神に間違えて殺られた俺達が生き残る為に頑張って歴史を変えるようです?   作:soryu_tayhoone

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何故この世に夜勤があるのか、、





第拾話 一難去ってまた一難(日露の次にもうWW1とか、、え?) いや間隔短くないっすか、、

明治41年(1908年)10月下旬 広島市

 

 

 

オッスオラ霧野だぜ!今日から久々の休みを3日ぐらいもろたで松田と買い物を楽しんでいた所だお!

あ、そこ! 男2人とか哀しwとか言わない!!

 

 

 

霧野「大分寒くなって来たな~。 今日の夜は鱈とお野菜が安かったから鍋にでもするかな~っと」

 

松田「おっいいね~、なら序に味噌もぶち込んで味噌鍋にすっか? んでその後に米ぶっこんで魚と野菜の旨味たっぷりの雑炊にしようぜ。 ぜってぇ美味いって」

 

霧野「おk じゃあそれで... あ!味噌足りるかな... 一応味噌屋寄ってっていい?」

 

松田「おういいぞ」

 

 

アメリカ大西洋艦隊が日本を出港してから数日後のとある日、久しぶりの休日をもらった彼等はのんびりと街をぶらぶらしながら買い物を楽しんでいた。

 

 

 

松田「だがまぁ高橋は残念だったなw」

 

霧野「それなw しっかし何で急に呼ばれたんだ? ほんとは彼奴も今日は非番だったやん?」

 

松田「シラネ。 でもいつもの事だしな」

 

霧野「確かに、んでいっつも厄介事を頼まれて俺らに愚痴るのがもう定石だよな」

 

 

 

 

 

 

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ーーー

 

 

 

 

 

 

霧野「ふぅ、漸く着いたわ、、 途中で駄菓子買いまくるんじゃなかった」

 

松田「全くだぜ、寧ろ本命の味噌より菓子類の方が多いってどういう事やねん」

 

霧野「まぁまぁ松田だって途中からノリノリだったジャマイカ、、ん? 鍵開いてる?てことは高橋帰ったんか?」

 

松田「あ、本当だ。おーい帰ったゾイ☆」ガラガラ~

 

<お、お帰り~、、

 

松田「...何か声死んでね?」

 

霧野「...何があったんだ?」

 

松田「さぁ...。 取り敢えず行くか」

 

霧野「だねぇ...」

 

 

 

襖<ビタン... ビタン...

 

 

 

霧野「ん? 何の音だ?」

 

松田「さ、さぁ? 取り敢えず開けてみるわ、、」

 

襖<スー... スー、パタン...

 

松田「...」フルフル

 

霧野「(ど、どしたん? 顔なんか横に振って)」

 

松田「(いやだって、、じゃあおたくが開けて確かめてくれ)」

 

霧野「(? お、おう、、)」

 

 

襖<スー...

 

 

霧野「...? ...!!? えっ、うわっ、キモ...」

 

高橋「ゼェ...ゼェ...。 ...ん? おうお帰り!!」

 

スー、パタン...

 

 

 

霧野が襖を開けて中の様子を見てみると、高橋が何やら新聞紙らしきもので作ったお手製の小さな祭壇?らしきものに五体投地をしていたのだ。

 

 

 

霧野「...え? え?」

 

松田「だろ?」

 

霧野「え?え?え?」

 

松田「おーい戻ってk...」

 

高橋「ちょっと何閉めてんのさぁ~!」スパァン!!

