提督の野望   作:艦これ放置勢

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あんまシリアスな展開書ける気がしねぇなぁ


2話 やはり俺の鎮守府再建は間違っている

「うーん、これは酷い」

 

辺りは阿鼻叫喚の渦に包まれた。

正直艦娘の名前はあまり覚えられていないから誰が叫んでいるのかは分からない。唯一分かるのは、ここにいる全員が心に大きな傷を負っていること。

士官学校で勉強中、艦娘に触れる前に卒業させられたからなぁ。厄介払いもあったが、戦争が激化しちまって士官不足だった海軍は候補生を繰り上げ卒業させた。いやちゃんと履修させろよ。ドクトリンとか設計とかは覚えたが。

大艦巨砲主義はやっぱ時代遅れな気もするが、空母は費用が重いからな。

 

いや、そんなことはどうでも良い。

トラウマスイッチの入った艦娘たちを落ち着けないと話も出来ん。

 

「すまないが静かにしてはくれないかな?」

 

『…!』

 

身体に染み付いてしまったのか、こんなにも命令を聞くなんてな…。

 

「…それじゃあ話を進めよう。俺の命令は絶対…とは言わない。俺は途中で卒業となったが学校では勉学と後は趣味でやってた開発以外はなにも学んでこなかった。言ってしまえば実戦経験はゼロに等しい。実戦経験ならばまだ諸君の方が高いだろう。だからこそ俺は1人で判断をするつもりはない。それが最善手であるならば命令を違反する事を厭わない」

 

「諸君らと技術を高め合い、共に勝利を刻む事を目標に精進する。よろしく頼む」

 

怯えた感情は少なくなったが、やはり嫌悪感は拭いきれて居ないようだ。天龍と曙、あとはロングヘアーでセーラー服の子が特に顕著だった。

 

「まだこの鎮守府についての情報が薄いから、指示がまだ出せそうに無い事、申し訳ない。情報をまとめ次第逐一で指示を出す。挨拶だけで申し訳ないが、今はここで解散する。集まってくれてありがとう」

 

正直視線が辛い。悪感情と分かりきった上でずっと浴びようだなんて正直思えない。でもそれ以上にこの鎮守府について知らないことが多すぎる。資材状況も官舎についてもまだ把握しきれていない。やることが多すぎる…。

 

「すまない大淀。引き続き案内を頼んでも良いか?」

 

「わ、分かりました。次はどこに行きますか?」

 

「官舎の方にお邪魔しても良いか?庁舎がこれだからな…」

 

「し、承知しました」

 

庁舎があんな惨状ならば、官舎も同じなのだろうか…。あんまり想像したくないがな。工廠も食堂も不衛生なのは精神衛生上でも好ましくない。

 

「こ、こちらです…」

 

「…おいおい嘘だろ」

 

そこに広がっていたのは錆びたトタン板の平屋だった。

 

「…水道は繋がってるのか?」

 

「共用の上下水道が備わっています。そんなに驚くことですか?」

 

流石にそれはあるか…なきゃ不衛生に拍手をかけるところだったからな。

 

「この平屋は元々なのか?」

 

「…いいえ。元々は庁舎と同じ木造で、水道も各部屋にありましたよ」

 

「…やはり老朽化か?」

 

「お察しの通りです」

 

趣味とかなら別だが、老朽化による建て替えは国から金が下り、同じものもしくは新しい物で建て替えて貰える。もちろん自分でも造れるが…。

 

「この平屋はいつ誰が造った…?」

 

「…前提督の友人と名乗る人です」

 

なるほど…息のかかった人間ということか。

 

「こんな激戦の最中、軍人というのはここまで腐っているのか…粛清、もできないほど人手不足なんだろうな…」

 

しようと思えば出来るだろう。反感は間違いなく買うが、それさえも適当にでっち上げて粛清なんざあのジジイは容易くできる。

 

ただ将校の大粛清を行い後に苦労したのは国もある以上、下手に手出しも出来ないのだろう。

 

ここで立ち止まる訳にはいかないか。

 

「…次に行こう。工廠はどうなってる?」

 

「工廠、ですか…ええ。行きましょう」

 

「…随分と暗い表情だな。先程よりも酷いぞ」

 

「…なんでも、無いんです…」

 

それは明らかな嘘だった。多分顔を舐めれば「この味は!…ウソをついている『味』だぜ…」となるだろう。セクハラで今度こそ捕まるか死刑やな。テロで流罪になった俺が言うんだ(前科持ち)

 

