風邪をひいてしまったシンジくん。
ミサトはそんな彼のために看病をするのだった。
日頃はシンジの世話になっている彼女にシンジの看病はできるのか?


私の作品である「ミサトさんを好きになってしまったシンジ君のお話」と世界間を共有しております。https://syosetu.org/novel/255916/

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風邪を引いたシンジをミサトが看病する話

 葛城ミサトは目を覚ました。

 使徒もいなくなった世界、彼女のほとんどの仕事は経理。

 そして、シンジは災害派遣でエヴァに乗ることがほとんどだった。

 

「やだ、もう9時じゃない」

 

 あーまずいまずい。

 今度遅刻したら冬月のおっさんに大目玉食らうんだった。

 ミサトは慌ててパジャマを脱ぎ、着替えをした。

 そして、いつものようにテーブルで朝食を手にしようとした。

 

 その矢先だった。

 彼女には見えた。

 シンジが横たわっている姿を。

 

 

「シンジくん!?」

 

 

 ミサトは駆け寄った。

 その表情は赤い。

 彼女はかけよると、自身の膝の上でシンジの頭を寝かせた。

 

 

「あ……」

「どうしたの」

「あの……風邪ひいちゃった……」

 

 ミサトはシンジのおでこに自身のおでこをくっつけた。

 熱い。

 相当熱い。

 

「こりゃ重症だわ」

「み、ミサトさんごめんなさい朝ごはんつくりそこねて‥」

「いーの、そんなことは心配しなくていいわ」

 

 ミサトはシンジを御姫様抱っこの形で持ち上げた。

 

 

「あっ……」

 

 

 シンジの顔は風邪とは別の意味で赤く紅潮していった。

 流石ミサトさん、軍人だけある。

 僕の体なんて軽々持ち上げられるんだ。

 

 

「シンジくん!? しっかりしなさい!!」

「あの、僕歩けますよ……」

「いいから今日は甘えなさい! 私に!」

 

 ミサトは彼を持ち上げる運ぶと、ベッドに横たえらせた。

 そして、すぐさまシンジの学校に連絡した。

 次に、リツコに電話をかけた。

 

「リツコ、シンジくんが風邪ひいて高熱を出してるの。悪いけど今回は私休ませてもらうわ」

「まあ、それはお気の毒……でもあなたに彼の看病できるの?」

「それぐらいはできるわよ」

「せいぜい、あなたまでうつらないようにね」

「はいはい」

 

 ミサトはふと、シンジをみつめた。

 頭に汗をかき、苦しそうに身を震わせている。

 そんなシンジをみて、ミサトは胸が締め付けられる想いと溢れるばかりの愛情に身が震えた。

 

「シンジ君……」

「ごめんなさい、ミサトさん……あなたにかかったら嫌だから僕のそばから離れて」

「シンジ君からもらう風邪はご褒美みたいなものよ」

 

 ご、ご褒美!? 

 シンジは思わず顔を赤くした。

 ミサトも自分の言った言葉に気が付くとシンジ以上に顔を赤くした。

 

 何言ってんだ自分。

 ご褒美って何よ。

 

「と、とりあえず! あなたは寝ていなさい! いいわね!」

「み、ミサトさん……」

 

 

 ミサトはシンジにそう言うと、マンションを出た。

 そして、足早に近所にある大型薬局とスーパーを回っていった。

 買ったものは『冷えシート』『レトルトおかゆ』『解熱剤』『きのこ』といったものだった。

 リツコは大きな勘違いをしている、大学時代に加持と付き合っていたことにミサトは何度も風邪で寝込んだ彼を治療したことがある。

 それにおかゆ程度なら戦場にいたときなんどか作ったことがある。

 できないわけではない。

 

 マンションに帰ってきたミサトはさっそく調理台にたった。

 全てはシンジのため……。

 

「料理はなれないけど、やってみせるわ」

 

 

 彼女はさっそく包丁を持ち、キノコを切っていった。

 その斬り方は非常に粗かったが…。

 やがて、鍋の中で茹で始めた。

 そして、レトルトで炊いたおかゆを茹でその中に入れた。

 

 

「これでよし」

 

 

 ミサトはすぐさまシンジにおかゆをもっていった。

 

 

「シンちゃん、起きれる?」

「うん……」

「おかゆ、作ったから。食べる?」

「うん……」

 

 シンジはいつもの皮肉はほとんどない。

 まるで素直になっている。

 思わず抱きしめてやりたい気分になったが、ミサトは我慢した。

 

 シンジはベッドから起き上がった。

 

「はい、あーん……」

 

 ミサトはそういった。

 すると、シンジは口を開けた。

 だがふと我を取り戻すと顔を赤くして静かに言った。

 

「……自分で食べれます」

 

 シンジは起き上がると恥ずかしそうにミサトの手から御粥の入った器を取った。

 そして、口に入れた。

 ミサトは少し怖かった。

 自分の料理はヘタだ。

 だからシンジ君に頼っている。

 

 彼の色眼鏡にあうだろうか。

 だが、彼の反応は彼女の予想をはるかに超えていた。

 

「……美味しい」

 

 シンジはふとそれだけ言った。

 

「え!?」

「キノコの苦みがちょうどいいです」

「……シンジくん」

 

 シンジがミサトを褒めた。

 なぜだろうか、14歳年下の少年に褒められてうれしがっている自分がいる。

 

「ミサトさんもちゃんと料理できるんだなって……」

「あのねえ……ちょっとは……」

「でも、ありがとう、ミサトさん」

 

 

 シンジは静かに言った。

 ミサトはほくそ笑み、静かに言った。

 

 

「また風邪ひいたら作ってあげる」

「だったら永遠にひいていようかな」

「あのねえ……」

 

 

 シンジはミサトの困惑する表情を観て笑顔になった。

 ずっとミサトさんに甘えれたらいいのに……。

 シンジはこっそりそんなことを想うのであった。

 

 

 

 しかし、その翌日。

 今度はミサトが倒れる事となった。

 シンジの風邪がうつってしまったからだ。

 ミサトのいないネルフ本部ではリツコの皮肉が炸裂していた。

 

 

「だから言ってたじゃない」

 

 

 

 しかし、シンジの献身的な看病でミサトはすぐによくなったのであった。

 

 


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