 

霧野・松田「「うわでたぁ?!」」

 

高橋「アッハッハ!! どうしたんだいそんな化け物か何か見たかのような顔しちゃってさぁ!!」

 

 

 

何故かテンションがバグってる高橋にドン引きしていた二人だったが、何時までも呆けていては埒が明かないので覚悟を決めて聞く事にした。

 

 

 

松田「(くっ...! 覚悟を決めるか...!?)」

 

霧野「(あぁ、頼んだ...!)」

 

松田「た、ただいま、、 それであー、まぁ... 何だ、高橋? どうしたんだ?」

 

高橋「え? 何が?」スン

 

霧野「急転直下にも程があるよぉ... それで? 落ち着いた?今度はどしたん?」

 

高橋「フゥー... うん落ち着いた、えーとね実はかくかくしかじかでね...」

 

霧野「四角いムーブ、と...」

 

 

 

要約すると

 

一、先の日露戦役の影響がすさまじく、戦争の終結直後から各国が大幅に軍拡改革を進めている。

 

二、その為、これに合わせて日本も対応強化政策による装備改良が広く行われる事となった。

 

三、そこで新たに建造する艦艇は、皇室艦のダウングレードを作るのでなく流用を推進し、予備として作られた砲と機関を次世代型に継承する。

 

 

という事になったのだがそれをまぁ何時もの如く丸投げされたという訳だ。

 

 

 

高橋「......って感じで取り敢えず現実逃避する為に一旦お家に帰ってますた。 因みに海軍はあくまでもザックリこんな感じってだけで陸も色々とやるってさ」

 

松田「そいつは何ともまぁ、うん、、」

 

高橋「アー、ドーシヨー、、。 まじで如何してくれようか...」

 

霧野「まぁ、流石に出来る人間が居らなさすぎるね、、 せめて後何人かおればなぁ、、」

 

高橋「あぁ、つーかまだこの時代に居(飛ばされて)ないのって彼奴等だけだろ? あの3人もちゃちゃっと来てくんねぇかな、そしたら楽になるのに。 もしかしてかなり後に来るのか?」

 

松田「だよなぁ、まぁ俺らの中じゃ強制的に陸が決定してるがなw」

 

霧野「ぶはw ...でも皇室艦を流用ねぇ。 硬くて速くて強いとか相手からしたら絶望もいいところやんけ、あとデカい。 俺なら即降伏するね。あ、そう言えばさ?」

 

松田「ん? どしたん?」

 

霧野「いや先の戦争でのロシア兵士の捕虜さ、艦の大きさの割には兵士多くなかった? あの時の海戦で偶々運良く無傷だった戦艦が降伏した時に俺が乗ってた艦が対応したんだけど明らかに1000人以上はいたのよねぇ、、」

 

松田「あぁ、それね。 何、単純な答えだゾ」

 

霧野「え? そうなん?」

 

松田「答えは学が無いから。これに尽きる、ほら史実の日露決戦でもロシア兵の捕虜に勉強を教えてただろ? んー、そうだな... 極端な言い方だが、簡単に言うなら向こうは10を教えても1しか出来無い、要は学校に行ってないから何かしたくても知識が無いから単純なことしか出来無い。だから一つの物事に対して割り当てる人が多いからその分人数が多いって訳よ。 んで逆にこっちは一隻に対してそこまで人数がいらないのは学校行って知識があるもんで1を教えたらそこから応用で10まで出来るからね。 後は砲とかの自動化とかもあるかな。 まぁこの辺は太平洋戦争時とかにアメリカ軍の兵士が日本の捕虜は末端でも掛算や暗算が出来てて驚いたってのや、それを聞いたマッカーサーが終戦後に日本の学力を調べてみたら99%もあって驚愕したとかは結構有名な話だし聞いたことあるだろ?」

 

高橋「後さぁ、艦の造りも向こうは文字通り弱かったんですが...。 鹵獲した向こうの駆逐艦やら戦艦やらみて涙が出まくったわ。 向こう戦艦ですら小さいし中スッカスカだし機関もゴミだったもん。 それこそ一旦バラして資材にしてそれで新しいの新造した方がいいくらい艦艇の性能がやばかったですわ...」

 

霧野「いや言い方ってもんがあるでしょうに、、」

 

 

 

二人の言い方は(と言うか主に松田ではあるが)かなりキツイ物言いではあるが実際に当時の主な欧州各国の識字率は

 