「何を抱えているか知らないが、兎に角情報が欲しいんだ。悪いがここは我慢してもらいたい」

 

「……」

 

無言

 

ただ、歩き出した以上それを止める訳にはいかない。

 

その先で鬱展開が待っていようと、俺は止まらねぇからよ…。

 

 

 

工廠についたが、建物は蔦が張り巡らせているが、腐敗していると言うよりは、放置されているような印象だった。

 

「失礼する」

 

工廠の中に入ると先程は見なかった艦娘が1人、ただぼーっとしているだけに過ぎなかった。

 

「提督…さん?」

 

中は随分と綺麗だった。開発の積極的な工廠とかならば辺りに鉄くずやらが散らばっていたり、煤汚れが着いているはずなのに、酷く綺麗だった。それこそ、何も活動していないくらいは。

 

「ここは…工廠で間違いないのか?」

 

「…ええ。ここは工廠ですよ」

 

無気力な顔をしている。やる気が無いと言い換えれば良いだろうか。

 

「君の名前は?」

 

「…工作艦明石です。それすらも知らないんですか…?」

 

「艦娘の名前までは履修できて無いんだ。気を悪くしたなら謝罪する」

 

「別にいいですよ…私は影が薄いですし」

 

どうやら俺は知らぬ間に地雷原に足を踏み入れていたようだ。

 

明石から目を逸らすと、錆びた工具が散乱していた…うわぁ…マジか。

 

「なあ…」

 

「…何ですか?」

 

「最後に仕事したの…何時だ?」

 

「いつでしたっけね…開発が上手くいかないと前の提督が私を罵ったのを最後に仕事なくなりましたね…あれでも本土で提督やってた人なんですかね…随分とラリってましたけど」

 

『………』

 

「…それは2つ前の提督ですよ…」

 

「あれ、そうなんだ。その次の提督見てないや」

 

思ったよりも深刻だったか…。そりゃあそうなるわな…。

 

「…工廠には、専門の妖精が居るはずだが…」

 

「…さあ。気付いたら居なくなってましたね」

 

『………』

 

く、空気が重い。重すぎる…。

マジかよ…新米でも工廠は重要な拠点だろ…。だから艦娘が少ないのか…?いや、それだけじゃないだろう。

 

「…幸い妖精は連れてきてる。また仕事が出来たら指示を出す」

 

「一体何年したら仕事来るんですかね…あー、働きたくないな…」

 

「…んんっ。それじゃあ、他を見るか…食堂はどうなってる」

 

「…食堂でしたら…」

 

―――

 

「ここが…食堂?」

 

ネズミってこんな南国でも生きてるんだなぁ…ハハッ!

 

いやいやいやいやいやいや、どう考えても青空レス○ランンンン!?

 

「随分と喰われてるな…」

 

「真っ先にシロアリの餌になりましたから…」

 

壁は穴だらけ、天井は果たして存在していたのだろうか。キッチンは錆び付いて、こちらはカビだけではなくネズミや虫の巣窟になっている。

 

「食堂…と言えば給糧艦の2人が居るはずだが…」

 

「…こんな惨状になってしまい引き篭ってしまいました…」

 

えぇ(困惑)

 

「ここの食糧事情は…」

 

「軍支給のレーションと冷や飯です」

 

そんなんじゃ士気ダダ下がりだよ…何考えてるのか。さっき明石が提督ラリってるとか言ってたな…マジでラリってる…。

 

「提督もそんな飯を…」

 

「あの人たちは美味しそうな物を見せつけるように食べてましたね…」

 

うわ、それすげぇ腹立つわ…。

さあて、そろそろ実行に移そうかねぇ…。

 

キレちまったぜ…。

 

「ふむふむ…なあ、今更だが、この書類に書いてある事に間違いは無いか?」

 

「えっ?……はい。間違いないです」

 

「そうか……妖精さん」

 

ヨンダ?

 

「…例のアレ、持ってきてくんない?」

 

マタヤルノデスカ?

 

グンポウカイギグンポウカイギ!!

 

「…で、設置の状況は?」

 

バッチシ!!

 

ドカントイクヨ!!

 

テントモツクッタヨ!!

 

「…よくやった。この氷菓子をやろう」

 

\ヤッタァ!!/

 

…やっぱ妖精さんは可愛いわ。

 

「あの…提督、一体何を…」

 

「解散してもらって早速なのだが、再度みんな招集してくんない?」

 

「は、はぁ…」

 

こうなりゃやるっきゃねぇ…!!

 

モッテキタヨ!

