同じことを思っていた。
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「お疲れ様です。」
「全然、疲れてないわよ。まだ、2試合あるんだから。」
「それもそうですね。
準々決勝が終わってすぐに達也の下に来た真由美は達也に膝枕してされながら、頭を撫でてもらってご機嫌だった。
「次は達也君の番ね、どうやって戦うの?」
「始まってからのお楽しみです。」
ぶー、と拗ねた様に顔をそむけながらも、達也の膝から離れようとしない。達也は競技開始まで真由美の綺麗な髪を撫でていた。
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「あっ、達也君が出て来た。」
達也の登場に歓声が上がる。意外な事に、女性からだけでなく、男性からの歓声も混じってる。
「予選で見せた『ヘルヘイム』は滅多に見られるものじゃないからね。魔法を理解してる者なら興味を持つのは当たり前か、、、。」
「次は、どんな戦法で来るか楽しみって人もいるだろうね。」
鋼がシミジミとつぶやいた言葉に体調が戻って皆と合流した幹比古が相槌をうつ。今回、達也が狙うのは真由美と同じ赤のクレー。達也が壇上に立ち、一呼吸おいた所で競技開始のシグナルが点滅する。
シグナルが青く輝き、最初のクレーが発射される。発射されたのは、赤のクレーが二つ、白のクレーが三つ。
達也が魔法を発動する、選んだ魔法は『ツイスト・スフィア』
『ツイスト・スフィア』
収縮・加速の系統魔法。空気を圧縮し、螺旋状の球体を作りその球体を中心に、その空気の弾丸を飛ばす魔法。ただし、球体の位置は発動したばしょからは動かせない。
達也は『ツイスト・スフィア』を有効エリアの中央に配置し有効エリアに進入して来た相手選手のクレーを空気の弾丸で自殺点にならないよう、有効エリアの外に弾き出し自分のクレーを打ち砕いた。
「バ、バカな!?一つの魔法で違う威力の空気弾を出すなんて!!」
「ありえない!!」
客席からザワザワとした声が漏れる。そして、その疑問はエリカやレオ達にも当てはまった。
「深雪、あれはいったい、何!?」
「どうして、違う威力の空気弾を出せるんですか?」
エリカと幹比古も興奮していて、すごい剣幕で深雪に詰め寄る。達也はこの間も、相手選手のクレーを有効エリアの外に追い出し自分のクレーを一つ残らず破壊している。
「落ち着いて二人とも、ちゃんと説明するから。」
自分たちが興奮しすぎていたのを自覚したのか二人とも少し顔を赤くして大人しくなる。しかし、説明を求める姿勢は変わってない。
「お兄様は『ツイスト・スフィア』を放つ瞬間にあらかじめ、二つの変数を入力する事によって強い空気弾と、弱い空気弾を使い分けているの。」
「変数を二つ?」
「ええ、多数変化は、お兄様が得意とされている分野ですから、、、残念ながらこの分野は学校の成績に関わらないけれど、もし多数変化が成績に反映されれば、私よりお兄様の方が成績が上でしょう。」
皆が驚いる中、達也は最後のクレーを破壊し自分はパーフェクト、相手を0ポイントに抑え、完全勝利をもぎ取った。
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一日目の競技、スピード・シューティングは、大方の予想通り女子部門で真由美が圧勝、男子部門も達也が相手に1ポイントも取らせずに完全優勝を果たした。
「会長、おめでとうございます。」
「ありがとう。摩利も無事、準々決勝進出ね。」
「まずは予定通りだな。」
真由美の部屋に女子生徒会役員(プラス風紀委員長)が集まっていた。まだ、一日目が終わったばかりであり、真由美は明日も競技がある。今はジュースで簡単な祝杯を挙げている所だった。
「少しヒヤッとしたが、服部も何とか勝ち残りか。」
「CADの調整が合ってなかったみたいです。試合が終わってからずっと、木下先輩と二人で再調整してましたけど、、、。」
服部がギリギリの予選通過だったので明日の調整次第では準々決勝以降に影響が出ると考えていた。
「幸い、木下君は明日オフですから、納得いくまで調整してみるしかないですね。」
「そうね、明日は私も頑張らないと。」
「頼むぞ、優勝候補筆頭何だから。」
「そうですね、会長が優勝するのを見越してポイントの計算しているので、ここでつまずかれると後々で支障が出ますから。」
「もう!プレッシャーかけないでよ!!」
ハハハと笑いがおこり、真由美の事を考え、その日はお開きになった。
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一方、孝一はホテルの屋上で富士山を見つめながらある事を言ったのだ。
「もう時期だ。オロチの卵を封印をする時が来る。」
孝一がそう言うと一瞬だが魔人態に姿が変わる。