帝政ロシア:0.0001%

オランダ:5%

ヴェネツィア共和国:83%

アメリカ:3%

イギリス:4%

フランス:0.6%

イタリア:6.7%

 

といった感じであった。

 

この中でもフランスや、特にロシアの低い理由としては

 

まずフランスの場合は、中世の貴族の代わりに富豪貴族が独占してるのと、自国の発展を自分達でなく、アフリカやアジアから連れて来た奴隷を労働力として使っていたので彼等フランス人自身が働かなくても、また学校等で勉強しなくても裕福な暮らしをして食べていけたからだ。その為後に起こるww2でそのツケを大いに払う事となる。

 

そしてロシアの場合は、膨大な数の国民に対して余りにも学校が少なすぎるのと、ロシア全体の人数に対しての貴族の数が一割以下なので此処まで低いのだ。

 

因みにヴェネツィア共和国だけ突出して高い理由は、商人が集まって出来た国だからである。彼等は商人なので当然計算などが出来なければそもそもとして商売が成り立たない。なので必然的に識字率や学力は高いのである。

 

序にだが高橋が言っていた「艦艇の性能が低い」理由は至極単純で、欧米の場合は時間と費用を気にして造るからである。そこへ上記の学力等の低さも相まってただでさえ低い艦のパフォーマンスが更に低下すると言う事になってしまうのである。

 

因みに船体が小さい理由は、当時のスエズ運河等の幅が狭かったからである。というものスエズ運河建設計画自体は1690年代からだが、当時の世界の覇権はポルトガルであり、その頃は商用船が主体、詰まり商用船が軍艦も兼ねており、幅が狭く小回りが利くポルトガルのガレー船が最強最速であったのだ。その為覇者であるポルトガルが介入した事によって運河幅が狭く(大型船だと反転反撃が出来無い)なったのだ。然し近代化に伴って船体が少しずつ大型化していった時にとある問題が起こってしまったのである。それは幅を拡張したくてもスエズ運河が大人気過ぎて休む暇が無くなってしまったのだ。通常、幅を拡張するには往来を止めて水を抜くのだが、交通量が余りにも多過ぎて通行止めが不可能になってしまったのだ。その為欧米艦は戦艦ですら小さくせざるを得なかったのである。

 

 

詰まり

 

・コストが安く時間が少ない=その分一隻に対する資材が少ないがその分速く、かつ大量に就役出来る(ただし時間も少ないので急ぐ分溶接若しくはリベット打ちが甘く脆い)=単純構造で武装や装甲が少なくなる(当然機関も軽く出力の弱いものなので速度も出ないし単純構造で中もスカスカ)=結果として艦の性能が弱くなる。

 

・学力が無い=兵士練度低い(単純な事や一つのことしか出来ないので必然的に総員数が増える)=余分に食料などが増える=燃料弾薬等の積載量が足りない(その分の積載出来る筈だった弾薬が減るという事は、砲弾を飛ばす為の装薬が少ないので必然的に主砲の射程も減ってしまうし、大量の兵士とそれを支える為の食糧の大量積載・搭乗でただでさえ少ない燃料の消費が激しくなる)=航海期間が足りない(継戦能力の大幅低下)=故にあちこちに補給地(植民地)が必須。

 

となるのだ。

 

 

なおこれが日本の場合だと先ずは最大マイナスリスクを想定してから造るのでかなり頑丈なのである。

 

即ち想定は最大限の攻防であり上限は無い、何故なら相手は大量生産国であり物量に対抗するには如何すればいいか? それは限られた手段で手数を増やす事、質は二の次、我が国は人口も少ないので人的被害を最小限に、故に必然的に大型化・自動化は必須。そして自動化したという事は、その分人数が減り食糧も少なく済むので、その代わりに燃料弾薬を多く積載出来るので短期間で直ぐに補給しなくても良いので長期航海が可能に、また大型化する事で重装甲化及び武装の大量搭載、並びに艦内の緻密なまでの徹底した大量区画化によって浸水・火災等の二次被害の拡大化を大幅に低減させる事で他国に比べて継戦能力が大幅に上がるのだ。