 

「ありがとう妖精さん。じゃあいっちょ準備するか」

 

「…キャノン砲?ですか…。でもそのサイズだと」

 

「20.3cm砲。これは野戦砲と同じく単装砲にしているが、これの連装砲だと主に重巡洋艦に装備している中型のあれだ。だが、それとは訳が違うぞこれは」

 

おっと、画面の向こうに居る奴らは想像ついたようだな…。

 

そうだね!超電磁砲だね!

 

「ったく。提督サマは一体今度はなんの用だ…ってテメェそれ使って何をするつもりだよ…!」

 

「確か、天龍だっけか。そうだな…皆に1つ問う」

 

「…」

 

「この中に、今まで提督あるいはそいつらの息がかかった奴らに『怨み』を抱えている奴は居ねぇか?」

 

「…!」

 

「おっと、手を挙げなくて良い…。その表情を見れば全て分かるさ…」

 

「…」

 

「過去の清算ってよ、必要だよな…」

 

「過去の…」

 

「清算って…具体的に何を…」

 

俺はボロボロに朽ちている庁舎に指さす。

 

「あの庁舎、執務室と提督の自室だけ無駄に豪華なんだよな…おかしいよな」

 

軍人は質実剛健であるべきだ。だらしない腹した中年の将校共は自身の生活態度を悔い改めて。

 

「どう見てもおかしい…こんな内地の木材を湿度と気温が高い地域で、ろくな手入れもしなかったらカビは生えるし腐っちまうし、暑い日差しが照りつける地域でトタン板だけの家なんて自殺行為だ」

 

ケチり続け、自分の私腹を肥やし自分だけ贅沢など言語道断。大淀に確認とったのはここの活動実績。出撃回数、船渠の稼働状況が纏められた引継書だ。ジジイに渡されたのをここに来てから思い出した。工廠の活動実績が載ってないのは、まあ、つまり、そういう事だろう。

 

因みにこの中に所属している艦娘が乗ってた。見てなかった…が、正直写真と違いかなりやつれていて、中には別人のような雰囲気の奴もいた。明石とか。

 

「稼働されず朽ち果てていく工廠、もはや本来の力を発揮できない船渠。無謀な作戦、沈んでいく仲間…」

 

ここにいる艦娘の練度は軒並み低い。それもそうだ。練度の高い奴らは、無能共の評価を上げるため、無理な出撃をして全員沈んでいるのだから。

 

「仲間を沈めた奴が、この建物で、自分の私腹を肥やしていた。自分の評価の為に、お前らを駒にしてな。悔しいだろ?」

 

「…悔しいに決まってるだろ!!分かったよう口聞きやがって!テメェも俺たちを駒に使う気か!?」

 

「駒としての価値もねぇよ。今のお前らじゃ」

 

「なんだと…!?」

 

「私たちを侮辱するつもり…?」

 

「実戦経験も少なく、碌な装備も整えられていないお前らを客観的に見た事による判断だ」

 

「くっ…!」

 

「悔しいだろ。憎いだろ。提督が、人間が」

 

「だからよ…ぶつけるんだよ…これでよ。怒りを込めて、ぶっぱなせ!この建物ごとよ!!」

 

「は、はぁ!?何言ってるの!?馬鹿なの!?アホなの!?」

 

「おっと、威力は折り紙付きだ。舞鶴士官学校の校舎に大穴開けて修理4ヶ月にさせたのはこいつだ」

 

「まさかここに配属になった理由って…」

 

「…絶対それよね」

 

おいそこぉ?

 

「代表して、天龍。お前が放て」

 

「あぁ!?俺に指図するつもりか!?」

 

「怖いか?」

 

「…やってやろうじゃねぇか!?」

 

うわー、チョロ…。軽く煽っただけでこうも乗るとは…。

 

「妖精さん、準備できた?」

 

バッチリ!!

 

ヒナンジュンビカンリョウ!!

 

「よし…おら天龍!1発決めてやれ!てめぇの日頃の鬱憤をここで果たせ!!!」

 

「俺に!指図するんじゃねぇぇ!!!」

 

さて、ここで問題

 

俺は1話で妖精さんに指示を出したのだが

さて、何を仕掛けていたでしょうか…。

 

 

 

正解は

 

\ドゴォォォォォォォォォ!!!!!!/

 

『うわわぁぁぁぁ!!??』

 

『キャァァァァァァ!!!???』

 

 

 

大量の爆薬を設置して居ました。

 

 

これを人は『爆発オチ』と言うのである。

やったぜ(歓喜)







爆発オチって最低!!
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