 

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

 

 

 

霧野「ま、まぁ理由は分かったけどさぁ... その、頑張って?」

 

高橋「うわぁぁぁん! こうなったらお前等もMI☆TI☆ZU☆RE☆DA!」

 

霧野「ゑ?」

 

松田「...ん? お前『等』?」

 

高橋「アハハァ⤴! どうせ後3日ぐらいは貰ってるんだろォ? ボク知ってるんダァ! さぁ!一緒にぃ!頑張ろっ(逝こう)かぁ!!」

 

霧野・松田「「うわぁぁ!!?」」

 

松田「に、逃げるぞ!」

 

霧野「ひぃぃ??!」

 

 

だがざんねん! まわりこまれてしまった!!

 

 

高橋「うふふ♡ もう逃げられないゾ♡」

 

二人「「ヤメロー! ヤメルンダー! シニタクナーイ!」」

 

 

 

 

 

 

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ーーーーー

 

 

 

 

 

 

ーー2日後

 

 

高橋「......いやー、大分助かったヨォ! アリガトネー!」

 

二人「「」」チーン

 

松田「(...い、生きてるか?)」

 

霧野「(...何とかね。所で何で彼奴まだピンピンしてるの...?)」

 

高橋「さて、取り敢えずは次期新型艦と艦載機の図面を起こすのと、、 後は序にこの時代の基盤技術でのミサイルがどこまでいけるか試したいしそれを搭載したテスト艦でも造るかね」

 

松田「ふぃー、、 何とか復活...と。 じゃあどうせなら潜水艦か駆逐艦に搭載したら? それならぱっと見気付かれんでしょ、てかもういっその事伊400型でも今の内に造ったら? まだ空母は時期尚早だし航空機もまだそこまで公には出来んだろうしね」

 

霧野「...ん? それだと何か紺○になりそうじゃね? つーかいくら何でもミサイルだと駆逐や潜水艦とか無理くね? だったらまだロケットに誘導装置でもつければ? これなら魚雷の誘導装置の応用でいけるっしょ?」

 

高橋「よっしそれで行こう!! フゥー↑アッハハー! じゃあちょっくら職場に行ってくるネー!!」

 

霧野「あぁ、うん? 行ってら、、 え?今から?」

 

<ガラガラ~ ヒャッハー!

 

霧野「えぇ、、? もう訳分からん...」

 

松田「あーあ、貴重な休みがもう明日で終わりっすか...。 ちくせう、、もう今日は寝るぞ!」

 

霧野「あ、不貞寝した、、 まぁ俺も一度寝るか、、流石に疲れたわ、、」

 

結局この2日間散々に振り回した挙句、嵐のように去っていった高橋に愚痴を言いながら二人はその後泥の様に眠ったのであった。

 

だが二人は知らない。この時の話し合いの後に完成したテスト艦が、二度目の世界大戦が勃発した際に大いに活躍し、その結果としてとある国からは「恐怖の夜再来」や「我が国の悪夢」と呼ばれ、未来でもその名を受け継いだ艦が出た瞬間に「チョットその名前だけは勘弁して下さい」と言われる程のトラウマ艦となる事を。

 

 

 

 

そして時は流れ......

 

 

 

 

 

 

 

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ーーー

 

 

 

 

 

 

 

元号を明治から大正へと改めてから3年が経った大正3年(1914年)

 

 

 

ーーヨーロッパ某所

 

 

?『да? То је... ја имам среће』

 〔ん? あれは... こりゃ運が良いな〕

 

タッタッタ、、!

 

?『Умрети!! Инвадерс!!』

 〔くたばれぇ!! 侵略者共がぁ!!〕

 

 

タァンッ!!

        タァンッ!!

 

 

?『Gua!?』 ...ドサッ

 〔ぐぁっ!?〕

 

護衛兵『Koronás herceg?! Koronás herceg!!』

   〔で、殿下?! 殿下!!〕

 

 

 

日本から遠く離れた欧州のとある場所でその事件は起きた。

 

1914年6月28日、オーストリア=ハンガリー帝国の帝位継承者であるフランツ・フェルディナント大公とその妻であるゾフィー・ホテク公爵夫人が、当時の帝国領であったサラエヴォへ訪問し、その視察途中にテロリストの襲撃を受けて暗殺されるという衝撃的な大事件が起こってしまったのである。

 

後にサラエボ事件と呼ばれるこの事件であるが、その背景は各国各方面の思惑が交差したかなり複雑怪奇なものであったが、端的に言えば宗教が絡んだ所謂宗教戦争であったといえば分かり易いだろう。

 

 

 

 

 

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~~~~~~~

 

 

『宗教戦争』というもの自体は何世紀も前から幾度もあった事ではあるが、上記の出来事の発端となった大まかな原因としては、時は遡る事1853年のクリミア半島にて起こった、これもある意味宗教戦争であったと言えるとある戦争だろうか。

 

この地にてオスマン帝国(とフランス、イギリスを中心とした同盟軍)と、ロシアが戦った数ある露土戦争のうちの一つであるクリミア戦争が勃発、その戦争はその後もドナウ川周辺やカムチャツカ半島にまで及び、近代史上稀にみる大規模な戦争にまで発展したのだが、そもそもとしてロシアとオスマン帝国の直接の対立の発端となったのは、オスマン帝国が支配していたエルサレムをめぐる聖地管理問題であった。

 

と言うのもこの頃は、フランスのナポレオン3世が個人的な名声を得る為に国内のカトリック教徒のご機嫌取りに邁進し、その甲斐あって聖地管理権を獲得すると、これに対して同じキリスト教でも正教会を国教とするロシア皇帝のニコライ1世がかなり反発したのである。その後ロシアは正教会の教徒保護を口実にしてオスマン帝国全土に政治干渉したのだ。

 

そしてこの戦争に敗北したロシアでは後進性が露呈した事で抜本的な内政改革を余儀なくされてしまい、更には開戦前に両国関係を改善しようとしていたオーストリアも、外交に於いてその手腕を発揮できなかったとして急速に国際的地位を失ったり、また英仏の両艦隊によるバルト海侵攻にまで至ったりしたのであった。そしてこの戦争によってイギリスとフランスの国際的な発言力が強まり、その影響は遥か遠くの彼等が植民地支配をしていたアジア地域にまで波及したのであった。こうしてクリミア戦争は各方面に影響を及ぼし、特にヨーロッパ社会に比較的長期の安定をもたらしたウィーン体制が各国の利害関係の複雑化などから揺らぎ始め、そしてバルカン半島の一部や紅海の一部等の広大な領地に異なる文化や宗教を唱える民族を多数抱えるオスマン帝国のような多民族国家では、被支配民族を中心に各民族が其々の国民・国家の概念を持つようになり、其々に自治権の強化や独立を求めるようになっていった所謂ナショナリズムが台頭するようになったのである。

 

そのオスマン帝国の領土の中でもボスニアやヘルツェゴヴィナ等は、民族的にはスラヴ系であっても宗教的な支配層はムスリムであり、そして被支配層はキリスト教徒が多数であると同時に工業化がほとんど進んでおらず、また人口の大多数が封建領主に搾取される貧しい農民ばかりだったので、度々セルビアやモンテネグロ等の反オスマン運動の宣伝に使われていたのだ。

 

であるのでオスマン帝国は、近代化よりもまずはこの地方の安定化を優先させる為にキリスト教徒の被支配層にある程度の平等を宣言して税制の公正化を図る等の問題解決に奔走していたのであった。だがこの地域は何度も革命運動が起こっており、特に1848年からの一連の革命を機に起こした運動が失敗すると、ただでさえ農奴状態であった農民がさらに悲惨な状況に追い込まれる、という事を危惧したオスマン帝国は、不安定ではあるが再び支配権が確立された後にこの地域への農業改革を求める事としたのである。

 

...のだがこれに対して支配層であったムスリム貴族たちは大反対をしたので、オスマン帝国は1850年に軍を派遣して反対派をサラエボから追い出した事で一時的に秩序の回復に成功したのだが、これだけでは蜂起した農民の武装解除には至らず、その後も宗教の違い等々による溝は増々増えていくばかりであり、最早彼方此方に火種しか無くそれは近い内に爆発しそうになるのでは、と言われる程の余りにも不安定過ぎる状況であった。

 

だがそこから少し時が経った1873年、先のクリミア戦中に只管工業化に邁進し、ヨーロッパ社会に影響力を持つようになったドイツ帝国(又はプロイセン王国)の宰相であったオットー・フォン・ビスマルクは、ドイツとフランスとの間に起こった普仏戦争に勝利すると、敗れたフランスの対独復讐を封じるために、列強と複雑な同盟関係を築き上げてフランスを孤立化させる外交政策を取る事を決定したのだ。そしてこれによってドイツ帝国はオーストリア=ハンガリー帝国、そしてロシア帝国との3国で同盟を結ぶ事に成功したのである。然し同盟締結から4年後の1877年、ロシアがブルガリア、ルーマニア、セルビア、モンテネグロの4国を率いて東方正教会キリスト教徒連合を結成、再びオスマン帝国との間に戦争が勃発してしまったのである。

 

そして今回の戦争ではロシア主導のキリスト教連合軍が勝利し、オスマン帝国をコンスタンティノープルまで押し戻した結果、西ヨーロッパの国々が介入出来る様になったのだ。その為ロシアはオスマン帝国の領土であったコーカサス州が自国領であると主張し、更に序とばかりにブジャク地方も併合したのだ。そこへ追い打ちを掛ける様にルーマニア、セルビア等々の国々は、今回の戦争を機にオスマン帝国からの支配を脱却、独立を正式に宣言し、この頃からオスマン帝国は徐々に衰退していった結果、その後はオーストリア=ハンガリー帝国がその地域を支配下に置いた事でそれまで不安定ながらも何とか燻る程度で済んでいた宗教的な物を含んだ諸問題が爆発を起こすのも遂に秒読み段階にまでなってしまったのだ。

 

 

~~~~~~~

 

~~

 

 

 

 

とまぁ、背景をザックリ言えばイスラム教とキリスト教とがお互いにそれはもう宗教の違いによる恨みつらみを募らせたり、睨みを利かせたといったものであった為に起こるべくして起きてしまった事件であったのだ。そして今回の暗殺事件後にオーストリア=ハンガリー帝国は速やかにセルビア王国に対して戦争も辞さない旨を含んだ最後通牒を発したのである。これを知った各国の政府及び君主は、このままでは開戦してしまうと危機感を募らせ何とか尽力していたが、互いの戦争計画の連鎖的発動を止めるのは最早無理難題であり、欧州各国間に長年に渡って複雑に絡みあって構築した同盟網が一斉に発動した結果、各国が互いに宣戦布告、兵の動員を行った為、史実より10日程遅れてはいたものの1914年8月9日、遂にヨーロッパ中を巻き込んだ大規模な戦争にまで発展してしまい、後に『第一次世界大戦』と呼ばれる大戦争が始まってしまったのである。

 

そしてその影響は遥か遠くの日本をも巻き込んでいく事となる。。。

 

 

 

 

 

 

 

ーー大正3年(1914年)8月12日 東京

 

 

 

「号外! 号外~!!」

 

「欧州で大規模な戦争が始まったぁ!」

 

 

 

~~~~

 

 

~~

 

 

 

ーー8月27日

 

 

 

街頭ラジオ< 臨時ニュースを申し上げます。 臨時ニュースを申し上げます。 大本営より、重大な発表が正午よりあります。 繰り返します。 大本営より、重大な発表が正午よりあります。 各家庭のラヂオはこのまま電源を切らないで下さい......

 

 

 

 

 ザワザワ

 

何だ何だ?

   分からんが欧州の戦争の事じゃない?>  ザワザワ

 <もしかしてこの国も参加するとか?

   そんな馬鹿な、、ロシヤとの戦争からそんなに経ってないんだよ?

 

       ザワザワ

 

 

欧州で始まった戦争はここ日本でも衝撃的なニュースとして瞬く間に取り上げられ、もしかしてこの国も巻き込まれるのではと人々は不安に駆られていた

 

 

 

 

 

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ーーー

 

 

 

 

 

――広島

 

 

 

 

松田「『欧州ニテ勃発セリ大戦争ニ対シ今日正午ヨリ大本営カラ発表アリ』 ねぇ... ん、これについては正午に発表するのか」カサ

 

霧野「あれ? 松田も知らないの?」

 

松田「いや幾ら俺でも上の事はそんなに分からんゾ」

 

高橋「やっべそんなのすっかり忘れてたわ。 つーかサラエボ事件が起こった時点であ(察し)ってなったからな~。 そっから準備したってたかが数日程度で間に合う訳がねぇ」

 

松田「ま、だからこそ今すんごい急ピッチで準備してるですけどね。 お陰で俺等も忙しいったらありゃしねぇ、今日だってやばかったけど情報整理の為に何とか理由付けて皆の休みを同日に捩じ込んだからな」

 

霧野「なるほど、、これが俺たち転生者特有のガバ知識によるやらかしって奴ですか」 

 

松田「いや、と言うかどの道避けては通れん出来事何だよなぁ。 クソッ 国内ばかりに目を向けるんじゃなかったぜ... はぁ、やっぱり霧野の言った通りやらかしたのかもな」

 

霧野「あー、いや、そんな事は... お、もうそろそろ正午だしラジオ点けてみる?」

 

高橋「そうだな、いいぞい」

 

霧野「おk」アポチットナー

 

()

 

ラジオ< ~♪(君が代が流れる) ......只今正午になりました。正午より大本営から発表があります。

 

    『 ...帝國政府より獨逸國政府に對して最後通牒を発したものの解決には終に至らず、、

                        

 

                    ・

                    ・

                    ・

                    ・

                    ・

 

 

     ......詔書

 

     天佑(テンユウ)保有(ホユウ)萬世一系(バンセイイッケイ)皇祚(コウソ)()メル大日本國皇帝(ダイ二ホンコクコウテイ)忠實勇武(チュウジツユウブ)ナル汝有衆(ナンジユウシュウ)(シメ)

 

朕茲(チンココ)獨逸國(ドイツコク)(タイ)シテ(タタカイ)(セン)

 

(チン)陸海軍(リクカイグン)(ヨロシ)(チカラ)(キワ)メテ戰鬪(セントウ)(コト)(シタガ)フヘク

 

(チン)百僚有司(ヒャクリョウユウジ)(ヨロシ)職務(ショクム)率循(リツジュン)シテ軍國(グンコク)目的(モクテキ)(タッ)スルニ(ツト)ムヘシ(オオヨ)國際條規(コクサイジョウキ)範圍(ハンイ)(オイ)一切(イッサイ)手段(シュダン)(ツク)(カナラ)遺算(イサン)ナカラムコトヲ()セヨ

 

(チン)(フカ)現時歐洲戰亂(ゲンジオウシュウセンラン)殃禍(オウカ)(ウレ)ヒ (モッパ)局外中立(キョクガイチュウリツ)恪守(カクシュ)(モッ)東洋(トウヨウ)平和(ヘイワ)保持(ホジ)スルヲ(ネン)トセリ ()(トキ)(カタ)獨逸國(ドイツコク)行動(コウドウ)(ツイ)(チン)同盟國(ドウメイコク)タル大不列顚國(ダイブリテンコク)ヲシテ戰端(センタン)(ヒラ)クノ()ムナキニ(イタ)ラシメ ()租借地(ソシャクチ)タル膠州灣(コウシュウワン)(オイ)テモ亦日夜戰備(マタニチヤセンビ)(オサ)()艦艇荐(カンテイシキリ)東亞(トウア)海洋(カイヨウ)出沒(シュツボツ)シテ帝國及與國(テイコクオヨビコウコク)通商貿易爲(ツウショウボウエキタメ)威壓(イアツ)()極東(キョクトウ)平和(ヘイワ)(マサ)危殆(キタイ)(ヒン)セリ (コレ)(オイ)(チン)政府(セイフ)大不列顚國皇帝陛下(ダイブリテンコクコウテイヘイカ)政府(セイフ)トハ相互隔意(ソウゴカクイ)ナキ協議(キョウギ)()兩國政府(リョウコクセイフ)同盟協約(ドウメイキョウヤク)豫期(ヨキ)セル全般(ゼンパン)利益(リエキ)防護(ボウゴ)スルカ爲必要(タメヒツヨウ)ナル措置(ソチ)()ルニ一致(イッチ)シタリ

 

(チン)()目的(モクテキ)(タッ)セムトスルニ(アタ)尙努(ナオツト)メテ平和(ヘイワ)手段(シュダン)(ツク)サムコトヲ(ホッ)()(チン)政府(セイフ)ヲシテ誠意(セイイ)(モッ)獨逸帝國政府(ドイツテイコクセイフ)勸吿(カンコク)スル(トコロ)アラシメタリ (シカ)レトモ所定(ショテイ)期日(キジツ)(オヨ)フモ(チン)政府(セイフ)(ツイ)()應諾(オウダク)囘牒(ドウチョウ)()ルニ(イタ)ラス

 

朕皇祚(チンコウソ)()(イマ)()クナラス且今尙皇妣(カツイマナオコウヒ)(ソウ)()レリ(タガイ)平和(ヘイワ)眷々(ケンケン)タルヲ(モッ)テシテ()カモ(ツイ)(タタカイ)(セン)スルノ()ムヲ()サルニ(イタ)朕深(チンフカク)(コレ)(カン)トス

 

(チン)汝有衆(ナンジユウシュウ)忠實勇武(チュウジツユウブ)倚賴(イライ)(スミヤカ)平和(ヘイワ)克復(コクフク)(モッ)帝國(テイコク)光榮(コウエイ)宣揚(センヨウ)セムコトヲ()

 

大正三年八月二十七日  ...以上!』 ......次に、、(以下他のニュースが流れる)

 

 

 

霧野「...なるほどわからん」

 

松田「なら何で点けたし」

 

霧野「でもまぁ超ザックリとは分かったわ、要はイギリスと同盟してるからって事でそ?」

 

高橋「と言うか王室同士は仲いいから自然とそうなったんじゃね」

 

松田「さーてこれから忙しくなるぞー」

 

霧野「デスヨネー」

 

 

 

~~~~

 

 

~~

 

 

 

 

 

街頭ラジオ<......朕玆ニ獨逸國ニ對シテ戰ヲ宣ス、、

 

 

 

 

  ザワザワ

 

欧州の戦争にこの国も参加するんかいな、、!?

      露助の次は独逸って所とするって事?

   <だがその独逸の軍が我が国の近場にいるからなぁ、、

 

               ザワザワ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー長崎のとある陸軍基地

 

 

 

 

?「「...へ? ドイツに?」」

 

小隊長「ん? 何か言ったか?」

 

?「「いえ? 何も言っておりませんが、、」」

 

小隊長「? そうか、、空耳だったのか? すまんかったな。 あぁそうそう、先の訓示で知ってるだろうがこの国は既に戦時下になった。 恐らく地理的に我等が先に充てられるだろうから今の内にしっかと英気を養っておけよ? じゃ、もういいぞ」

 

?「「はっ!! 失礼します!」」

 

 

 

 「「......」」

 

 「「うそでしょ、、」」

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